気になる症状

咳が止まらないのに熱はない大人は受診が必要?

熱は出ていないので、仕事を休むほどではない。それでも咳だけが何日も止まらない。この状態は周囲に説明しにくく、自分でも様子を見てよいのかどうかが決めにくいものです。市販の咳止めを試しても変わらないまま、気づけば何週間も過ぎていた、という相談も珍しくありません。

受診の要否を決める2つの材料

熱があるかどうかだけでは、受診が必要かどうかは決まりません。判断の材料になるのは、咳と一緒に出ている症状と、咳が続いている期間です。
痰に血が混じる血痰や喀血がみられるときは、期間に関係なく早めの受診がすすめられています。胸の痛みが耐え難く持続しているときは、直ちに救急外来へ。坂道や階段を登る程度で息切れが出るときは、呼吸器内科のある医療機関の受診が案内されています。
比較的元気でも、せきやたんが3週間以上続くときには何か病気があると考えたほうがよいと日本呼吸器学会は説明しています。
ここに挙げたのは目安であり、症状の感じ方には個人差があります。最終的な判断は診察した医師が行います。

参考:日本呼吸器学会「呼吸器Q&A Q2. せきとたんが3週間以上続きます。」

目次

咳が止まらないとき熱の有無では原因を絞り込めない

咳が止まらないとき熱の有無では原因を絞り込めない

熱がないという一点だけで、咳の原因を絞り込むことはできません。熱が出ていないのだから感染症ではない、という説明を見かけることがありますが、そう書いた学会や行政の資料は見当たりませんでした。まずは、熱がないという事実から何が言えて何が言えないのかを整理します。

熱がなくても咳が止まらない理由は感染症だけではない

日本呼吸器学会は、たんのないせきが3週間以上続く場合の原因として、マイコプラズマや百日咳菌、抗酸菌などによる気管支炎や肺炎を挙げています。熱が出ていなくても感染症が背景にあることはあります。同じ資料には、気道のアレルギーによる病気、胃酸の逆流、服用している薬の副作用、肺の病気なども並べられており、原因の候補は感染症と、それ以外の病気の両方に広がっています。

痰についても同じことが言えます。気道の炎症が慢性的に続く病気では、発熱がなくても膿性の痰が出るとされています。ただし同じページには、膿性のたんが出てもすぐに肺炎というわけではない、という打ち消しも併記されています。逆にかぜから続く急性気管支炎については、発熱を伴うことも多いと説明されており、熱の有無と病名が1対1で結びつく形にはなっていません。

知りたいこと 一次情報で確かめられる範囲
発熱を伴わない咳があるか 気道の炎症が続く病気では発熱がなくても痰が出ることがあるとされる
熱の有無で感染症を分けられるか 分けられると書いた資料は見当たらない
熱がないほうが軽いのか重いのか どちらとも論じた資料は見当たらない
原因の広がり 感染症とそれ以外の両方に候補が広がるとされる
熱がないことから書けるのはどこまでか

熱がないから大丈夫、とも、熱がないほうが心配だ、とも公開されている資料からは言えません。書けるのは、発熱を伴わずに続く咳もあるというところまでです。そのうえで判断の材料になるのが、咳が続いている期間と、咳以外に出ている症状という2つになります。

熱がないことから言えること。熱はないが咳が続く状態からは、感染症のこともあれば感染症以外のこともある

熱が下がってからも咳が止まらない場合に考えられる風邪のあとに残る咳(感染後咳嗽)

かぜをひいて熱は下がったのに、咳だけが残っている。この経過は受診の相談でもよく聞かれます。日本呼吸器学会は、一部のウイルス感染では感染自体が収まっても気道が過敏な状態が継続すると説明しています。これが感染後咳嗽とよばれる長期間のせきの原因になる、という書き方です。感染がまだ続いているのではなく、気道の過敏さが残っている状態を指しています。

ここで押さえておきたいのは、限定の付き方です。すべてのウイルス感染で起こるとは書かれておらず、原因になるウイルスの名前も特定されていません。持続する期間についても、この資料には週数が示されていないため、どれくらいで収まるかを一般的な日数として書くことはできません。

感染後咳嗽について 一次情報の書きぶり
起こる範囲 一部のウイルス感染では、という限定が付いている
原因になるウイルス 名前は特定されていない
体で起きていること 感染自体は収まり、気道が過敏な状態が続く
続く期間 週数は示されていない

参考:日本呼吸器学会「呼吸器Q&A Q1. からせき(たんのないせき)が3週間以上続きます。」

感染後咳嗽という言葉があること自体は、熱が下がったあとに残る咳を理解する助けになります。ただし、残っている理由をこれだと自分で決めてしまうと、別の原因を見落とすことにつながります。熱の有無で絞り込めない以上、手がかりになるのは期間と、咳以外の症状です。

熱はないまま咳が止まらないとき3週間が病気を疑う境目

熱はないまま咳が止まらないとき3週間が病気を疑う境目

咳が続く期間について、日本呼吸器学会のガイドラインでは3週間までの急性咳嗽と、3週間を超えて続く遷延性・慢性咳嗽に分けて対応を考えるとされています。この記事でも、期間の線引きはこの3週間の1本で扱います。

期間に関係なく早めの受診がすすめられている場合

3週間という線は、それまで待っていてよいという意味ではありません。痰に血が混じる、胸の痛みが耐え難く持続している、坂道や階段を登る程度で息切れが出る、といった場合は期間に関係なく受診がすすめられています。
期間の目安は、こうしたサインが出ていないときに、いつ動くかを決めるための材料です。

咳が止まらないのが3日や1週間のうちはまだ急性の咳にあたる

日本呼吸器学会は、からせきを起こす原因の多くはかぜであり、かぜによるせきは通常3日以内にピークを越えて次第に症状が治まると説明しています。数日たっても咳が長引く場合には、別の原因が考えられるという続き方です。同じページには、感染症によっては数日間症状が続き、さらに息切れを伴って重くなる可能性があるという例外も併記されています。

咳が続いている期間 一次情報での位置づけ
3日以内 かぜによるせきは通常この間にピークを越えて次第に治まるとされる
3週間まで 急性咳嗽として扱われる
3週間を超える 遷延性・慢性咳嗽として扱われる

急性の咳のほとんどは感染症によるものとされていますが、これは3週間までの咳についての説明であり、長引いた咳にそのまま当てはめられるものではありません。そして短い期間であっても、急性なら様子を見てよいという意味にはなりません。息切れや胸の痛み、血の混じった痰といった症状が一緒に出ているなら、日数を数えるより先に受診してください。

咳が止まらないまま2週間たつのはなぜ?

