骨粗しょう症は骨が減っても痛みが出にくく、転んで骨折してから気づく方が少なくありません。だからこそ骨密度検査には受けるだけの意味があります。ただし「誰がいつ受けるのか」には目安があり、とくに検査がすすめられるのは閉経後の女性や高齢の男性です。
受ける意味 — 骨粗しょう症は骨の量が減っても痛みが出にくく、自覚症状のないまま進みます。骨密度検査は、その骨の状態を数値で確かめる手段になります。
測る方法 — 診断に用いられるのは腰の背骨(腰椎)と太ももの付け根(大腿骨近位部)を測るDXA法(デキサ法)です。かかとを測る超音波法は被ばくがなく検診で広く使われています。
受ける場所も1か所には決まりません。整形外科や内科の外来のほか、市区町村が行う検診や催し物の会場で測る形もあります。装置を置いている施設かどうかで測れる部位が変わりますから、どの方法で測るのかは受ける前に確かめておくと行き違いがありません。
費用の目安は保険で受けるか自費かで変わり、結果の判定にはYAM値という指標を使います。どちらも中ほどの章で数字を出しながら整理します。まずは骨粗しょう症という病気の性質から順に見ていきます。
目次
骨粗しょう症は自覚症状がほとんどない?骨密度検査で調べる理由

骨粗しょう症は、骨の量が減って骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者がいるといわれ、高齢化に伴って増加傾向にあります。痛みが出ないまま進むこと、進むと体の形に変化が出ること、加齢と閉経が原因の中心にあること。検査を考えるときの前提になるのはこの3つで、セルフチェックではその代わりになりません。
骨粗しょう症(骨粗鬆症)の初期は骨が減っても痛みが出にくい
骨粗しょう症は、骨量の低下と骨質の劣化により骨強度が低下し、骨折のリスクが増大する骨格疾患と定義されています。骨強度のうち70%は骨量、30%は骨質によって決まると考えられています。
ここで押さえておきたいのは、骨が減っていく段階そのものには痛みがないという点です。骨粗しょう症になっても痛みはないのが普通で、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。つまり体感として現れるのは、骨がもろくなった結果である骨折のほうです。
骨折が生じやすいのは、せぼね(脊椎の圧迫骨折)や手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。骨折が起きた時点ですでに骨はかなり減っていますから、痛みを目印にして受診の時期を決める形にはなりません。
骨粗しょう症が進むと身長が縮む・背中が丸くなるなどの変化が現れる
進行したときに気づきやすい変化は、痛みよりも体の形のほうに出ます。背中や腰が痛くなった後に、背中が丸くなったり身長が縮んだりするという順序です。
これは背骨の圧迫骨折が積み重なった結果として起こります。1つひとつの圧迫骨折は転倒のような強い力がなくても生じることがあり、本人が骨折に気づかないまま背中の丸みだけが進むこともあります。太ももの付け根を骨折した場合は、その部分が痛くなり動けなくなります。
身長が以前より縮んだと感じる場合、それは加齢による自然な変化とは限りません。背中の丸みと身長の変化は、骨の状態を映した所見として扱われます。

骨粗しょう症の主な原因となる加齢と閉経後の女性ホルモン減少
骨は固く見えても絶えず作り替えられています。新たに作ること(骨形成)と溶かして壊すこと(骨吸収)を繰り返しており、このバランスが崩れると骨がスカスカになります。骨粗しょう症は圧倒的に女性、とくに閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。
主要な危険因子として挙げられているのは、女性であること・高齢・低体重・閉経の4つです。これが骨粗しょう症の原因を検索したときに出てくる「なりやすい人」の中身にあたります。
ただし原因はこの4つに限りません。骨粗しょう症は原発性と続発性に分けられ、続発性には他の病気や薬が背景にあるものが含まれます。1つは副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患です。胃切除や吸収不良症候群による栄養障害も挙げられています。糖質コルチコイド剤などの薬が関わる薬剤性のものもあります。このほか糖尿病や関節リウマチ、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患によるものが含まれます。続発性は年齢や性別にかかわらず起こりうるため、ステロイド薬を長く使っている方は年齢だけで判断できません。

骨粗しょう症のセルフチェックだけでは骨密度検査の代わりにならない
インターネット上には、危険因子に当てはまる数を数える形のセルフチェックが並んでいます。骨折リスク評価ツールのFRAXも同じ系統で、年齢や性別、既存骨折、両親の大腿骨近位部骨折歴、喫煙、飲酒、ステロイド薬使用などの有無から骨折の高リスク者を判別するものです。
セルフチェックやFRAXが推定するのは骨折の起こりやすさです。骨の量そのものを測るわけではありません。FRAXも大腿骨頸部の骨密度を入力項目に持っており、骨密度が測定できない場合の代わりにBMIを使う設計になっています。つまり骨密度の数値は、推定の外側から補う材料として位置づけられています。
したがってセルフチェックは、骨密度検査を受けるかどうかを判断する入口としては役に立ちます。当てはまる項目が多いほど受ける理由は強くなります。反対に、当てはまる項目が少ないことは骨量が保たれている証明にはなりません。
加齢そのものが主な原因に挙げられている以上、危険因子が1つも当てはまらない方でも骨量は年齢とともに減ります。セルフチェックと骨密度検査は、置き換えるものではなく順番に使うものだと考えると位置づけがはっきりします。

骨密度検査は受けたほうがいい?何がわかるのか

受ける価値があるかどうかは、その検査で何が分かり、その結果が次の行動をどう変えるかで決まります。測っているのは骨に含まれるミネラルの量で、そこから骨の強さの大きい部分が数値になります。受けたほうがよい人の範囲は年齢と性別と危険因子で決まり、測り直す間隔にも目安があります。治療の選び方は、その数値が出たあとの話です。
骨密度検査のDXA法が測っているのは骨の強さの目安になる骨塩量
骨の量は骨密度という値で評価されます。そしてDXA法(二重エネルギーX線吸収法)の骨密度は、測定した骨塩量を骨の投影面積で割った値です。骨塩量とはカルシウムなどのミネラルが骨にどれだけ含まれているかを示す量で、これが骨の強さの目安になります。
骨強度の70%は骨量によって決まると考えられていますから、骨塩量を測ることで骨の強さのうち大きい部分を数値にできます。残りの30%を占めるとされる骨質のほうは、骨の微細構造や骨代謝回転などの要素からなり、骨密度の数値には直接現れません。骨密度は骨の強さのすべてを表す値ではないという前提で読む必要があります。
なお、骨塩量を測っているのはDXA法とMD法のようにX線を使う方法です。かかとに超音波をあてる方法は別の指標から骨の状態を推定しており、骨塩量を直接測っているわけではありません。測定法ごとの違いは次の章で扱います。

