胃カメラでわかる病気

食道裂孔ヘルニアは痩せると治る?治し方と逆流の抑え方

健康診断や人間ドックの胃カメラを受けたあと、結果票に「食道裂孔ヘルニア」と書かれていた。そう言われても痛みがあるわけでもなく、食事もこれまでどおりできている。

診察の場で短い説明はあったものの、これから何をどう気をつければよいのかまでは聞けずに帰ってきた。そうした状態でこのページにたどり着く方は少なくありません。

調べ始めると、生活習慣を見直せば元どおりになるという説明と、手術でなければ対処できないという説明が並んで出てきます。書かれていることが食い違って見えるのは、それぞれの説明が対象にしているものが違うからです。この記事では、学会が公開している一次情報にどこまで書かれているかを、主語ごとに分けて整理します。

健診や胃カメラで指摘された方がはじめに押さえたい3点

ここでは変えにくい構造と、管理できる逆流の症状を分けて読んでください。胃と食道のつなぎ目がせり上がった構造そのものが、生活習慣の見直しだけで元どおりになるという記述は、確認できた学会の一次情報には見当たりません。
一方で、ランダム化比較試験で有効性が示されているのは肥満のある方の減量で、それによって減るとされているのは胃から食道への逆流のほうです。
つまり、日々の生活で管理していく対象は逆流の症状です。逆流の症状に対しては、生活習慣の見直しと薬でできることがあります
見直したい生活習慣は4項目あります。肥満のある方の減量・喫煙者の禁煙・夜間に症状が出る方の遅い夕食の回避・就寝時の頭位挙上の4つです。各項目の中身は「気をつけること」の章で詳しく扱います。
痩せるとどうなるのかという問いへの答えは、「治し方」の章で機序ごと説明します。

ここに挙げた内容は目安であり、手元の検査結果をどう扱うかの最終的な判断は診察した医師が行います。症状が出るかどうか、出たときにどの程度つらいかにも個人差があり、指摘された方全員が同じ経過をたどるわけではありません。

参考:日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)」

目次

食道裂孔ヘルニアとは胃が横隔膜より上にせり上がった状態

食道裂孔ヘルニアとは胃が横隔膜より上にせり上がった状態

日本消化器内視鏡学会は、食道裂孔ヘルニアを食道が横隔膜を貫いている部分(食道裂孔)より胃が胸の方へ脱出した状態と説明しています。横隔膜は胸とお腹を仕切っている筋肉の膜で、食道裂孔とは、そこを食道が通り抜けるために開いている穴のことです。

つまり、この病名が指しているのは「どんな症状が出ているか」ではなく、胃と食道の位置関係がどうなっているかという状態のことです。どんな病気なのかという説明が検査の場でされにくいのは、そもそも症状名ではなく所見の名前だからでもあります。

参考:日本消化器内視鏡学会「胸やけ(逆流性食道炎)の原因は内視鏡でわかりますか?」

食道裂孔ヘルニアの読み方と英語表記

読み方は「しょくどうれっこうへるにあ」です。なんて読むのか分からないまま結果票を持ち帰る方が多い病名で、「裂孔」は裂けた孔(あな)と書きます。英語では hiatal hernia と表記され、頭文字をとって HH と略されることもあります。以降この記事では略語を使わず、正式な病名で統一します。

表記 読み方・書き方
日本語の正式な病名 食道裂孔ヘルニア(しょくどうれっこうへるにあ)
英語表記 hiatal hernia
検査結果票で見かける表記 食道裂孔ヘルニア / 食道裂孔ヘルニア疑い

意味としては、食道裂孔という部位の名前と、臓器が本来の位置から出てしまう状態を指すヘルニアという語を組み合わせた病名です。病名の中に症状を表す言葉は1つも入っていません。この点が、あとで説明する「症状の主語」の話につながります。

食道裂孔ヘルニアと食道ヘルニアは同じ病気か

「食道ヘルニア」という別名で検索される方もいますが、これは呼び方のゆれで、別の病気が2つあるわけではありません。医療機関の記録や学会の資料で使われる正式な名称は食道裂孔ヘルニアのほうで、この記事でも以降はこちらで統一します。結果票に書かれている表記と検索で見つけた表記が違っていても、それだけで内容が変わることはありません。

食道裂孔ヘルニアで胃と食道のつなぎ目がずれる位置を図解で確認

日本消化器病学会が公開している患者向けのガイドでは、正常では胃と食道のつなぎ目は横隔膜に一致していると説明されています。そのうえで、胃と食道のつなぎ目が横隔膜より上にせり上がる状態を食道裂孔ヘルニアと呼ぶ、という書き方になっています。図解として押さえるのはこの位置関係だけで十分です。

つなぎ目の位置
正常な状態 胃と食道のつなぎ目が横隔膜に一致している
食道裂孔ヘルニアがある状態 胃と食道のつなぎ目が横隔膜より上にせり上がっている

診療ガイドラインでは病態のメカニズムについても触れられています。通常、食道と胃のつなぎ目では、下部食道括約筋と横隔膜の脚が高い圧の帯をつくっています。食道裂孔ヘルニアでは、この両者の位置がずれるとされています。位置がずれるのであって、はたらきが失われると書かれているわけではありません。靭帯がゆるいという表現で説明されることもありますが、その点は原因の章であらためて扱います。