2週間という区切りは、検索でもよく使われる数字です。ただし2週間は咳の期間区分ではありません。急性と遷延性・慢性を分ける線は3週間であり、2週間はこれとは別の系統の数字として、特定の病気の早期発見のために使われています。

2週間という数字はどこから来ているか

厚生労働省は結核の早期発見について、啓発リーフレットの中で「せき・たんが2週間以上続いたり、微熱や体のだるさが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。」と呼びかけています。国立がん研究センターのがん情報サービスも、原因が分からない咳や痰が2週間以上続く場合や血痰が出る場合には、早めに近くの医療機関を受診するようすすめています。

数字 何についての目安か 示している資料
3週間 急性と遷延性・慢性の区分/せきやたんが続くときに病気を考える目安 日本呼吸器学会
2週間 結核の早期発見のための受診の呼びかけ 厚生労働省の啓発リーフレット
2週間 原因の分からない咳や痰が続くときの受診の目安 国立がん研究センター がん情報サービス
2週間 せきが続く場合のエックス線検査の案内 日本呼吸器学会

参考:厚生労働省「結核・呼吸器感染症予防週間 リーフレット」

注意したいのは、この2週間が国の指針に定められた期間ではないことです。結核に関する特定感染症予防指針は、咳や喀痰、微熱などの有症状時に早期受診を勧奨するとしているだけで、週数の指定は置かれていません。2週間という数字の出どころは啓発資料や学会の案内であって、法令上の線引きではない、という位置づけになります。

そのうえで、咳が2週間続いている時点でできることはあります。日数を数えて3週間まで待つのではなく、そのあいだの経過をメモに残しておくと、受診したときに医師へ伝えられる材料が増えます。何を書き留めておくとよいかは、受診で伝える内容として後の章で整理します。期間はあくまで判断材料の1つで、単独で受診の可否を決めるものではありません。

元気でも咳が止まらない状態が3週間を超えて1ヶ月や2ヶ月続く場合

日本呼吸器学会は、比較的元気でも、せきやたんが3週間以上続くときには何か病気があると考えたほうがよいと説明しています。かぜは通常3週間も続かないため、という理由づけが添えられています。1ヶ月や2ヶ月続いているのであれば、この線はすでに越えていることになります。

ここでいう「何か病気がある」は、重い病気があるという意味では書かれていません。原因を確かめる段階に入っている、という理解が原文に近いといえます。この時点で原因を自分の中でひとつに決めてしまわないことが、その後の経過を追ううえでは役に立ちます。思い当たる理由があっても、それが唯一の原因とは限らないためです。

日常生活が送れているために受診が後回しになりやすいのも、この時期の特徴です。仕事に行けている、食欲もある、熱もない。それでも期間の線を越えているなら、一度診てもらうという選択が取れます。元気であることは、期間の線引きを打ち消す材料にはなりません

熱はないのに咳が止まらない大人は受診したほうがよい?

熱はないのに咳が止まらない大人は受診したほうがよい?

受診したほうがよいかどうかは、緊急度と期間の2つに分けて考えると整理できます。ここでは、すぐ動いたほうがよい場合、早めに予定を立てればよい場合、そして受診の予約が要るかどうかを順に確認します。

咳が止まらないうえに胸が痛い・息苦しいときは今すぐ受診

期間に関係なく、早めの受診がすすめられている症状があります。以下は日本呼吸器学会が一般向けの解説で示している内容です。

  • 血痰や喀血がみられるとき
  • 耐え難く持続する胸の痛みがあるとき
  • 坂道や階段での息切れが出るとき
  • 突然の声のかすれに胸の痛みや呼吸困難を伴うとき
  • 多量の喀血は夜間なら救急病院へ
症状 一次情報が示している行動
血痰・喀血 早めに医療機関を受診する。多量の喀血は窒息などの危険性があるためできるだけ早く病院へ、夜間は救急病院へ
胸の痛み 耐え難く持続している場合は直ちに救急外来へ。症状が比較的軽い場合は内科、とくに呼吸器内科または循環器内科の受診が望ましいとされる
坂道や階段での息切れ 酸素を体に取り込む働きや運ぶ働きに支障がある病気が考えられるため、呼吸器内科のある病院の受診がすすめられている
突然の声のかすれ 激しい胸痛や呼吸困難を伴うときは緊急の場合があるため、直ちに近くの医療機関へ

参考:日本呼吸器学会「呼吸器Q&A Q8. 急に胸が痛くなり良くなりません。心臓や肺の病気でしょうか?」

条件の付き方には注意が必要です。胸の痛みがあれば救急外来、という書き方ではなく、耐え難く、持続している場合という限定が置かれています。声のかすれについても、大きな声を出したあとやかぜに伴う一時的なものは心配ないとされ、他に明らかな原因がなく続くときに耳鼻咽喉科の受診がすすめられています。血痰の原因は肺の病気に限らず、抗凝固薬を服用している場合も挙げられているため、症状の名前だけで重さを決めることはできません

