チェック待ち

大腸ポリープは良性か悪性か?見た目と病理検査の2段階

健診の便潜血検査や大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)のあとに「大腸ポリープがあります」と言われると、まず知りたくなるのは、それがどういうもので、がんなのかどうかという点です。小さいものは症状をほとんど出さないため、体の感覚から見当をつけることはできません。

大腸ポリープが良性か悪性かは、大腸カメラ検査で表面や形を観察して推定し、採取・切除した組織を顕微鏡で調べる病理検査で診断します。ただし、一部だけを採る生検では、病変全体を評価しきれない場合があります。見た目による推定と、病理検査による確定は別の段階で、ここを取り違えないことが結果を受け取るときの土台になります。

判定の手順や推定の根拠は、良性か悪性かを扱う章にまとめました。そのうえで、大腸ポリープができやすい人の特徴、切除するかしないかの決め方、日帰りと入院の分かれ目、切除したあとの食事や仕事、そして次に大腸カメラ検査を受ける時期までを順にたどります。池袋かめさん内科では、大腸カメラ検査の際に大腸ポリープが見つかった場合、可能な限りその場で切除しています。体制と費用の目安は後半で示します。

大腸ポリープとは大腸の粘膜にできる隆起

大腸ポリープとは大腸の粘膜にできる隆起

大腸ポリープは、大腸の内側をおおう粘膜の一部が盛り上がったものをまとめて指す呼び方です。形を表す言葉なので、良性のものと悪性のものの両方がこの名前に含まれます。まずは大きな分かれ方と、それぞれがどこまでがんと関わるのかを整理します。

大腸ポリープは腫瘍性と非腫瘍性に大きく分かれる

大腸ポリープは、粘膜の細胞がふえてできる腫瘍性のものと、それ以外の非腫瘍性のものに大きく分かれます。腫瘍性には良性の腺腫と、悪性である大腸がんが含まれます。非腫瘍性には過形成性ポリープや炎症性ポリープなどが入り、腺腫に比べるとがんとの関わりは小さいという位置づけです。

分類 主なもの がんとの関わり
腫瘍性 腺腫 良性だが、がんになるものがある
腫瘍性 大腸がん すでに悪性と診断されたもの
非腫瘍性 過形成性ポリープ 腺腫に比べて低く、多くは切除しない
非腫瘍性 炎症性ポリープ 腸の炎症に伴ってできる

この分け方は、そのまま扱いの違いに結びついています。腫瘍性の腺腫は大きさや個数に応じて切除の対象になり、非腫瘍性のものは多くが切除を必要としません。同じ「大腸ポリープがある」という言葉でも、分類が違えばその後の段取りは変わります。検査の結果を聞くときは、個数や大きさだけでなく、どの分類と考えられているのかが要点になります。

ただし、どの分類に当たるかは大腸カメラ検査の見た目だけでは確定しません。切除や生検で採った組織を顕微鏡で調べて、はじめて分類が決まります。検査の場で医師が伝える「腺腫でしょう」という言葉は、その時点では見た目からの推定という扱いです。

大腸ポリープの多くを占める腺腫はがんになりうる

腺腫は、粘膜の細胞がふえてできる良性の腫瘍で、大腸カメラ検査で見つかる大腸ポリープの多くがこれに当たります。良性という言葉のとおり、見つかった時点ではがんではありません。それでも切除の対象として扱われることが多いのは、次の性質があるためです。

腺腫という名前は、腸の粘膜にある腺の細胞に由来します。大腸カメラ検査の記録では、きのこのように茎を持つ有茎性のもの、盛り上がりの低い無茎性のもの、ほとんど平らな平坦型などと、形で書き分けられます。形の違いは切除の方法を決める材料になりますが、形そのものが良性か悪性かを決めるわけではありません。

腺腫のなかには、そのままにしておくとがんに変わるものがあります。一方で、大腸ポリープのほとんどはがんにはなりません。50歳を超えると大腸ポリープは珍しいものではなく、そのなかで腺腫が、とくにがんになりやすい型として区別されています。

この両方を同時に押さえておくことが、結果を落ち着いて受け取るための前提になります。「大腸ポリープがある」と言われただけでは、がんの手前にあると決まったわけではありません。分類が分かると、がんとの関わりをより具体的に考えられます。腺腫は、そのままにすると一部ががんに変わることがある型です。

大腸ポリープに含まれる過形成性ポリープなどの鋸歯状病変

非腫瘍性に分類されるもののうち、顕微鏡でのこぎりの歯のようなぎざぎざした形に見えるものを、まとめて鋸歯状病変と呼びます。過形成性ポリープはその代表で、大腸カメラ検査では直腸やS状結腸に小さく平たい形で見つかることが多いものです。

  • 過形成性ポリープ … 鋸歯状病変のうち最も多く、腺腫に比べてがんが発生する危険性は低い
  • 鋸歯状病変の一部 … 腺腫とは別の経路でがんに至る経過(serrated pathway)が知られている
  • 大きいもの … 大きさや形によって、切除の対象として扱われる場合がある

鋸歯状病変が分かりにくいのは、非腫瘍性に入るものと、がんに至る経路を持つものが同じ名前の下に並んでいるためです。過形成性ポリープと言われても腺腫と同じ扱いにはならず、鋸歯状病変だから放っておけるとも決まりません。大腸カメラ検査の場では、表面の模様や色の違いから、腺腫と鋸歯状病変を見分けようとします。ここでも最後に決めるのは病理検査で、見た目の判断は切除するかどうかを決める材料という位置にとどまります。

参考:日本消化器病学会「大腸ポリープ診療ガイドライン2020(改訂第2版)」/米国国立がん研究所「Colorectal Cancer Screening」

大腸ポリープと大腸がんはどう違うのか

大腸ポリープは形を表す呼び方で、良性のものと悪性のものの両方があります。大腸がんは、そのうち悪性と診断されたものを指す病名です。2つは並び立つ別の病気ではなく、含む側と含まれる側の関係にあります。この順番を押さえると、検査結果の言葉が整理しやすくなります。

違いが分かりにくいのは、健診や検査の場面で「ポリープ」という言葉が、良性のものを指す言い方として使われることがあるためです。腫瘍性の大腸ポリープには悪性のものも含まれますから、大腸ポリープという言葉がそのまま良性を意味するわけではありません。

言葉の整理をもう一つ加えると、大腸がんのうち粘膜の中にとどまっている早期のものは、大腸カメラ検査では小さな隆起として見え、見た目が腺腫とよく似ています。早期の大腸がんと腺腫が見た目で紛れることが、良性か悪性かを見た目だけで決められない理由の一つです。

では目の前の1個が良性か悪性かはどう分かるのか。大腸カメラ検査で表面や形を観察して推定し、採取した組織の病理検査で確定します。推定と確定という2段階の中身は、良性か悪性かを見分ける章で詳しく扱います。

大腸ポリープには良性のものと悪性のものがあり、悪性と診断されたものが大腸がんであることを示す図

大腸ポリープで症状は出るのか?

大腸ポリープで症状は出るのか?

大腸ポリープは、ある程度大きくなるまで症状を出しません。症状の有無で見当をつけられないことが、この病気の扱いにくさです。ここでは、何が起こりうるのか、起こるのはどんなときか、そして症状から当てることができない理由を順にたどります。

小さい大腸ポリープはほとんど症状が出ない

大腸ポリープがある人の多くは、症状を自覚していません。大腸の粘膜には痛みを感じる神経が少なく、小さな隆起は便の通り道をふさぎません。痛みも出血も自覚しないまま年単位で存在することがあり、健診や大腸カメラ検査で偶然見つかる形が大半になります。

症状が出るとすれば、大きくなって便とこすれるようになってからです。出血が続けば便に血が混じることがあり、目に見えない量の出血が長く続いた結果、鉄が足りなくなって貧血として現れる場合もあります。出血しても目に見えない量のことが多いという点が、見つけにくさの中心です。

数が多い場合でも、症状の出やすさが個数に比例するわけではありません。小さいものが何個あっても自覚されないことがあり、逆に1個だけでも大きければ出血や便通の変化につながります。症状の出方を決めるのは数より大きさと場所です。早期の大腸がんも同じで、自覚症状はほとんど出ません。症状が出るのを待っていると、腺腫や早期の段階で見つける機会を逃すことがあります。症状の有無は、大腸ポリープがあるかどうかの手がかりになりません。

大腸ポリープで血便が出るのはどんなときか

大腸ポリープから血便が出るのは、表面が便とこすれて傷ついたときです。きのこのように茎を持つ有茎性のもので、ある程度の大きさがあり、便が固い場合に起こりやすくなります。小さく平たいものでは、こすれる機会そのものが少ないため出血は起こりにくくなります。

