気になる症状

めまいは何科?救急車を呼ぶかの判断と緊急度の4区分

急にめまいが起きたとき、頭に浮かぶのは「これは危ないものなのか」と「どこへ行けばいいのか」の2つではないでしょうか。周りがぐるぐる回って立っていられなかった方もいれば、ふわふわと足元が定まらない感覚が残っている方もいます。受診先を調べる段階で「めまいで何科に行けばいいか分からない」と手が止まってしまうのは、どちらの場合も同じです。

先に押さえておきたい結論

めまいで最初に決めるのは科の名前ではなく、いま動くのか、それとも診療時間内に受診するのかという時間の側です。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の説明では、めまいの原因として多いのは耳の病気で、そのうえで脳や心臓など原因は多岐にわたるとされています。感じ方から診療科を1つに決める形の答えは、公的な資料の側にありません。
代わりに公的機関が示しているのは、救急車を呼ぶなどの対応を考える症状と、受診をどれくらい急ぐかを表す緊急度の区分です。

この記事では、学会と行政の資料に沿って、判断の順番を整理したうえで受診先の分かれ方を見ていきます。

目次

めまいは何科を受診する?判断の順番

めまいは何科を受診する?判断の順番

「めまいで何科に行けばいいか分からない」という迷いは、症状の重さとは別のところで生まれます。どの科が担当するかを先に決めようとすると、感じ方や思い当たる原因から科を選ぶことになり、そこで手が止まるためです。順番を入れ替えると、迷いの多くは整理できます。

めまいでは、受診先を決める前に、救急車を呼ぶかどうかの判断を先に済ませます。そのうえで受診先を考えると、耳の病気のことが多いため耳鼻咽喉科が候補に挙がりやすいのですが、原因は多岐にわたり、感じ方だけでは受診先は決まりません

科の名前が決まらないうちは受診できない、と考える必要はありません。受診先を決めることと、原因を突き止めることは別の作業です。原因を確かめるのは診察と検査の役目であり、読者の側で先に済ませておくものではありません。そのため本文は、次の順番で読み進められるように並べています。

受診先を決めることと原因を突き止めることは別の作業だと示した図
  1. 救急受診を考える症状がないかを確かめる
  2. めまいの感じ方を言葉にする
  3. 急いで受診するか通常の診療時間内でよいかを緊急度の区分で考える
  4. 受診先が科ごとにどう分かれるかを知る
  5. 受診先が決まらなければ前もって問い合わせる
  6. 検査で原因がはっきりしなかったときの相談先を知る
  7. 当院で相談できる範囲を確かめる

前の段階が片づくと、次の段階で見るものが減ります。まず救急受診を考える症状を確かめ、受診の急ぎ方が見えてから科の話に入る、という進み方です。逆に、科の話から始めると、救急かどうかという別の問いが混ざったまま調べ続けることになり、答えが出ないまま時間だけが過ぎます。

それぞれの中身はこのあとの各章で扱うので、ここでは並び順だけ持って読み進めてください。最後まで読んでも受診先が1つに絞れないこともありますが、その場合の進め方も後半に用意しています。

判断の核になるのは、①救急受診を考える症状があるか、②どれくらい急ぐか、③担当の科がどう分かれているか、④決めきれなければ前もって問い合わせる、の4つです。感じ方を言葉にすることや受診の準備は、この判断を支える材料にあたります。原因の幅が広い症状では、手元の情報だけで行き先を確定させようとするほど答えが遠のきます。

めまいで救急車を呼ぶかどうかを考える症状

めまいで救急車を呼ぶかどうかを考える症状

はじめに、この記事で使う3つの言葉を分けておきます。救急車は119番通報で要請するもの、救急外来は時間外や休日の受診先の名称です。この記事では、その両方をまとめて「救急受診」と呼びます。似た言葉ですが指しているものが違うので、読み分けの目安として先に置いておきます。

言葉 この記事での意味
救急車 119番通報で要請するもの
救急外来 時間外や休日に救急の患者を受け入れる受診先の名称
救急受診 救急車の要請と救急外来の受診をまとめて指す言い方

そのうえで、めまいに何が伴っているかによって対応が変わることが公的な資料には書かれています。めまいの強さや回り方ではなく、めまいと同時に何が起きているかを見るということです。この章では、その記述を資料の言葉のまま見ていきます。

なお、この章で扱うのは該当するかしないかを切り分けるための手順ではありません。公的な資料が名前を挙げて示している症状と、そこに添えられている一文を、書かれているとおりに読むことが目的です。

めまいのほかに現れたら救急受診を考える症状

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、めまいのほかに次の症状を伴う場合について、検査が必要であり、救急車を呼ぶなどの対応をとるよう書いています。

  • 意識障害
  • ことばの障害
  • 運動麻痺
  • 知覚麻痺
  • 激しい頭痛

学会は、これらを伴う場合の担当を脳神経内科や脳神経外科としています。ここで挙がっているのはこの5つで、ほかの言い方に置き換えると意味が変わります。この記事でも学会の言葉のまま引くことにしました。

読み方として押さえておきたいのは、この5つがめまいと組み合わせて読む形で書かれているという点です。めまいがあり、なおかつこれらのいずれかが現れている場合について、学会は救急車を呼ぶなどの対応をとるよう書いています。この資料が扱っているのはその組み合わせの場面で、めまいを伴わない場面をどう判断するかは、この記述だけからは言えません。組み合わせの形まで含めて、資料の書き方をそのまま受け取るのが安全な読み方です。