骨密度検査は意味ない?骨粗しょう症の早期発見が骨折の予防に役立つ理由
骨密度を測っても痛みが消えたり骨が増えたりするわけではありません。それでも受ける意味があるかどうかは、骨粗しょう症で本当に困るのがどの場面かを見ると分かります。
骨密度が低下するだけでは重大な支障は起こりません。問題になるのは骨折したあとで、一度骨折すると心身に重大な障害をきたし、とくに大腿骨近位部骨折や椎体骨折では死亡のリスクも上昇すると報告されています。だからこそ骨粗しょう症の予防の最終目標は骨折の予防に置かれています。
参考:Mindsガイドラインライブラリ「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」
そして前の章で見たとおり、骨が減っていく段階には痛みがありません。骨の量が減っても自覚できる症状が乏しいため、骨折が起きる前の段階を数値でつかむことが手がかりになります。検査の結果は、そのあとの食事や運動を見直すための材料になります。
もう1つ、判定の枠組みにも早く受けることの根拠があります。原発性骨粗しょう症の診断基準には、正常と骨粗しょう症のあいだに骨量減少という区分が置かれています。この段階で見つかれば、診断がつく前に食事と運動の見直しに時間を使えます。診断の線を越えてから測り始めると、この中間の区分をまたいだあとから手をつけることになります。

骨密度検査がとくにすすめられるのは閉経後の女性や高齢の男性
危険因子の並びから考えると、受ける理由が強いのは骨量が下がる時期に入った方です。閉経後の女性には、整形外科医による定期的な検診がすすめられています。
予防の考え方も年代で分かれています。若い世代では最大骨量をできるだけ高めること、閉経期の女性では閉経後の骨量減少をできるだけ小さくすること、男性では加齢による骨密度低下をできるだけ小さくすることが目標に置かれます。閉経期と高齢期は、この「減り方を抑える」段階にあたります。
男性が対象から外れるわけではありません。危険因子のうち喫煙や過度の飲酒、ステロイド薬の使用、低体重、過去の骨折は男女に共通しています。男性でも危険因子が重なっていれば受ける理由になります。
骨密度検査を受ける間隔は何年ごとか
先に分けておきたいのは、検査を受ける目安と保険で算定できる回数は別の話だという点です。回数のほうには公的医療保険の側に決まりがあります。骨塩定量検査は検査の種類にかかわらず患者1人につき1年に1回を限度に算定し、骨粗しょう症の治療を開始した日から1年以内は4月に1回まで認められています。
治療を始めた直後だけ間隔を詰められるのは、薬の効き方を確かめる必要があるためです。その期間を過ぎれば年単位で追う形に戻ります。何ヶ月ごとに測るかという問いは、この2つの枠のどちらにいるかで答えが変わります。
予防の目的で受ける場合の目安は、保険の算定回数とは別に案内されています。骨密度が下がり始める40代と50代については、1年に1回程度の定期的な測定が示されています。数値そのものより、前回からどう動いたかを見るための間隔だと考えると分かりやすくなります。
分かるのは骨塩量から計算した骨密度で、骨強度の70%に関わると考えられている骨量の部分にあたります。
分からないのは骨質で、骨の微細構造や骨代謝回転は骨密度の数値に直接は現れません。骨代謝マーカーなど別の検査で補う形になります。
骨密度検査の種類と測る部位ごとの精度の違い

骨密度を測る方法は1つではありません。比べるのはDXA法と超音波法とMD法の3つで、違いが出るのは測る部位とX線を使うかどうか、そして診断に使えるかどうかの3点です。まず全体像を並べます。
| 検査の種類 | 測る部位 | 診断への使用 |
|---|---|---|
| DXA法(デキサ法) | 腰椎と大腿骨近位部 | 診断に用いられる |
| MD法 | 手のひらと指の骨 | 骨量の評価に用いられる |
| 超音波法(QUS法) | かかと | 診断には用いない |
3つの関係を一言でまとめると、判定の役割を担うのがDXA法です。超音波法は検診などで使われる方法で、診断には用いられませんが、医療機関で詳しく調べるきっかけになります。以下でそれぞれの中身を見ます。
骨密度検査のDXA法(デキサ法)は腰椎と大腿骨を測る
DXA法は骨に2種類のX線をあてて骨密度を測る方法です。測る場所は腰椎(背骨)と大腿骨近位部(足のつけ根)で、どちらも骨粗しょう症による骨折が起こりやすい部位にあたります。
この2か所が選ばれている理由は、骨折したときの影響が大きいからです。原発性骨粗しょう症の診断基準も、骨密度は原則として腰椎または大腿骨近位部の値を用いると定めています。複数の部位を測った場合には、低いほうの値を採用する決まりです。
大型の装置がない施設では、前腕骨をDXA法で測る形や手のひらのX線写真を用いるMD法で評価することもあります。装置の有無によって測れる部位が変わるため、腰椎と大腿骨で測りたい場合は、受診先に測定部位を確かめておくと行き違いがありません。
骨密度検査の超音波法でかかとを測るときの精度の幅
かかとの骨に超音波をあてる方法はQUS法と呼ばれます。骨量を測って将来の骨折リスクを予測するもので、X線による被ばくがないのが特徴です。装置が小さく持ち運べるため、自治体の検診や催し物の会場で使われています。
精度の幅はここにあります。超音波法は骨粗しょう症の診断や治療効果の判定に用いることができません。X線を利用した検査法と比べると精度は落ちると整理されており、簡便さと引き換えに判定の役割は担わない位置づけです。
したがって超音波法で低めの数値が出た場合、それは骨粗しょう症と診断されたという意味ではありません。次にDXA法で測り直す流れが想定されています。反対に数値が悪くなかったとしても、腰椎や大腿骨の状態をそのまま表しているとは限りません。かかとで測る意味は、診断そのものではなく受診のきっかけを作るところにあります。

骨密度検査のMD法はレントゲン(X線)で手の骨を測る
MD法は手のひらをX線撮影し、人さし指の骨とアルミニウムの濃度を比較して骨密度を測る方法です。撮影したフィルムの上で骨とアルミ板の写り方を見比べる仕組みで、専用の大型装置を必要としません。
測る場所が手であるところがDXA法との違いです。腰椎や大腿骨のように骨折の影響が大きい部位ではありませんが、骨量の評価には用いられています。一般のレントゲン装置があれば実施できるため、内科や整形外科の外来で取り入れやすい方法です。
なお、胸椎と腰椎を撮影する通常のレントゲン撮影は骨密度を測る検査ではありません。こちらは骨折の有無や骨折による変形を判定するためのもので、骨密度検査とは目的が分かれています。ただし椎体骨折の有無は判定を大きく動かしますから、骨密度の数値とレントゲン写真は組み合わせて読まれることになります。
保険の点数表では、MD法はSEXA法などと同じ区分です。DXA法による腰椎撮影とは点数が異なり、具体的な金額は次の章で示します。
骨密度検査とは別に血液検査や尿検査でわかる骨代謝マーカー
骨代謝マーカーは、骨密度検査とは測っているものが違います。骨は古い骨を壊す骨吸収と新しい骨をつくる骨形成を繰り返しており、その代謝の際に骨から放出される物質を血液検査や尿検査で測るのが骨代謝マーカーです。
| 骨密度検査 | 骨代謝マーカー | |
|---|---|---|
| 測るもの | 骨の量 | 骨の代謝回転 |
| 方法 | X線や超音波 | 血液検査や尿検査 |
つまり骨代謝マーカーが示すのは骨がいま作り替えられている速さであって、骨密度そのものではありません。骨密度が今どれだけあるかを見るのが骨密度検査、その骨がどの向きに動いているかを見るのが骨代謝マーカーという分担です。
この検査は治療薬の選択や治療効果の判定に使われます。骨のビタミンKの不足状態を調べることや、骨粗しょう症と似た病気を区別することにも用いられます。骨粗しょう症の検査という言葉でひとまとめに語られることがありますが、中身は骨密度と骨代謝の2系統に分かれています。
骨密度検査のあとの問診と総合判定を当院で行っています
検査の種類の話はここまでです。豊島区の骨粗しょう症検診では、豊島健康診査センターで骨密度検査を受けたあと、その結果をもとにした問診と総合判定を池袋かめさん内科が担当しています。検査結果票と問診票がお手元にある方は、健康診断のページをご確認のうえご予約ください。
骨密度検査の費用と保険適用や自費での負担額