もう一つ関わるのが、大腸ポリープがある場所です。肛門に近い直腸やS状結腸にあると、出血した血液がそのまま便に付いて気づかれやすくなります。奥にあると気づかれにくく、出血があっても血便として自覚されないことがあります。

ただし、血便の原因は大腸ポリープだけではありません。大腸の壁に袋状のくぼみができる大腸憩室からの出血も原因の一つで、その見分け方や治療の話は別の記事の領域です。大腸憩室については大腸憩室から起こる憩室炎と憩室出血の違いで扱っています。

大腸ポリープは症状では気づけないことを示す帯画像

大腸ポリープがあるとおならは増えるのか

大腸ポリープのせいで、おならが増えたり、においが強くなったりするとは言えません。おならの大部分は飲み込んだ空気と腸内で作られたガスで、量やにおいは食べたものと腸内の細菌の働きに左右されます。大腸ポリープの有無とおならを結びつける根拠は示されていません。

大腸ポリープが腸の内側を大きくふさいだ場合には、ガスや便の通りが悪くなっておなかの張りが出ることがあります。ただしそれは、かなり大きくなって腸の内側が狭くなった段階の話で、健診や大腸カメラ検査で見つかる大きさの多くは当てはまりません。

においの変化だけでは、大腸ポリープの有無は判断できません。おならが気になるときに手がかりになるのは、大腸ポリープがあるかどうかではなく、便通の変化が続いていないかという点です。便が細くなる・出にくいといった変化が数週間続くなら、原因を確かめる検査の対象になります。

大腸ポリープは症状チェックでは見つけられない

ここまでを整理すると、大腸ポリープを症状の組み合わせから当てることはできません。症状が出るのは大きくなってからで、出たとしても大腸ポリープに固有のものではないからです。

知りたいこと 症状で分かるか
大腸ポリープがあるかどうか 分からない
大腸ポリープの数や大きさ 分からない
良性か悪性か 分からない
検査を受ける理由があるかどうか 便通の変化や出血は手がかりになる

症状チェックで該当する項目が多いと不安は強まりますが、その数から大腸ポリープの有無は判断できません。逆に、該当する項目が一つもなくても大腸ポリープがないことにはなりません。症状チェックは検査の代わりにならないという位置づけです。

症状から当てられないとすると、次に手がかりになるのは背景です。年齢や生活習慣、家族歴といった、できやすさに関わる要因をたどることになります。見つけ方そのものは、背景を整理したあとの章で扱います。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」/米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所「Symptoms & Causes of Colon Polyps」

大腸ポリープができやすい人と原因

大腸ポリープができやすい人と原因

大腸ポリープは、特定の人だけにできるものではありません。最も大きく関わるのは年齢で、生活習慣についても関連が指摘されている要因があります。一方で、何が原因でできるのかは、はっきりとは分かっていません。できやすさに関わる要因と、分かっていないことの境目を順に整理します。

大腸ポリープは年齢が上がるほどできる人が増える

大腸ポリープのできやすさに最も大きく関わるのは年齢です。50歳を超えると大腸ポリープは珍しいものではなくなり、年齢が上がるほど見つかる人は増えていきます。年齢は変えられない要因ですから、生活習慣を整えても年齢の分は残ります。

国が行う大腸がん検診が40歳以上を対象に、1年に1回の便潜血検査で組まれているのも、この年齢による増え方を踏まえたものです。40代に入ったら、症状がなくても検査の対象になる年齢に入ったと考えて差し支えありません。

一方で、年齢を重ねた人のすべてに大腸ポリープがあるわけではありません。年齢が上がるほど見つかる人の割合が増えるという関係であって、70代でも見つからない人はいます。年齢は確率を押し上げる要因で、有無を決めるものではないという読み方になります。

年齢が要因の中心だということは、見つかったときの受け取り方にも関わります。生活が乱れていたから大腸ポリープができた、と結びつけられない場合が多いためです。原因を自分の生活の中に探し当てられないほうが普通で、見つかったこと自体を自分の不注意として受け取る必要はありません。

大腸ポリープができやすい人に多い生活習慣

年齢のほかに、大腸がんの発生要因として関連が指摘されているものがあります。大腸ポリープのうち腺腫は大腸がんと同じ経路の上にあるため、これらの要因は大腸ポリープのできやすさを考えるときの手がかりになります。

関連が指摘されている要因
要因 報告されている向き
喫煙 大腸がんの発生要因として挙げられている
飲酒 同じく発生要因として挙げられている
肥満・高身長 発生要因として挙げられている
加工肉・赤肉 女性で関連が指摘されている
炎症性腸疾患 大腸の慢性的な炎症が関わる
運動 予防に効果的であることがほぼ確実

表のうち運動だけは向きが逆で、大腸がんの予防に効果的であることがほぼ確実とされています。食物繊維やカルシウムについては、可能性があるという段階です。生活習慣を整えることで変わるのはできやすさで、すでにできているものを消す話ではありません。

気をつけたいのは、これらが「当てはまれば大腸ポリープがある」という目印ではない点です。一つも当てはまらない人にも大腸ポリープはできます。生活習慣の整理は、検査を受けるかどうかの判断を助ける材料という位置にとどまります。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 予防・検診」

大腸ポリープは要因に当てはまる人にも当てはまらない人にもできることを示す図

大腸ポリープができやすい人は女性と男性のどちらに多いのか

大腸ポリープは女性にも男性にも見つかります。どちらに多いかを一つの数値で示した国内の資料は示されていません。大腸がんの発生要因としては、喫煙・飲酒・肥満・高身長が男女を分けずに挙げられ、加工肉や赤肉の摂取は女性で関連が指摘されています。これは大腸がんについての報告で、大腸ポリープのできやすさの男女差を示したものではありません。

見つかる人の数に差があったとしても、それがそのままできやすさの差を表すとは限りません。検査を受ける機会の多さも、見つかる数に影響します。数の比較だけから男女差を読み取ることはできません。

検査を受けるかどうかの基準に男女差を持ち込む必要はありません。年齢・家族歴・便通の変化・便潜血検査の結果という手がかりは男女で共通です。「女性だから大腸ポリープはできにくい」という読み方は成り立ちません。

大腸ポリープの原因はストレスなのか

ストレスが大腸ポリープの原因だと示した資料はありません。大腸ポリープができる原因は、はっきりとは分かっていません。関連が指摘されている要因は複数ありますが、そのうちどれが原因だと特定された段階には至っていません。

ストレスが関わるかどうかも、まだ分かっていません。ストレスを減らせば大腸ポリープを防げる、という説明も裏づけられていません。腸の調子とストレスの関係と、大腸ポリープができることは、別の話として分けて考えます。

原因を一つに決められないので、できやすさに関わる要因を整えながら、見つけるための検査を組み合わせる形になります。原因探しよりも、見つかったときにどうするかを決めておくほうが役に立ちます。

参考:米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所「Symptoms & Causes of Colon Polyps」

大腸ポリープが家族内に多く出る遺伝性の病気もある

家族の病歴は、大腸がんの発生要因として挙げられています。なかでも、家族のなかに大腸ポリープや大腸がんが集まる原因になる遺伝性の病気が知られています。

  • 家族性大腸腺腫症 … 大腸に非常に多数の腺腫ができる
  • リンチ症候群 … 若い年齢で大腸がんが発生しやすい

これらに当てはまるのは大腸ポリープができる人のごく一部ですが、当てはまる場合は検査を始める年齢や受ける間隔が変わります。血のつながった家族に大腸がんや大腸ポリープの既往があるかどうかは、診察のときに伝えてください。遺伝性の病気に当てはまらない場合でも、家族に大腸がんがあること自体が検査を考える理由になります。年齢だけで線を引くと、早く始めたほうがよい人を取りこぼすことがあります。

20代や30代で大腸ポリープが見つかることはあるのか

見つかることはあります。年齢が上がるほど増えるのは割合の話で、20代や30代ではできないという意味ではありません。若い年齢で見つかるのは、血便や便通の変化で大腸カメラ検査を受けた場合が多くなります。この年代で気をつけたいのは、症状を一時的なものと決めてしまうことです。若いから大腸ポリープではない、という理由で検査を遅らせる根拠はありません。年齢は確率を変えるだけで、可能性をゼロにはしません。

若い年齢で大腸ポリープが見つかった場合は、それ以降に大腸カメラ検査を受ける間隔も変わります。見つかったという事実そのものが、次の検査の時期を決める材料になるためです。切除したあとの間隔は病理の結果とあわせて決まるので、後の章で扱います。