また、これらが現れているかどうかは、本人だけでは確かめにくい場合があります。ことばの障害や運動麻痺は、そばにいる方のほうが先に気づくこともあります。1人で判断しようとせず、状況を伝えられる相手がいるなら、そのまま見てもらうほうが確かです。

参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「めまい・顔面神経麻痺」

消防庁は身体の部位ごとに救急のサインを示している

総務省消防庁は、「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」を、めまいの症状としてではなく身体の部位ごとに並べています。おとなの場合、頭・顔・手足の項目には次のものが挙げられています。

部位 総務省消防庁が挙げている症状
突然の激しい頭痛
突然の高熱
支えなしで立てないぐらい急にふらつく
ろれつがまわりにくく、うまく話せない
突然、周りが二重に見える
手・足 突然のしびれ
手・足 突然、片方の腕や足に力が入らなくなる

この一覧は部位ごとの救急のサインであって、めまいの危険サインとして作られたものではありません。めまいと組み合わせて読む形になっているのは、先に挙げた学会の5項目のほうです。消防庁の項目を「めまいに加えてこれがあれば救急」と読み替えてしまうと、資料が書いていないことを足すことになります。

なお「支えなしで立てないぐらい急にふらつく」は、支えがなければ立位を保てないほどの急なふらつきを指しています。まっすぐ歩けるかどうかとは別で、歩き方が普段どおりかを確かめる項目ではありません。似た言葉に置き換えると、指している状態が変わってしまいます。

参考:総務省消防庁「救急車の適時・適切な利用(適正利用)」

ここまでの症状がなくてもめまいで救急受診を考えるとき

ここまでに挙げた項目に当てはまらないことは、救急受診を考えなくてよいという意味にはなりません。総務省消防庁は、部位ごとの一覧を並べたあとに「その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合」という一文を添えています。一覧に載っていない状態も、この一文で受ける形になっています。

実際、めまいが起きたときの言い方は人によってさまざまです。次のような言い方も、その多くはこの包括的な一文にあたります。

  • 失神した・倒れた
  • 立てない・起き上がれない
  • 転倒した
  • 血の気が引く感じがした
  • 交通事故やむちうちのあと・頭を打ったあとに出てきた

これらは、学会の5項目にも消防庁の部位ごとの一覧にも、そのままの言葉で載っているものではありません。ここで新しい危険サインとして扱うのではなく、いつもと違う・様子がおかしいと感じたときの言い方の例として押さえておくものです。頭を打ったあとのめまいは救急、といった線を引ける資料はありません。

言い換えると、一覧は当てはまるかどうかを採点するための表ではないということです。項目に当てはまれば救急を考える理由になりますが、当てはまらないことは何かを打ち消す材料にはなりません。リストに載っていないから救急ではない、という読み方が成り立たないのは、包括的な一文が最初から添えられているためです。

ふだんの自分と比べてどうかを見る、という受け取り方のほうが資料の書き方に近いでしょう。どの項目にも当てはめられないけれど、いつもとは明らかに違う。そうした場面まで拾えるように、資料の側が最初から幅を持たせています。本人または周囲の方が様子がおかしいと感じ、判断がつかないまま時間が過ぎているなら、それ自体が相談する理由になります。

救急受診を考えるときに押さえる3点

学会がめまいと組み合わせて挙げているのは、意識障害・ことばの障害・運動麻痺・知覚麻痺・激しい頭痛の5つです。
消防庁の一覧は部位ごとの救急のサインで、めまいの危険サインとして並べられたものではありません。
一覧に当てはまらないことは救急ではないことの証明にならず、いつもと違う場合・様子がおかしい場合という一文がそれを受けています。

脳の病気によるめまいは比較的少数

ここまで救急の話が続きましたが、めまいの多くが脳の病気によるものだという意味ではありません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、めまいで脳の異常を心配する方が多いとしたうえで、実際には脳疾患によるめまいは比較的少数ですと書いています。

そのうえで学会は、神経の症状を伴う場合には脳神経内科や脳神経外科が担当するとしています。脳の病気を心配して受診先を選ぶのではなく、ほかにどんな症状が出ているかで担当が変わるという並びです。心配の大きさではなく、実際に何が現れているかが担当を分けているということです。

この章の順番にも意味があります。先に救急を考える材料をひととおり見てから、比較的少数という説明を置いているのは、安心できる材料を先に読んで判断を止めてしまわないようにするためです。脳の病気が心配で調べ始めた方も、その心配だけで受診先を選ぶ形にはならない、という整理になります。

ここに挙げた項目は、当てはまらなければ次へ進んでよいというチェックリストではありません。判断がつかない場合も相談の対象です。そのうえで、心配が消えないまま調べ続けるより、めまいそのものをどう説明するかへ手を動かすほうが、次の判断につながります。

めまいの感じ方でわかること・わからないこと

めまいの感じ方でわかること・わからないこと

ぐるぐると目が回るめまい、ふわふわと浮いているようなめまい、立ち上がったときのくらくらする感じ。同じ「めまい」でも、感じ方は人によって違います。まず自分の感じ方を言葉にしておくと、このあとの受診や問い合わせで伝えやすくなります。

感じ方の系統 読者が使う言い方の例
回っている感じ ぐるぐる・目が回る・回転性
浮いている感じ ふわふわ・浮遊感・グワングワン・浮動性
揺れている感じ ぐらぐら・揺れる・地震のような
頭が定まらない感じ くらくら・クラクラ・ふらつき・平衡感覚がおかしい
立ち上がったとき たちくらみ・立ちくらみ
強さや起こり方 急なめまい・軽いめまい・目眩がする

ただし、この言葉の違いから原因を1つに決められるわけではありません。検索するとぐるぐるは耳、ふわふわは脳、といった対応づけを見かけることがありますが、そのように割り当てた公的な資料は見当たりません。この章では、感じ方から言えることと言えないことを分けて見ていきます。

自分の感じ方が表のどの行にも当てはまらないこともあります。その場合も、近い言い方を選んでおけば伝える材料としては足ります。言葉が正確かどうかより、どんなときにどう感じたかが残っているかどうかのほうが役に立ちます。

ぐるぐる回るめまいの原因は耳だけ?