3週間を過ぎても咳が止まらないなら早めに受診

上に挙げたサインがないまま咳だけが続いているなら、判断の軸は期間に移ります。3週間を過ぎた時点が、受診に動く合図です。前章で触れた日本呼吸器学会の線が、そのまま受診のタイミングに当たると考えてください。

受診しても何も見つからないのではないか、と迷う方もいます。ただ、受診の目的は病名を告げられることだけではありません。咳が続いている期間、一緒に出ている症状、服用している薬といった情報を医師に渡し、必要な検査の見当をつけてもらう役割もあります。何もなかったと分かること自体が、次の一手を決める材料になります

長引く咳では、原因を絞り込むために時間がかかることもあります。1回の受診で終わらせるつもりで臨むより、経過を見てもらう前提で最初の相談をしてください。

咳が止まらないとき予約なしで受診できる?事前予約が必要になる場合

受診を決めたあとに引っかかりやすいのが、予約の要否です。池袋かめさん内科では、一般の内科診療は予約なしで受診できます。ただし発熱を伴う場合や感染症が疑われる場合は、事前に発熱外来の予約が必要です。

咳だけだから予約は要らない、あるいは咳があるから発熱外来になる、と一律に決まるわけではありません。当日の症状によって案内が変わるため、迷ったときは電話・WEB・LINEのいずれかで事前に確認しておくと、受付での行き違いを避けられます。

3週間の線を越えている方、あるいは血痰や息切れが出ている方は、その内容を伝えたうえで受診してください。池袋かめさん内科の内科診療では、咳や鼻水、のどの痛みといった症状の相談を受け付けています。診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。一般の内科診療は予約なしで受診できます。予約を希望する場合は、WEB予約LINE、電話(03-3986-4466)を利用できます。

熱がなくても咳が止まらない人が受診で伝える症状や薬

熱がなくても咳が止まらない人が受診で伝える症状や薬

診察の時間は限られています。何を聞かれるかが分かっていれば、短い時間でも話しやすくなります。咳の場合、医師が知りたいのは咳そのものの様子だけではなく、いつ強くなるか・ほかに何が出ているか・何を使っているかの3つに整理できます。

咳が止まらないのが夜に強くなるかどうか

日本呼吸器学会は、どういった時間帯に咳が多いかが診断の有力な手掛かりとなるとしています。使われているのは「手掛かり」という言葉で、時間帯から病名が決まるという書き方ではありません。伝える価値がある情報ではあるものの、時間帯だけで結論が出るものではない、という位置づけです。

成人のぜん息については、症状が夜間や早朝に起こりやすいという特徴が示されています。季節の変わり目や前日より気温が下がるとき、疲労が蓄積しているとき、たばこや線香などの煙や強いにおいの刺激を受けたときに急に悪化することがある、という説明も添えられています。これも悪化することがあるという書き方で、いつも悪化すると示されているわけではありません。

参考:アレルギーポータル(日本アレルギー学会)「成人のぜん息」

受診の前に記録しておくと役立つのは、次の点です。

  • 咳が強くなる時間帯
  • 横になったときに変化するかどうか
  • 外出先と自宅で違いがあるかどうか

手元のメモ1枚でも、その場で思い出そうとするより正確に伝えられます

咳が止まらないときに一緒に出ている症状を伝える

咳以外の症状は、原因を絞る手がかりになります。次の項目は、受診のときに伝えると役立つものの例です。

伝える手がかり 具体例
痰の色・痰なし
鼻水・鼻づまり
のど 喉の痛み・喉のイガイガ・喉に違和感・声が出ない・声枯れ
全身 頭痛・倦怠感やだるさ・寒気・食欲がない・味覚がない
そのほか 目やに・下痢・背中の痛み

見落としやすいのは、痰の色から原因は決まらないという点です。色のついた痰が出たから細菌の感染だ、透明だからかぜだ、という読み替えはできません。気道の炎症が慢性的に続く病気では発熱がなくても膿性の痰が出るとされており、色は病名と1対1で結びついていません。

同じことは、ほかの症状にも当てはまります。1つひとつの症状は診断そのものではなく、あくまで手掛かりです。症状の組み合わせから自分で病名を絞り込もうとせず、出ているものをそのまま伝えるほうが役に立ちます。いつから出ているか、強くなっているのか弱まっているのかを添えられると、さらに材料が増えます。

咳が止まらないときは服用中の薬やタバコの習慣も伝える

咳の原因を考えるとき、いま使っている薬と喫煙の習慣は欠かせない情報です。次の4つは、受診時に伝えておきたい項目です。

  • 血圧の薬など服用中の薬
  • 吸入ステロイド薬
  • 抗凝固薬
  • 喫煙歴と本数

血圧の薬について実際に確認できたのは、エナラプリルマレイン酸塩錠1剤の添付文書です。呼吸器の副作用として、咳嗽と咽頭炎が頻度0.1〜5%未満の欄に載っています。この薬はアンジオテンシン変換酵素阻害薬に分類されますが、1つの製品の記載から広げて説明しているため、同じ分類のすべての薬に同じ頻度が当てはまるとは限りません

参考:PMDA「エナラプリルマレイン酸塩錠2.5mg/5mg/10mg「サワイ」添付文書」

長引く乾いた咳の原因として降圧薬の副作用が考えられる場合、治療としては薬の種類を変更するとされています。ただしこの判断を行うのは処方している医師です。咳が気になるからといって自己判断で薬を中止したり量を変えたりせず、服用中の薬をそのまま伝えてください。吸入ステロイド薬については、副作用で声のかすれが起きる場合があり、薬剤の変更や中止で改善するとされています。抗凝固薬は、痰に血が混じったときに考える要因の1つとして挙げられています。

喫煙については、たばこをたくさん吸う方は健康でもせきやたんが出ると学会が説明しています。健康でも出るということは、逆にいえば喫煙している方の咳を喫煙だけで説明してしまうと、別の原因を見落としかねないということでもあります。喫煙歴と1日の本数は、そのまま伝える情報として扱ってください。