遺伝性の病気がある場合は、より若い年齢から検査の対象になります。20代や30代で血便や便通の変化が続くとき、あるいは家族に大腸がんが集まっているときは、年齢を理由に先送りせず医師に相談してください。

大腸ポリープはどうやって見つかるのか

大腸ポリープはどうやって見つかるのか

症状から当てられないとなると、残る道は大腸の中を直接確かめることです。ここでは、大腸ポリープを見つけられる検査は何か、見つかった大腸ポリープを同じ日に切除できるのはどんなときか、保険診療になる条件、そして飲んでいる薬の扱いを、この順で押さえます。

大腸ポリープを直接見つけられるのは大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)

大腸ポリープそのものを見つけ、その場で組織を採れる検査は大腸カメラ検査です。肛門から細いスコープを入れて大腸の奥まで進め、引き抜きながら粘膜を観察します。池袋かめさん内科でも、直径1cm程度の細いスコープを肛門から挿入し、大腸の最も奥にある盲腸まで到達させ、引き抜きながら観察する形で大腸カメラ検査を行っています。

大腸の形を調べる検査は他にもあります。ただし、粘膜の表面の模様を近くで見たり、その場で組織を採ったりはできません。見つけることと確かめることを1回で行えるのが大腸カメラ検査で、見つかったあとの判断にそのまま進めるかどうかが他の検査との違いです。

健診の便潜血検査は、便に混じった血液を調べて精密検査が必要な人を選ぶ検査です。大腸ポリープそのものを見るものではないため、結果が陽性でも陰性でも、大腸の中を確かめるには大腸カメラ検査が必要になります。便潜血が陽性だったときの考え方は心配いらない血便はあるのかで扱っています。

ここで扱うのは、大腸ポリープを見つけるまでの流れです。健診の便潜血検査が陽性だったときの読み方、1回だけ陽性だった場合にどう考えるかは、血便と便潜血を扱う記事の範囲になります。

大腸カメラ検査は大腸ポリープの発見と切除を同じ日に行える

大腸カメラ検査では、見つかった大腸ポリープを同じ日に切除できる場合があります。できるかどうかは、病変の大きさや形、数、服用している薬、その日の腸の洗浄の具合によって変わります。条件が整えば1回の検査で済み、整わなければ日を分けるという形です。

同じ日に切除できれば、下剤を飲む前処置をもう一度繰り返す必要がなくなります。前処置は検査そのものより負担が大きい部分なので、ここが1回で済むかどうかは実際の負担に直結します。食事の制限を含めた準備も1回で終わります。一方で、同じ日には切除しないという判断もあります。大きい病変や形の難しい病変では、切除の方法と体制を整えてから行ったほうが安全な場合があるためです。どちらになるかは、見てから決まります。

同じ日に大腸ポリープを切除できるかが、大きさや形・数・飲んでいる薬・腸の洗浄で決まることを示す図

大腸ポリープの検査と切除が保険で受けられるのはどんなときか

ここで整理するのは、大腸カメラ検査と大腸ポリープの切除が保険診療になる条件です。金額の目安は後の章で扱います。保険診療になるかどうかは、検査を受ける理由によって決まります。

保険診療になる場合とならない場合
保険診療になる主なケース 自費になるケース
便潜血検査が陽性だった方 特に症状がなく、ご本人の希望のみで検査を受ける場合
便に血が混じる、便通異常(便秘・下痢)など自覚症状がある方 健康診断や人間ドックの一環として大腸カメラ検査を受ける場合
過去に大腸ポリープや大腸疾患を指摘された方、経過観察中の方 企業健診のオプションとして追加する場合
ご家族に大腸がんの既往歴があり、医師が検査の必要性を認めた方 —

豊島区の大腸がん検診は便潜血検査で、30歳以上の方が対象です。大腸がん検診で精密検査が必要な場合には、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)にも対応しているため、健診から精密検査まで当院でお受けいただけます。対象となる健診の種類は健康診断のページにまとめています。

大腸ポリープの切除も、保険診療として行われた検査の中で見つかったものであれば、保険診療の対象になります。検査を受ける理由が保険の区分を決めるので、申し込みの段階でどちらに当たるかを確かめておくと、費用の見通しが立てやすくなります。

大腸ポリープの切除前に抗血栓薬を中止するかは医師が判断する

血液を固まりにくくする抗血栓薬を飲んでいる場合、大腸ポリープを切除したあとに出血が起こりやすくなります。そのため、切除の前に薬を続けるか、一度やめるかという判断が必要になります。この判断は、薬を処方している医師と検査を行う医師が行います。

自己判断で中止しないでください。抗血栓薬は、血管が詰まることを防ぐために飲んでいる薬です。やめれば切除後の出血は抑えられても、血管が詰まる危険のほうが上がります。どちらの危険を重く見るかは、飲んでいる理由と体の状態で変わります。大腸カメラ検査を申し込む段階で、飲んでいる薬をすべて伝えてください。市販の痛み止めやサプリメントも含めて伝えると、薬の扱いだけでなく、前処置や検査日の組み方まで含めて判断できます。

大腸ポリープの検査を考えるときの相談先
大腸ポリープは症状から当てられないため、確かめるには大腸の中を直接見る検査が必要になります。池袋かめさん内科の内科診療は予約なしで当日受診いただけるので、大腸カメラ検査が必要かどうかの相談から始められます。
大腸カメラ検査は毎週金曜日の午後に予約制で行っており、受ける前に一度ご来院いただく必要があります。事前の診察のご予約はWEB予約と公式LINEから承っています。

大腸ポリープは良性か悪性かを見た目で見分けられるのか?

大腸ポリープは良性か悪性かを見た目で見分けられるのか?

見た目で分かるのはどこまでか、という問いには線が引けます。大腸カメラ検査の場でできるのは見積もりで、診断として確定するのは顕微鏡で組織を調べたあとです。ここでは、見た目だけで決められない理由、何を手がかりに見積もっているのか、確定の手順、そして割合の話を順に追います。

大腸ポリープが良性か悪性かは見た目だけでは決められない

大腸カメラ検査の画面に映るのは、粘膜の表面の色・形・模様です。良性の腺腫と、粘膜の中にとどまる早期の大腸がんは、この見え方が重なります。見え方が似ている段階の病変を、形だけで切り分けることはできません。似ているからこそ、切除して確かめる手順が必要になります。

もう一つの理由は、1つの病変の中が一様ではないことです。腺腫の一部にだけがんが含まれている場合があり、表面から見えているのは病変の一部にすぎません。表面の見え方が落ち着いていても、内部の一部が別の状態だという可能性は残ります。

見分けにくい理由は、大きさによっても異なります。小さいものは表面から読み取れる情報そのものが少なく、大きいものは表面の中に性質の違う部分が混ざります。小さくても大きくても、見た目だけでは判断しきれません。

だからといって、見た目を観察することに意味がないわけではありません。見た目は、切除するかどうか、どの方法で切除するかを決めるための材料になります。見た目で決まるのは方針で、診断ではありません。この線を引いておくと、検査直後の説明と、後日の結果説明の違いが分かります。

大腸カメラ検査では大腸ポリープの表面や形から良性か悪性かを推定する

推定の手がかりは、粘膜の表面の模様と血管の見え方です。大腸カメラ検査では、粘膜の表面や血管の様子、色などを強調する画像強調観察や拡大観察を行うこともあります。見ているのは次のような点です。

見ているところ そこから推定すること
表面の模様 腺腫か、鋸歯状病変か、非腫瘍性か
血管の見え方 腫瘍性の変化がどの程度進んでいるか
盛り上がりの形 有茎性か、無茎性か、平坦型か
周囲とのさかいめ どこまでの範囲を切除するか
中央のくぼみや硬さ より深い層に及んでいる可能性

これらを組み合わせると、この病変は腺腫らしい、この病変は切除を急いだほうがよいという方針が立ちます。詳しく観察するほど推定の確かさは高まりますが、それだけで診断名が確定するわけではありません。画像強調観察や拡大観察は、一般に行われている観察の方法です。これらを使っても、見えているのは表面の情報にとどまります。表面の様子から深さを推し量ることはできても、組織の中身を直接見ているわけではありません。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 検査」

大腸ポリープの良性と悪性を確定させるのは採取した組織の病理検査

確定させるのは病理検査です。採った組織を薄く切って顕微鏡で見て、細胞の形や並び方から診断します。大腸カメラ検査では、その場で組織の一部を採取する生検(組織採取)を行うことが可能で、採った組織はそのまま病理検査に回されます。