ぐるぐる回るめまいと聞くと耳を思い浮かべる方が多いのですが、耳だけが原因とは限りません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が耳の側の特徴として挙げているのは、次の形のめまいです。

学会が耳の側の特徴として挙げている形
  • 頭の位置を変えたり頭を動かしたりすることで誘発される回転性のめまい
  • 1回のめまいが数秒から数十秒でおさまる
  • 難聴や耳鳴を伴わない

学会は、この形のめまいについて診断さえつけば治しやすいので早めに耳鼻咽喉科を受診するようすすめています。当てはまる感じがあるなら、受診先の候補として耳鼻咽喉科が挙がりやすい形にあたります。

ここで注目したいのは、学会が挙げているのが回っているという感じ方だけではない点です。頭を動かすと誘発されること、1回が数秒から数十秒でおさまること、難聴や耳鳴を伴わないこと。学会はこの3つの組み合わせとして書いています。感じ方の名前ではなく、どんなときに起きて、どのくらい続いて、ほかに何を伴っていないかで説明されている、という並びです。

学会が耳の側の特徴として挙げている組み合わせを示した図

「数秒から数十秒」は1回の発作が続く長さ
ここでの「数秒から数十秒」は、めまいが1回起きてからおさまるまでの長さを指しています。受診までどれくらい待ってよいかを示した時間ではありません。短い時間でおさまったことは、受診を先延ばししてよい理由にはなりません。

一方で、この3つの特徴に当てはまらない回転性のめまいもあります。回っている感じであることだけを根拠に、原因を耳へ絞り込むことはできません

ふわふわ・くらくらするめまいや立ちくらみで原因は絞り込めるか

ふわふわする感じ、くらくらする感じ、立ち上がったときの立ちくらみ。これらを区別して原因を割り当てるための公的な資料は見当たりません。ふわふわだからこの科、くらくらだからこの科、といった読み替えは、資料の裏づけを持ちません。

同じ方が同じ日に、ふわふわとくらくらの両方を感じることもあります。ふらつきと立ちくらみを分けて説明できる方もいれば、どちらとも言いにくい方もいます。言葉の側にもともと重なりがあるため、そこから原因をたどる作り自体が成り立ちにくいということです。

ふわふわする感じが長く残っていて、日常の動作のたびに気になるという状態もあります。その場合も、続いていること自体を手がかりに受診先を割り当てられるわけではありません。前の項で見たように、期間から受診先や受診時期を決める資料はめまいについては見当たらないためです。続いている状態をどう扱うかは、記事の後半で改めて取り上げます。

感じ方の言葉は、原因を決めるためではなく伝えるために使うものと考えると扱いやすくなります。手元でできるのは、どの言い方が近いかを選んでおくところまでです。診察では、その言葉を起点にして、いつ起きたか、どれくらい続いたか、ほかに何があったかを順にたどっていく形になります。

なお、支えなしで立てないぐらい急にふらつく状態は、感じ方の分類とは別に、先に見た救急の側で考える材料になります。感じ方をどう呼ぶかより、そのとき身体がどうだったかのほうが先に立つ場面もあります。

同じようなめまいでも原因は多岐にわたる

同学会は、めまいの原因について耳の病気のことが多いとしたうえで、脳や心臓など原因は多岐にわたると説明しています。この章の着地点はここにあります。

感じ方から言えること 感じ方から言えないこと
頭を動かしたときに短い時間だけ起こり難聴や耳鳴を伴わない形は早めに耳鼻咽喉科で診てもらう候補になる ぐるぐる・ふわふわ・くらくらといった言い方の違いで原因が決まる
どんなときにどう感じたかは受診のときに伝える材料になる 感じ方だけで受診する診療科が1つに決まる

参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「頭・顔・くびの症状」

原因が多岐にわたるということは、同じように感じるめまいでも、行き着く先が同じとは限らないということでもあります。似た感じ方をした知人と同じ科に行けばよい、という考え方が成り立ちにくいのはこのためです。逆に言えば、感じ方が違うからといって、自分のめまいだけが特別だということにもなりません。

感じ方を言葉にしておくことには意味がありますが、それは受診先を決める材料ではなく、受診したときに医師へ渡す材料です。受診先の分かれ方そのものは、このあとの章で見ていきます。その前に、どれくらい急いで受診するかという時間の側を先に整理します。

めまいで病院に行くべき?緊急度の4区分で考える

めまいで病院に行くべき?緊急度の4区分で考える

行くべきかどうかを決めかねているとき、手がかりになるのが緊急度という考え方です。行くか行かないかの二択で考えると答えが出にくいのですが、どれくらい急ぐかという段階で考えると、公的な資料に沿った目安があります。

総務省消防庁は、救急受診ガイドのなかで緊急度を4つの区分に分けて示しています。まず4段階すべてを、資料の言葉のまま並べます。

区分 総務省消防庁の示し方
赤 (緊急) 直ちに受診が必要です。今すぐ救急車等で病院に受診して下さい
黄 (準緊急) 受診が必要です
緑 (低緊急) 緊急ではありませんが、医療機関に受診して下さい。夜間でしたら翌日の診察でもかまいません
白 (非緊急) 家庭での経過観察または通常診療時間内での受診を勧めます