受診のときに伝えると役立つこと

咳が続いている期間と、強くなる時間帯や場面。
咳以外に出ている症状と、痰があるかどうか。痰の色は原因を決める材料にはなりません。
服用中の薬と喫煙歴。薬は自己判断で中止せず、そのまま伝えてください。

熱はないのに咳が止まらないときは何科?内科と耳鼻咽喉科(耳鼻科)

熱はないのに咳が止まらないときは何科?内科と耳鼻咽喉科(耳鼻科)

咳の相談先は1つに決まっていません。日本呼吸器学会は症状に応じて診療科を書き分けており、そのうえでよく分からない場合は内科の受診を勧めるとしています。ここでは、どの科がどんな理由で候補になるのかを見ていきます。

咳が止まらないのに何科か分からないときに内科が勧められる理由

学会が示している書き分けでは、鼻の中やのどからの出血は耳鼻咽喉科、血痰や喀血がみられる場合は呼吸器科、吐血の場合は消化器科が専門とされています。そのうえで、よく分からない場合は内科を受診することを勧めると明記されています。迷ったときの受け皿として学会が名前を挙げているのが、内科ということになります。

熱のない咳が続いているとき、出血のようにはっきりした手がかりがないことは珍しくありません。痰がある日とない日がある、夜だけ強い、鼻の症状も少しある、といった状態では、どの科に当てはまるのかを自分で決めるのは難しいものです。科を決めきれないこと自体が、内科から入る理由になります

内科での受診は、そこで完結させるためのものとは限りません。話を聞いて必要な検査の見当をつけ、別の科での対応が適していれば紹介につなげる、という流れが取れます。受診したあとで方針を組み替えられるという点が、最初の相談先を選ぶときの目安になります。

受診先の考え方。咳が中心なら内科、鼻の症状が強いなら耳鼻咽喉科、長引くときは紹介

鼻水や鼻づまりを伴って咳が止まらないなら耳鼻咽喉科(耳鼻科)も選択肢になる

鼻水がのどに流れる症状を後鼻漏といいます。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、副鼻腔炎に伴う後鼻漏について、痰や口臭の原因になるだけでなく、のどや気管を刺激して咳の原因になることもあると説明しています。鼻の症状と咳が同時に出ている場合に、耳鼻咽喉科が候補に入るのはこのためです。

参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の症状」

もっとも、鼻水があれば耳鼻咽喉科と決まるわけではありません。鼻水の一部がのどに回るのは誰にでもある生理的な現象だと同じページに書かれており、後鼻漏があること自体が異常を意味するものではないとされています。副鼻腔炎については、鼻づまりや粘性の鼻汁、頭重感、においがしないといった症状が続く場合に慢性化している可能性があるとされています。

受診先は、症状だけで一意に決まるものではありません。そのうえで目安を挙げるなら、鼻やのどの症状が咳と同じくらい気になるなら耳鼻咽喉科、咳が中心で全体の見当をつけたいなら内科、という考え方が取れます。どちらか一方でなければならない、という決まりはありません。受診したあとに別の科が適していると分かれば、その時点で切り替えられます。

咳が止まらない状態が長引くときの呼吸器内科への紹介

長引くからせきについては、呼吸器内科で鑑別が行われていると学会が案内しています。症状によっては、より詳しい検査ができる医療機関での対応が必要になります

池袋かめさん内科では、症状が長引く場合に近隣の専門病院へご紹介しています。紹介が必要かどうかは、診察と当院で対応できる範囲の検査を行ったうえで判断します。あらかじめ紹介先が決まっているわけではなく、最初から大きな病院に行くべきかどうかも、症状の内容によって変わります。

受診先を決めるときの考え方
血痰や耐え難く持続する胸の痛み、坂道や階段での息切れがあるときは、科を選ぶより先に受診の早さを優先してください。
そうしたサインがないまま咳が続いている場合は、内科から相談し、必要に応じて紹介を受ける流れが取れます。
どの科が適しているかの判断は、診察を受けたうえで医師が行います。

咳が止まらないのは乾いた咳(空咳)か痰が絡む咳か

咳が止まらないのは乾いた咳(空咳)か痰が絡む咳か

咳の質は、受診のときに伝える情報として役に立ちます。ただし先に断っておきたいことがあります。

痰の有無や咳の音だけでは病名は決まりません

このあとに挙げるのは、それぞれのタイプで一次情報に挙げられている原因の候補です。多い原因の列挙であって、診断の根拠ではありません。
頻度や順位も示されていないため、上から順に可能性が高いという読み方はできません。

乾いた咳(空咳)が止まらないときに考えられる原因

日本呼吸器学会のガイドラインのダイジェスト版と、同学会の一般向け解説を合わせると、乾いた咳が続くときの原因として次の候補が挙げられています。

  • 咳喘息
  • アトピー咳嗽
  • 喉頭アレルギー
  • 胃食道逆流
  • 百日咳
  • マイコプラズマ肺炎

このうち咳喘息は、ゼーゼー・ヒューヒューといった音や息苦しさがなく、咳が唯一の症状とされる病気です。ただし乾いた咳が続いていればこれに当たる、という読み方はできません

風邪のあとに残る咳については、記事の前半で扱った感染後咳嗽が該当するため、このリストは乾いた咳の原因を出しつくしたものではありません。候補の一部を並べたものとして読んでください。

このうち胃食道逆流について、日本消化器病学会の患者向けガイドは、胃の中の酸が食道へ逆流して胸やけや呑酸などの症状を起こす病気だとしたうえで、のどの違和感や慢性的に咳が持続する患者さんもいると説明しています。逆流は食後2〜3時間までに起こることが多いとされていますが、これは逆流が起こりやすい時間帯であって、咳の診断基準ではありません。