参考:日本消化器病学会「患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023」

食道裂孔ヘルニアが胃酸の逆流から症状につながる仕組み

食道裂孔ヘルニアが胃酸の逆流から症状につながる仕組み

この章は、この記事のなかで読み解きに手間がかかり、誤解も起きやすいところです。診療ガイドラインには、食道裂孔ヘルニアの存在が食道と胃のつなぎ目の圧の低下による酸逆流の増加と、食道内の酸の排出の遅れをきたすと書かれています。その結果として、食道が過剰に胃酸にさらされる原因になるとされています。

読み取り方として大事なのは、ここに書かれているのが「原因になる」であって「症状が出る」ではないという点です。かみくだくと、ヘルニアがあると胃酸が食道へ逆流しやすくなり、逆流した胃酸が食道に長くとどまる、ということです。つまり順番は、食道裂孔ヘルニアという構造 → 胃酸の逆流が起こりやすくなる → その逆流によって症状が出ることがある、という3段階です。この記事では以降もこの3段階を崩さずに書きます。

食道裂孔ヘルニアによる逆流で多い胸やけ・呑酸はどんな症状か

診療ガイドラインでは、胃食道逆流症の定型的な食道の症状は胸やけと呑酸とされています。胸やけは胸骨の後ろの焼けるような感覚、呑酸は逆流した胃の内容物が口のなかや喉の奥まで上がってくるのを感じることと定義されています。

つまり、この2つは逆流という現象が起きたときに現れる代表的な症状であって、構造としての食道裂孔ヘルニアそのものの症状として説明されているわけではありません。指摘されていても胸やけや呑酸を感じていない方がいるのは、この違いがあるためです。

なお、胸やけという言葉の受け取り方には個人差があることも同じ資料に書かれています。胸焼けと書く方、ムカムカすると表現する方、胃痛や気持ち悪さとして訴える方もいて、同じ感覚を指しているとは限りません。症状の言葉から病気の重さを推し量ることはできないという前提で、次の章の相談の目安を読んでください。

主語は逆流のほう

食道裂孔ヘルニアに伴う逆流で咳や喉のつかえが出ることもある

胸やけ・呑酸のほかに、胃食道逆流を原因とした喘息・嗄声・咳嗽・胸痛・誤嚥といった食道の外に現れる症状が診療ガイドラインに挙げられています。嗄声は声がかれること、咳嗽は咳、誤嚥は食べ物などが気管に入ってしまうことを指します。喉の違和感やつかえ感、咳、痰がからむ感じ、飲み込みにくさといった訴えでかかりつけを受診し、そこから逆流の話につながる方もいます。

ここでも主語は逆流です。食道裂孔ヘルニアがあるというだけで、咳が出ると決まるわけではありません。一次情報から言えるのは、逆流が起きているときにこうした症状が現れることがある、というところまでです。

検索では、げっぷ・胸のつかえ・背中の痛み・みぞおちの痛み・胃もたれ・吐き気といった言葉とともに調べられています。腹部膨満感やお腹が張る感じ、ガスやおなら、しゃっくり、口臭、唾液が増える感じも、よく一緒に挙がる訴えです。むせる、嚥下障害、食欲不振、脇腹の痛み、腹痛を気にして調べる方もいます。

ただし、一次情報で挙げられているのは、ここまでに書いた逆流に伴う症状の範囲までです。それ以外の症状については別の原因が隠れている可能性もあります。よくある症状かどうかを自分で判定せず、続くようなら診察を受けてください。

逆流に伴ってみられる症状(胸やけ・呑酸・咳・喉のつかえ・声のかすれ)

食道裂孔ヘルニアがあっても無症状の人がいる

自覚症状がまったくないのに検査で指摘された、という状況は珍しいことではありません。学会が編集した患者向けのガイドでは、胃食道逆流症が①食道炎がなく自覚症状のみがあるタイプ ②食道炎があり自覚症状もあるタイプ ③自覚症状はなく食道炎のみがあるタイプの3種類に分けられると説明されています。

タイプ 内視鏡での食道炎 自覚症状
非びらん性逆流症 なし あり
食道炎があり症状もあるタイプ あり あり
症状のないタイプ あり なし

この3つの分け方が示しているのは、自覚症状の有無と食道炎の有無が必ずしも一致しないということです。なお、ここでの主語はいずれも胃食道逆流症であって食道裂孔ヘルニアではありません。検査で指摘されたのに自覚症状がない、いわゆる無症状の状態を理解する手がかりにはなりますが、そこから食道裂孔ヘルニア全般について言えることが増えるわけではありません。

ただし、症状がないことと何もしなくてよいことは同じではありません。ではどうなったら相談すればよいのか。その目安は「早めに受診したい症状」の章にまとめてあります。

食道裂孔ヘルニアと逆流性食道炎の違いは?併発する場合もある

診療ガイドラインの用語解説では、胃食道逆流症は食道の粘膜傷害がある逆流性食道炎と、症状のみを認める非びらん性逆流症に分類されるとされています。ここで注目したいのは、この分類のなかに食道裂孔ヘルニアが入っていないことです。

用語 何を指すか
食道裂孔ヘルニア 胃と食道のつなぎ目が横隔膜より上にせり上がった状態
胃食道逆流症 胃の内容物の逆流によって症状や粘膜傷害が起きる病気の総称
逆流性食道炎 胃食道逆流症のうち食道の粘膜傷害があるもの
非びらん性逆流症 胃食道逆流症のうち症状のみを認めるもの
食道裂孔ヘルニアと胃食道逆流症・逆流性食道炎・非びらん性逆流症の関係