参考:総務省消防庁「緊急度判定プロトコルVer.3 救急受診ガイド(家庭自己判断)」

これは公式の4区分の紹介であって症状から自己判定する表ではありません
上の表は、総務省消防庁が定めている緊急度の区分そのものを、資料の言葉のまま示したものです。めまいの症状から自分がどの区分にあたるかを決めるための表ではありません。同じ資料に、めまいという症候ごとの判定の質問は含まれていないためです。赤の区分にあたる症状については、先に見た救急受診を考える症状の章で扱っています。

同じ資料には、この内容が東京版救急受診ガイドをもとに作成されたことが明記されています。東京で暮らす方にとっては、地域の運用と地続きの資料にあたります。救急車の利用の考え方については、東京消防庁も別に案内を出しています。

参考:東京消防庁「救急車の適正な利用」

めまいで受診を急ぐか通常の診療時間内でよいかの目安

4つの区分のうち、赤以外の3つは受診が要らないという意味ではないという点で共通しています。黄は「受診が必要です」。緑は「緊急ではありませんが、医療機関に受診して下さい」。白は「家庭での経過観察または通常診療時間内での受診を勧めます」。いずれも受診そのものを打ち消してはいません。違いは、どれくらい急ぐかの側にあります。

緑と白は近く見えても示している内容が別

とくに緑と白は近く見えますが、書かれている内容は別です。緑にあるのは「夜間でしたら翌日の診察でもかまいません」という一文で、翌日の診察という時点が示されています。白は「通常診療時間内での受診を勧めます」を、家庭での経過観察と並べて置いた区分になります。この2つを急ぐ側か急がない側かの二択にまとめると、資料が分けている内容が消えてしまいます

4つを並べて読むと、受診するかどうかではなく、いつ受診するかが分かれていることが見えてきます。赤は今すぐ、黄は受診が必要、緑は夜間なら翌日の診察でもよい、白は通常診療時間内。段階が下がるほど遅くてよいという並びであって、行かなくてよいという並びではありません。

なお、赤については「直ちに受診が必要です。今すぐ救急車等で病院に受診して下さい」と定義されており、その具体的な症状は前の章で扱っています。受診したあとに検査や血液検査、点滴や通院、入院といった話が出ることもありますが、それらは診察のなかで決まっていく部分です。この章で扱っているのは、受診の入口をいつにするかまでになります。

めまいについては、何日続いたら受診するといった期間の目安を示した公的な資料はありません。判断の材料になるのは経過した日数ではなく、いま見た急ぎ方の区分と、先に見た救急受診を考える症状のほうです。「もう少し様子を見てから」と考えて日数を数えている状態が続いているなら、数え続けること自体は判断の材料を増やしていないことになります。

区分の言葉をそのまま読むと、赤から白まで受診という語がすべての段階に入っています。この整理を踏まえて、次は緊急度と重症度の違いを確認します。

めまいの緊急度と重症度は別に考える

同じ資料は、緊急度と重症度を別の軸として説明しています。緊急度は悪くなっていくスピードのこと、重症度は病気やけがの重さのことです。

何を見ているか
緊急度 悪くなっていくスピード
重症度 病気やけがの重さ

この2つが別だということは、軽症だから行かなくてよい、とは言えないことを意味します。悪くなっていく速さには差があり、重さが同じでも急ぎ方は変わります。逆に、いま強くつらいことがそのまま緊急度の高さを示すわけでもありません。

めまいで受診をためらう理由として、このくらいで行ってもよいのかという迷いが出てくることがあります。その迷いは重症度の側で考えていることが多く、緊急度の側とは別の物差しです。2つの軸を混ぜたまま考えると、どちらの答えも出ません。どちらか一方だけを見て自分で結論を出さず、迷う状態が残っているなら受診先に問い合わせる方法があります。

参考:総務省消防庁「救急車の適正利用」

めまいで受診する科はどう分かれる?

めまいで受診する科はどう分かれる?

どこへ行けばよいか決まらないとき、「まず内科へ」と考える方は少なくありません。ただし厚生労働省は、内科医がかかりつけ医と思われがちですが、どの診療科の医師でもかかりつけ医になりますと書いており、内科が入口だという整理を公的な推奨としては示していません

参考:厚生労働省「上手な医療のかかり方」

かかりつけ医は科で決まるものではない、という書き方です。内科だから入口にふさわしい、という前提が公的な資料にはないことになります。この記事でも、めまいならまず内科へ、という案内はしていません。

では何を手がかりにするか。学会の資料でめまいに関して名前が挙がっている診療科と、その担当の範囲を並べると次のようになります。

診療科 学会の資料で示されている担当の範囲
耳鼻咽喉科 神経耳科という分野を持ち総合的に検査と診断を行い各科にふり分ける役目も担う
脳神経内科 脳や脊髄・神経・筋肉の病気をみる内科でしびれやめまい・ふらつき・頭痛などが対象
脳神経外科 脳神経内科で見極めたうえで手術などが必要になったときの担当

※この表は各科が担当する範囲を並べたものです。めまいの症状からどの科にあたるかを決めるための表ではありません。

かかりつけ医は診療科で決まるものではないと示した図

めまいで耳鼻咽喉科が受診先に挙がりやすい理由

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、めまいの原因は耳の病気のことが多いと説明しています。耳鼻咽喉科が受診先の候補に挙がりやすいのは、この点が理由です。あわせて学会は、耳鼻咽喉科には神経耳科という分野があり、総合的に検査と診断を行ったうえで各科にふり分ける役目も担っているとしています。受診先を1つに絞れないまま迷っている場合に、この科が入口になりやすいのはこのためです。