骨密度検査の費用は、どの方法で測るかと、どういう立場で受けるかの2つで決まります。比べるのは保険がきく場合と自費の場合で、その両方の外側に自治体の検診という枠があります。
この章で扱う費用の範囲
公的医療保険の点数表に定められた金額と、豊島区の骨粗しょう症検診が無料である点までを扱います。自費で受けるときの金額は医療機関がそれぞれ決めているため、全国で共通する金額というものはありません。
骨密度検査に保険がきくのはどんな場合か
公的医療保険は、病気の診断や治療のために必要な検査に対して使われます。骨密度検査も同じで、症状や危険因子から医師が骨粗しょう症を疑い、診断や治療の経過をみるために行う場合が保険の対象です。点数表が骨粗しょう症の治療開始からの期間で算定回数を分けているのも、この検査が診断と治療の流れの中に置かれているためです。
一方で、体に不調はないが数値だけ知っておきたいという理由で受ける測定は、診療の必要から出たものではありません。この場合は保険の対象外となり自費での受診になります。
| 受け方 | 費用の扱い |
|---|---|
| 医師が診断や経過観察のために行う検査 | 公的医療保険の対象 |
| 豊島区の骨粗しょう症検診 | 無料 |
| 本人の希望だけで受ける測定 | 自費 |
背中の丸みや身長の縮み、ステロイド薬の使用、骨折の既往といった手がかりがある場合は、保険での検査につながりやすくなります。気になる変化は受診のときに伝えてください。
起点が医師の判断である以上、同じ人でも伝える情報によって話の進み方が変わります。背が縮んだ気がする、閉経してから何年たった、転んで手首を折ったことがあるといった内容は、本人にとっては雑談に見えても判断の材料にあたります。検査を受けたいという希望だけを伝えるより、気になっている変化を先に並べるほうが話が早く進みます。
骨密度検査の料金は自費と3割負担で変わる
保険で受ける場合の金額は、点数表で検査の種類ごとに決まっています。骨塩定量検査の点数は次のとおりです。
| 検査の種類 | 点数 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|
| DXA法による腰椎撮影 | 360点 | 約1,080円 |
| DXA法で腰椎と大腿骨 | 450点 | 約1,350円 |
| MD法やSEXA法など | 140点 | 約420円 |
| 超音波法 | 80点 | 約240円 |
※1点を10円として計算した金額です。実際に窓口で支払う額には、初診料や再診料などが加わります。
表から読み取れるのは、検査の方法によって4倍以上の差がつくという点です。腰椎と大腿骨をDXA法で測る組み合わせが上に来て、超音波法が下に来る並びです。骨密度検査の費用を調べたときに数百円から数千円まで幅のある金額が出てくるのは、この違いが混ざっているためです。
自費で受ける場合の金額は医療機関が決めます。保険の点数が目安として参照されることはありますが、自費の料金表は施設ごとに異なりますから、受ける前に確認しておくと行き違いがありません。
参考:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件 別表第一 医科診療報酬点数表」
骨密度検査を無料で受けられるのは自治体の健診やドラッグストアの測定会
費用をかけずに測る道は2つあります。1つは市区町村が行う骨粗しょう症検診です。豊島区の骨粗しょう症検診は費用が無料で、対象や受け方は記事の後半で扱います。対象の年齢や費用の扱いは自治体によって異なりますので、お住まいの区や市の案内が条件になります。当院で対応している健診の範囲は健康診断のページに掲載しています。
もう1つがドラッグストアや商業施設の催し物として行われる測定会です。骨密度検査を無料で受けられるドラックストアの測定会を探す検索が多いのはこのためで、かかとに超音波をあてる方法が使われることが一般的です。所要時間が短く、予約なしで受けられる形もあります。
こちらは前の章で見た超音波法にあたりますから、測定会で低めの数値が出た場合は、その場で結論を出さず医療機関での検査につなげるのが本来の使い方です。数値そのものより、受診のきっかけとして受け取るほうが実態に合っています。
無料で受けられる2つを比べると、性格がかなり違います。豊島区の骨粗しょう症検診は制度として置かれたもので、測定のあとに医療機関での判定まで組み込まれています。測定会のほうは測定だけで完結する形が多く、その先をどうするかは受けた本人に委ねられます。同じ無料でも、判定までついてくるかどうかが分かれ目になります。
骨密度検査の受け方は服装・食事などの準備と当日の流れ