参考:日本消化器病学会『患者さんとご家族のための 胃食道逆流症(GERD)ガイド2023』

マイコプラズマ肺炎については、誤解されやすい点があります。公的な疾患解説では、発熱、倦怠感、頭痛に続いて咳が現れるとされており、熱が先に出る経過が書かれています。熱の出ない咳の代表として挙げられる病気ではありません。アトピー咳嗽についても、定義や診断基準を示した一次情報を確認できなかったため、この記事では名称を挙げるにとどめます。

痰が絡む咳が止まらないときに考えられる原因

せきとたんが3週間以上続く場合について、日本呼吸器学会は次の原因を挙げています。

  • 喫煙歴のある方ではCOPD
  • 喘息
  • 慢性副鼻腔炎や通年性アレルギー性鼻炎による後鼻漏
  • まれに結核・非結核性抗酸菌症・気管支拡張症・肺がん

COPDは慢性閉塞性肺疾患のことで、息切れやせき、たんなどの症状を起こす病気とされています。非結核性抗酸菌症は、結核菌以外の抗酸菌が肺に感染して起こる病気です。

そのうえで外せないのが、原文に置かれた条件です。COPDが挙げられているのは「喫煙歴のある方では」という条件のもとであり、喫煙歴のない方に当てはめる書き方はされていません。結核・非結核性抗酸菌症・気管支拡張症・肺がんには「まれに」という限定が付いています。この2つの言葉を外して受け取ることはできません。

痰が絡む咳が続いている場合でも、リストの上から順に自分に当てはめていく読み方は意味を持ちません。確かめる手順は、症状を伝えたうえで検査に進むことであって、候補を絞り込んで受診先を変えることではありません。

伝えると手掛かりになること。痰の有無・咳の音・出る時間帯。これだけでは病名は決まらない

咳が止まらないときは痰の有無や咳の音だけでは病名は決まらない

日本呼吸器学会は、咳が出る時間帯や体位について「診断の有力な手掛かり」という言い方をしています。手掛かりであって、病名を割り当てる基準ではありません。次に挙げるのは、受診時に伝える手掛かりの例です。

  • ゼーゼーという音を伴う咳
  • 音のない乾いた咳だけが続く
  • 胸やけを伴う
  • 仰向けに寝ると咳と痰が出る
  • 横になってしばらくして咳や息苦しさが出る

この5つに、それぞれ対応する病名や受診先が決まっているわけではありません。他に出ている症状もあわせて医師に伝えることで、はじめて手掛かりとして働きます。どの科にかかるかの考え方は、記事の前半で整理したとおりです。

咳の質が途中で変わることもあります。最初は乾いた咳だったのに痰が絡むようになった、という経過も、それ自体が伝える価値のある情報です。変化そのものを覚えておくほうが、いまの状態を1つの型に当てはめるより役に立ちます

レントゲンで異常なしと言われても咳が止まらないとき

レントゲンで異常なしと言われても咳が止まらないとき

受診してレントゲンを撮り、異常はないと言われた。それでも咳は止まっていない。この段階で行き止まりに感じてしまう方は少なくありません。ただ、レントゲンで異常がなくても、原因がまだ分からないことはあります。それでも確かめる順番は1つ進んでいます

咳が止まらないときのレントゲンなどの検査で分かる範囲

日本呼吸器学会は、せきが長く続いたら近くのクリニックでエックス線写真を撮ることをすすめています。エックス線写真では異常陰影が見えることがあるとされ、長引く咳の相談で最初に行われる検査という位置づけです。池袋かめさん内科でも、診療の流れの中で必要に応じて、血液検査・尿検査・心電図・レントゲンなどの検査を実施しています。

同時に、同じ資料にはCT検査で初めて見えるわずかな陰影もあると書かれています。つまりエックス線写真で異常がなかったことは、画像で見える範囲に写るものがなかったという意味であり、咳の原因がないと確認されたわけではありません。ここを取り違えると、異常なしと言われた時点で受診をやめてしまうことになります。

検査の実施範囲は医療機関によって異なります
ここで挙げているのは、長引く咳に対して一般に行われる検査の説明です。どの検査をどこまで行えるかは医療機関ごとに異なります。
池袋かめさん内科では、CT検査・呼吸機能検査・喀痰検査は行っていません。必要と判断した場合は、近隣の専門病院へご紹介します。

レントゲンで分かる範囲。異常陰影が見えることがある一方でCTで初めて見える陰影もあり、原因がないと確認されたわけではない

血液検査などで咳が止まらない原因を絞っていく

画像で異常がなかったあとに続く検査についても、学会の解説に説明があります。感染症であれば血液検査で炎症の反応や抗体を調べ、喘息であれば呼吸機能検査や血液検査を行うとされています。近年は、呼気一酸化窒素で気道の炎症を確認できる施設が増えているとも書かれています。たんを容器に出す検査で調べられるのは、細菌や結核菌、がん細胞、好酸球などです。

検査 一次情報で説明されている内容
エックス線写真 異常陰影が見えることがある。CTで初めて見えるわずかな陰影もある
血液検査 感染症では炎症の反応や抗体を調べる。喘息の検査としても挙げられている
呼吸機能検査 肺活量や1秒率などを調べる。肺活量は性別・年齢・身長から求めた標準値に対して80%以上、1秒率は努力肺活量に対する1秒量の割合で70%以上を正常とする
痰の検査 細菌・結核菌・がん細胞・好酸球などを調べられるとされる
呼気一酸化窒素 気道の炎症を確認できる。実施できる施設が増えてきているという書き方

参考:日本呼吸器学会「呼吸器Q&A Q27. 肺機能検査とはどのような検査法ですか?」

呼気一酸化窒素の検査は、どこでも受けられると書かれているわけではありません。同じように、痰の検査や呼吸機能検査も、対応している医療機関とそうでない医療機関があります。上の表は一般に行われる検査の一覧であって、1か所ですべて受けられることを示すものではありません。