組織を病理検査に出す道は2つあります。切除せずに一部だけを採る生検と、切除した大腸ポリープをそのまま出す方法です。生検は病変の一部を採る方法ですから、採った部分に変化がなければ、病変全体の診断としては確定しない場合があります。切除した大腸ポリープを丸ごと出せば、病変全体を評価できます。取り切れているかどうかの判定もここで行われます。どちらにするかは、見た目からの推定と病変の大きさ・形で決まります。

結果が出るまでの流れ

採った組織は検査に回され、結果が出るまでに時間がかかります。結果を聞く日には、どの分類だったか、取り切れているか、追加の処置が必要かが伝えられます。結果待ちの期間と、悪性だった場合の進み方は、病理検査の結果を扱う章でまとめます。

確定するのは病理検査

大腸カメラ検査で分かるのは推定までで、良性か悪性かを診断として確定させるのは採取した組織の病理検査です。生検は病変の一部を採る方法のため、生検の結果だけでは確定しない場合があるという点も、結果を聞くときの前提になります。

参考:大腸癌研究会「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2022年版 Q&A」

大腸ポリープが良性か悪性かを見た目で推定し、組織を採取して病理検査で確定するまでの2段階を示す図

切除した大腸ポリープのうち悪性と分かるのはどのくらいか

割合をひとつの数字で示すことはできません。切除した大腸ポリープ全体を分母にそろえた割合は示されていません。報告されているのは腺腫を分母にして大きさごとに分けた割合で、しかもその値は報告によって大きく違います。報告ごとに異なるのは、対象とした集団、病変の個数と患者の人数のどちらで数えるか、そして悪性の定義です。このため、割合をひとつの数字にはまとめられません。大きさごとの割合は次の章で扱います。

それでも押さえておきたいのは、切除したあとに悪性と分かる人がいるという事実そのものです。良性だろうという見込みで切除したものが、病理検査で悪性だったという経過はあります。だから切除した大腸ポリープは病理検査に出されるという段取りになっています。

割合を知りたくなるのは自然なことですが、割合は集団についての数字で、目の前の1個の答えにはなりません。個々の病変が良性か悪性かは病理検査で決まるので、結果を待つことが答えに最も近い道になります。

大腸ポリープの大きさとがんになるリスク

大腸ポリープの大きさとがんになるリスク

大きさの話には、2つの問いが混ざっています。いまその大腸ポリープががんを含んでいる可能性と、これから先にがんになる可能性です。2つは別の問いで、答えの出し方も違います。ここでは混ぜずに分けて扱い、経過の仕組み、現在の割合、節目とされる大きさ、変化の速さを順に確かめます。

大腸ポリープのうち腺腫が大腸がんに変わる経過

大腸がんの多くは、腺腫を介して発生すると考えられています。腺腫の細胞に変化が積み重なり、その一部がやがてがんに変わるという経過です。この経過は大腸ポリープのうち腺腫に限った話で、非腫瘍性のものはこの道筋には乗りません。正常な粘膜から直接がんが発生するものもあります。つまり、すべての大腸がんが腺腫を経るわけではなく、すべての腺腫ががんになるわけでもありません。経路は1本ではありません。

腺腫の中でも、がんになりやすさは一律ではありません。ガイドラインは、大きさ・細胞の異型の程度・絨毛成分の有無が影響すると整理しています。同じ大きさでも中身の性質で違いが出るため、病理検査の記載には大きさ以外の情報も並びます。

何年でがんになるのか、という数字は示されていません。ガイドラインが示しているのは、この経過の仕組みと、大きさとの関係です。年数を当てにするよりも、大きさと病理検査の結果で判断する形が、実際に使われている考え方になります。

大腸ポリープは大きいものほどがんである割合が上がる

ここで扱う割合は、いまの時点でがんを含んでいる割合です。切除した腺腫を病理検査で調べて、がんが含まれていた病変の割合を大きさごとに並べたもので、将来どうなるかを予測した数字ではありません。

大きさごとに報告されている割合
腺腫の大きさ がんが含まれていた割合(ある報告)
5mm未満 0.4%
5〜10mm 3.4%
10〜15mm 12%
15〜20mm 20.7%
20〜25mm 26.6%
25〜30mm 32.1%

※同じ大きさでも報告によって値が違い、別の報告では20mm以上が65.9%と示されています。

ガイドラインは、径10mmを超えるとがんが含まれる割合が上がるとまとめています。この表では5mm未満が0.4%、5〜10mmが3.4%で、10mmを超えるあたりから二桁に入ります。大きさは、いまがんを含んでいる可能性を測るうえで最も使いやすい手がかりです。

同時に、報告による差が大きいことも書かれています。日本と欧米の数字を単純に比べられないことも示されており、ひとつの値を自分の病変にそのまま当てはめる使い方はできません。表は傾向を読むためのものです。

参考:日本消化器病学会「大腸ポリープ診療ガイドライン2020(改訂第2版)」

2cm以上の大腸ポリープは大きさだけで悪性と決まるのか

決まりません。ある報告では20〜25mmで26.6%、別の報告では20mm以上で65.9%とされています。大きさの区分と対象集団が違うため、同じ条件の数値としては比べられません。高い値を示した報告でも、がんを含んでいなかった病変が3分の1あります。それでも大きいものは切除の方法が変わり、入院で行う判断になる場合もあります。大きさで変わるのは段取りと優先度で、診断そのものではありません。

診断として確定させるのは、ここでも病理検査です。大きいと言われた段階で結論を出さず、切除して全体を調べた結果を待つことになります。病理検査で大腸がんと診断されたあとの進行度(ステージ)や治療後の見通しは、大腸がんそのものの話で、国立がん研究センターのがん情報サービスが公開しています。

ここで扱う範囲は、大腸ポリープの大きさと、いまがんを含んでいる可能性までです。大腸がんと診断されたあとの進行度(ステージ)や、治療後の見通しの数字は、大腸がんそのものを扱う資料の範囲になります。

大腸ポリープが1年で大きくなることはあるのか

小さい腺腫については、数年のあいだ観察しても大きさや形がほとんど変わらなかったという報告があります。径5mm以下の微小な腺腫を2〜3年追った国内の検討で、大きさの増大や形の変化が見られた病変は少なかったという内容です。

一方で、径1〜9mmの腺腫を2〜3年追ったところ、6%が進行した病変に変わっていたという報告もあります。変わらないものが多数で、変わるものもあるという形になり、1年でこうなるという一律の数字は示されていません。

数か月で目に見えて大きくなるのか、という問いに、これらの報告だけで答えることはできません。言えるのは、観察された小さい病変の多くが数年のあいだ変わらなかった、というところまでです。切除後に次の検査をいつ受けるかは、病変の数と大きさ・病理検査の結果で決まります。

微小な腺腫をそのままにした場合に、どのくらいがんが発生するのかについては、エビデンスが乏しいという整理です。だからこそ、間隔をおいて確かめる形が取られます。どのくらいの間隔で次を受けるかは、病理検査の結果とあわせて後の章で示します。

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」

大腸ポリープを切除するかしないかはどう決まるのか?

大腸ポリープを切除するかしないかはどう決まるのか?

切除するかしないかは、分類と大きさと形、そして受ける人の状態で決まります。切除すれば大腸がんの発生と死亡が減ると報告されている一方で、切除しないという選択がありうる場合もあります。両方を並べて見たほうが、医師の説明の意味が分かります。

大腸ポリープの切除で大腸がんの発生と死亡が減ると報告されている

腫瘍性の病変を内視鏡で切除することは、大腸がんによる死亡を抑えるために推奨されています。日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは、推奨の強さが1、エビデンスのレベルがAという最も強い組み合わせで示されています。切除をすすめられる根拠はここにあります。

腺腫性の病変の内視鏡切除が、大腸がんの発生および死亡率の低下につながることは科学的に証明されている、という記載もあります。切除は、いま見つかった病変を取ることと、将来の発生を減らすことを兼ねているという位置づけです。

ただし、切除すれば大腸がんにならないという話ではありません。切除したあとに新しい病変ができることがあり、取り残しや見落としもありえます。切除は、将来大腸がんになる確率を下げる手段ですが、ゼロにするものではありません。だから切除のあとにも検査の予定が残ります。

切除で大腸がんの発生と死亡が減る

腫瘍性の病変を内視鏡で切除することは、大腸がんによる死亡を抑えるために推奨されています。推奨の強さ1・エビデンスのレベルAという最も強い組み合わせで示されており、見つかった腺腫に切除をすすめられる根拠はここにあります。

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」

大腸ポリープを取らない方がいい場合はあるのか

あります。非腫瘍性の大腸ポリープの多くは、切除の必要がないと整理されています。腺腫についても、大きさによって扱いが分かれます。

  • 非腫瘍性の大腸ポリープ … 多くは切除の必要がない
  • 径5mm以下の隆起型の腺腫 … 切除のほか、経過観察という選択も容認されている
  • 径6mm以上の腺腫 … 内視鏡切除の適応とされている