服装や食事の準備は、測る部位から逆算すると迷いが減ります。骨密度検査には全国で共通する服装の決まりは置かれていませんが、測定する場所に何が重なるかという基準は方法ごとにはっきりしています。腰椎と大腿骨を測るなら腰まわり、手を測るなら指先が関わります。食事の制限は骨密度検査そのものにはなく、同じ日に組む検査の側で決まります。
骨密度検査はズボンやブラトップのままで受けられるのか
DXA法で測るのは腰椎と大腿骨近位部ですから、当日に問題になるのは腰まわりと足のつけ根です。ここに金属が重なると、骨の値として読み取りにくくなります。
ウエストのボタンやファスナー、ベルトの金具は、ちょうどその範囲に入ります。上半身の下着は測定部位から外れるため、ブラトップのままで受けられる場合があります。一方でワンピースのように上下が続いた服だと、腰を出すために全体を脱ぐ形になります。
| 服装 | 測定時の扱い |
|---|---|
| 上下が分かれた服 | 腰まわりを出しやすい |
| ウエストに金具のある服 | 測定範囲に重なる |
| 上下が続いた服 | 着替えが必要になりやすい |
検査着に着替える案内をしている施設もあります。当日の扱いを決めるのは受診先ですから、届いた案内に服装の記載があればそちらが条件になります。
骨密度検査での指輪やネイルの制限
指輪とネイルは、まとめて語られがちですが扱いが違います。指輪を外す必要があるかどうかは測定部位によって変わり、ネイルについては別の考え方になります。順に見ていきます。
腰椎と大腿骨を測るDXA法では、手は測定範囲に入りません。これに対し手のひらをX線撮影するMD法では、指輪が撮影範囲に入ります。前腕を測るDXA法も同じで、手首に近い装身具は外す対象になります。
| 骨密度検査での扱い | |
|---|---|
| 指輪 | 手や前腕を測る方法では外す |
| ネイル | 落とすよう定めた基準はない |
ネイルについては、骨密度検査で落とすよう定めた基準は置かれていません。骨密度検査が測るのは腰椎と大腿骨、手のひら、かかとで、いずれも爪の色や透明度を読む検査ではないためです。ただし健康診断の他の項目で案内されることがありますので、届いた案内に記載があればそちらが条件になります。
骨密度検査の前日や当日の食事に決まりはあるのか
骨密度検査そのものには、前日から食事を控える決まりがありません。骨にX線や超音波をあてて量を測る検査で、直前に食べたものが測定値に入り込む仕組みになっていないためです。血糖や中性脂肪のように食後に動く項目とは成り立ちが違います。
条件が変わるのは、同じ日に採血がある場合です。健康診断や特定健康診査と組み合わせて受けるときは、採血の側の食事の条件が優先します。前日の食事と飲酒をどう考えるかは、健康診断の前日の食事と飲酒についての記事にまとめています。
持ち物は健診の枠組みによって変わります。医療機関で保険を使って受ける場合は本人確認と資格確認の書類が要り、区の検診では区から届いた書類が要ります。
- マイナ保険証または資格確認書
- 区の検診で受ける場合は受診券と問診票
- 飲んでいる薬の名前がわかるもの
3つ目を挙げたのは、ステロイド薬のように骨密度に関わる薬があるためです。薬の情報は結果の読み方を変えますので、お薬手帳があれば持参してください。
骨密度検査の受付から終了までの所要時間
測定そのものは短時間で終わります。骨量測定はどの検査も痛みがなく数分で測定でき、豊島区の骨粗しょう症検診でも骨密度測定の所要時間は5分程度と案内されています。
受付から終了までの全体は、測定時間だけでは決まりません。問診票の記入、着替え、順番待ち、結果の受け渡しが前後に入るためです。混雑の具合で変わるのは待ち時間のほうで、測定台に乗っている時間はほとんど動きません。
DXA法は仰向けに寝た姿勢で測ります。装置が体の上を移動して撮影するあいだ、体を動かさずにいる必要があります。かかとを測る超音波法はいすに座ったまま受けられ、さらに短い時間で終わります。何分かかるかを事前に知りたい場合は、受ける方法と組み合わせる検査の数から見当をつけると実際の滞在時間に近づきます。
予約の要否は施設によって異なります。豊島区の骨粗しょう症検診は事前の予約制で、予約専用電話または電子申請から申し込みます。医療機関で受ける場合も、装置の空き状況に合わせて日時を決めることがあります。測定そのものは短くても、受けられる日を押さえる工程が先に入ります。
骨密度検査の結果の見方と数値が示す骨の状態

結果票に並ぶ数値は、比べる相手を知らないと読めません。骨密度の判定に使う物差しはYAM値とTスコアの2つで、どちらも若い世代の平均と比べた位置を表しています。同じ年代の人と比べた値は別にあり、2つを取り違えると結果の意味が変わります。判定の線は診断基準で決まっており、脆弱性骨折があるかどうかでも道筋が分かれます。
骨密度検査のYAM値とTスコアの使い分け
YAMは若年成人平均値のことです。腰椎では20歳から44歳、大腿骨近位部では20歳から29歳の平均値を基準にしており、測定した骨密度がその何パーセントにあたるかを示したものがYAM値です。
Tスコアのほうは、若年成人の平均からどれだけ離れているかを示す値です。集団内の値のばらつきを表す標準偏差(SD)を単位にしています。つまり見ている相手は同じで、割合で示すか隔たりで示すかという表し方の違いにあたります。原発性骨粗しょう症の診断基準は、この2つを併記する形で判定の線を引いています。
なお表に出てくる脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)とは、立った姿勢からの転倒など小さな力で起こる骨折のことです。
| 骨の状態 | 診断基準に示されている値 |
|---|---|
| 正常 | −1.0SD以上 |
| 骨量減少 | −2.5SDより大きく−1.0SD未満 |
| 骨粗しょう症(脆弱性骨折なし) | YAMの70%以下または−2.5SD以下 |
脆弱性骨折がある場合は、この表とは別の道筋で判定されます。椎体骨折または大腿骨近位部骨折があれば骨密度にかかわらず骨粗しょう症と診断され、それ以外の脆弱性骨折では骨密度がYAMの80%未満であれば骨粗しょう症と診断されます。数値だけで決まるわけではない、というのがこの基準の形です。
参考:日本骨粗鬆症学会「原発性骨粗鬆症の診断基準2012年度改訂版」
骨密度検査の正常値と女性の年齢別平均値
先に区別しておきたい点があります。正常値と年齢別平均値は別物です。正常値は判定の基準であり、年齢別平均値は同じ年代の人と比べるための参考値で、比べている相手が違います。
| 何と比べた値か | |
|---|---|
| 正常値(YAM値・Tスコア) | 若年成人の平均 |
| 年齢別平均値 | 同じ年代の平均 |
この違いが効いてくるのは50代や60代の結果を読むときです。骨密度は年齢とともに下がりますから、同年代の平均と同じくらいでも判定の線を下回ることがあります。女性の骨密度の年齢別平均値を調べて安心材料にしようとすると、この行き違いが起こります。
日本人女性の骨密度は、思春期に高まっておよそ20歳で最大値に達し、40歳代前半までそれが持続したあと、閉経前頃から低下することが示されています。年齢別平均値が下がっていくのは集団全体が同じ坂を下りているためで、平均に並んでいることは骨が保たれている根拠にはなりません。判定はあくまで若年成人平均値との比較で行われます。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書 骨粗鬆症」
骨密度検査の結果はいつわかるのか
結果の受け取り方は、どの枠組みで受けたかで変わります。豊島区の骨粗しょう症検診では、豊島健康診査センターで骨密度検査を受けたあとに検査結果票が渡されます。ただし、この時点ではまだ判定が終わっていません。
医療機関で受ける場合も同じ構造です。装置が計算するのは骨密度の数値までで、そこから先の判定には脆弱性骨折の有無や他の検査の結果が加わります。数値が出る速さと、判定が伝わる時期は別に考えるほうが実際に近くなります。
結果票には、測定した部位、骨密度の値、YAM値やTスコア、同年代との比較が並ぶことが一般的です。どの部位を測ったかを見落とすと前回の値と比べられなくなりますから、次回のために測定部位を控えておくと役に立ちます。
比較という点では、1回の数値より並べた数値のほうが情報量があります。腰椎で測った前回の値と、今回かかとで測った値を並べても、上がった下がったという読み方はできません。同じ部位を同じ方法で測り続けたときに初めて、骨密度が年単位でどう動いているかが見えてきます。結果票を捨てずに残しておくと、5年後や10年後に効いてくる材料になります。