どの検査をどこまで行うかは、症状の経過や一緒に出ている症状をもとに医師が判断します。検査の名前を指定して受けるものではなく、伝えた情報が次に何を調べるかを決める材料になります

検査をしても咳が止まらない原因が分からず病院を変えるか迷うとき

検査を受けても原因がはっきりせず、別の医療機関にかかり直すかどうかで迷う。この状態は、長引く咳の相談でしばしば起こります。判断の前に押さえておきたいのは、原因を探す手順が「単一あるいは主要な原因を探索する」と書かれていることです。裏を返せば、複数の要因が重なっていて一度で決まらないこともある、ということになります。

処方された咳止めが効かなかった場合にも、同じ考え方が当てはまります。日本呼吸器学会は、鎮咳薬の効果が乏しいときにはもう一度基本に戻り、隠れたせきの原因がないかをよく検査する必要があるとしています。薬が効かなかったという事実そのものが、次に何を調べるかを決める材料の1つになります。

かかり直すときに持っていくもの

医療機関を変えるかどうかにかかわらず、これまでの経過を1か所にまとめておくと話が早く進みます。

まとめておく項目 書いておく内容
咳が始まった時期 いつから続いているか。強くなった時期があるか
受けた検査と結果 エックス線写真や血液検査など。異常なしと言われたかどうか
処方された薬 薬の種類と飲んだ期間
飲んだあとの変化 変わらなかったか、一時的に軽くなったか

この4項目は、これまでの経過を医師に共有するための資料になります。どの検査をあらためて行うかは、診察のうえで医師が判断します。紹介状がある場合は、それも持参してください。

かかりつけで経過を追ってもらうか、別の医療機関で見直すかに、正解が決まっているわけではありません。ただ、行き先を増やすほど情報が分散するという面はあります。経過をまとめた記録を持って、まず一度相談してみるところから整理し直すのが現実的でしょう。

健康診断の胸部X線で影を指摘されたとき

健康診断の胸部X線で影を指摘されたとき

咳が続いているところに健康診断の結果が届き、胸部X線で影を指摘された。あるいは咳はないのに影だけを指摘された。どちらの場合も、次に何をするかは同じ考え方で決められます。

咳などの症状がなくても医師の診察が勧められる理由

自治体の住民検診や職域検診では、胸部エックス線で結節影と呼ばれる類円形の影を指摘されることがあります。日本呼吸器学会は、結節だけでは症状がないことも少なくないため、症状がないからといってそのままにせず、医師の診断を受けることが重要としています。

参考:日本呼吸器学会「呼吸器Q&A Q22. 胸部エックス線画像で異常があり、類円形の影あるいは結節影だと言われました。」

症状の有無で判断できない理由は、肺の病気の見つかり方にも表れます。国立がん研究センターのがん情報サービスは、肺がんについて特徴的な症状はないとし、咳や痰、血痰、胸の痛み、動いたときの息苦しさはいずれも肺炎や気管支炎など他の呼吸器の病気にも共通する症状だと説明しています。日本人では無症状のまま、検診や他の病気で画像を撮ったときに偶然見つかる場合が多いとも書かれています。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「肺がんについて」

咳があるから検査が必要で、咳がなければ不要、という切り分けは成り立ちません。指摘された影は、咳の有無と切り離して扱う情報です。

健康診断で指摘された影に精密検査で異常が見つからないこともある

影を指摘されると重い病気を想像しがちですが、学会は反対側のことも書いています。精密検査の結果、特に異常がないということもあり得るという一文です。実際、結果が出る前からあまり心配をしないように、という呼びかけも同じページに置かれています。

学会が示している2つの事実 内容
そのままにしない理由 結節だけでは症状がないことも少なくないため、症状がなくても医師の診断を受けることが重要とされる
心配しすぎない理由 精密検査の結果、特に異常がないということもあり得るとされる

この2つは矛盾していません。症状の有無では判断できないから調べる、調べた結果として異常がないこともある、という順番です。

咳が止まらないまま健康診断の再検査・二次検査を内科で受ける

健診の結果票に再検査や二次検査の指示があるとき、その受け皿になるのが内科です。池袋かめさん内科では、豊島区の特定健診やがん検診、企業健診を実施しており、健康診断の枠で健診の相談も受け付けています。健診は予約制のため、内科診療とは受け方が異なります。

再検査を受けるときに持っていくもの

再検査の内容は、指摘された項目によって変わります。結果票そのものを持参すると、どの項目でどの判定が出ているかがその場で確認でき、必要な検査の見当をつけやすくなります。咳が続いているのであれば、いつから続いているか・痰があるか・夜に強くなるかもあわせて伝えてください。

再検査のときの準備。結果票・いつから続いているか・痰があるか・夜に強くなるか

再検査でどこまで対応できるか、より詳しい検査が必要かどうかは、診察のうえで判断します。検査の内容が結果票だけで確定するものではないということです。結果票を受け取った時点で迷いがあるなら、まず持って行って相談する、という使い方ができます。

熱はないのに咳が止まらないとき仕事を休む?

熱はないのに咳が止まらないとき仕事を休む?

咳が続いていても熱がないと、休む理由として説明しにくいものです。ここでは休むか出るかを決めつけるのではなく、働きながら判断するための材料を整理します。

熱はなくても咳が止まらないときに人へうつす心配はある?

