毛嚢炎(毛包炎)とは?できてしまった場合の毛嚢炎の治し方を解説します。
毛嚢炎になる原因や症状(かゆみ・痛み・しこり)をまとめ、毛嚢炎を早く治すために病院を受診した場合の処方薬・治療法と、顔や陰部にも使える市販薬の種類も紹介します。
毛嚢炎を繰り返さないための予防方法やよくある疑問についてもまとめているので、参考にしてください。
- 毛嚢炎の原因と症状
- 他の皮膚炎との違い
- できやすい部位と治るまでの期間
- やってはいけないNG行動
- 病院の処方薬/治療法と市販薬の種類
INDEX
毛嚢炎(毛包炎)とは?原因や他の皮膚炎との違いを解説
毛嚢炎は、毛穴の奥にある毛包(毛嚢)に細菌などが入り、感染して炎症を起こす皮膚疾患です。体のどこにでも発生する可能性があり、症状の程度も軽症から重症までさまざまです。
まずは、毛嚢炎の基本的な情報や原因、見た目の特徴を確認しておきましょう。
毛嚢炎の読み方と見た目の特徴
毛嚢炎は「もうのうえん」と読み、毛包炎(もうほうえん)とも呼ばれています。
毛穴に赤みのあるプツっとした小さな腫れができるのが特徴で、中央に白や黄色の膿をもった膿疱(膿点)が見られることも多いです。
ニキビと似た外見のため、見分けがつきにくく、軽いかゆみや痛み、圧痛(押すと痛い)をともなう場合があり、炎症が進むと腫れが強くなり、熱感を感じることもあります。
炎症が落ち着いた後には、色素沈着になって跡が残ることもあるため、早めにケアをすることが大切です。
毛嚢炎ができる原因とメカニズム
毛嚢炎の主な原因は、皮膚の小さな傷やバリア機能の低下により、皮膚の常在菌である「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」などの細菌が、毛包内に侵入して炎症を起こします。
毛嚢炎が起こりやすくなる主な要因は以下のとおりです。
| 摩擦・蒸れ | 衣類の摩擦や汗による蒸れで皮膚のバリア機能が低下する |
|---|---|
| 剃毛・脱毛 | 剃刀や脱毛処理で皮膚に小さな傷ができ、細菌が侵入しやすくな |
| 不衛生な状態 | 毛穴に皮脂・汚れが詰まり、細菌が繁殖しやすくなる |
| 免疫力の低下 | 睡眠不足・ストレス・栄養不足により免疫機能が落ちる |
| 糖尿病などの 基礎疾患 |
免疫低下や皮膚の乾燥が起こり感染に対する抵抗力が下がる |
これらの要因によって、毛嚢炎が発症しやすくなります。
生活習慣の乱れや体の疲れが積み重なったタイミングで突然できることも多く、繰り返しやすい皮膚疾患のひとつです。
毛嚢炎とマラセチア毛包炎の違い
一般的な毛嚢炎(細菌性毛包炎)と混同されやすいのが、マラセチア毛包炎です。
どちらも毛包に炎症が起こりますが、原因菌と治療法が異なります。
マラセチア毛包炎は、マラセチア菌が汗や高温多湿の環境で過剰に増殖することで起こります。比較的かゆみを感じやすく、小さいブツブツが背中や胸に均一に広がり、夏場に悪化しやすいのが特徴です。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、マラセチア毛包炎の治療法として、抗真菌薬の外用療法(推奨度B)および内服療法(推奨度A)が推奨されています。
毛嚢炎の抗菌薬を使っても改善しない場合は、マラセチア毛包炎の可能性も考えられるため、皮膚科への受診をおすすめします。
なお、塩素処理が不十分な浴槽・温泉・プールなどの水環境に存在する緑膿菌に感染して起こる「温浴毛包炎(温浴毛嚢炎)」も知られており、多くの場合は特別な治療をしなくても自然に治癒するとされています。
ニキビ・粉瘤・ヘルペス・蜂窩織炎との見分け方
毛嚢炎は、ほかの皮膚疾患と見た目が似ていることが多く、誤った対処をしてしまうケースも少なくありません。
それぞれの特徴の違いを確認しておきましょう。
ニキビ(尋常性座瘡)は、毛穴に皮脂が詰まってアクネ菌が増殖することで起こります。
見た目は似ていますが、毛嚢炎は顔以外にも陰部や頭皮、太ももなど体のあらゆる部位に発生します。一方ニキビは、主に顔・背中・胸など皮脂分泌の多い部位に集中しやすいのが特徴です。
粉瘤(アテローム)は、皮下に袋状の構造物ができ、角質や皮脂などの老廃物が蓄積する良性腫瘍で、炎症がなければ痛みは少なく、しこりとして触れるのが特徴です。
表面には小さな黒い点が見られる場合が多く、押すと白い内容物が出てくることがあります。
自然に消えることはないため、治療には外科的な摘出が必要です。
ヘルペス(単純ヘルペスウイルス感染症)は、小さな水ぶくれが複数集まってできるのが特徴で、陰部に発生したものは性器ヘルペスと呼ばれています。