先に見たとおり、頭を動かしたときに短い時間だけ起こり、難聴や耳鳴を伴わない形のめまいについては、学会が早めに耳鼻咽喉科を受診するようすすめています。耳のはたらきが関わるめまいは、この科が正面から扱う範囲にあたります。

ふり分ける役目も担っている、という書き方には受診したあとの流れが含まれています。受診した科で完結しない場合に、そこから先の担当へつながる道筋があるということです。学会の説明を読むかぎり、受診は一度きりの選択ではなく、診察と検査を経て担当が定まっていく過程として書かれています。

最初の受診先は、答えを出す場所ではなく、確かめ始める場所です。

ただし、学会が挙げているのは耳鼻咽喉科と脳神経内科や脳神経外科であり、めまいなら耳鼻咽喉科と決まっているわけではありません。原因は多岐にわたるため、耳鼻咽喉科は候補に挙がりやすい科であって答えそのものではないという位置づけになります。めまいのほかに現れている症状によっては、次に見る科のほうが先に立つ場面もあります。

めまいで脳神経内科や脳神経外科が担当になる場合

学会は、めまいのほかに神経の症状を伴う場合の担当を脳神経内科や脳神経外科としています。どんな症状のときに救急受診を考えるかは前の章で扱ったので、ここでは科の側の説明にとどめます。

日本神経学会は、脳神経内科を「脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科」と説明しています。この科が対象とする症状として挙げられているのは次のようなものです。

  • しびれ
  • めまい
  • ふらつく
  • 頭痛

めまいが、この科が対象とする症状の1つとして挙げられている点は押さえておく価値があります。めまいは耳鼻咽喉科だけが扱う症状ではないということが、学会の側の説明から読み取れるためです。

同学会は、まず全身をみることができる脳神経内科でどこの病気であるかを見極め、手術などが必要なときは脳神経外科に紹介するという流れも示しています。脳神経外科は、見極めがついたあとに手術などが必要になった場合の担当という並びです。はじめから脳神経外科を選ぶ形ではないことが、この順序から分かります。

なお同学会は、脳神経内科と間違えられやすいのが精神科や心療内科だとも書いています。名前から受ける印象で科を選ぶと行き先がずれることがある、という注意にあたります。診療科の名前は、症状から連想される言葉と一致するとは限らないということです。

脳神経内科で見極めてから脳神経外科へ紹介する順序を示した図

ストレスや自律神経が気になるめまいの受診先

先に答えを書くと、ストレスや自律神経という言葉だけでは受診先は決められません。ストレスや自律神経の乱れとめまいの関係について書かれた学会や行政の資料は見当たらず、この2語から科を割り当てる根拠がないためです。

読者がめまいの原因として挙げる言葉には、ほかにも次のようなものがあります。

  • 気圧や低気圧・天気・気象病・季節の変わり目
  • 寝不足や睡眠不足・目の疲れや眼精疲労・パソコンの作業が続いたこと
  • 貧血・血圧・甲状腺・頚椎や首からくるといった言い方

これらはいずれも読者が原因として挙げる言い方であって、資料で裏づけられた原因ではありません。この記事では、どれについても「これが原因でめまいが起こる」という書き方をしていません。血圧の数値そのものが気になっている方は、血圧の下が高いのはいくつから?90と100で変わる受診の目安もあわせてご覧ください。

書けるのは、日本神経学会が示している流れまでです。まず全身をみることができる脳神経内科で見極め、精神的なものは精神科に紹介するという順序になります。はじめから精神科や心療内科を選ぶことをすすめる記述ではありません。先に触れたとおり、同学会が書いているのは脳神経内科と間違えられやすい科があるという注意のほうです。ストレスを感じているならこの科へ、という案内ではない点は、読み違えやすい部分にあたります。

気になっている言葉があるなら、それ自体を受診のときに伝える材料として持っていくほうが扱いやすくなります。思い当たる原因があること自体は、伝える価値のある情報です。それを受診先を決める根拠にしないというだけで、話さなくてよいという意味ではありません。

科の分かれ方で押さえる3点

学会がめまいに関して挙げているのは耳鼻咽喉科と脳神経内科や脳神経外科で、内科を挙げてはいません。
耳鼻咽喉科は、耳の病気のことが多いという理由と各科にふり分ける役目の2つで候補に挙がりやすい科です。
ストレスや自律神経といった言葉からは受診先を決められないため、受診のときに伝える材料として扱います。

なお、診療科と医師の専門領域はどう違うのかという点については、日本専門医機構が一般の方に向けた説明を公開しています。科の名前と専門領域の関係を確かめたいときの資料にあたります。

参考:日本専門医機構「総合診療専門医」

めまいで受診するときの準備

めまいで受診するときの準備

受診先の見当がついても、いざ診察室に入るとめまいの説明は言葉にしにくいものです。この章では、受診の前に確かめられることと、受診のときに伝えられる材料を整理します。

めまいの受診先は前もって問い合わせてよい

ここまで見てきたとおり、めまいの受診先は感じ方だけでは決まりません。決めきれないまま迷う場合について、日本神経学会は受診する診療科の選び方として「おかかりになる病院に前もって問い合わせるとよろしいでしょう」と案内しています。どの科にかかるかを先に確かめること自体が、公的に示された方法だということです。