うつすかどうかは、熱の有無ではなく咳の原因によって変わります。熱がないから人にうつさない、という説明が成り立つ資料は見当たりませんでした。

うつる原因とうつらない原因が両方ある

たとえば百日咳は、成人では咳が長く続く一方で、軽症に経過するため見逃されることがあるとされています。それでも菌の排出があるため、ワクチン未接種の新生児や乳児に対する感染源として注意が必要だと書かれています。一方で、肺非結核性抗酸菌症は結核菌とは異なり人から人には感染しないとされる病気です。感染後咳嗽のように、感染自体は収まっていて気道の過敏さが残っている状態もあります。薬の副作用による咳のように、感染とは無関係の原因もあります。

判断の材料 分かっていること
熱の有無 うつるかどうかを決める材料にはならない
咳の原因 感染するものと感染しないものの両方がある
原因の特定 症状だけでは決められず、診察と検査が必要

つまり、休むべきか出勤してよいかを症状だけで決めることはできません。判断が必要な状況なら、咳が続いていること自体を相談材料にして受診し、そのうえで職場への伝え方を決めるほうが確かです。

咳が止まらないまま職場で過ごす場合の咳エチケット

出勤して過ごす場合の注意として、日本呼吸器学会はかぜ症候群や急性気管支炎の生活上の注意を示しています。これは急性期についての一般的な注意であり、長引く咳への対処法として書かれたものではない点に注意してください。

  • 咳エチケット
  • 手洗い

具体的には、外出時のマスク着用、外出後の手洗いとうがい、くしゃみの際に鼻と口をティッシュや衣服で覆う咳エチケットの励行が挙げられています。治療については安静・水分・栄養補給による対症療法が中心とされています。

参考:日本呼吸器学会「呼吸器の病気 A-01 かぜ症候群」

加湿やのど飴といった方法については、学会や行政の資料で裏づけを確認できませんでした。この記事で一次情報を確認できたのは、上に挙げた急性期の一般的な注意までの範囲です。喫煙している方であれば、禁煙が呼吸器症状の改善につながるとされている点も、あわせて検討の材料になります。

職場で過ごしながら咳が続いているなら、その状態を続ける期間に区切りを置いてください。3週間の線を越えているなら、働けているかどうかとは別に、受診する段階に入っています。

熱はないのに咳が止まらないときのよくある質問

熱はないのに咳が止まらないときのよくある質問

最後に、熱のない咳について寄せられやすい質問を15項目にまとめました。

咳が止まらないとき市販の咳止めは飲んでよい?

市販の咳止めを飲んでよいかどうかは、一律には決められません。効果や限界を示した学会・行政の資料を確認できなかったため、この記事では効くとも効かないとも書けないからです。分かっているのは、咳止めに含まれる成分ごとに働きが異なることと、咳を抑える薬は原因を取り除く薬ではないことです。自己判断で飲み続けるより、続く期間で区切りを決めるほうが確かです。せきやたんが3週間以上続いているなら、市販薬を試すかどうかとは別に受診の段階に入っています。使用中の薬がある場合は、受診のときにそのまま伝えてください。

しつこい咳を止める方法はある?

咳を早く止める一般的な方法として、学会や行政の資料で裏づけを確認できたものは多くありません。確認できたのは、喫煙している方の禁煙と、急性期の一般的な注意、そして原因を確かめるための受診の3つです。禁煙については、禁煙後早ければ1ヵ月たつと、せきや喘鳴などの呼吸器症状が改善するとされています。加湿やのど飴などの方法は裏づけを確認できなかったため、この記事では扱いません。咳の止め方は原因によって変わるため、まず原因を確かめる順番になります。

咳止めを飲んでも咳が止まらないときは?

日本呼吸器学会は、咳を抑える薬の効果が乏しい場合には、もう一度基本に戻り、隠れたせきの原因がないかをよく検査する必要があるとしています。薬で止まらないことは行き止まりではなく、原因を確かめ直す合図として扱われている、という位置づけです。処方された薬を飲んでいるのに変わらないなら、いつから飲んでどう変わらなかったかを処方した医師に伝えてください。自己判断で量を増やしたり、別の薬を足したりする場面ではありません。

原因を確かめ直す合図

咳が止まらないときに抗生物質が使われるのはどんな場合?

日本呼吸器学会のガイドラインのダイジェスト版では、ピークを過ぎた咳に対して抗菌薬を処方すべきではないとされ、非定型感染症に対しては考慮しうるとされています。かぜ症候群についても、ウイルスに効果のない抗菌薬は不要という説明です。ただし扁桃に細菌感染を疑わせる分泌物が認められるような場合には、抗菌薬の投与が必要になることもあると例外が置かれています。使うかどうかを決めるのは診察した医師であり、効かないと言い切れるものでもありません。

熱はないのに咳が止まらないのはコロナやインフルエンザ?

ウイルス感染のあとに咳だけが残ることはあります。日本呼吸器学会は、一部のウイルス感染では感染自体が収まっても気道が過敏な状態が継続し、感染後咳嗽とよばれる長期間のせきの原因になると説明しています。ただし原因になるウイルスの名前は特定されておらず、症状だけで特定の感染症だと決めることはできません。検査を受けずに病名を推測しても次の行動は決まらないため、続いている期間と一緒に出ている症状を伝えて受診し、必要な検査を判断してもらう流れになります。

マイコプラズマ肺炎(マイコプラズマ)は熱がなくても咳だけ出る?

公的な疾患解説では、マイコプラズマ肺炎は発熱、倦怠感、頭痛に続いて咳が現れるとされており、発熱が先に来る経過が書かれています。そのため、熱の出ない咳の代表として挙げられる病気ではありません。ただし咳は当初は乾いた咳で、経過に従って強くなり、解熱後も3〜4週間続くとされています。熱が下がったあとに咳だけが残っている状態はあり得る、という読み方になります。いずれにしても、症状だけで判断はできません。

参考:国立健康危機管理研究機構「マイコプラズマ肺炎」

咳をしている人からうつる?

うつるかどうかは咳の原因によって変わり、咳をしているという事実だけでは決まりません。感染するものもあれば、肺非結核性抗酸菌症のように人から人には感染しないとされるものもあります。薬の副作用や気道の過敏さが残っている状態など、感染とは無関係の原因もあります。何日で感染しなくなるかについて、この記事で使える一次情報は確認できませんでした。同居している方や職場で心配がある場合は、その状況も含めて医師に相談してください。

うつるかは原因による

咳が止まらず熱も出てきたときは?