骨密度検査で低いと言われたら再検査や治療が必要か
低いと言われた場合に次へ進む道は、1つではありません。分かれ目は、超音波法で低かったのか、DXA法で低かったのかという点です。
超音波法で低い結果が出た場合は、医療機関でDXA法による測定につなげるのが本来の流れです。測定会や検診で数値を受け取っただけでは、骨粗しょう症かどうかはまだ決まっていません。
DXA法で測って診断の線を下回った場合は、骨折の有無や骨量減少の数値などを検討したうえで、薬による治療を始めるかどうかを医師が決めます。治療には内服薬や注射などがあり、骨量減少の段階にとどまるのか診断基準にあてはまるのかで進め方が変わります。すぐに薬が始まると決まっているわけではありません。
健診や検査で基準を外れた値を指摘されたときの考え方は、白血球が多いと指摘されたときの記事でも扱っています。1つの数値だけで結論を出さず、他の所見と合わせて読むという筋道は共通しています。
判定の物差しは若年成人平均値です。同年代の平均と比べた位置とは別の値になります。
骨密度が低いという結果だけで、薬による治療が始まると決まっているわけではありません。
脆弱性骨折があるかどうかは判定を大きく変えます。過去の骨折は受診のときに伝える情報になります。
骨密度検査はどこで受けられる?何科を受診するか

骨密度検査は、受けられる場所が診療科の名前では決まりません。測る装置を置いているかどうかで決まるためです。骨粗しょう症の診療の中心は整形外科ですが、背景に他の病気がある場合は内科から話が進むこともあります。もう1つ押さえておきたいのが、毎年の健康診断と骨密度検査の関係です。この2つは別の制度の上に置かれています。
骨密度検査ができる病院を整形外科や内科から探す
骨密度検査は何科かという問いに一つで答えるなら、骨を扱う診療科ということになります。閉経後の女性には整形外科医による定期的な検診がすすめられており、骨粗しょう症の診療そのものは整形外科が中心です。
一方で、骨粗しょう症には他の病気や薬が背景にあるものも含まれます。糖尿病や関節リウマチ、慢性腎臓病、ステロイド薬の使用が関わる場合は、もともと通っている内科で話が進むことも珍しくありません。骨粗しょう症検査という言葉で探すと整形外科ばかりが並びますが、入口は1つではないということです。
ただし装置の有無は施設ごとに違います。大型のDXA装置がない場合は前腕骨のDXA法や手のひらのX線写真を用いるMD法で評価することになりますから、受診先を選ぶときは次の3点が変わり得ます。
- 測定の方法 — DXA法かMD法か超音波法か
- 測定の部位 — 腰椎と大腿骨近位部か前腕か手か
- 結果の伝え方 — その場で説明があるか後日か
| 受ける場所 | 骨密度検査の位置づけ |
|---|---|
| 医療機関の外来 | 診断や経過観察のための検査 |
| 市区町村の骨粗しょう症検診 | 健康増進法にもとづく検診 |
| 職場の定期健康診断 | 法定の項目に入っていない |
当院で対応している健診の種類と範囲は健康診断のページに掲載しています。
骨密度検査は健康診断の項目に入っているのか
事業者が行う定期健康診断の法定項目に、骨密度検査は入っていません。身長や体重、血圧、尿検査、血液検査といった項目が並ぶ中に骨の量を測るものはなく、毎年の健康診断を受けていても骨密度は測られていないという状態が起こります。
骨密度を測る仕組みは、別の法律のほうに置かれています。市区町村が行う骨粗しょう症検診がそれにあたり、健康増進法にもとづく健康増進事業として実施されています。職場の健康診断と市区町村の検診は別の制度で、どちらを受けたかで骨密度の有無が変わります。
健康診断の結果票を見て骨密度の項目が見当たらない場合、それは測り忘れではなく、もともと項目に含まれていないためです。骨の状態を確かめたい場合は、市区町村の検診か医療機関での検査という別の入口を使います。
言葉の上でも区別があります。健診は健康づくりの観点から値を経時的に把握する検査群を指し、検診は特定の病気そのものを確かめる検査群を指します。骨粗しょう症検診が「検診」と呼ばれるのは、骨粗しょう症という病気を見つけるための仕組みだからです。毎年の健診で骨密度が測られないことと、節目の年齢を対象にした検診で骨密度が測られることは、この違いから出てきています。
骨密度を保つのに役立つ食べ物とカルシウムの摂取量

骨の材料になるカルシウムは、食品によって含まれる量が大きく違います。まず100gあたりの含有量を並べます。
| 食品(100gあたり) | カルシウム |
|---|---|
| ほしひじき(乾) | 1000mg |
| プロセスチーズ | 630mg |
| しらす干し(微乾燥品) | 280mg |
| こまつな(葉・生) | 170mg |
| ヨーグルト(全脂無糖) | 120mg |
| 普通牛乳 | 110mg |
| 木綿豆腐 | 93mg |
| 糸引き納豆 | 90mg |
含有量が多い順に並べると乾物や乳製品が上に来ますが、一度に食べる量まで含めて考えると順番は変わります。ほしひじきは乾いた状態の値で、実際に食べるのは水で戻した量です。骨密度を保つのに役立つ食べ物を探すときは、含有量と食べる量の両方を見ておくと外れません。
食事摂取基準が示すカルシウムの1日の推奨量
推奨量は年齢と性別で分かれています。日本人の食事摂取基準(2025年版)が示すカルシウムの推奨量は次のとおりです。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 800mg | 650mg |
| 30〜74歳 | 750mg | 650mg |
| 75歳以上 | 750mg | 600mg |
※1日あたりの推奨量です。18歳以上の耐容上限量は男女とも1日2,500mgとされています。
推奨量という言葉は、食事摂取基準の中で決められた指標名です。推定平均必要量に1.2を掛けて算定された値で、同じ年齢と性別の人のほとんどが必要量を満たせる水準にあたります。骨の側から見ると、十分なカルシウム摂取量は骨量の維持に必要だという位置づけです。
ただし増やせば増やすほどよいという性質のものではありません。カルシウム摂取量が少ないことは低骨量のリスク因子になる一方で、中高年で摂取量を増やしても骨密度の低下や骨折を抑える働きは小さいと考えられています。不足を避けることが目的で、積み増しが目的ではないという読み方になります。
吸収の側にも限りがあります。カルシウムの見かけの吸収率は摂取量に反比例する関係にあり、たくさん摂るほど吸収される割合は下がります。推奨量の算定でも、成人以降の見かけの吸収率は25%から30%程度と見積もられています。口に入れた量がそのまま骨に届くわけではないという点は、目安を考えるうえで押さえておく値です。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書 ミネラル(多量ミネラル)」
不足しやすいビタミンDとビタミンKが骨に果たす働き
この2つはカルシウムと指標の種類が違います。カルシウムは推奨量、ビタミンDとビタミンKは目安量で示されており、目安量は推奨量を算定できない栄養素に用いる指標です。
| 栄養素 | 18歳以上の目安量 | 耐容上限量 |
|---|---|---|
| ビタミンD | 9.0μg | 100μg |
| ビタミンK | 150μg | 設定なし |
※1日あたりの値で、男女とも同じ数値です。
ビタミンDの働きは骨の石灰化を進めることと、小腸でのカルシウム吸収を促すことです。不足するとカルシウムの吸収が落ち、副甲状腺ホルモンの上昇を介して骨吸収が進みます。血中の濃度を一定以上に保つことが骨粗しょう症の予防の観点から重要と考えられています。
ビタミンKは骨へのカルシウムの沈着を促すとされています。骨に含まれるたんぱく質のオステオカルシンが働ける状態になるために必要だからです。ただし骨粗しょう症の予防のためにビタミンKを積極的に摂ることを勧める根拠は示されていません。働きがあることと、多く摂るほどよいことは別という整理です。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書 ビタミン(脂溶性ビタミン)」
骨粗しょう症の予防で控えたい食べ物はあるのか
骨粗しょう症で食べてはいけないものという形の一覧はありません。危険因子として挙げられているのは食品名ではなく、摂り方のほうです。
取り除ける危険因子として並んでいるのは、カルシウム不足、ビタミンD不足、ビタミンK不足、リンの過剰摂取、食塩の過剰摂取、極端な食事制限、運動不足、日照不足、喫煙、過度の飲酒、多量のコーヒーです。食べ物に関わるものはどれも不足か過剰で、特定の食品を避けるという形になっていません。
控えるという言い方があてはまるのは、リンと食塩と多量のコーヒーの3つです。いずれも量の話ですから、日常の範囲で口にするものを一律にやめる必要はありません。極端な食事制限が危険因子に並んでいることからも分かるとおり、減らす方向に寄せすぎるほうが骨には不利に働きます。