参考:日本神経学会「脳神経内科とは?」

問い合わせ先を探す段階では、厚生労働省が設けている医療機能情報提供制度(医療情報ネット)で医療機関の情報を調べられます。

参考:厚生労働省「医療機能情報提供制度(医療情報ネット)」

問い合わせのときも受診のときも、手元に次のような材料があると話が早く進みます。

  • めまいがいつごろ始まったか
  • どんな場面で起きたか
  • 1回のめまいがどれくらい続いたか
  • めまいのほかに気づいた変化があるか
  • これまでに受けた検査があるか

学会が案内しているのは問い合わせるという方法そのもので、特定の医療機関を指したものではありません。当院への問い合わせの方法は、この章の最後に別に記載しています。

問い合わせの場では、めまいの原因を聞き出そうとするより、そちらで診てもらえる症状かどうかを確かめるほうが話が進みます。電話口で診断がつくわけではないので、確かめられるのは受診できるかどうかと、いつ受診できるかまでです。その一往復で受診先が決まるなら、迷い続けるより早く進みます。

問い合わせをためらう理由として、こんなことで電話してよいのかという迷いが出てくることがあります。ただ、どの科がふさわしいかを前もって尋ねる方法は学会の側が案内しているもので、受診の前に確かめてよい事柄として示されています。電話の段階で伝えるのは、最低限、めまいが起きていることと、いつごろから起きているかという事実で足ります。上に挙げた項目は、手元にあれば添える、という順番で構いません。

受診先への問い合わせで確かめられることを示した図

起床時や寝返りなどめまいが起きた場面を伝える

めまいが起きた場面は、あとから思い出そうとすると細かいところが抜けやすい部分です。起床時や寝返りのときなど思い当たる場面があれば、その場でメモしておくと問い合わせや受診のときの材料になります。

場面の種類 読者が使う言い方の例
起きたとき 起床時・寝起き・朝起きたら
姿勢を変えたとき 寝返り・横になると・起き上がると・立ち上がると
時間帯や状況 午前中・食後・運転中・寝ているとき・座っているとき
起こり方 急な・軽い・続く・頻繁・一日中

起きた場面を思い出すときは、そのとき何をしていたかからたどると出てきやすくなります。朝起きたときなのか、寝返りを打ったときなのか、立ち上がったときなのか。同じ日のうちに何度か起きているなら、それぞれの場面が違ったかどうかも書き添えておきます。

表の下段にある続く・頻繁・一日中といった言葉は、そのまま受診の合図として使えるものではありません。何日続いたら受診するという線を示した資料はないため、ここでは伝える材料として並べています。どのくらいの頻度で起きているかは、受診するかどうかを決める物差しではなく、診察で経過を伝えるための情報という位置づけです。

めまいに伴う吐き気や耳鳴りもあわせて伝える

めまい以外に気づいた変化も材料になる

めまいと同時に別の症状が出ていた場合、それも診察で伝える手がかりになります。吐き気や耳鳴りのように、めまいと一緒に語られることが多いものもあります。

種類 気づいた変化の言い方の例
胃腸の感じ 吐き気・はきけ・嘔吐・吐く・気持ち悪い・ムカムカ・胃痛・下痢・食欲不振
耳の感じ 耳鳴り・難聴・耳詰まり
頭や首 頭痛・頭が重い・首の痛み・肩こり・首こり・腰痛
目の感じ 目の奥が痛い・眩しい・目が勝手に動く(眼振)・ぼーっとする
胸や呼吸 動悸・息切れ・胸の痛み・息苦しい・冷や汗・過呼吸
全身の感じ 脱力感・だるさ・倦怠感・疲労感・微熱・寒気・ほてり・手の震え・鼻血
体調の背景 風邪をひいていた・熱中症が心配な時期だった・不眠や眠気が続いている
経過 ひどい(酷い)と感じた日があるか・一日中続いた日があるか・原因不明と言われたことがあるか

この表は、当てはまるものを数えて受診先を決めるためのものではありません。ここに挙げた言葉のどれかがあれば救急、といった線を引ける資料はなく、診察のときに医師へ渡す材料として並べています。風邪や熱中症のように季節や体調の背景として挙がる言葉についても、それがめまいを起こしたと書ける資料はありません。

なお、めまいと関係がなさそうに思えることでも、気づいた時期が近ければ伝えておくほうが材料としては役に立ちます。関係があるかどうかを判断するのは診察の側の役目で、伝える段階でふるいにかける必要はありません。書き出す量が少ないことを気にする必要もありません。思い出せた範囲を持っていけば十分です。

受診の前に手元でできる3つのこと

受診先が決まらないときは、前もって問い合わせてよいと日本神経学会が案内しています。
めまいが起きた場面は、起床時や寝返りのときなど思い当たるものをその場でメモしておきます。
めまいのほかに気づいた変化は、受診先を決めるためではなく診察で伝える材料として書き出します。

めまいの受診先を決めかねているときは、ここまでに書き出した内容を持って一度ご相談ください。池袋かめさん内科の内科診療では、頭痛・めまい・立ちくらみといった症状の相談を受け付けています。受診の方法や当日の流れを先に確かめたい場合は、WEB予約LINE、電話(03-3986-4466)からお問い合わせいただけます。

めまいで検査を受けても原因がはっきりしないとき

めまいで検査を受けても原因がはっきりしないとき

検査を受けたのに「異常なし」と言われ、めまいだけが残っている。この状態は、受診する前とは別の迷いを生みます。ただし、原因がはっきりしなかったとしても、受診した側の落ち度だったとは限りません。説明を受け損ねたということでもありません。まずはその前提を置いたうえで、次にどこへ相談するかを考えていきます。