両者は重なることがありますが別物です。食道裂孔ヘルニアは位置関係を指す所見、逆流性食道炎は粘膜の状態を指す診断名で、結果票に両方書かれていることもあれば片方だけのこともあります。逆流性食道炎そのものの治療や市販薬の選び方については、この記事では扱いません。

では、どうなったら相談すればよいのか。次の章で受診の目安をまとめます。

食道裂孔ヘルニアは何科を受診する?相談の目安と通院の流れ

食道裂孔ヘルニアは何科を受診する?相談の目安と通院の流れ

指摘されたあとにどうするかを決めるうえで、まず知りたいのが何科にかかればよいのかという点です。この章では相談先と、相談したほうがよいタイミングの目安をまとめます。吐血のような急を要する症状については、この後の章で別に取り上げます。

食道裂孔ヘルニアと言われた人が最初に相談するのは内科

結果票を持って最初に相談する先としては内科が挙げられます。消化器内科を掲げる医療機関でも相談できますが、消化器内科でなければ相談できないというものではありません。健診結果の相談から入るのであれば、日ごろかかっている内科で構いません。

日本消化器内視鏡学会は、胸やけの症状がある場合には、胃食道逆流症の診断とほかの病気がないことを確認するために内視鏡検査を受けるよう心がけてほしいと案内しています。これは、症状の原因を1つに決めつけずに確かめるという意味での案内です。

手元の状況 相談のしかた
検査で指摘されたが自覚症状はない 結果票を持参し内科で所見の意味と今後の見かたを相談する
胸やけや呑酸などの症状がある 症状の内容と続いている期間を伝えて相談する
薬を使っているが症状が残っている 検査を受けるかどうかを含めて医師と相談する

食道裂孔ヘルニアで胃酸を抑える薬を飲んでも症状が続くときは検査を受ける

はじめに整理しておきたいのは、食道裂孔ヘルニアという構造そのものに効かせる薬があるわけではないという点です。処方される薬は胃酸を抑えて逆流による症状をやわらげるためのもので、対象は逆流のほうです。

患者向けのガイドには、検査を受けずに薬で治療しても症状が完全によくならないときは、ほかの病気である可能性があるため内視鏡検査を受けるようにと書かれています。同じ段落には内視鏡検査は必須ではありませんがという前置きもあり、症状の程度によって判断が変わることが示されています。

薬を使っても症状が残るという状況が、検査を考えるきっかけになるという組み立てです。この基準は、後の章で扱う手術の検討条件とも同じ考え方でつながっています。

参考:日本消化器病学会「患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023」

胸やけや喉の違和感が続いていて、どこへ相談すればよいか迷っているなら、症状の相談と検査の相談の両方ができる内科が入口になるでしょう。池袋かめさん内科の内科診療では、健診結果票を持参しての相談を受け付けています。検査についても、胃カメラ検査の内容や進め方を診察のなかで相談できます。内科診療は予約なしで当日受診でき、胃カメラ検査は予約制のため事前の診察で日程を決める流れです。診察の予約を希望する場合はWEB予約LINEも利用できます。

食道裂孔ヘルニアの原因とされる横隔膜の靭帯のゆるみ

食道裂孔ヘルニアの原因とされる横隔膜の靭帯のゆるみ

なぜ自分にこれが起きたのかは、指摘された方がまず知りたいところです。先に答えを言えば、背景として挙げられているのは横隔食道靭帯という膜のゆるみです。ただし、今回確認できた学会の一次情報には、食道裂孔ヘルニアの原因そのものを述べた記述が見当たりませんでした。以下は大学病院の外科が公開している解説によるもので、この章はその範囲で読んでください。

その解説では、食道は横隔食道靭帯という膜によって食道裂孔に固定されているが、加齢や肥満などによってこの靭帯がゆるむと、胃が横隔膜よりも上に滑り上がってしまうと説明されています。理由やなぜなるのかを一言でいえば、この靭帯がゆるむことにあたります。

参考:東京慈恵会医科大学 外科学講座 上部消化管外科「食道裂孔ヘルニアとは」

食道裂孔ヘルニアの背景に挙げられる加齢や肥満

上の説明で挙げられているのは加齢や肥満「など」という書き方で、これは例示であって原因を確定させたものではありません。加齢だからこうなった、肥満だからこうなったと1本の線で結べる書き方にはなっていません。

どの年代にどれくらいの割合で見られるかという数字は、学会の一次情報には見当たりませんでした。年齢層と結びつけた説明を見かけることがありますが、背景として挙げられている要因がある、という以上の断定はできません

食道裂孔ヘルニアにストレスや腹圧の上昇はどう影響するのか

ストレスと腹圧は、答えが割れやすい2つの要因です。この2つは効いている先が違うため、分けて読むと整理できます。

診療ガイドラインでは、ストレスや過食などが胃食道逆流症を誘発させる可能性があるとされています。ここに並んでいるのは胃食道逆流症の誘発因子であり、食道裂孔ヘルニアの原因として挙げられているのではありません。挙げられている要因と、それがどちら側の話かを整理すると次のようになります。

