インフルエンザの予防接種を受けたあと、効果がいつ立ち上がっていつまで続くのか。豊島区は、抵抗力がつくまでに2週間程度かかり、その効果が充分に持続する期間は約5ヶ月間とされていると書いています。この記事では効果の期間を軸に、副反応や受けられない人までを整理します。豊島区での費用も解説します。
目次
インフルエンザ予防接種の効果はいつから出ていつまで続く?

2週間と約5か月。豊島区が示しているのはこの2つですが、どちらも「とされています」という書き方で、区自身が言い切ってはいません。それぞれの数字が何を指すのかを分けて確かめます。
インフルエンザ予防接種の効果が出るまでは2週間ほどとされている
豊島区の高齢者インフルエンザ予防接種のページは、接種を受けてからインフルエンザに対する抵抗力がつくまでに2週間程度かかる、と書いています。ここでいういつからは、抵抗力が立ち上がるまでの時間を指します。打った当日から体の備えが変わるとは書かれていません。この2週間という数字は厚生労働省のQ&Aには見当たらず、区の記載として引けるものです。
インフルエンザ予防接種の効果の持続期間は約5か月とされている
区は、その効果が充分に持続する期間は約5ヶ月間とされていますと書いています。5か月を過ぎた時点で効果がなくなるという意味ではありません。2週間と約5か月を足して5か月半と読む書き方も、接種日から何月何日までという逆算も、区はしていません。示されているのは目安としての長さです。区は、65歳以上の方は1シーズン1回の接種で効果がありますとも添えています。
インフルエンザ予防接種をしたのにかかるのはなぜ?

打ったのにかかったという話は実際に起こります。現行のワクチンに、感染そのものを完全に抑える働きがないためです。この章ではまず限界を確かめ、次に何が期待されるのかを見たうえで、最後に型が外れたのではという受け止めをA型とB型の話として確かめます。
インフルエンザ予防接種には感染そのものを完全に抑える働きはない
厚生労働省のQ&Aは、体の中に入ったウイルスが細胞に侵入して増殖する状態を感染と呼んだうえで、現行のワクチンはこれを完全に抑える働きはありませんと書いています。接種を受ければかからない、というものではないとも説明されています。ただし、打つ意味がないわけではありません。同じQ&Aは続けて、発病を予防することや発病後の重症化や死亡を予防することには一定の効果があるとしています。
インフルエンザ予防接種に期待されるのは発病と重症化を防ぐ効果
では何が期待されているのか。厚生労働省のQ&Aは、発病を抑える効果が一定程度認められている一方、麻しんや風しんのワクチンで認められているような高い発病予防効果は期待できないとしています。重症化については、基礎疾患のある方や高齢の方で重症化する可能性が高いとしたうえで、発病の予防に加えて重症化を予防する効果も期待されていると述べています。防げると言い切る書き方にはなっていません。

インフルエンザ予防接種はA型とB型のどちらにも効果が期待される
かかったのは型が外れたからではないか、と考える方もいます。ただ厚生労働省のQ&Aは、国内で広く用いられている不活化のインフルエンザワクチンについて、A型・B型ともに効果が期待されるワクチンだと書いています。どちらか一方の型にしか働かないという説明にはなっていません。そのシーズンに流行すると予測されたウイルスを用いて製造される、とも書かれています。ただし流行した株とどこまで一致したかについては、Q&Aは答えていません。
参考:厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
インフルエンザ予防接種は12月中旬までに終えるのが望ましい

望ましい時期が示されている一方で、10月では早すぎないかという迷いも残ります。13歳未満の子どもは2回受けるため、間隔を見込んで早めに始めることになります。こちらは子どもの章で扱います。
インフルエンザ予防接種の開始時期は自治体や医療機関で異なる
いつから受けられるかについて、厚生労働省は全国一律の開始時期を示していません。示されているのは、自治体によって実施期間や費用は異なりますという一文です。豊島区の令和7年度の接種期間は、令和7年10月1日から令和8年1月31日まででした。令和8年度の内容は、この記事の更新時点では公表されていません。10月が早すぎるかどうかも、この実施期間の中での話になります。
インフルエンザ予防接種は12月下旬や1月からでは遅い?
12月下旬や1月からでも、一律に遅いとはいえません。厚生労働省は例年12月から3月が流行シーズンで、例年1月末から3月上旬に流行のピークを迎えるとしており、年をまたいだあとにも流行が残るためです。ただし、いつ打っても同じという意味ではありません。12月中旬までにという言い方は、そのピークに間に合わせる考え方から出ています。なお流行の山は年によって動くとも書かれています。
インフルエンザ予防接種は豊島区でいくら?定期接種と任意接種で変わる自己負担