次にどこへ相談するかは科の分かれ方に照らして考える

次の一手は、先に見た科の分かれ方に照らして考えることになります。耳鼻咽喉科で診てもらったのであれば、学会が挙げているもう一方の担当は脳神経内科や脳神経外科です。逆の順で受診していた場合も同じで、まだ相談していない側の担当がどこかを確かめるという考え方になります。各科の担当の範囲は前の章にまとめてあるので、そちらを見ながら整理してみてください。

ここで注意したいのは、めまいが長引いていることや続いていることを、そのまま次の受診先を決める根拠にはできないという点です。学会の資料が示しているのは、どこの病気であるかを見極めてから紹介するという流れであり、何日以上続いたらどの科へ、という条件づけではありません。この章で扱っている条件は期間ではなく、検査を受けても原因がはっきりしなかったという経緯のほうです。

もう1つ押さえておきたいのは、異常なしという結果そのものが情報であるという点です。どの検査で何が確かめられたかは、次に相談するときの出発点になります。受けた検査の名前と結果が分かる書類が手元にあるなら、持っていくとその内容を共有しやすくなります。

同じ経緯を何度も説明し直すのは負担の大きい作業です。受けた検査と言われた内容を短くまとめておくと、次の相談ではそこから先の話に時間を使えます。説明できる材料が増えているという意味では、最初に受診したときより前に進んでいる状態にあたります。

それでも相談先が決まらないときは、前の章で見たとおり受診先に前もって問い合わせる方法があります。かかりつけ医の見つけ方については、厚生労働省も案内を出しています。

参考:厚生労働省「かかりつけ医の見つけ方」

検査で異常なしと言われたあとに手元に残る情報を示した図

病名や次の検査を自分で決めない
検査で異常が見つからなかったときに、もっと大きい病院へ行くべきだ、別の意見を聞くべきだ、といった進め方をすすめる公的な資料はありません。検査で説明がつかないめまいに名前を付けることも、この記事では行っていません。次に何を確かめるかは、これまでの経過を伝えたうえで診察のなかで決めていく部分です。

当院で相談できる範囲は、次の章にまとめています。

めまいの受診先が決まらないときに当院で相談できる範囲

めまいの受診先が決まらないときに当院で相談できる範囲

ここまでは公的な資料に沿って判断の順番を見てきました。この章は、池袋かめさん内科で相談できる範囲についての説明です。

めまいと複数の症状を一度に相談できる

当院の内科では、相談を受け付けている症状として頭痛・めまい・立ちくらみを挙げています。あわせて「どの診療科を受診すればよいかわからない」「複数の症状をまとめて相談したい」といった場合にも、まずは当院までご相談ください。必要に応じて適切な検査を実施し、専門医をご紹介いたします

めまいのほかに気になっていることが複数あるときも、まとめてお話しいただけます。診察のうえで、必要に応じて検査や紹介を検討いたします。性別にかかわらず、40代・50代の方から高齢の方まで受診いただけます。生理や生理前、更年期にあたる時期のことが気になっている場合は、その旨もあわせてお知らせください。ただし、婦人科の領域そのものを当院の対応範囲として案内しているわけではありません

項目 内容
診療時間 9:00-12:30 と 14:00-18:00
休診 月曜と日祝
土曜 午前のみ

めまいで専門的な治療や入院が必要になる場合の紹介

当院では、専門的な治療や入院が必要と判断した場合は、近隣の専門病院へご紹介いたします紹介状の作成も当院で対応しております。紹介先はあらかじめ決まっているわけではなく、症状に応じて医療機関をお勧めする形です。

検査については、当院で必要に応じて適切な検査を実施いたします。ただし、めまいそのものを専門に扱う診療を行っているわけではありません。当院で行う検査と、専門病院へお願いする治療や入院は別のものとしてお考えください。

整理すると、当院の位置づけは次のようになります。

  • どの科にかかればよいか決まらない状態のまま相談できる
  • めまいと複数の症状をまとめて相談できる
  • 必要に応じて検査を実施し、専門的な治療や入院が必要と判断した場合は近隣の専門病院へ紹介する

受診の方法は事前に確かめられます
診療の受け方は症状によって案内が分かれます。電話やWEB予約、LINEから事前に確かめておくと、当日の流れが分かった状態で受診できます。めまいのほかに発熱などがある場合は、受け方が変わることがあるため、その内容もあわせてお伝えください。

めまいと受診先についてよくある質問

めまいと受診先についてよくある質問

めまいがぐるぐる回ったら何科を受診すればいいですか?

ぐるぐる回るめまいでまず候補に挙がりやすいのは耳鼻咽喉科です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が、めまいの原因は耳の病気のことが多いと説明しており、頭を動かしたときに短い時間だけ起こり難聴や耳鳴を伴わない形については早めに耳鼻咽喉科を受診するようすすめているためです。ただし同じ学会は、原因は脳や心臓など多岐にわたるとも書いています。回っている感じかどうかだけで受診先が1つに決まるわけではないため、ほかに出ている症状もあわせて考えることになります。決めきれない場合は、受診先に前もって問い合わせる方法があります。

頭がふわふわするめまいは何科を受診すればいいですか?