要因 どこに効いている話か
ストレス 胃食道逆流症を誘発しうる因子として挙げられている
過食・脂肪摂取の増加 同じく胃食道逆流症の誘発因子
激しい肉体運動 同じく胃食道逆流症の誘発因子
下部食道括約筋の圧を低下させる薬剤 同じく胃食道逆流症の誘発因子
肥満・円背に伴う腹圧の上昇 腹圧が上がることで逆流が起こりやすくなる側の話
横隔食道靭帯のゆるみ 胃がせり上がるという構造の側の話

ストレスで食道裂孔ヘルニアになる、という因果は一次情報からは読み取れません。読み取れるのは、ストレスが逆流症状を誘発しうる因子として挙げられている、というところまでです。腹圧についても、前かがみの姿勢やお腹の締め付けが逆流を起こしやすくする側の話として整理されています。

なお、誘発因子の一覧には一部の薬剤も含まれていますが、服用中の薬を自己判断で中止することは避けてください。気になる場合は処方した医師に相談するのが順序です。

食道裂孔ヘルニアの治し方は?管理できるのは逆流の症状のほう

食道裂孔ヘルニアの治し方は?管理できるのは逆流の症状のほう

ここが記事の中心です。リードで結論だけ先に出しましたが、この章ではなぜそうなるのかという機序と、どこまでが扱える範囲なのかを順に説明します。

出発点は、診療ガイドラインの次の記述です。生活習慣の改善・変更は胃食道逆流症の治療に有効であり、薬物治療とともに生活指導を適宜行うべきであるとされています。有効だと書かれている対象は胃食道逆流症の治療であって、食道裂孔ヘルニアという構造ではありません。この主語の違いが、この記事全体を貫く軸です。

さらに患者向けのガイドには、薬による治療では逆流そのものをなくすことはできないが、手術による治療は逆流を防止できると書かれています。この一文は、薬で扱える範囲と扱えない範囲を学会が明示している数少ない記述です。ただし薬に意味がないという話ではなく、後述のとおり症状と食道炎に対しては役割があります。

食道裂孔ヘルニアは痩せると治る?肥満のある人の減量で減る逆流

診療ガイドラインの解説には、減量について次のように書かれています。肥満のある方が食事療法・運動療法・行動療法・減量手術で減量を達成すると、食道内の酸逆流と逆流症状が減少するとされています。その機序は、減量に伴う内臓脂肪の減少により、胸腔と腹腔の間の圧の差が減少し、胃・食道逆流が減少すると考えられています。

この記述から読み取れることを分解すると、次のようになります。

  • 対象は肥満のある方であって、標準的な体重の方への減量の勧めではありません
  • 減るとされているのは食道内の酸逆流と逆流症状であって、せり上がった構造ではありません
  • 機序は胸腔と腹腔の圧の差が小さくなることであって、胃が元の位置に戻ることではありません

痩せることで何が変わるのかという問いへの答えは、この3行に尽きます。減量によって逆流と症状が減ると報告されている一方で、構造そのものが元に戻ると書かれた一次情報は確認できませんでした。ダイエットで整復される、自然に戻る、といった説明を見かけたときは、その文の主語が逆流なのか構造なのかを確かめてください。

参考:日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)」

食道裂孔ヘルニアに筋トレや腹式呼吸は効く?

腹筋運動で腹圧を鍛えれば改善するのではないか、と考える方は多いところです。ところが診療ガイドラインの記述は、期待とは逆の方向を示しています。

適度な運動は胃食道逆流症の誘発因子にはならないとされ、週1回以上であれば発症リスクを下げるという報告も紹介されています。一方で、激しい運動は酸の胃食道逆流を増加させることが報告されており、誘発因子となるとされ、さらに筋力トレーニングでも酸の胃食道逆流がしばしば生じると書かれています。

ここで落としてはいけない限定が2つあります。1つは「激しい」運動という限定で、運動そのものを避けるべきだという意味ではありません。もう1つは筋力トレーニング「でも」という書き方で、逆流を起こす側として触れられているという点です。筋トレでヘルニアを治す方法として、一次情報に裏づけはありません

管理できるのは逆流
腹式呼吸については一次情報が確認できない

腹式呼吸や体幹のトレーニングについては、効果があるという記述も、効果がないという記述も、学会の一次情報には見当たりませんでした。大学病院の外科が公開している解説には、ゆるんだ横隔食道靭帯を筋力トレーニングや呼吸法で鍛え直すことはできないと説明されていますが、これは手術を担当する診療科による解説であり、学会の見解として示されたものではありません。

裏づけがはっきりしない方法に時間をかけるよりも、まず有効性が示されている項目から検討するほうが、取り組む順序を決めやすいでしょう。その4項目は「気をつけること」の章で1つずつ説明します。

食道裂孔ヘルニアの治療法は薬でどこまでできるか

学会の患者向けガイドには、胃食道逆流症と診断された場合は胃酸を抑える薬を4〜8週間程度服用し、その内服で多くの患者の自覚症状は改善し、食道炎を治すことができると書かれています。薬が担っているのはこの部分です。

一方で前述のとおり、薬による治療では逆流そのものをなくすことはできないとも明記されています。この2つを並べると、薬の役割がはっきりします。

対象 薬でできること
逆流による自覚症状 やわらげることができるとされている
食道の粘膜傷害(食道炎) 治すことができるとされている
逆流そのもの なくすことはできないとされている
せり上がった構造 薬の対象として記載されていない