牛乳やヨーグルトだけで1日のカルシウムは足りるのか
数字を突き合わせると答えが出ます。普通牛乳のカルシウムは100gあたり110mgですから、18歳から74歳の女性の推奨量650mgをすべて牛乳でまかなうには約590gが必要になります。同じ対象で計算すると、ヨーグルト(全脂無糖)は100gあたり120mgなので540g前後です。
毎日この量を続けるのは簡単ではありません。乳製品はカルシウム源として効率がよい食品ですが、1つの食品に寄せると量が大きくなるということです。プロセスチーズのように含有量の高い食品を組み合わせると必要な重量は下がります。
現実的な形は分散です。乳製品に大豆製品や小魚、緑黄色野菜を足していくと、1つあたりの量を抑えながら合計を積み上げられます。牛乳が苦手な方でも、乳製品以外の選択肢で推奨量に近づけられます。
カルシウムは推奨量、ビタミンDとビタミンKは目安量で示されており、指標の種類が違います。
危険因子に並ぶのは食品名ではなく、不足と過剰という摂り方です。
1つの食品に寄せると必要な量が大きくなりますので、複数の食品に分けるほうが続きます。
骨密度を左右する運動などの生活習慣をどう見直すか

食事の次に手がつくのは体の動かし方と嗜好品です。骨折の危険因子を整理した表では、運動と体重は骨折のリスクを下げる向き、喫煙と飲酒は上げる向きに示されています。骨に力がかかる動作と、続けられる量の運動は役割が違います。日光を浴びる習慣もビタミンDを通して関わりますが、それだけで骨密度が決まるわけではありません。
かかと落としが骨粗しょう症の予防に役立つとされる理由
かかと落としは、つま先立ちから一気にかかとを下ろして骨に刺激を与える動作です。この動きが取り上げられるのは、骨にかかる力が大きく繰り返しが多いほど骨を強くするという関係が知られているためです。
同じ考え方で並べると、エアロビクスよりバレーボール、それより重量挙げというように、骨にかかる力の大きい運動ほど骨への働きかけが強くなります。かかと落としは道具も場所も要らないまま、この「力がかかる回数を増やす」側に入れる動作だという位置づけです。
ただし、無理に激しい運動をする必要はないとされています。ウォーキングや水泳は骨にかかる力が大きくありませんが、継続して行えば役立つと整理されています。散歩であれば1日30分間、2キロメートルほどが目安として示されています。
- 骨にかかる力 — 大きいほど骨への働きかけが強い
- 繰り返しの回数 — 多いほど働きかけが積み重なる
- 続けられるかどうか — 力が小さい運動でも継続で補える
目安として示されている量も、身構えるほどの水準ではありません。
- 散歩 — 1日30分間で2キロメートルほど
- 水泳 — 週2回で30分程度
- 自転車 — 買い物のついでに1時間ほど
泳げない場合は、プールを自分のペースで30分ほど歩く形でも組み立てられます。水中歩行は膝や腰に負担をかけずに続けられる運動です。かかと落としのように骨に力をかける動作と、歩く時間を確保する習慣は、どちらか一方を選ぶものではありません。
骨密度が高い人の特徴は日光を浴びる習慣にあるのか
先に答えると、骨密度が高い人の特徴を日光だけに絞ることはできません。日光を浴びる習慣は関わる要素の1つですが、骨密度に働く要素はほかにもあるためです。
手がかりになるのは骨折の危険因子を整理した表です。ここで関連の向きが下向きに示されているのは運動と体重・BMIの2つで、上向きに示されているのは低骨密度、既存骨折、喫煙、飲酒、ステロイド薬使用、骨折家族歴でした。この表が示すのは骨折のリスクとの関連で、骨密度の高低を直接表したものではありません。日光はこの表には出てきません。
骨密度そのものとの関係でいえば、体重やBMIは骨密度と正の関係を持つことが多くの研究で報告されており、低体重は骨粗しょう症と骨折の重要なリスク要因とされています。運動と体格は骨密度の側にも名前が挙がる要素です。
日光が関わるのはビタミンDを介した経路です。ビタミンDは日光曝露によって皮膚で産生され、小腸でのカルシウム吸収を促します。食事摂取基準も、体内のビタミンDを保つために食事からの摂取とあわせて適切な日光曝露を図ることが望ましいとしています。日光を浴びる習慣は、この道筋を通って骨に関わります。
喫煙や過度の飲酒が骨密度の低下につながる仕組み
喫煙と飲酒は、骨に届くまでの道筋がそれぞれ違います。
| 骨に関わる仕組み | |
|---|---|
| 喫煙 | カルシウムの吸収を妨げ、女性では女性ホルモンの分泌も妨げる |
| 過度の飲酒 | 利尿作用で吸収されたカルシウムまで排泄される |
タバコは胃腸の働きを抑えて食欲を落とし、カルシウムの吸収を妨げます。女性ではさらに、骨から血液中へのカルシウムの流出を防いでいる女性ホルモンの分泌を妨げます。喫煙の習慣がある女性は危険因子を1つ持っていることになります。
お酒のほうは、カルシウムの吸収そのものには影響しないと整理されています。食前酒で食欲が増し栄養を十分にとれるなら、かえってカルシウムを多く取り込める面もあります。問題は利尿作用で、いったん吸収されて体内に入ったカルシウムが必要な分まで排泄されることがあります。飲みすぎるところまで含めると、お酒も危険因子の1つに数えられます。
参考:公益財団法人 骨粗鬆症財団「タバコや酒の影響について」
骨粗しょう症のある人が避けたい運動はあるのか
ここでは種目を一律に避ける一覧ではなく、運動の強さと体の状態に応じた注意点を扱います。資料の側で示されているのも種目名ではなく加減のほうだからです。
1つ目は強さの加減です。骨にかかる力が大きいほど骨への働きかけが強いという関係はありますが、そこから激しい運動を選ぶ方向には進みません。無理に激しい運動をする必要はなく、力の小さい運動を続ける形でも組み立てられます。
2つ目は痛みがあるときの扱いです。足や腰に痛みがあったり背中に曲がりがある場合は、家の中でできる体操に切り替える形が案内されています。痛みが強いときは医師に相談してから始めてください。
3つ目は転倒です。大腿骨近位部の骨折は転倒して起こることが多く、骨密度が下がると小さな力でも骨折しやすくなります。運動する場所では、足元の見えにくさや床の滑りやすさにも目を向けておくと安全です。運動の種類を選ぶより、転ばない場所を選ぶほうが先になります。
豊島区の骨粗しょう症検診で当院ができること