毛嚢炎と見た目が似ていますが、ヘルペスの場合はピリピリとした神経痛のような痛みを感じる場合が多く、早期の抗ウイルス薬の内服が必要になります。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、皮膚の深い層にまで細菌感染が広がった状態です。患部が広範囲にわたって赤く腫れ上がり、発熱や全身のだるさをともなうことがあります。
毛嚢炎が悪化して蜂窩織炎に進行するケースもあるため、患部周囲に急速に広がる発赤・腫れが出た場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
このように、毛嚢炎はニキビ・粉瘤・ヘルペス・蜂窩織炎とそれぞれ原因や特徴が異なります。
見た目だけで判断して誤ったケアを続けると、症状が悪化したり適切な治療が遅れたりするおそれがあるため、判断に迷う場合は自己判断せず、皮膚科への受診をおすすめします。
毛嚢炎ができやすい・再発しやすい部位
毛嚢炎は毛穴がある部位であればどこにでも発生しますが、特にできやすい部位があります。
| 部位 | 要因 |
|---|---|
| 顔 (額・頬・鼻・口周り) |
皮脂分泌が多く、汗やマスクの着用などによる蒸れが生じやすい。男性の場合は毎日の髭剃りによる摩擦や小さな傷ができやすく、顎・頬・口周りにできやすい傾向がある。ニキビと見分けがつきにくい。深く炎症が進み重症化した毛嚢炎は「めんちょう(面疔)」とも呼ばれる。 |
| 頭皮 | 皮脂腺が多く皮脂分泌が活発なため、毛穴に皮脂や汚れが蓄積しやすい部位。洗浄不足やすすぎ残しによって頭皮環境が悪化し、細菌が増殖しやすくなることで毛嚢炎ができやすい。 |
| 陰部・デリケートゾーン・Vライン | 蒸れやすく、下着や衣類による摩擦、さらに剃毛・脱毛による微小な傷がつきやすい部位。細菌が侵入しやすい状態になりやすく、再発を繰り返しやすい傾向がある。 |
| おしり・太もも・足の付け根・鼠径部 | 長時間の座位や衣類の圧迫により、摩擦と蒸れが起こりやすい部位。通気性が悪くなることで皮膚環境が悪化し、毛嚢炎が生じやすくなる。 |
| 背中・胸・脇 | 汗腺が多く発汗量が多いため、湿潤環境になりやすい部位。汗や皮脂が毛穴に残ることで、菌が増殖しやすく毛嚢炎になりやすい。 |
| 首・うなじ・耳 | 髪の毛が触れやすく、整髪料や日焼け止めなど毛穴に残りやすい部位。衣類との摩擦も起こりやすいため、毛嚢炎が生じやすい。 |
このように、毛嚢炎は皮脂分泌が多い部位や蒸れ・摩擦が生じやすい部位に発症しやすい傾向があります。
特に、陰部・デリケートゾーンや背中・胸など、複数の要因が重なりやすい部位は再発しやすいため、日頃から清潔を保ち、蒸れや摩擦を防ぐケアを意識することが大切です。
毛嚢炎の症状は?かゆみ・痛み・しこりなど症状レベルを確認
毛嚢炎は炎症の程度によって症状が異なります。
軽症であれば数日で落ち着くことが多いですが、放置すると炎症が深くなり重症化するリスクがあります。
毛嚢炎の状態がどのレベルにあるかを把握しておくことで適切な対応ができるため、確認してみましょう。
軽症の毛嚢炎
毛嚢炎の多くは「軽症」であることがほとんどで、皮膚の浅い部分に感染が留まっていることが多いです。
軽症では、毛穴を中心に数ミリ程度の赤いプツっとした丘疹がみられ、中央に白や黄色の小さな膿疱ができることがあります。
痛みは軽く、押したときに違和感がある程度で、かゆみも強くないことが一般的です。
中等症の毛嚢炎
炎症が進むと、赤みや腫れがはっきりしてきて、膿をもった発疹が目立つようになります。
触れると痛みを感じやすくなり、周囲の皮膚まで赤みが広がったり、熱をもっているように感じることもあります。
また、同じ部位に複数の発疹がまとまって現れることもあり、この段階は炎症がやや深く広がっている状態と考えられ、自然に改善しない場合もあります。
悪化・重症化した毛嚢炎:せつ(おでき)・よう(癰)
毛嚢炎がさらに進行すると、毛穴の炎症が皮膚の深い部分まで及び、「せつ(癤)」や「よう(癰)」と呼ばれる状態になることがあります。
毛包の深い部分に膿がたまり、硬いしこりとして触れるようになります。赤く大きく腫れ、強い痛みをともなうのが特徴です。
膿が自然に排出されると症状が軽くなることがありますが、炎症が強い場合は、回復後に色素沈着や凹凸が残る場合もあります。
よう(癰)は、せつが悪化した状態で、複数の毛包に感染が広がり、広範囲に炎症が及びます。腫れが大きくなり、痛みも強くなるほか、発熱やだるさなど全身症状をともなう場合があります。
このような深部まで達している感染は、糖尿病などの疾患で免疫機能が低下している場合に起こりやすいことが知られています。
せつやようの段階まで進行した場合は、自己処置では改善が難しいケースが多く、切開排膿や抗菌薬による治療が必要になることがあります。