どの薬をどのくらい使うかは診察した医師が決めます。この記事では薬の名前や成分には触れません。市販薬をどう扱うかについても、この記事の範囲外とします。

食道裂孔ヘルニアはどのくらいで治る?完治や治らないと言われる理由

いつ良くなるのか、どのくらいで元に戻るのかは気になるところです。ただし、期間を示した記述は一次情報のどこにもありませんでしたので、この記事では何か月といった数字を書きません。書けるのは次の2点です。

1つ目は、せり上がった構造が自然に元の位置へ戻ると説明した一次情報は確認できなかったことです。完治や治らないという言い方を見かけるのは、構造の側について書かれた記述が見当たらないためで、そのままにしておくとどうなるかを学会が示しているわけではありません。位置を戻す処置そのものは逆流防止手術の一部として説明されていますが、その手順は手術の章で扱います。

2つ目は、それでも管理できる対象があることです。逆流とその症状に対しては、有効性が示された生活習慣の項目があり、症状と食道炎に対しては薬の役割があります。扱える範囲があるという意味では、付き合い方を組み立てられる状態だといえます。

対象 何が示されているか
せり上がった構造 生活習慣や薬で元に戻ると示した記述は確認できない
胃から食道への逆流 肥満のある方の減量で減少すると報告されている
逆流による症状・食道炎 生活指導と薬の対象として示されている

では、管理しきれずに症状が続く場合はどう考えればよいのか。次の章で考えます。

食道裂孔ヘルニアを放置するとどうなる?早めに受診したい症状

食道裂孔ヘルニアを放置するとどうなる?早めに受診したい症状

放置するとどうなるのかは検索でもよく使われる言葉です。ただし、そのままにしてよい条件を示した一次情報も、放置するとこうなると経過を予告した一次情報も、今回の確認範囲では見当たりませんでした。そのため、この章では悪化するかどうかを予告するのではなく、どうなったら相談するかという形に置き換えて書きます。

食道裂孔ヘルニアによる逆流の症状が長引く場合がある

長引くという表現の主語も逆流の症状です。学会の患者向け資料には、食道炎の程度が強かった患者では、薬をやめることで食道が狭くなるなどにつながる可能性もあり、症状が改善しても薬を続けることが勧められると書かれています。同じ資料には、自覚症状や食道炎が軽い患者では、日常生活に気をつけるだけで不快な症状なく過ごせる場合もあり、その場合には薬は不要とも書かれています。

この2つは対で読まなければ意味が変わってしまいます。片方だけを取り出すと、全員が薬を続けるべきだという話にも、誰も薬が要らないという話にもなってしまいます。どちらに当てはまるかは検査所見と症状を見た医師が判断します

繰り返す胸やけや、ひどくなると感じる場面が増えてきたときは、我慢の度合いを自分で決めずに相談してください。合併症やリスクという言葉で調べる方もいますが、貧血や鉄欠乏性貧血、誤嚥性肺炎や肺炎が食道裂孔ヘルニアによって起こると示した記述は、確認できた一次情報にはありませんでした。誤嚥については、胃食道逆流を原因とした食道の外の症状の1つとして挙げられています。

参考:日本消化器病学会「患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023」

食道裂孔ヘルニアのある人に吐血や急な強い痛みが出たらすぐ受診する

はじめにお断りしておくと、吐血や急な強い痛みが食道裂孔ヘルニアによって起こると示した一次情報は、今回の確認範囲では拾えませんでした。ここで書けるのは、原因が何であれ、こうした症状があるときは早めに受診してほしいということまでです。

状況 対応の目安
吐血がある 原因を問わず早急に医療機関を受診する
急に強い痛みが起きた 原因を問わず早急に医療機関を受診する
食べ物が詰まって通らない感じが続く 早めに診察を受けて原因を確かめる
胸やけや呑酸が長く続いている 内科で相談し検査を受けるか判断してもらう

原因を問わず早めに受診してほしいとき
症状の原因を自分で決めずに、まず診てもらうという順序が大切です。夜間や休日にこうした症状が出た場合は、翌日を待たずに受診できる医療機関を探してください。

大きな食道裂孔ヘルニアでまれに起こる嵌頓とは

大学病院の外科が公開している解説には、大きな食道裂孔ヘルニアで胃が食道裂孔に締めつけられると胃の血流が悪くなることがあり、これを嵌頓というと書かれています。同じ解説のなかで、胃の壊死を伴う嵌頓はまれであるとも明記されています。

この2つの限定を外して読まないでください。大きなヘルニアという限定と、まれであるという限定です。この記述は、指摘を受けたすべての方に当てはまる話として書かれたものではありません。

また、自分のヘルニアが大きいのかどうかを、症状や検査結果票の文言から判定することもできません。程度をどう評価するかは、画像を見た医師の判断によるためです。気になる場合は、結果票を持参し、画像を確認した医師に尋ねることが確認方法のひとつです。

では、日々の生活では何に気をつければよいのか。次の章で実行できる項目を並べます。

食道裂孔ヘルニアで気をつけることは逆流を強めない食事や姿勢

食道裂孔ヘルニアで気をつけることは逆流を強めない食事や姿勢

前の章が機序の話だったのに対し、この章で扱うのは実際に何をするかという実行項目です。指摘されたあとに手を動かせる部分は、ほぼここに集まっています。

食道裂孔ヘルニアで避けたい食べ物や飲み物

学会が編集した患者向け資料では、日常生活で避けたほうがよいものとして次の項目が挙げられています。まず、見出しに直結する食事面の10項目です。

  • 食べ過ぎ
  • 就寝前の食事
  • 高脂肪食
  • 高浸透圧食
  • アルコール
  • チョコレート
  • コーヒー
  • 炭酸飲料
  • 柑橘類
  • 症状を引き起こすその他の食事