市区町村が行う骨粗しょう症検診は、健康増進法にもとづく健康増進事業として実施されています。同法第19条の2は、市町村が厚生労働省令で定める健康増進事業の実施に努めると定めており、骨粗しょう症検診はその1つです。豊島区でも、対象にあたる方へ区から受診券が届く形で行われています。
区から届く受診券で確かめる骨粗しょう症検診の対象年齢
対象は年齢で区切られていますが、連続した幅ではありません。豊島区の骨粗しょう症検診の対象は、40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳の区民の女性です。5歳ごとの節目の年齢にあたる方だけが対象になります。
- 対象 — 40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳の区民の女性
- 費用 — 無料
- 内容 — 骨密度測定で所要時間は5分程度
- 受けられない方 — 妊娠中または妊娠の可能性のある方
対象は7つの年齢に限られていますから、65歳までは節目の年齢を1つ過ぎると次の対象年齢が5年後に来ます。ただし70歳の次に75歳の枠が置かれているわけではありません。受診券が届いた年が受けられる年だと考えると分かりやすくなります。受診期間や受診券の発送時期は年度ごとに決まりますので、その年の日程は届いた受診券と区のページでご確認ください。
骨密度検査を受ける場所は豊島健康診査センター
豊島区の骨粗しょう症検診で骨密度検査を行うのは、豊島健康診査センターです。区内の医療機関で測るのではなく、この施設で測定を受ける形になっています。
所在地は豊島区上池袋2-5-1の健康プラザとしま5階と6階で、池袋駅から徒歩8分です。休館日は日曜と祝日、年末年始にあたります。予約は検診の予約専用電話または電子申請で受け付けており、測定そのものは予約した日に豊島健康診査センターで受けるという段取りです。
骨密度検査のあとの問診と総合判定を当院が担う
ここが豊島区の骨粗しょう症検診でつまずきやすい点です。骨密度検査を受けただけでは検診は完了しません。豊島健康診査センターで検査を受けたら、検査結果票と問診票を持って医療機関を受診します。受診先は問診票の裏面にある名簿から選びます。総合判定と結果説明を受けるところまでが検診です。
池袋かめさん内科は、この検査のあとの問診と総合判定を行う医療機関です。豊島健康診査センターで測った数値をもとに、問診で背景を確かめ、判定と結果の説明を行います。骨密度検査そのものは豊島健康診査センターで受けていただく形になります。
測定と判定が2段階に分かれているのは、骨密度の数値だけでは判定が決まらないためです。結果の見方の章で扱ったとおり、脆弱性骨折があるかどうかで診断の道筋が変わり、ステロイド薬の使用や他の病気の有無も読み方に影響します。数値を測る工程と、その数値を背景と突き合わせる工程は別の作業にあたります。問診がついているのはそのためで、測定だけで終わらせない設計になっています。
豊島区の骨粗しょう症検診の進み方
1つ目は予約です。豊島健康診査センターの予約専用電話または電子申請で申し込みます。
2つ目は検査です。豊島健康診査センターで骨密度測定を受け、検査結果票を受け取ります。
3つ目は総合判定です。検査結果票と問診票を持って医療機関で結果説明を受けるまでが検診にあたります。
骨密度検査の結果を持って当院に相談するとき
手元に検査結果票がある状態なら、話はそこから始められます。総合判定と結果説明は検診の工程の一部ですから、数値を持ってきていただくことが出発点になります。
- 豊島健康診査センターで受け取った検査結果票
- 区から届いた問診票
- 飲んでいる薬の名前がわかるもの
薬の名前が分かると、続発性の骨粗しょう症にあたるかどうかを合わせて確かめられます。糖尿病や関節リウマチ、慢性腎臓病のように骨粗しょう症の背景になる病気で通院している場合も、その情報が判定の材料になります。
当院が対応している健診の種類と受け方は健康診断のページに掲載しています。豊島健康診査センターで骨密度検査を終えた方は、検査結果票と問診票をお持ちのうえご予約ください。受診券が届いたところで検査がまだの場合は、先に豊島健康診査センターの予約専用電話または電子申請で測定の予約を取る順序になります。
骨密度検査についてよくある質問

コーヒーは骨粗しょう症に悪いですか?
取り除ける危険因子の一覧には「多量のコーヒー」が並んでいます。ここで問題にされているのは量で、コーヒーという飲み物そのものが挙げられているわけではありません。同じ一覧にはリンの過剰摂取や食塩の過剰摂取も並んでおり、いずれも摂りすぎの側に線が引かれています。日常の範囲で飲む1杯2杯をやめる必要はなく、カルシウムやビタミンDの不足を避けるほうが先に来る話です。コーヒーを減らしても、そのぶんカルシウムが増えるわけではありません。控える側の話と、足す側の話は別に進めるほうが整理しやすくなります。
骨密度が高すぎるとデメリットはありますか?
原発性骨粗しょう症の診断基準が線を引いているのは、低いほうだけです。正常は−1.0SD以上とされており、上に向かっての上限は置かれていません。骨密度が高いこと自体を異常として扱う枠組みは、この診断基準の中にはないということです。ただし測定値は測る部位の状態に左右されるため、診断基準は複数の部位を測った場合には低いほうの値を採用すると定めています。高い値を根拠にしない設計になっている点は押さえておくと役に立ちます。腰椎だけを測って高めに出たとしても、大腿骨近位部が同じ水準にあるとは限らないということです。気になる場合は、どの部位を測った値なのかを結果票で確かめると位置づけがはっきりします。