そのため、強い痛みや腫れ、発熱をともなう場合は、皮膚科や外科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
毛嚢炎の治し方は?自然治癒するのか治るまでの期間も解説
毛嚢炎の症状によっては自然におさまるケースもあるため、以下の症状別の治るまでにかかる期間をチェックしてみましょう。
| 毛嚢炎の 症状 |
治るまでにかかる期間の目安 |
|---|---|
| 軽症 | 患部を清潔に保つことで、数日〜2週間程度で自然に治ることが多い。 |
| 中等症 | 2〜3週間程度かかることがある。市販薬を使用することで早期の改善が目指せる可能性がある。 |
| 重症 | 3〜4週間以上かかる場合があり、医療機関での切開排膿や、抗菌薬を用いた治療が必要になる場合が多い。回復後は皮膚の凸凹や色素沈着などの跡が残ることがある。 |
ただし、回復までの期間には個人差があり、あくまで目安とされています。
2週間程度経過しても改善がみられない場合や、痛みや腫れが強くなっていく場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
毛嚢炎の膿を出す方法は?潰す・針で刺すなどのやってはいけないNG行動
毛嚢炎が気になる場合でも、自己判断で強い刺激を加えると、炎症が広がったり治りにくくなったりすることがあります。
皮膚の状態を悪化させやすい行動には、以下があります。
毛嚢炎を指で押したり潰したりすると、毛穴の中にある細菌や膿が皮膚の内側へ広がる可能性があります。
その結果、炎症が周囲に広がり、赤みや腫れが強くなるケースがあるとされています。
針などで皮膚を傷つけると、そこから新たに細菌が入り込み、感染が広がったり二次感染を引き起こす可能性があります。
特に家庭での処置では十分な無菌環境を保つことが難しいため、かえって悪化につながるケースもみられます。
毛嚢炎を掻いたりこすったりすることでバリア機能が低下するため、炎症が長引いたり、同じ部位に繰り返しできやすくなります。かゆみがある場合には、患部を冷やすなど刺激を与えない方法で対処しましょう。
高温の環境では血行が促進され、炎症が強く出やすくなるほか、汗や蒸れによって細菌が増えやすい状態になります。
症状が落ち着くまでは、長時間の入浴やサウナは控えるとよいでしょう。
膿が溜まっている場合でも、自己判断で無理に潰したりせず、医療機関を受診して適切な処置を受けることをおすすめします。
毛嚢炎を早く治すなら病院を受診!処方薬や治療法を紹介
毛嚢炎は細菌感染によって起こることが多く、症状の程度に応じて外用薬や内服薬が処方されます。
早く治したい場合や、痛みやしこり、膿が溜まるなどの症状が重い場合には、切開排膿を行うこともあるため、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが望ましいでしょう。
病院で処方される外用薬(抗菌薬・ステロイド)の種類
病院では、毛嚢炎の症状に合わせて「抗菌剤」や「ステロイド」が配合された外用薬が処方されます。
| ・ゲンタシン軟膏0.1% ・ゲンタシンクリーム0.1% 有効成分:ゲンタマイシン硫酸塩(アミノグリコシド系抗生物質) |
|
|---|---|
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、慢性膿皮症、びらん・潰瘍の二次感染 |
| 適応菌種 | ゲンタマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌 |
| ・ゼビアックス油性クリーム2% ・ゼビアックスローション2% 有効成分:オゼノキサシン(キノロン系外用抗菌剤) |
|
|---|---|
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) |
| 適応菌種 | オゼノキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌 |
| ・アクアチム軟膏1% ・アクアチムクリーム1% 有効成分:ナジフロサキシン(ニューキノロン系抗生物質) |
|
|---|---|
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)※アクアチムクリームのみ |
| 適応菌種 | 本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌 |
これらの外用薬は、毛嚢炎の原因となる細菌の増殖を抑えることで、炎症の改善を目指す目的で処方されます。