病変の側の条件だけでなく、受ける人の側の条件もあります。抗血栓薬を続ける必要がある場合、ほかの病気の治療を先に進める場合、腸の洗浄が十分でない場合などです。切除で生じる危険が、切除で下げられる危険を上回ると判断されれば、その場では切除しません。

取らないという判断は、放っておくという意味ではありません。間隔を決めて確かめる形に切り替わるだけです。この区別が伝わらないままだと、次の検査の予定が立たなくなります。切除しないと言われたときは、次にいつ確かめるのかをあわせて聞いておくと、見通しが立ちます。

参考:日本消化器病学会「大腸ポリープ診療ガイドライン2020(改訂第2版)」

大腸ポリープを切除する場合と、切除せず間隔を決めて確かめる場合の分かれ方を示す図

大腸ポリープを放置するとどうなるのか

放置した場合に何が起きるかは、腺腫かどうかで変わります。腺腫を取らずにおくと、そのうちの一部はがんに変わる経過をたどります。大きさが上がるほどがんを含む割合が上がることは前の章で見たとおりで、時間が経てばその帯に近づいていく可能性があります。

ただし、放置した場合にどのくらいがんが発生するのかを示すエビデンスは乏しい状況です。放置すれば必ずがんになる、という言い方はできません。確率が上がる方向に動く、という理解が実際に近いものになります。

放置という言葉で見落とされやすいのは、時間が経つあいだに切除の段取りが変わることです。小さいうちはその場で切除できるものが、大きくなると方法が変わり、入院で行う処置になる場合もあります。早いほど段取りが軽くなるという点は、確率の話とは別の実利です。

非腫瘍性のものであれば、放置という言葉が当てはまりません。切除の対象でないものを切除しないのは、方針どおりの扱いです。問題になるのは、腺腫と分かっていながら、次の検査を受けないまま年数が経つ場合です。

大腸ポリープは食事を変えれば消えるのか

食事を変えても、できている大腸ポリープが消えることはありません。食事で小さくしたり消したりする方法は示されていません。大腸ポリープを取り除く手段は、内視鏡や手術で物理的に切除することだけです。一方で、生活習慣はできやすさに関わります。喫煙・飲酒・肥満は大腸がんの発生要因として挙げられ、運動は予防に効果的であることがほぼ確実とされています。生活習慣が動かすのは、これからできる側のほうです。

自然になくなることを期待して様子を見る、という方針も取られません。間隔を決めて確かめる経過観察と、期待して待つことは別です。経過観察は、変化が出たときに切除へ切り替えるための手順として組まれています。食事と生活の整え方は予防の側に効き、すでにできているものには届きません。大腸がんの発生を確実に抑える予防法は確立していないという記載もあります。切除と生活習慣は、役割の違う2つの手段です。

大腸ポリープの切除は日帰りでできるのか?

大腸ポリープの切除は日帰りでできるのか?

多くの大腸ポリープは、開腹手術ではなく内視鏡で切除できます。日帰りになるか入院になるかは、病変の大きさと形、用いる手技、そして受ける施設の体制で決まります。ここで扱うのは一般的に整理されている線引きで、池袋かめさん内科の体制と費用は後の章で示します。

大腸ポリープの切除は多くが開腹手術ではなく内視鏡で行える

大腸ポリープの切除は、その多くが大腸カメラ検査と同じ方法で行えます。肛門から入れたスコープの先から器具を出し、病変を切り取る形です。おなかを開く必要はなく、皮膚に傷も残りません。ただし、大きい病変や深く及んでいる病変では、入院での処置や外科の手術になる場合があります。

ここで言葉の整理が必要になります。保険の区分では、内視鏡で日帰りに行う切除も日帰り手術と呼ばれます。手術という言葉が使われていても、開腹手術を指しているわけではありません。受ける処置の実体は、大腸カメラ検査と地続きです。前処置で腸をきれいにし、スコープを入れ、見つかったものを切り取って、休んでから帰ります。手術という言葉から想像される入院や全身麻酔とは、段取りそのものが違います。

大腸ポリープの切除方法は大きさや形によって決まる

切除の方法は、病変の大きさと形、そして深さの見積もりで決まります。手技の名前は結果の説明や会計の明細に出てくるので、おおまかな使い分けを知っておくと読み解きやすくなります。

手技 用いられる場面
ポリペクトミー 茎のある病変をスネアという輪で絞めて切り取る
コールドポリペクトミー 通電せずに切り取る。小さい病変に用いられる
内視鏡的粘膜切除術(EMR) 粘膜の下に液を注入し、持ち上げてから切り取る
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 粘膜下層をはがし、大きい病変を一括で切り取る

どの手技を使うかは、その場の判断になります。見た目からの推定で深さに不安があれば、一括で取り切れる方法が選ばれます。小さく平たいものでは、通電しない方法が選ばれることもあります。同じ大きさでも形と場所で方法が変わるため、事前に決め切ることはできません。

手技の名前は、日帰りか入院かの目安にもなります。ポリペクトミーやEMRは外来で受けることができる場合もあり、ESDは大きい病変に対して行われるため、入院で行うことが望ましいとされています。

大腸ポリープの切除が日帰りになるか入院になるかは何で決まるのか

分かれ目になるのは、病変の大きさと用いる手技、そして受ける施設の体制です。EMRは径20mm未満であれば外来で行うことも可能とされ、径20mm以上のEMRやESDは、施設と患者側の条件が合えば入院で行うことが望ましいとされています。

日帰りと入院を分ける材料
  • 病変の大きさ … 径20mmが外来と入院を考える目安として挙げられている
  • 用いる手技 … ポリペクトミーやEMRは外来で受けられる場合がある
  • 偶発症の起こりやすさ … 出血や、腸の壁に穴が開く穿孔(せんこう)の危険が高い処置は入院で備える
  • 受ける人の状態 … 抗血栓薬や持病の有無で備えの重さが変わる
  • 施設の体制 … 緊急時に対応できる人員と設備があるかどうか

このうち施設の体制は、病変の側の条件ではありません。同じ大きさの病変でも、日帰りで行う施設と入院で行う施設があります。どちらが正しいという話ではなく、備えの置き方が違うという理解になります。境目は一本の線ではなく、手技と体制によって動きます。径20mmという数字も、外来か入院かを考えるときの目安として挙げられているもので、どの施設にも当てはまる基準として示されているわけではありません。

日帰りと入院の分かれ目

分かれ目になるのは、病変の大きさ・用いる手技・偶発症への備えです。EMRは径20mm未満であれば外来で行うことも可能とされ、径20mm以上のEMRやESDは入院が望ましいと整理されています。施設の体制によっても扱いは変わります。

ここで示した線引きは、大腸ポリープの切除について一般的に整理されている範囲の話です。どの大きさまで日帰りで切除するかは医療機関ごとに違うため、受ける施設での扱いは診察のときに医師から示されます。

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」

大腸ポリープの切除で入院が1週間になることがあるのはなぜか

入院が3日から1週間程度になるのは、がんを疑う病変や大きい病変に対する内視鏡治療の場合です。大腸がんの内視鏡治療では、合併症が起こる可能性があるため、多くの場合3日から1週間程度入院します。良性の大腸ポリープを外来で切除する場合とは、前提が違います。ここで言う合併症は、切除したあとに起こる出血(後出血)と穿孔です。

手技ごとに報告されている偶発症
手技 術中穿孔率 後出血率
ポリペクトミー 0.05% 1.6%
内視鏡的粘膜切除術(EMR) 0.58〜0.8% 1.1〜1.7%
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 2〜14% 0.7〜3.1%

※手技ごとの数値です。ESDは大きい病変に用いる手技で、切除全般の危険を示すものではありません。

入院する理由は、起こりうる出血や穿孔にその場で対応できるようにしておくことです。遅れて起こる穿孔は多くが治療終了後24時間以内ですが、3分の1程度は24時間以降に起こるという報告もあります。入院は処置そのものではなく、そのあとの時間に備えるためのものです。

入院中は、腹痛や発熱などの炎症の所見がないことを確かめてから食事を始めます。大腸がんの内視鏡治療では、治療後2〜3日目から流動食が始まり、退院するまでに徐々に普通の食事へ戻す流れが示されています。前泊を含めて4泊5日の計画で問題なかったとする報告もあります。

外来で切除する施設で入院が必要と判断された場合は、入院して処置を行える医療機関に紹介される流れになります。切除を急ぐかどうかもあわせて判断されるため、その場で日程まで決まらないこともあります。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス「内視鏡治療」