同じ資料では、食事以外の生活面についても6項目が挙げられています。

  • 腹部の締め付け
  • 重い物を持つこと
  • 前かがみの姿勢
  • 右側を下にして寝る姿勢
  • 肥満
  • 喫煙

揚げ物や辛いもの、酢の物などが気になる方もいますが、個別の食品ごとに効果が確かめられているという書き方にはなっていません。上の一覧に挙がっていないご飯・パン・ラーメン・牛乳・ヨーグルト・プリンといった食品を一律に避けるようにとも書かれていません。症状が出る食べ物や飲み物は人によって違うため、自分の場合はどれかを記録しながら見つけていくほうが現実的です。

同じ資料には、生活習慣や食生活をあらためることでどの程度症状の改善につながるかには個人差があると明記されています。大食いを控える、満腹まで食べずに分割して食べる、食後すぐ横にならないといった工夫は、腹圧や就寝前の食事という項目の延長として考えられます。特定の商品やレシピを勧めるものではありません。

参考:日本消化器病学会「患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023」

食道裂孔ヘルニアの寝方は?寝る向きや枕の高さで逆流は変わる

寝ているあいだの症状に悩む方にとって、寝方は具体的で取り組みやすい項目です。ここで押さえたいのは、一次情報で挙げられているのは「就寝時の頭位挙上」であって、枕の高さそのものではないという点です。

枕だけを高くする方法との違い

頭位挙上とは、上半身ごと頭側を高くするという意味です。枕だけを高くすると首が前に曲がり、かえって寝苦しくなったり肩や首に負担がかかったりすることがあります。ベッドの頭側を上げる、マットレスの下に傾斜をつけるといった形で、背中から頭にかけてゆるやかに高くするほうが趣旨に沿います。診療ガイドラインの解説では、10インチ(約25cm)の挙上で就寝中の酸逆流が抑えられたという報告が紹介されていますが、これは報告における条件であり、自宅でどの程度にするかは寝具や体格に合わせて医師と相談してください。

寝る向きについて言えること

仰向けがよいのか横向きがよいのかという点については、患者向けのガイドが避けたほうがよいものとして右側を下にして寝る姿勢を挙げています。ここから読み取れるのは右側臥位を避けるという範囲までで、どの向きが望ましいかを一律に決めた記述は確認できませんでした。寝る向きと頭位挙上をどう取り入れるかは、睡眠のとりやすさや使っている寝具、症状の出方に合わせて医師に相談してください。

就寝時の頭位挙上と枕だけを高くする方法の違い

食道裂孔ヘルニアのある人が見直したい生活習慣の4項目

生活習慣の見直しには多くの項目がありますが、そのなかでランダム化比較試験で有効性が示されているとされているのは4項目です。前の2つの見出しで扱った内容も含めて、根拠の強さで選び直した束がこの4項目にあたります。

項目 対象として書かれている方 内容
減量 肥満のある方 内臓脂肪の減少により胸腔と腹腔の圧の差が小さくなり逆流が減るとされている
禁煙 喫煙者の方 生活習慣の改善項目として有効性が示されている
遅い夕食の回避 夜間に症状が出る方 就寝前3時間以内の夕食は4時間以上あける場合に比べ危険因子とされている
就寝時の頭位挙上 就寝中に症状が出る方 上半身ごと頭側を高くすることで就寝中の酸逆流が抑えられたと報告されている

それぞれに「誰に対して」の限定が付いていることが、この4項目を読むうえで欠かせません。標準的な体重の方が減量を目指す根拠にはならず、喫煙していない方に禁煙の項目は当てはまりません。自分に該当する項目だけを選んで取り組めばよいという読み方になります。

なお、日本消化器病学会が編集した患者向けのガイドでは、なかでもとくに改善効果が高いことが分かっているものとして肥満の解消と上半身をやや起き上がらせて寝る姿勢の2つが挙げられています。どこから手をつけるか迷う場合の目安になります。ただし、どの程度症状の改善につながるかには個人差があると同じガイドに明記されているため、取り組んだ結果の受け止め方は診察のなかで相談してください。

食道裂孔ヘルニアで手術が検討されるのはどんなときか

食道裂孔ヘルニアで手術が検討されるのはどんなときか

手術という言葉を目にすると身構えますが、指摘されたことがそのまま手術の話につながるわけではありません。この章では、どのような場合に検討されると書かれているかを一般論として確認します。

食道裂孔ヘルニアで手術適応とされるのは薬で治まらない逆流症状

診療ガイドラインにも患者向けの資料にも、外科的治療を検討する場面が挙げられています。ここで押さえておきたいのは、その主語がいずれも胃食道逆流症であるという原則です。食道裂孔ヘルニアがあることそのものを手術の対象とした記述は、確認した範囲にはありません。また書かれているのは「検討する」「必要なことがある」であって、必要であると断定されているわけでもありません。