使用方法は、1日1~数回程度を直接患部に塗布または、清潔なガーゼなどにのばしたものを患部に貼り付けて使用します。
また、炎症や腫れが強い場合や二次感染を併発していると判断された場合には、ステロイドと抗菌薬を組み合わせた配合外用薬が処方されることもあります。
| ・リンデロンVG軟膏0.12% ・リンデロンVGクリーム0.12% 有効成分:ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩(皮膚外用合成副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤) |
|
|---|---|
| 適応症 | ・湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している次の疾患 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症 ・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 |
| 適応菌種 | ゲンタマイシン感性菌 |
| ・ベトネベートN軟膏 ・ベトネベートNクリーム 有効成分:フラジオマイシン硫酸塩・ベタメタゾン吉草酸エステル(外用副腎皮質ホルモン剤) |
|
|---|---|
| 適応症 | ・深在性皮膚感染症、慢性膿皮症 ・湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している次の疾患 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、乾癬、虫さされ、痒疹群(固定蕁麻疹を含む) ・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 ・耳鼻咽喉科領域における術後処置 |
| 適応菌種 | フラジオマイシン感性菌 |
ステロイド配合薬は、強い炎症や二次感染が疑われる場合に処方されることがあり、細菌の増殖を抑える抗菌薬に加えて、炎症による赤みや腫れ、かゆみを抑える目的で使用されます。
毛嚢炎では、細菌感染に対する免疫反応として炎症が起こりますが、強い炎症が続くと、痛みや腫れが長引くことになります。ステロイドを併用することで、炎症反応を抑える作用が加わるため、症状の緩和が期待できます。
ただし、ステロイドは使用部位や使用期間によっては皮膚が薄くなるなどの影響が出ることもあるため、医師の指示に従って使用するようにしましょう。
内服薬の種類と飲む日数の目安
炎症が広範囲に及ぶ場合や外用薬だけでは対応が難しい場合には、内服の抗生物質が処方されます。
| ・フロモックス錠75mg ・フロモックス錠100mg 有効成分:セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物(セフェム系抗生物質) |
|
|---|---|
| 服用方法 | 通常1日3回 食後 |
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎 など |
| 適応菌種 | セフカペンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属 など |
| ・メイアクトMS錠100mg 有効成分:セフジトレン ピボキシル(セフェム系抗生物質) |
|
|---|---|
| 服用方法 | 通常1日3回 食後 |
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む) など |
| 適応菌種 | セフジトレンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属 など |
| ・ビブラマイシン 有効成分:ドキシサイクリン塩酸塩水和物(テトラサイクリン系抗生物質) |
|
|---|---|
| 服用方法 | 通常1日1回又は2回 |
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染 など |
| 適応菌種 | ドキシサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、肺炎桿菌、ペスト菌、コレラ菌、ブルセラ属、Q熱リケッチア(コクシエラ・ブルネティ)、クラミジア属 |
| ・ミノマイシンカプセル50mg 有効成分:ミノサイクリン塩酸塩(テトラサイクリン系抗生物質) |
|
|---|---|
| 服用方法 | 通常1日1回または2回(12時間ごとまたは24時間ごと) |
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、肺炎 など |