大腸ポリープの切除で日帰りと入院は費用がどう違うのか

ここで扱うのは、日帰りと入院で費用の構成がどう変わるかです。金額の目安は池袋かめさん内科の章で示します。大腸ポリープの切除は保険診療として行われるため、支払うのは自己負担の割合に応じた額になります。日帰りの場合は、検査と切除の費用が中心です。入院になると、そこに入院の費用と、入院中の処置や検査の費用が加わります。日数が延びればそのぶん積み上がるという構成で、用いる手技が大きくなるほど差が開きます。

もう一つの違いは、処置に伴う加算です。日帰りで手術を行った場合には、検査だけのときには付かない分が加わります。検査と切除を合わせた目安としての金額と、加算の扱いは、池袋かめさん内科の費用の節で示します。

大腸ポリープを切除したあとの生活

大腸ポリープを切除したあとの生活

切除したあとに気をつけることは、切った面からの出血を避けるという一点に集まります。食事・お酒・運動・仕事の戻し方は、どれもここにつながっています。いつから戻せるかは切除した大きさ・個数・方法で変わるため、当院の案内と、施設によって指示が違う理由をあわせて見ていきます。

大腸ポリープを切除した当日はどう過ごすのか

当日は、腸と切除した面を休ませる日になります。池袋かめさん内科では、組織検査やポリープ切除を行った方は当日はアルコールを禁止とし、消化の良い食事をとっていただきます。検査が終わって帰宅するのは、通常16〜18時頃が目安です。

鎮静剤の使用を希望された場合は、検査後のふらつきや眠気が残る可能性があるため、検査終了後に1~2時間お休みいただきます。なお、当日は車・バイク・自転車でのご来院はお控えください。この条件は鎮静を使うかどうかで決まるため、ポリープを切除したかどうかにかかわらず当てはまります。

当日は、ふだんより体を動かさない過ごし方にします。水分はとって構いませんが、刺激の強い飲み物は翌日以降に回します。鎮静を使った場合は判断力が戻るまでに時間がかかるため、重要な予定を同じ日に入れない形で組むと当日の動きに余裕が出ます。

当日の痛みと入浴

切除そのものの痛みは基本的にありません。大腸の粘膜には痛みを感じる神経が少ないためです。検査中に入れた空気でおなかが張る感じは残ることがあり、ガスが出ていくにつれて落ち着きます。強くなっていく痛みは別の話で、その場合の目安はこの章の最後で扱います。

入浴は、当日はシャワー程度にとどめます。湯船で体を温めると血のめぐりが増えるため、当日は避ける形になります。翌日以降どうするかは、切除した内容に合わせて検査後の説明で示されます。

大腸ポリープの切除後に普通の食事へ戻せるのはいつからか

戻せる時期は、切除をしたかどうかと、その内容で変わります。池袋かめさん内科では、当日は消化の良い食事とし、翌日以降は通常通りの食事にお戻しいただいて問題ありません。ただし、特にポリープ切除を行った場合は、1~3日程度、飲酒や香辛料の摂取をお控えください。

時期 食事の目安(池袋かめさん内科の案内)
検査当日 消化の良い食事。アルコールは禁止
翌日以降 通常通りの食事に戻して問題ない
切除を行った場合の1~3日程度 飲酒と香辛料を控える

戻し方は、消化のしやすさで考えます。当日は腸への負担が小さいものを選び、翌日以降に普段の食事へ戻します。量を一度に戻すよりも、回数を分けるほうが腸への負担が小さくなります。食べてよいものを一覧で覚えるより、負担の大小で選ぶほうが自分の食事に当てはめやすくなります。

上の表は池袋かめさん内科の案内です。切除した大きさ・個数・方法によって、他の医療機関ではより長い制限が示されることがあります。受けた施設の指示が、一般的な目安よりも優先されます。普段の食事に戻したあとに血便やおなかの痛みが出たときは、自分で食事のせいと判断せずに連絡します。制限を守っていても後出血は起こりえます。

大腸ESDについては、入院期間や食事開始時期の推奨を定めたガイドラインはない、と整理されています。切除方法の選択についても、施行医や医療機関の判断に委ねられていると記されています。切除後の指示が医療機関ごとに違うのは、この判断の幅があるためです。

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)」/日本消化器内視鏡学会「大腸cold polypectomyガイドライン(大腸ESD/EMRガイドライン追補)」

大腸ポリープの切除後に食べ物や飲み物を控えるのはなぜか

控えるよう言われる理由は一つです。切除した面は粘膜が削れた状態で残っていて、そこからの出血を避けるためです。切ったあとしばらくは、かさぶたのような状態で治っていく時間が必要になります。

アルコールは血のめぐりを増やし、香辛料は腸を刺激します。どちらも、治りかけの面に負担をかける方向に働きます。控えるのは特定の食品が悪いからではなく、切除した面を刺激しないためです。この理由が分かっていれば、個々の食品の可否を一つずつ確かめる必要はなくなります。

激しい運動も同じ理由です。血圧や腹圧が上がる動きで、切除した面から再び出血することがあります。食事の制限と運動の制限が同じ期間で語られるのは、どちらも後出血を避けるための指示だからです。後出血は、処置の直後だけでなく、しばらく経ってから起こることもあります。だから制限の期間は当日だけで終わらず、数日の幅を持ちます。

大腸ポリープの切除後は普段の生活へ少しずつ戻すことを示す帯画像

大腸ポリープの切除後にお酒を飲めるのはいつからか

池袋かめさん内科の案内では、組織検査やポリープ切除を行った方は当日はアルコールを禁止とし、特にポリープ切除を行った場合は1~3日程度、飲酒や香辛料の摂取をお控えいただきます。当日は禁止、翌日以降は切除の内容によるという二段の線です。

1~3日という幅があるのは、切除した大きさ・個数・方法で治り方が違うためです。小さいものを1個切除した場合と、大きいものを複数切除した場合を、同じ日数では考えられません。実際の日数は、検査のあとの説明で示されます。

再開するときは、量も一度に戻さない形にします。1~3日が過ぎた時点で、切除した面が完全に元の粘膜に戻っているとは限らないためです。再開してすぐに量を増やす形は避けるほうが無理がありません。血便が出た場合は、飲んだ量にかかわらず連絡します。

他の医療機関で切除を受けた場合は、その施設の指示に従います。1週間と言われることもあり、それは当院の案内と食い違うものではありません。切除した内容に合わせて、それぞれの施設が線を決めているためです。

大腸ポリープの切除後に仕事を何日休むのか運動はいつからか

何日休むかを一律に示した資料はありません。日数は切除した内容と仕事の内容の組み合わせで変わるので、検査のあとの説明で示されます。腹圧がかかる作業や長時間の立ち仕事は、座って行う仕事よりも、再開の時期を慎重に判断します。運動については、池袋かめさん内科では切除や組織検査を行った方に、翌日以降のマラソンや激しいスポーツを控えていただいています。

運動の戻し方は段階で考えます。歩くこと、軽い家事、通勤といった日常の動きは早く戻り、心拍が上がる運動や重い物を持つ動作は後になります。期間の目安は切除した内容で変わるため、検査後の説明で示された日数を基準にする形になります。

出張や旅行の予定がある場合は、切除の前に相談しておくと日程が組みやすくなります。切除した面が落ち着くまでの数日を、医療機関から遠い場所で過ごす形を避けられるためです。休む日数が決まらないのは、切除の内容が人によって違うことの裏返しでもあります。

大腸ポリープの切除後に受診が必要になる症状

切除したあとに次の症状が出た場合は、すぐに受けた医療機関へ連絡します。いずれも、後出血や穿孔が起きたときに現れるものです。

  • おなかの強い痛み
  • 発熱
  • よくならない血便
  • 止まらない肛門からの出血
  • めまい
  • 力が入らない感じ

切除した面からの出血は便に血が混じる形で現れ、穿孔ではおなかの痛みや発熱が出ます。時間が経ってから出ることがあるため、帰宅したあとも症状の変化を見ておく形になります。何も起こらないまま過ぎることも多く、起きたときに気づけるようにしておくという備えです。

少量の出血が1回あって、その後はなくなる場合もあります。分かれ目は、よくならないか量が増えるかです。迷うときは、切除を受けた医療機関に連絡してください。夜間や休日に強い痛みや止まらない出血が出たときは、救急の受診を考えます。なお、切除のときに、切った面をクリップという金属の留め具で閉じることがあります。出血を抑える処置で、留め具は時間が経つと自然に外れて便と一緒に出ます。処置の有無は検査後の説明で伝えられます。