熱が出てきた場合は、この記事が扱っている範囲から外れます。池袋かめさん内科では、発熱を伴う場合や感染症が疑われる場合は、事前に発熱外来の予約が必要です。一般の内科診療は予約なしで受診できますが、発熱がある場合は受け方が変わるため、電話・WEB・LINEのいずれかで先に確認してください。電話は03-3986-4466、WEB予約LINEからも連絡できます。

夜になると咳がひどくなるのはなぜ?

日本呼吸器学会は、どういった時間帯に咳が多いかが診断の有力な手掛かりとなるとしています。手掛かりという言葉のとおり、夜に強いことから病名が決まるわけではありません。成人のぜん息では症状が夜間や早朝に起こりやすいとされていますが、これも夜の咳をすべて説明するものではありません。夜に強い咳が続いているなら、その事実と、横になったときに変わるかどうかを記録して受診してください。時間帯だけで判断せず、期間と他の症状とあわせて医師に伝えるのが確かです

子どもの咳が止まらないときはどうする?

この記事は成人を対象に書いており、お子さんの咳については扱っていません。お子さんの咳が続いている場合は小児科を受診してください。池袋かめさん内科に小児科はありません。咳の期間の考え方も、成人と小児では診療の手順が分けられており、この記事で示した3週間の線をそのまま当てはめることはできません。登園や登校の判断についても、かかりつけの小児科で相談してください。

高齢者で咳が止まらないときも3週間で考えてよい?

年代別に線引きを変えると示した学会・行政の資料は見当たりません。日本呼吸器学会が示している3週間の線は、年齢で区切られていません。比較的元気でも、せきやたんが3週間以上続くときには何か病気があると考えたほうがよい、という説明がそのまま当てはまります。本人だけで経過を整理するのが難しい場合は、家族が記録を手伝う方法もあります。咳が始まった時期と、一緒に出ている症状を書き留めておくと、受診のときに伝えやすくなります。

目安は年齢によらない

咳が止まらないのに喉は痛くないこともある?

喉の痛みがないまま咳だけが続くこと自体は起こり得ます。ただし、なぜ痛みを伴わないのかについて、学会や行政の資料に説明は置かれていません。そのため、喉の痛みがないことを手がかりに原因を絞り込むことはできません。伝える価値がないという意味ではなく、受診のときに伝える手掛かりの1つとして扱うのが適切です。喉の痛み・喉のイガイガ・喉に違和感といった項目は、あるかないかをそのまま伝えてください。判断は診察した医師が行います。

咳のしすぎで肋骨が痛い・えずくときは?

日本呼吸器学会は、肋骨骨折が外傷や激しい咳などで生じることがあると説明しています。また、からせきが強いと体力の消耗や不眠など不快な症状を起こす場合があるとされています。どのくらいの頻度で起こるかは書かれていないため、咳が続くと骨折すると考える必要はありません。えずきについては、学会や行政の資料に説明を確認できませんでした。起きている頻度や経過を、受診のときに伝えてください。区別したいのは、耐え難く持続している胸の痛みです。その場合は直ちに救急外来の受診がすすめられており、咳のあとに残る痛みとは扱いが異なります。

咳が止まらない状態が3ヶ月以上続いているときは?

3ヶ月続いているなら、日本呼吸器学会が示す3週間の線はすでに大きく越えています。せきやたんが3週間以上続く場合は、比較的元気であっても何か病気があると考えたほうがよいとされているため、受診する段階に入っています。長引く咳では、単一あるいは主要な原因を探すことが診療の手順として推奨されており、複数の要因が重なっていることもあります。これまでに受けた検査と処方された薬の記録を持って、経過を追ってもらう前提で相談してください。

咳が止まらないとき夜間や休日は救急を受診してもよい?

緊急度の高いサインがあるかどうかで分かれます。多量の喀血がある場合は、夜間なら救急病院の受診がすすめられています。胸の痛みが耐え難く持続している場合も、直ちに救急外来を受診するよう案内されています。ここに挙げたサインがなく咳だけが続いている場合は、診療時間内の受診を検討してください。池袋かめさん内科の診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。休診日にあたる場合は、時間外の受診先を先に確認しておくと迷いません。これらは目安であり、緊急度をどう見るかは診察のうえで医師が判断します。

熱はないのに咳が止まらないときの受診の目安〜まとめ〜

熱があるかどうかだけでは、咳の原因も受診の要否も決まりません。判断の材料になるのは、咳と一緒に出ている症状と、咳が続いている期間の2つです。血痰や喀血、耐え難く持続する胸の痛み、坂道や階段での息切れがあるときは期間に関係なく早めの受診がすすめられており、そうしたサインがないまま3週間以上続いているなら、比較的元気であっても受診する段階に入ります。

レントゲンで異常なしと言われたあとや、健康診断で影を指摘されたあとにも、次の手順は残っています。症状だけでは決められないからこそ、経過を記録して医師に渡すことに意味があります。ここに挙げたのは目安であり、症状の感じ方には個人差があります。最終的な判断は診察した医師が行います。

いつ受診するかを決めかねたまま日数だけが過ぎている方は、これまでの経過を書き出したうえで一度相談してみてください。池袋かめさん内科の内科診療では、咳の相談を受け付けています。健康診断で指摘された影や再検査については、健康診断の枠で相談できます。

診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。雑司が谷駅から徒歩2分、目白駅から徒歩10分、池袋駅から徒歩13分の場所にあります。

03-3986-4466

受付時間:9:00-12:30/14:00-18:00

WEB予約のアイコン

WEB予約

LINE予約のアイコン

LINE予約

電話予約のアイコン

電話予約