| 適応菌種 | ミノサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー など |
| ・ルリッド 有効成分:ロキシスロマイシン(マクロライド系抗生物質) |
|
|---|---|
| 服用方法 | 通常1日2回 |
| 適応症 | 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎 |
| 適応菌種 | 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、アクネ菌、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ) |
内服薬は種類によって、1日の飲む回数が異なり、医師の判断によって年齢・体重・症状に応じて増減される場合もあります。
処方された抗生物質は、途中で服用をやめると薬剤耐性菌が生じるリスクがあるため、症状が改善しても、指定された日数は必ず飲み切るようにしましょう。
毛嚢炎が重症化したら切開排膿する場合もあり
せつ(おでき)やよう(癰)のように、膿が皮膚の深い部分に溜まった状態では、薬剤が届きにくく、抗菌薬のみでは十分に改善しないことがあります。
そのため、患部を切開して膿を出す「切開排膿」という処置が選択されることがあります。
切開排膿は局所麻酔を行ってから処置されるため、強い痛みを感じにくいとされています。また、膿を排出することで圧迫が軽減され、処置後は痛みがやわらぐことが多く、回復までの期間が短くなる場合もあります。
強い痛みや大きな腫れが続く場合には、自己処置は行わず、皮膚科や外科を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。
陰部や顔の毛嚢炎(毛包炎)にも使えるおすすめの市販薬
軽症の毛嚢炎であれば、ドラッグストアで購入できる市販薬で対処できる場合があります。
毛嚢炎は主に細菌感染によって起こることが多いため、抗菌成分を含む外用薬を選ぶのがおすすめです。
ここでは、毛嚢炎に使える市販薬の選び方と種類をご紹介します。
市販薬の選び方(抗菌成分・ステロイド配合の違い)
毛嚢炎に使用される市販薬には、主に「抗菌成分のみ」と「ステロイド配合」の2種類があります。
抗菌成分としては、フラジオマイシン硫酸塩やクロラムフェニコールなどがあり、細菌の増殖を抑えることで炎症の改善につながるとされています。
一方で、ステロイド配合薬は炎症を抑える作用があり、赤みや腫れ、かゆみが強い場合に使われることがあります。
症状の目安としては以下の通りです。
- 軽い赤みや腫れのみ → 抗菌成分のみの外用薬
- かゆみや腫れが強い → ステロイド配合薬
また、購入時はパッケージの「効能・効果」を確認し、「化膿性皮膚疾患」「毛嚢炎」「せつ」「よう」などの記載があるものを選ぶと判断しやすくなります。
顔に使用する場合は、「めんちょう」と記載されている製品を選ぶと適応範囲が分かりやすくなります。
顔・体の毛嚢炎に使えるおすすめ市販薬
陰部・デリケートゾーンにできた毛嚢炎に使える市販薬
陰部やデリケートゾーンは、皮膚が薄く刺激を受けやすい部位であり、蒸れやすい環境でもあるため、毛嚢炎が起こりやすい部位とされています。
そのため、市販薬を選ぶ際は、刺激が少ないクリームタイプや軟膏タイプを選ぶと使いやすくなります。
また、粘膜に近い部位に使用する場合は、使用可能な部位の記載を確認することも重要です。
これらの市販薬は、原因となる細菌の増殖を抑えることで症状の改善を目指すものです。
しかし、数日〜1週間程度使用しても改善がみられない場合や、赤みや腫れが広がる場合は、外用薬だけでは対応が難しい状態も考えられます。
また、陰部などの摩擦や湿気の影響を受けやすい部位は、毛嚢炎が再発しやすい傾向があります。
毛嚢炎が繰り返しできたり、痛みや炎症が強い場合は、自己判断のみでの使用を続けるのではなく、医療機関の受診も検討しましょう。
毛嚢炎が頭皮にできたときのおすすめのシャンプー
頭皮の毛嚢炎では、皮脂や汗、常在菌のバランスが関係しており、シャンプーの種類や洗い方を見直すことが大切です。
頭皮の毛嚢炎には、低刺激で抗炎症・抗菌成分を配合したシャンプーを使用するのがおすすめです。
シャンプーを選ぶ際は、以下のような成分を目安に選んでみてください。
| 低刺激の 洗浄成分 ※アミノ酸系 |
ココイルグルタミン酸Na、 ココイルメチルタウリンNa、 ラウロイルメチルアラニンNa、 ラウロイルグルタミン酸Na |
|---|---|
| 抗炎症作用の ある成分 |
グリチルリチン酸ジカリウム(2K)、アラントイン、サリチル酸 |