ふわふわする感じから受診先を割り当てるための公的な資料は見当たりません。めまい全体では耳の病気のことが多いとされているため耳鼻咽喉科が候補には挙がりやすい一方で、学会は原因が多岐にわたるとも説明しており、ふわふわという言い方そのものが科を決める手がかりにはならないためです。感じ方は受診先を決める材料ではなく、受診したときに伝える材料として扱うほうが確かです。めまいのほかに現れている症状があれば、そちらのほうが担当の分かれ方に関わります。

吐き気があるめまいは何科を受診すればいいですか?

吐き気を伴うかどうかで受診する科が決まる、という記述は学会や行政の資料にはありません。吐き気は受診のときに伝える材料の1つで、それ単独で担当の科を分けるものではないためです。めまいの受診先を考えるときの順番は、まず救急受診を考える症状がないかを確かめ、そのうえで耳鼻咽喉科や脳神経内科といった担当の分かれ方を見る形になります。吐き気があると受診そのものが負担になりますが、その状態も含めて問い合わせの段階で伝えておくと、受診の仕方について相談できます。吐き気の強さや続き方も、受診のときにあわせてお伝えください。

伝える材料になる

めまいが危険かどうかを自分で確かめる方法はありますか?

自分だけで確かめきる方法はありません。総務省消防庁は救急のサインを身体の部位ごとに挙げていますが、その一覧には「その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合」という一文が添えられています。一覧に当てはまらないことは、危険ではないことの証明にはなりません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、めまいのほかに意識障害やことばの障害などを伴う場合には救急車を呼ぶなどの対応をとるよう書いています。迷いが残る状態そのものが相談する理由になるため、自己判断で線を引かずに医師の診察を受けてください。

めまいで耳鼻科に行っても治らないときはどうすればいいですか?

次にどこへ相談するかは、科の分かれ方に照らして考えることになります。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は神経の症状を伴う場合の担当を脳神経内科や脳神経外科としており、日本神経学会も、まず全身をみることができる脳神経内科で見極めるという流れを示しています。同じ科をもう一度受診し直すか、まだ相談していない側へ移るか。これを考えるときの手がかりが、この担当の分かれ方です。それでも相談先が決まらない場合は、日本神経学会が案内しているとおり、受診先の病院に前もって問い合わせる方法があります。検査を受けても原因がはっきりしなかった場合の考え方は、本文でも扱いました。

めまいで処方される薬は何科でもらえますか?

どの科でどの薬が出るかを示した公的な資料はないため、科と薬を結びつけてお答えすることはできません。処方は、原因を診断した科の医師が必要と判断した場合に行われるものです。薬を目的に科を選ぶよりも、まず受診先を決めて診察を受ける順番になります。市販のもので様子を見るかどうかも自己判断で決めず、受診したときに相談してください。すでに飲んでいるものがあれば、その内容も診察のときにお伝えください。

めまいで受診先を決めるときに整理することは、4つに分かれます。救急受診を考える症状があるか、受診をどれくらい急ぐか、担当の科がどう分かれているか、決めきれないときにどうするかの4点です。

横にスクロールできます →

段階 資料 整理すること
救急の側 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 めまいのほかに学会が挙げている5つの症状を伴っていないか
救急の側 総務省消防庁 部位ごとの救急のサインと「その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合」
急ぎ方 総務省消防庁 赤「直ちに受診が必要です」/黄「受診が必要です」/緑「緊急ではありませんが、医療機関に受診して下さい。夜間でしたら翌日の診察でもかまいません」/白「家庭での経過観察または通常診療時間内での受診を勧めます」
受診先 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・日本神経学会 耳鼻咽喉科と脳神経内科や脳神経外科の担当の分かれ方
決めきれないとき 日本神経学会 受診先の病院へ前もって問い合わせる

この表は、当てはまるかどうかで受診の要否を切り分けるためのものではありません。学会の5項目と消防庁の部位ごとの項目はそれぞれ別の資料で、どちらも当てはまらないことが安全の証明にはなりません。判断がつかない状態が残っているなら、それ自体が相談する理由になります。

めまいは何科かを決める前に確かめること〜まとめ〜

受診先を決める前に、救急車を呼ぶかどうかの判断を先に済ませます。学会がめまいと組み合わせて挙げているのは意識障害・ことばの障害・運動麻痺・知覚麻痺・激しい頭痛の5つで、当てはまらないことは救急ではないことの証明にはなりません。
そのうえで受診先を考えると、耳の病気のことが多いため耳鼻咽喉科が候補に挙がりやすい形です。ただし原因は多岐にわたり、ぐるぐるやふわふわといった感じ方だけでは受診先は決まりません。
受診をどれくらい急ぐかは、消防庁の緊急度の4区分が目安になります。緑と白のように近く見える区分でも示している内容は別で、緊急ではないことと受診が要らないことは同じ意味ではありません。

この4つは、当てはまらなければ次へ進めるチェックの順ではなく、整理する順番です。救急の側を確かめ、急ぎ方の見当をつけ、担当の分かれ方を知り、決めきれない部分は問い合わせで埋める。この並びで進めると、めまいという原因の幅が広い症状でも、手元の情報だけで確定させようとせずに済みます。

次の一歩は、めまいが起きた場面と気づいた変化を書き出しておくことです。それが決まらないうちは受診できない、というものでもありません。書き出せたところまでを持って相談する形で構いません。

どこへ相談すればよいか決まらないまま日が過ぎているなら、書き出した内容を持って一度ご相談ください。池袋かめさん内科の内科診療では、頭痛・めまい・立ちくらみといった症状の相談を受け付けており、複数の症状をまとめてお話しいただけます。診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。専門的な治療や入院が必要と判断した場合は、近隣の専門病院へご紹介いたします。

03-3986-4466

受付時間:9:00-12:30/14:00-18:00

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