受診が必要になる症状

切除したあとに、おなかの強い痛み・発熱・よくならない血便・止まらない出血・めまい・力が入らない感じが出た場合は、すぐに受けた医療機関へ連絡することが必要です。後出血や穿孔は、時間が経ってから現れることがあります。

参考:米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所「Treatment for Colon Polyps」

大腸ポリープの切除後に受診が必要になる症状(おなかの強い痛み・発熱・よくならない血便・止まらない出血・めまい)を並べた図

大腸ポリープの病理検査の結果と次の大腸カメラ検査

大腸ポリープの病理検査の結果と次の大腸カメラ検査

切除や生検のあとには、結果を待つ時間と、次の検査の予定という2つの段取りが残ります。結果で変わるのは、追加の治療が必要かどうかと、次の間隔です。待っているあいだに何が決まるのか、結果が悪性だった場合はどう進むのかを順に見ます。

大腸ポリープの病理の結果待ちはどのくらい続くのか

池袋かめさん内科では、大腸カメラ検査の際にその場で組織の一部を採取する生検(組織採取)を行うことが可能です。詳しい結果が出るまでには1か月程度の時間を要するため、後日改めてご来院いただき、結果をお伝えしています。

検査の当日に伝えられるのは、見た目からの推定と、切除したかどうか、どの方法で切除したかです。良性か悪性かの診断は、この時点では確定していません。当日の説明と後日の説明は、別の内容を伝える場だと分けておくと、受け取りやすくなります。

病理検査では、採った組織を顕微鏡で見られる状態に処理してから診断を付けます。結果は後日の来院で説明されるため、検査の当日に分かるものではありません。

待っているあいだに不安が強くなることは珍しくありません。手がかりになるのは、検査当日に伝えられた見た目からの推定です。切除できていること、見た目が腺腫らしいことが伝えられていれば、その情報は結果が出るまでのあいだも変わりません。結果を聞く日に示されるのは、どの分類だったか、取り切れているかどうか、次の検査はいつかの3つです。この3つが揃った時点で、次に何をするかが決まります。

大腸ポリープの病理検査の結果は受診して聞くことを示す帯画像

大腸ポリープが悪性だった場合はどうなるのか

病理検査で悪性と分かった場合、次の段取りは2つの点で決まります。がんが粘膜の中にとどまっているか、より深い層に及んでいるか。そして、内視鏡で完全に取り切れているかどうかです。粘膜内にとどまるがんは転移しないため、内視鏡で完全に取り切れていれば治療は完了します。粘膜下層に及ぶがんでは、リンパ節に転移している可能性があり、転移の危険性が高い場合には、追加の治療として腸の切除が考慮されます。

つまり、悪性と言われたことが、そのまま大きな手術を意味するわけではありません。どこまで及んでいたかと、取り切れたかどうかで道が分かれます。切除した標本を病理検査に出すのは、この判断を行うためです。

追加の治療が必要かどうかは、取り切れているかに加えて、がんが及んだ深さやリンパ節転移の危険性も踏まえて判断します。悪性かどうかと、取り切れたかどうかは別の問いで、2つが揃って次の方針が決まります。追加の治療が必要になった場合は、その内容に応じた医療機関で行われます。進行度(ステージ)や治療後の見通しは大腸がんそのものの話になるため、大腸がんを扱う資料の範囲になります。

参考:大腸癌研究会「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン2022年版 Q&A」

大腸ポリープを切除したあと次の大腸カメラ検査をいつ受けるのか

次の間隔は、見つかった病変の数・大きさ・病理検査の結果で決まります。日本消化器内視鏡学会のガイドラインは、切除した内容ごとに目安を示しています。実際の間隔は、取り切れているかどうかも含めて個別に決まります。

切除した内容ごとの目安
切除した内容 次の大腸カメラ検査の目安
腫瘍性の病変が見つからなかった場合 定期的な便潜血検査を続ける
腺腫が2個以内(進行した腺腫を除く) 3〜5年後
腺腫が3〜9個(進行した腺腫を除く) 3年後
進行した病変、または10個以上 1〜3年後
鋸歯状病変を切除した場合 3〜5年後

※病変の数・大きさ・病理検査の結果で変わるため、担当した医師の指示が優先されます。

一方で、日本消化器病学会のガイドラインは、大腸腺腫の内視鏡切除後は3年以内という目安を示しています。学会によって幅が違うので、年数をひとつに決めて覚えるより、何で変わるのかを押さえるほうが実際的です。海外のガイドラインでは、危険性が低い場合は5〜10年後、高い場合は3年後という間隔が紹介されています。どの目安でも共通しているのは、切除した内容によって次の間隔を変えるという考え方です。

大腸ポリープが毎年できる人がいるのはなぜか

毎年のように大腸ポリープが見つかる人がいます。理由は一つではなく、新しくできている場合と、前の検査では見つかっていなかった場合が混ざります。ガイドラインは、大腸カメラ検査のあとに見つかるがんの要因として次の5つを挙げています。

  • 適切な検査でも見つけられなかった病変
  • 検査の条件が十分でなかったために見落とされた病変
  • 見つかっていたが切除されなかった病変
  • 切除したものの取り残しがあった病変
  • 検査のあとに新しくできた病変

これは大腸カメラ検査のあとに見つかる大腸がんについての整理で、大腸ポリープが毎年見つかる原因を直接示したものではありません。このうち新しくできるものは避けようがなく、大腸ポリープができやすい人は切除したあとも新しくできる可能性が高くなります。毎年見つかること自体は、前の検査が無駄だったことを意味しません。

見落としや取り残しを減らすうえで効くのは、腸の洗浄が十分な状態で検査を受けることです。下剤を指示どおりに飲めたかどうかが、見える範囲に直接関わります。前処置がうまくいかなかったときは、その場で伝えることが次の判断につながります。繰り返し見つかる人にとって要になるのは、その場で切除できるかどうかと、受けるまでの段取りの軽さです。次は、池袋かめさん内科での日帰り切除の体制と費用を見ていきます。

参考:日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」

池袋かめさん内科の日帰り大腸ポリープ切除

池袋かめさん内科の日帰り大腸ポリープ切除

池袋かめさん内科では、大腸ポリープの早期発見と日帰り切除に対応した大腸カメラ検査を実施しております。その場で切除できる範囲、日帰りで行うための施設基準、検査と切除を合わせた費用の目安、受けるまでの流れを順に示します。

池袋かめさん内科は大腸ポリープを可能な限りその場で切除する

大腸カメラ検査の際にポリープが見つかった場合、池袋かめさん内科では可能な限りその場で切除しております。1回の検査で観察と切除を同時に行えるため、ポリープ切除のために再度検査を受ける必要がありません。食事制限や下剤の服用といった事前準備も1回で済みます。

ただし、すべての大腸ポリープをその場で切除するわけではありません。病変の大きさや形、服用している薬、その日の腸の状態によって、切除を行わない判断になる場合があります。大腸内視鏡を担当する医師が、検査中に判断します。

池袋かめさん内科が日帰りで行う大腸ポリープ切除の施設基準

日帰りで切除を行うには、処置そのものに加えて、そのあとに備える体制が必要になります。池袋かめさん内科は、日帰り手術を安全に実施するための人員配置や施設設備、緊急時の対応体制などにおいて、「短期滞在手術等基本料1」の施設基準を満たしており、2024年3月に関東信越厚生局に認可されております。

施設基準は、診療報酬の上で定められた要件です。認可は、その要件を満たしていることが確認されたことを意味します。前の章で見た「日帰りか入院かは施設の体制によっても変わる」という線引きのうち、体制の側に当たる部分です。

池袋かめさん内科の大腸カメラ検査と大腸ポリープ切除を合わせた費用

ここに示すのは、検査と切除を合わせた金額の目安です。保険診療の場合、大腸内視鏡検査+ポリープ切除術の料金は以下が目安となります。

費用負担の割合 大腸カメラ検査費用の目安(ポリープ切除含む)
1割負担 9,000〜13,000円程度
3割負担 27,000〜39,000円程度

なお、検査内容や処置の有無により費用は前後する場合がありますので、詳細については受診時にご確認ください。池袋かめさん内科は、2024年3月に「短期滞在手術等基本料1」の施設基準を取得しております。検査のみの場合は加算はございませんが、日帰り手術を実施した際にはこの基本料1が加算されますので、あらかじめご了承ください。

表の金額は、大腸カメラ検査とポリープ切除を合わせた目安です。検査のみの場合は、短期滞在手術等基本料1の加算はありません。費用は検査内容や処置の有無によって異なります。