| 抗菌作用の ある成分 |
ケトコナゾール、シクロピロックス、ピロクトオラミン、ミコナゾール硝酸塩 |
頭皮は皮脂分泌が多い部位のため、洗浄力が強い高級アルコール系(ラウレス硫酸Naなど)を使用すると乾燥や刺激につながり、結果として炎症が長引くことがあります。
そのため、シャンプーを選ぶ際は、成分表示を確認し、上記のような洗浄成分が含まれているかをチェックしてから取り入れてみるとよいでしょう。
毛嚢炎(毛包炎)を繰り返さないための予防方法
毛嚢炎は、皮膚のバリア機能の低下や摩擦、細菌の増殖などが重なることで再発しやすいとされています。
日常的なスキンケアや生活環境を整えることで、再発リスクが抑えられるとされているため、以下のポイントを参考に取り入れてみてください。
正しい洗浄方法とおすすめのボディソープ
毛穴に皮脂や汚れがたまると細菌が増殖しやすくなるため、洗浄方法の見直しをすることで予防につながるとされています。
| 抗菌成分 |
|
|---|---|
| 低刺激な 洗浄成分 |
|
摩擦刺激は、毛包周囲の微小な傷を引き起こし、細菌侵入のきっかけになることがあるため、こすり洗いを避けることが重要です。
また、ボディソープの成分としては、抗菌作用のある成分や肌に優しい低刺激の洗浄成分が配合された製品を選ぶとよいでしょう。
毛嚢炎におすすめのスキンケア・保湿剤
皮膚の乾燥が進むと角層のバリア機能が低下し、細菌が侵入しやすくなるため、洗浄後に保湿を行い、皮膚の水分バランスを保つことが再発予防につながるとされています。
毛嚢炎の炎症を抑えて皮膚環境を整える「グリチルリチン酸ジカリウム」や「アラントイン」などの抗炎症作用のある成分が配合された製品を選んでみてください。
保湿成分には、セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの角層の水分保持をサポートする成分が配合されているかもチェックしておくといいでしょう。
また、毛穴の詰まりを防ぐためには、油分が多すぎない「ローションタイプ」や「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載された製品を選ぶ方法が取り入れやすいです。
アルコール(エタノール)や香料が多く含まれる製品は、刺激や乾燥の原因となる場合があるため、肌の刺激になるような成分が配合されていないか確認してみてください。
毛嚢炎の予防におすすめの栄養・サプリの種類
免疫機能を支える栄養素をバランスよく摂ることも、毛嚢炎の予防につながります。規則正しい生活・バランスのとれた食事・十分な睡眠を心がけることが基本です。
特に以下のビタミンCやビタミンB群、亜鉛などの栄養素は皮膚の健康維持に関与しています。
食事からの摂取が基本ですが、食事内容の偏りや食事のみでの栄養摂取が難しい場合には、サプリメントで補うことも選択肢のひとつです。
摩擦を減らす衣類・寝具は清潔を保つ
摩擦や蒸れは、毛嚢炎ができやすくなる原因のひとつとされています。
蒸れた状態や不衛生な環境が続くと細菌が増えやすくなるため、通気性を保ち、皮膚を清潔に保つことが毛嚢炎の予防につながります。
- 綿素材など通気性や吸湿性の高いインナーを選ぶ
- 体にぴったりしすぎる服は避ける
- 汗をかいた後は早めに着替える
- シーツや枕カバーはこまめに洗濯する
化学繊維のインナーは汗を吸いにくく、肌が蒸れやすくなることがあります。
蒸れや摩擦を減らす衣類を選び、寝具を定期的に洗濯するなど、皮膚への刺激を抑える方法を取り入れてみるといいでしょう。
ムダ毛処理に使うアイテムの見直し
ムダ毛処理による剃毛は、皮膚に微細な傷ができやすく、毛嚢炎のきっかけになることがあります。
そのため、剃毛による皮膚への負担をできるだけ減らすことが予防につながるため、以下の方法を試してみるとよいでしょう。
- カミソリは定期的に交換する
- 剃毛前にシェービング剤を使用する
- 毛の流れに沿って剃る
- 電気シェーバーに代える
- 剃毛後は保湿剤で皮膚を整える
カミソリは肌に細かい傷つきやすいため、定期的な刃の交換やシェービング剤を使用することで皮膚の負担を軽減することができます。
また、電気シェーバーは刃が直接肌に当たりにくい構造で皮膚への刺激が少ないため、アイテムの見直しも検討してみてください。
剃毛が原因で毛嚢炎を繰り返す場合には、医療機関でのレーザー脱毛を行うのも一つの方法です。レーザー照射後に一時的に毛嚢炎ができる場合もありますが、脱毛を行うことで長期的に毛嚢炎の発生頻度を低下させることが期待できます。
毛嚢炎(毛包炎)に関するよくある疑問
ここでは、毛嚢炎(毛包炎)に関するよくある疑問についてまとめています。
軽症の毛嚢炎はどうなりますか?