書かれている場面を整理すると、次のようになります。

書かれている場面 出典での位置づけ
胃酸を抑える薬を使っても症状が続く 胃食道逆流症を主語として挙げられている
長期にわたり薬を続ける必要がある 胃食道逆流症を主語として挙げられている
逆流を原因とした喘息や嗄声や咳嗽や胸痛や誤嚥などの食道外の症状がある 胃食道逆流症を主語として挙げられている
薬で症状の改善や食道炎の治癒が十分に得られない胃食道逆流症などに、大きな食道裂孔ヘルニアを伴う 患者向け資料が手術の必要なことがある場面として挙げている

手術が検討される場面の読み方
大きいというだけで手術適応が決まるわけではありません。4行目は、薬で改善や治癒が十分に得られない胃食道逆流症などと並べて書かれている場面であり、ヘルニアの大きさが単独の条件として示されているわけではないためです。

薬でどこまでできるかという基準が、そのまま手術を検討する基準につながっているという構造です。前の章で扱った内容と同じ考え方で並んでいます。

食道裂孔ヘルニアの手術では胃を戻して食道裂孔を縫い縮める

患者向けの資料では、逆流防止手術の内容が次の3段階で説明されています。

  • 胸のなかに上がってしまった胃をお腹のなかに戻す
  • 開大した食道裂孔を縫い縮める
  • 胃を食道に巻き付ける
逆流防止手術で行うことの3段階

日本内視鏡外科学会のガイドラインでは、食道裂孔ヘルニアの手術において腹腔鏡下手術が主流となってきているとされています。同ガイドラインではメッシュを使用するかどうかも取り上げられていますが、これは技術認定を取得した医師に向けて書かれた資料です。術式をどう選ぶかは担当する外科の医師の判断によるため、この記事では踏み込みません。

噴門形成術・修復術・再手術といった言葉で調べる方もいますが、入院期間や術後の経過、再発の考え方は医療機関によって異なります。費用や件数を含め、実際の数字は相談先の医療機関で確認してください。

参考:日本内視鏡外科学会「2023年版 技術認定取得者のための内視鏡外科診療ガイドライン」

食道裂孔ヘルニアの手術を決める前に外科のある医療機関へ相談する

同じ資料の末尾には、実際に手術を行うかは手術の効果や年齢や併存している病気などのリスクを考慮して判断する必要があり、まずは主治医に相談し、外科の医師の話を聞くことが勧められると書かれています。主治医に相談してから外科へ、という順序が示されている点が大切です。

池袋かめさん内科は内科の診療所であり、食道裂孔ヘルニアに対する手術は当院では実施していません。症状の相談や検査の相談を受けたうえで、手術の検討が必要な段階と判断される場合には、外科のある医療機関への相談という選択肢を含めてご案内します。

食道裂孔ヘルニアを健康診断の胃カメラで指摘されたら確認すること

食道裂孔ヘルニアを健康診断の胃カメラで指摘されたら確認すること

健診や人間ドックの胃カメラで指摘されることがあるというのが、この記事を読んでいる多くの方に実際に起きている状況だと思います。この章では、検査で言われたあとに確かめておきたいことを順に見ていきます。

食道裂孔ヘルニアの内視鏡検査でどこまでわかるか

日本消化器内視鏡学会は、内視鏡検査では胃食道逆流症の有無や重症度に加えて、その原因となる食道裂孔ヘルニアがあるかどうかを確認できると説明しています。内視鏡でわかることは次の3点です。

  • 胃と食道のつなぎ目の位置関係
  • 食道の粘膜傷害(食道炎)の有無と程度
  • 症状の原因となるほかの所見の有無
内視鏡でわかる3点

診断や重症度の評価は、こうした所見を総合して医師が行います。所見として指摘されたことと、治療が必要かどうかは別の話です。次にすることを決めるうえでは、症状の有無と程度をあわせて医師に伝えることが必要になります。

胸部レントゲンや胸部CTなどの画像検査については、そこから食道裂孔ヘルニアがどこまで判断できるかを述べた記述は、学会の一次情報には見つかりませんでした。

食道裂孔ヘルニアがバリウム(胃部X線)で見つかったとき

バリウムを飲む胃部X線検査で指摘されることもあります。日本消化器内視鏡学会は、消化管造影検査は消化管全体の形態や大きさや位置のバランスを把握するのに有利で、内視鏡検査は形態や色調の変化を高い再現性で観察でき、組織を採って調べることもできると説明しています。

どちらが優れているという説明にはなっておらず、補い合う関係として書かれています。バリウムでは分からない、といった読み方はできません。指摘を受けたあとにどうするかは、症状の有無を含めて医師と相談し、必要と判断されれば内視鏡検査を受けるという流れになります。

参考:日本消化器内視鏡学会「消化管造影検査(バリウム)と内視鏡検査の違いは何ですか?」

食道裂孔ヘルニアの軽度・中等度とは?人間ドックの判定区分はB

結果票を読むうえで混同しやすいのが、判定区分と所見の程度の表現です。日本人間ドック・予防医療学会の上部消化管内視鏡健診判定マニュアル(2014年公表)では、判定区分が次のように定められています。

区分 定義
A 異常なし
B 軽度異常
C 要経過観察・要再検査・生活指導
D 要医療(D1:要治療 D2:要精検)
E 治療中

同じマニュアルの食道の表では、食道裂孔ヘルニアの所見に対する判定区分はB(軽度異常)とされています。ここで押さえておきたいのは、Bは異常なし(A)ではないということ、そしてBだから何もしなくてよいという意味でもないということです。この判定区分は人間ドック健診の内視鏡所見に対するもので、症状がある方の診療上の扱いを定めたものではありません。