骨密度検査は痛いですか?
痛みはありません。骨量測定はどの方法でも痛みがなく、数分で測定できます。DXA法は仰向けに寝た姿勢のまま装置が体の上を通る形で、超音波法はかかとを装置にのせる形、MD法は手のひらを撮影する形です。針を刺したり体を圧迫したりする工程が含まれていません。ただし測定のあいだはじっとしている必要があります。腰や背中が痛くて仰向けの姿勢を保ちにくい場合は、前腕やかかとを測る方法に切り替えられることがありますので、姿勢がつらいことは予約のときと受付で申し出てください。かかとの超音波法は骨粗しょう症の診断や治療効果の判定には用いませんから、目的に合う測定の方法は受診先で決まります。
骨密度検査の放射線による被ばく量はどのくらいですか?
被ばく量は測る方法と施設によって変わるため、一律の数値で示せる検査ではありません。放射線検査による被ばく線量は検査の種類によって異なり、同じ種類の検査でも医療機関によって差があり得るとされています。日本では医療被ばく研究情報ネットワークが診断参考レベルを定めており、施設の平均的な線量がこれと大きくかけ離れている場合は照射条件の見直しを考慮すべきだとされています。被ばくがあるのはX線を使う方法で、DXA法とMD法がこれにあたります。かかとに超音波をあてる方法ではX線による被ばくがありませんが、超音波法は骨粗しょう症の診断や治療効果の判定には用いません。被ばくを避けたい事情がある場合は、受ける方法と測定部位を伝えて受診先で相談する形になります。

妊娠中でも骨密度検査は受けられますか?
豊島区の骨粗しょう症検診については、妊娠中または妊娠の可能性のある方は受けられないと示されています。区の検診で行う骨密度測定がX線を使う方法のためです。医療機関で受ける場合の扱いは、測る方法と検査の目的によって変わります。妊娠している可能性がある場合は、予約のときと受付のときに申し出てください。
ペースメーカーがあっても骨密度検査は受けられますか?
骨密度検査は、X線か超音波で骨の量を測る検査です。強い磁場の中に入る検査ではありません。測る場所は腰椎と大腿骨近位部、前腕、手のひら、かかとで、胸に入れた機器はこれらの測定部位から外れます。ただし体内に入っている機器や金属をどう扱うかを決めるのは受診先ですから、予約のときにペースメーカーがあることを伝えてください。
人間ドックのオプションに骨密度検査はありますか?
人間ドックは、法律で項目が定められた健康診断とは別の枠組みで受けるものです。検査の組み合わせは施設ごとに決められており、骨密度検査を基本の項目に含む施設も、追加の項目として用意している施設もあります。公的医療保険の給付ではないため費用は自費になります。測定の方法によって分かることが変わりますので、申し込む段階でDXA法か超音波法かまで確かめておくと、あとで測り直しになりません。なお豊島区の骨粗しょう症検診の対象年齢にあたる方であれば、費用のかからない区の検診のほうが先に選択肢として上がります。対象や費用の扱いは自治体によって異なります。
骨粗しょう症の薬を飲んでいても抜歯はできますか?
骨粗しょう症の薬には複数の種類があり、歯科治療との関係は薬によって違います。抜歯をどう進めるかは、飲んでいる薬の種類と期間、口の中の状態を合わせて歯科が判断します。抜歯の予定があるときは、飲んでいる薬の名前がわかるものを歯科に持参してください。処方元にも歯科治療の予定を伝えておくと、両方の情報がそろった状態で判断できます。自己判断で薬をやめると骨折の危険が上がりますので、中止するかどうかは処方元に確認してください。

男性は何歳から骨密度検査を受けるとよいですか?
男性が何歳から受けるとよいかという年齢の基準は、公的な制度の上では決まっていません。豊島区の骨粗しょう症検診は女性が対象で、この対象条件だけでは男性の受検を始める年齢が決まらないためです。年齢の代わりに手がかりになるのは危険因子で、喫煙、過度の飲酒、ステロイド薬の使用、低体重、過去の骨折、骨折の家族歴は男女に共通しています。これらが重なっている場合は年齢にかかわらず相談の対象になります。男性の予防は、加齢による骨密度の低下をできるだけ小さくすることに目標が置かれています。骨粗しょう症は女性に多い病気ですが、骨折したあとの影響は男女で変わりません。大腿骨近位部の骨折や椎体の骨折が起きると心身への負担が大きくなる点は共通していますので、危険因子を持つ男性にとっても骨密度を測っておく意味があります。
サプリメントでカルシウムは補えますか?
食事から摂るのが基本です。カルシウムの耐容上限量は18歳以上で1日2,500mgとされており、通常の食品からこの値を超えることはまれですが、サプリメントを使う場合には注意が必要な水準とされています。1日1,000mg以上のカルシウムサプリメントを用いた場合に心筋梗塞のリスク上昇を報告した研究もあり、この量を超える使い方には慎重になるべきだと整理されています。サプリメントは特定の成分が濃縮されているうえ、摂っても満腹感がないため一度に多量を摂りやすくなります。カルシウムとビタミンDのサプリメントを表示量より多くとり続けたことで腎臓の働きが落ちた事例も報告されています。
参考:国立医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品をお使いの方へ 〜過剰摂取の危険性〜」
最後に、検査を受ける意味と費用と結果の見方を振り返ります。骨密度検査をめぐる問いは、突き詰めるとこの3つに整理できます。受けるかどうかは骨粗しょう症の性質から決まり、費用は測る方法と受け方で変わり、数値の読み方は診断基準に沿って判断されます。残りの部分は、どの方法で測り、どの枠組みで受けるかという選び方の話になります。
| 押さえる点 | 公的な資料で確かめられる内容 |
|---|---|
| 受ける意味 | 骨が減る段階に痛みがなく数値で状態を確かめる |
| 費用 | 保険の点数はDXA法の腰椎撮影が360点 |
| 結果の見方 | 若年成人平均値と比べたYAM値とTスコアで判定する |
| 豊島区の検診 | 豊島健康診査センターで検査を受け医療機関で総合判定 |
骨粗しょう症は骨が減っていく段階に痛みが出ないため、骨密度検査は骨折が起きる前に見つけるための手段になります。診断に用いられるのは腰椎と大腿骨近位部を測るDXA法で、かかとの超音波法は診断や治療効果の判定には用いません。
費用は測る方法で変わり、保険の点数はDXA法による腰椎撮影が360点です。判定は若年成人平均値と比べたYAM値とTスコアで行い、同年代の平均と比べた位置とは別の物差しになります。食事ではカルシウムの推奨量が18歳から74歳の女性で1日650mg、ビタミンDとビタミンKは目安量という別の指標で示されています。
豊島区の骨粗しょう症検診では、豊島健康診査センターで骨密度検査を受けたあと、検査結果票を持って医療機関で総合判定を受けるところまでが1つの検診です。
節目の年齢に受診券が届いたときが、数値を1つ手元に残せるときにあたります。豊島区の検診では65歳までは次の対象年齢が5年後になり、70歳が最後の対象年齢ですから、届いた年に受けておくと骨の状態を年単位で追えるようになります。数値が1つしかない段階では比べる相手がいませんが、2つ目がそろった時点から変化の向きが読めるようになります。