毛嚢炎が軽症であれば、患部を清潔に保ち刺激を与えなければ、数日〜1週間程度で自然に回復するケースが多いとされています。
市販の抗菌外用薬を併用することで、回復を早めることも期待できます。
ただし、同じ場所に繰り返しできる・1週間以上改善しない・痛みや腫れが強くなる場合は、皮膚科への相談をおすすめします。
毛嚢炎が潰れてしまったらどうすればいいですか?
自然に膿が出た場合や誤って潰してしまった場合は、清潔なガーゼやティッシュで膿を拭き取り、その後やさしく洗浄するのが一般的です。
具体的な対処法は以下の通りです。
無理に絞り出すなど、刺激を与えたりすると炎症が拡大するおそれがあるため、その後は触れないようにすることが大切です。
毛嚢炎はストレスが原因ですか?
ストレスそのものが直接の原因になるわけではありませんが、睡眠不足や疲労の蓄積が続くと免疫機能が低下し、細菌への抵抗力が弱くなるため、毛嚢炎になる可能性があります。
疲れているときに毛嚢炎が繰り返しできる・治りにくくなるといった傾向がみられる場合には、生活リズムの見直しを併せて検討するとよいでしょう。
毛嚢炎は性病ですか?
毛嚢炎は、皮膚の常在菌(主に黄色ブドウ球菌など)が毛穴の中で増えることで起こる皮膚の炎症のため、性感染症ではありません。
そのため、性的接触が直接の原因になることは基本的にありません。
なお、陰部にできた場合は、性器ヘルペスや梅毒などと見分けが必要なケースもあるため、痛み・水ぶくれ・潰瘍などがある場合は、泌尿器科・婦人科を受診してください。
毛嚢炎は人にうつりますか?
毛嚢炎そのものが人から人へ直接うつることは少ないとされています。
しかし、原因となる細菌は皮膚や物に付着するため、タオルや衣類を介して間接的に広がる可能性はあります。
毛嚢炎ができてしまった場合には、タオルやカミソリは共有せずに個別のものを使用し、患部に触れた後は手を洗うなど、周囲の人への感染を防ぐために取り入れてみてください。
毛嚢炎は押し出すと悪化しますか?
患部を押し出すと、細菌が周囲の組織に広がり、炎症が強くなったり広範囲に拡大するなど、症状が悪化するおそれがあります。
また、皮膚へのダメージが深くなることで、色素沈着や跡として残るリスクもあります。
毛嚢炎ができてしまった場合には触らずに経過を見るようにし、痛みや腫れが強い場合は受診するなど、自己判断で無理に押し出したりしないようにしましょう。
毛嚢炎(毛包炎)を早く治す方法と原因・予防方法【まとめ】
毛嚢炎(毛包炎)は、黄色ブドウ球菌などの常在菌が毛穴の中で増えることで起こる皮膚の炎症で、毛穴のある部位であればどこでも発生します。
軽い症状であれば、患部をやさしく洗って清潔に保ち、保湿するなど基本的なケアを続けることで、数日〜1週間ほどで落ち着くケースが多いとされています。
一方で、痛みや腫れが強くなってきた場合や1週間以上変化がない場合、同じ場所に繰り返しできる場合には、細菌感染が進んでいる可能性があります。
軽い炎症の段階であれば、抗菌成分などを配合した市販薬を使用することで回復を早めることができる場合がありますが、強い炎症や痛みがある場合には、皮膚科などの医療機関で適切な治療を受けることが望ましいです。
毛嚢炎は、摩擦・蒸れが生じやすい部位(陰部など)や剃毛の頻度が高い部位に再発しやすい傾向があります。洗浄後の保湿や通気性のよい衣類を選んだり、剃毛時の方法を見直すなど、皮膚への刺激を減らして再発しにくい状態を保つとよいでしょう。