一方で、軽度・中等度・高度といった言い方は、所見の程度を表す表現であって判定区分ではありません判定区分にはA〜Eの5つしかなく、中等度という区分は存在しません。結果票に程度の表現と判定区分が並んでいると混ざりやすいので、どちらの話かを分けて読んでください。

参考:日本人間ドック・予防医療学会「上部消化管内視鏡健診判定マニュアル(2014)」

疑い・所見・内視鏡所見といった言葉の意味が分からないまま持ち帰った場合は、結果票を持って相談してください。池袋かめさん内科では、症状の相談と胃カメラ検査についての相談を診察のなかで受け付けています。

食道裂孔ヘルニアのよくある質問

食道裂孔ヘルニアのよくある質問

食道裂孔ヘルニアと言われたら心配したほうがよいですか

指摘されたことだけで心配の度合いを決める必要はありません。人間ドック健診の判定区分ではB(軽度異常)とされていますが、これは健診の内視鏡所見に対する区分であって、診療上の対応を一律に決めるものではありません。自覚症状がなくても、結果票を持参して今後の対応を医師と確認してください。生活習慣については、肥満のある方の減量など、自分に該当する項目を見直します。胸やけや呑酸が続いている場合や、吐血や急な強い痛み、食べ物が詰まって通らない感じがある場合は、原因を問わず早めに受診してください。

食道裂孔ヘルニアは勝手に治ることがありますか

胃と食道のつなぎ目がせり上がった構造が自然に元の位置へ戻ると説明した記述は、学会の一次情報のなかにはありませんでした。位置を戻す処置は逆流防止手術の一部として行われるものと説明されています。一方で、逆流とその症状については、肥満のある方の減量によって減少すると報告されており、生活習慣の見直しと薬で扱える範囲があります。構造がそのままであることと、症状を抱えたまま過ごすことは同じではありません。症状の変化をどう評価するかは、診察のなかで確認してください。

食道裂孔ヘルニアはコーヒーやお酒をやめれば治りますか

学会の患者向け資料では、避けたほうがよいものとしてコーヒーやアルコール、炭酸飲料、柑橘類、チョコレート、高脂肪食などが挙げられています。ただしこれらは逆流による症状をやわらげるための項目であり、せり上がった構造そのものに働きかけるものとしては書かれていません。控えることで症状が軽くなる方もいますが、どの程度改善するかには個人差があると同じ資料に明記されています。症状が出る飲み物や食べ物は人によって違うため、一律に断つのではなく、自分に当てはまるものを見つけていく形が現実的です。

気になる点を整理

食道裂孔ヘルニアと診断された後も今までどおり食事ができますか

基本的な考え方は、今までどおりの食事を土台にして、症状が出るものを個別に見直すことです。避けたほうがよいとされる項目は示されていますが、一覧に挙がっていない食品を一律に避けるようにとは書かれていません。過度な制限は食事量の不足につながることもあります。食べ過ぎと就寝前の食事は項目として挙げられているため、量とタイミングから調整するほうが取り組みやすいでしょう。症状が続く場合や体重が落ちてきた場合は、食事の内容を自分で決め込まずに医師へ相談してください。

食道裂孔ヘルニアを調べる胃カメラはつらいですか

つらさの感じ方には個人差があります。池袋かめさん内科の胃カメラ検査では、鎮静剤(静脈麻酔)を希望できるほか、鼻から入れる経鼻内視鏡にも対応しています。

検査当日は画像を見ながら結果を説明します(組織を採って調べた場合は1か月後以降のご説明になります)。

費用の目安は1割負担で約4,000円、3割負担で約12,000円で、検査内容や処置の有無により前後する場合があります。胃カメラ検査は予約制で、事前の受診から始まります。鎮静や経鼻を含めた進め方は、経鼻内視鏡の内容も含めて診察のときに相談できます。

食道裂孔ヘルニアと痩せることの整理〜まとめ〜

痩せると治るのかという問いに正面から答えるなら、減量によって減ると報告されているのは胃から食道への逆流のほうで、それも肥満のある方についての報告です。せり上がった構造そのものが生活習慣の見直しで元どおりになると示した一次情報はありませんでした。だからこそ、指摘されたあとに向き合う相手は逆流の症状のほうになります。そこには生活習慣の見直しと薬という手立てが用意されています。

見直したい生活習慣は次の4項目です。

  • 肥満のある方の減量
  • 喫煙者の禁煙
  • 夜間に症状が出る方の遅い夕食の回避
  • 就寝時の頭位挙上

そして、胸やけや呑酸が続くとき、薬を使っても症状が残るとき、吐血や急な強い痛み、食べ物が通らない感じがあるときは、原因を自分で決めずに受診してください。判断の材料になるのは、検査結果票と、いつどんな症状が出ているかという記録です。

何をすればよいか決めかねているなら、結果票を持って一度ご相談ください。池袋かめさん内科の内科診療では、いま出ている症状と検査の結果を照らし合わせながら、次にすることを一緒に整理していきます。

診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。場所は雑司が谷駅から徒歩2分、目白駅から徒歩10分、池袋駅から徒歩13分、鬼子母神前駅から徒歩5分です。

03-3986-4466

受付時間:9:00-12:30/14:00-18:00

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