池袋かめさん内科で大腸ポリープの検査と切除を受けるまでの流れ

池袋かめさん内科では、大腸カメラ検査を毎週金曜日の午後に予約制で実施しております。なお、便秘がちの方とそうでない方では下剤の準備が異なるため、大腸カメラ検査を受ける際は必ず事前に一度ご来院いただく必要があります。そのため、受診当日に大腸カメラ検査を受けていただくことはできません。

当院では、初診の方のお電話での予約を承っておりませんので、必ず事前のご来院をお願いいたします。初診の方は、Web予約または公式LINEから事前の診察をご予約ください。予約するのは検査そのものではなく、事前の診察です。

検査当日の朝に「腸管洗浄剤」2~3リットルを2~3時間かけて飲んでいただく形を基本としております。下剤の種類は、患者様の年齢や既往歴などを考慮して医師が判断して使い分けます。大腸カメラ検査自体にかかる時間は、通常30分程度ですが個人差があります。

帰宅は通常16〜18時頃が目安です。ご希望の患者様に対して、鎮静剤(静脈麻酔)を使用した大腸カメラ検査を行っております。鎮静剤の使用を希望される場合は、車・バイク・自転車でのご来院はお控えください。

当院では大腸カメラ検査の実施にあたり、専門の医師・看護師を手配しております。専門スタッフの直前の勤務変更が難しいため、検査予定日の7日前からの自己都合によるキャンセルについては、キャンセル料20,000円を頂戴しておりますので、あらかじめご了承ください。

大腸ポリープについてよくある質問

大腸ポリープについてよくある質問

大腸ポリープの良性と悪性の違いは何ですか?

良性は、その場にとどまって転移しないものです。悪性は、周りに広がったり転移したりする力を持つもので、大腸では大腸がんと呼ばれます。大腸ポリープという言葉は形を表すもので、良性のものと悪性のものの両方を含みます。

違いを決めるのは、採取した組織を顕微鏡で見る病理検査です。大腸カメラ検査の見た目から推定はできますが、良性か悪性かの診断はその場では確定しません。見た目で決まるのは切除の方針で、診断は後日の結果で決まります。良性でも切除の対象になるのは、腺腫のようにそのままにしておくとがんに変わるものがあるためです。良性か悪性かという区別と、切除するかしないかという判断は別のものです。

大腸ポリープができやすくなる食べ物はありますか?

特定の食品を挙げる形では示されていません。大腸がんの発生要因として、女性では加工肉や赤肉の摂取との関連が指摘されています。飲酒についても発生要因として挙げられており、食べ物と飲み物の両方が関わる形です。

一方で、運動は予防に効果的であることがほぼ確実とされ、食物繊維やカルシウムには可能性があるという段階です。食べ物を1つ避けることよりも、飲酒や体重を含めた全体のほうが関わります。すでにできているものは、食事を変えても消えません。食事の内容を理由に検査を見送る、あるいは急ぐという使い方にはなりません。検査を受けるかどうかは、年齢・家族歴・便通の変化・便潜血検査の結果から決まります。

大腸ポリープはどのくらいの期間でがんになりますか?

すべての大腸ポリープががんになるわけではなく、一律の期間も示されていません。がんに変わる経過をたどるのは腺腫で、非腫瘍性のものはこの道筋には乗りません。腺腫についても、何年でがんになるという数字はガイドラインに示されていません。

示されているのは大きさとの関係です。径10mmを超えるとがんが含まれる割合が上がる一方、径5mm以下の微小な腺腫は2〜3年観察しても変化が少なかったという報告があります。期間よりも、大きさと病理検査の結果で判断する形になります。この報告だけで、個々の病変が1年でどう変わるかを判断することはできません。切除したあとに次の検査をいつ受けるかは、病変の数と大きさ・病理検査の結果で決まります。

大腸ポリープの切除後の過ごし方についての帯画像

大腸ポリープの切除に痛みはありますか?

切除時の痛みは基本的にありません。これは、大腸の粘膜には痛みを感じる神経が少ないためです。切るときの感覚そのものを自覚することは、ほとんどありません。感じやすいのは、検査中に入れた空気によるおなかの張りです。これはガスが出ていくにつれて落ち着きます。鎮静剤(静脈麻酔)を使用した大腸カメラ検査も行っており、希望する場合は事前の診察で相談できます。強くなっていく痛みは別の話で、その場合は連絡が必要です。

切除したあとに出てくる痛みは、処置中の痛みとは分けて見ます。時間が経ってから強くなるおなかの痛みや、発熱を伴う痛みが出たときは、切除を受けた医療機関へ連絡します。

大腸ポリープの切除後に入浴はいつからできますか?

切除や組織検査を行った場合、当日はシャワー程度に留めます。湯船につかるのを当日避けるのは、切除した面からの出血を抑えるためです。体を洗うこと自体に制限はありません。

翌日以降どうするかは、切除した大きさ・個数・方法によって変わります。日数は検査後の説明で示されるので、そこで示された内容に沿って戻します。入浴したあとに血便が出た場合は、受けた医療機関に連絡します。飲酒や香辛料を控える期間と、入浴を再開できる時期が同じとは限りません。それぞれについて示された指示を別に確かめるほうが確実です。温泉や長風呂のように体を強く温める入浴は、とくに時期を確かめておきます。

大腸ポリープの切除後に便が出ない日が続くときはどうすればよいですか?

切除のあとに食事の量が減ると、便の量も減って出ない日が続くことがあります。数日出ないだけで、おなかの痛みも張りもなければ、食事が戻るにつれて落ち着くことが多くなります。水分をとり、食事の量を戻していくことが先になります。

一方で、おなかの強い痛みや張り、吐き気、発熱を伴う場合は別です。痛みや発熱を伴って便が出ないときは連絡が必要です。市販の下剤を自分で使う前に、切除を受けた医療機関に相談します。切除のあとに連絡が必要とされているのは、おなかの強い痛み・発熱・よくならない血便・止まらない出血・めまい・力が入らない感じです。便が出ないことに、これらが重なるかどうかが分かれ目になります。

大腸カメラ検査の準備についての帯画像

大腸ポリープが見つかったら家族も大腸カメラ検査を受けた方がよいですか?

すすめる条件になるのは、血のつながった家族に大腸がんや大腸ポリープの既往があるかどうかです。大腸ポリープが1つ見つかったことだけを理由に、家族全員が検査を受ける必要があるという整理にはなりません。

家族の病歴は大腸がんの発生要因として挙げられており、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群のように家族内に集まる遺伝性の病気もあります。当てはまる場合は検査を始める年齢と間隔が変わるので、家族歴は診察のときに伝えてください。家族歴が当てはまらない場合でも、40歳以上であれば大腸がん検診の対象に入ります。家族それぞれの年齢と背景によって、検査に向かう入口が変わるという整理になります。

大腸ポリープの検査前に飲む下剤はどれくらいの量ですか?

池袋かめさん内科では、検査当日の朝に「腸管洗浄剤」2~3リットルを2~3時間かけて飲んでいただく形を基本としております。当院ではサルプレップとマグコロール散の2種類の腸管洗浄剤を採用しており、患者様の年齢や既往歴などを考慮して医師が判断して使い分けます。

量と種類が人によって違うのは、便秘がちの方とそうでない方では下剤の準備が異なるためです。この準備を決めるために、大腸カメラ検査を受ける際は必ず事前に一度ご来院いただく必要があります。量が多く感じられるのは、腸の中に便が残らない状態にする必要があるためです。洗浄が十分でないと見える範囲が狭くなり、小さい病変の見落としにつながります。

大腸ポリープは良性か悪性か〜まとめ〜

大腸ポリープが良性か悪性かは、大腸カメラ検査の見た目で推定し、採取した組織の病理検査で確定します。切除するかどうかは分類と大きさで決まり、多くは開腹手術ではなく内視鏡で、日帰りでも行えます。切除したあとに気をつけるのは出血を避けることで、食事やお酒を戻せる時期は切除した内容によって変わります。次の検査の間隔は、病変の数と大きさ・病理検査の結果で決まります。

健診で便潜血が陽性と言われた方、大腸カメラ検査で大腸ポリープが見つかった方は、一度ご相談ください。池袋かめさん内科では、内科診療で症状を伺ったうえで、必要な場合は大腸カメラ検査をご案内しています。健康診断から精密検査まで当院でお受けいただけます。

大腸カメラ検査は毎週金曜日の午後に予約制で、受ける前に事前の診察が必要です。事前の診察のご予約はWEB予約と公式LINEから承っています。診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。雑司が谷駅から徒歩2分、目白駅から徒歩10分、池袋駅から徒歩13分の場所にあります。

03-3986-4466

受付時間:9:00-12:30/14:00-18:00

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