豊島区で自己負担が軽くなるのは、定期接種の対象になる方と区の助成がある子どもです。それ以外の任意接種は原則として全額自己負担で、料金は医療機関ごとに違います。
以下は令和7年度の例です。
| 区分 | 対象 | 自己負担・助成 |
|---|---|---|
| 高齢者の定期接種 | 豊島区に住民登録があり満65歳以上の方。または60歳以上64歳以下で心臓・腎臓・呼吸器機能・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能のいずれかに障害があり身体障害者手帳1級をお持ちの方 | 2,500円(生活保護を受けている方などは無料) |
| 子どもの一部助成 | 生後6か月から15歳(中学3年生)で豊島区に住民登録のある方 | 1回あたり2,000円を助成(生後6か月から13歳未満は2回・13歳から15歳は1回) |
| それ以外の任意接種 | 上記に当てはまらない方(大人の任意接種を含む) | 原則として全額自己負担(当院は1回3,800円) |
豊島区に住む65歳以上のインフルエンザ予防接種は定期接種として受けられる
豊島区の定期接種は、豊島区に住民登録があり満65歳以上の方が対象です。あわせて、60歳以上64歳以下で心臓や腎臓などの機能に障害があり、身体障害者手帳1級をお持ちで日常生活が極度に制限される方も含まれます。障害の範囲は上の表のとおりです。対象者以外の方は予防接種法に基づかない任意接種となり、全額自己負担になると区は書いています。ただし対象に当てはまることと当日そのまま接種できることは別で、当日の予診を経ることになります。
子どものインフルエンザ予防接種は任意接種でも豊島区の助成の対象になる?
子どものインフルエンザ予防接種は、予防接種法における定期接種の対象外です。豊島区は令和6年10月から、任意接種の費用の一部を助成する制度を設けています。令和7年度は生後6か月から15歳(中学3年生)が対象で、助成額は1回あたり2,000円でした。読み違えやすいのは2,000円で受けられるという意味ではない点です。ワクチンの種類によって助成額が異なる点も、あわせて確かめておきたいところになります。
表の内容は令和7年度の例です。接種できる期間は定期接種・子どもの助成とも令和7年10月1日から令和8年1月31日まで、受けられる医療機関は定期接種が23区の実施医療機関・子どもの助成は豊島区内の実施医療機関に限られていました。それ以外の任意接種は医療機関の実施期間によります。豊島区の両ページは令和7年度は終了しましたと表示しており、令和8年度の定期接種のご案内は65歳以上の方に令和8年9月末に送付予定と書かれています(2026年8月28日時点)。区は助成について、接種費用は医療機関によって異なります。上記助成額を差し引いた金額を医療機関にお支払いくださいとも注記しています。当院の任意接種の料金は料金表のページに掲載しています。
インフルエンザ予防接種の副反応(副作用)の頻度と続く期間

副反応が出る割合と、それがどのくらい続くのかを整理します。接種後は30分ほど院内で安静にし、当日は激しい運動を避けるよう案内されています。
インフルエンザ予防接種で腫れや痛みなどが出る人は10〜20%ほど
厚生労働省のQ&Aは、比較的多くみられる副反応として接種した場所の赤み・はれ・痛みなどを挙げ、接種を受けられた方の10〜20%に起こりますが通常2〜3日で消失しますとしています。接種した部位は清潔に保ち、強くこすらないようにという案内が、添付文書と複数の自治体に共通して出てきます。
インフルエンザ予防接種のあとの発熱やだるさは通常2〜3日で治まる
全身の反応としては、発熱・頭痛・寒気・だるさなどが挙げられています。頻度は接種を受けられた方の5〜10%で、こちらも通常2〜3日で消失するとされています。出るタイミングについては、副反応の多くが24時間以内に現れると案内している自治体もあります。接種後の発熱に、体温の公的な数値基準はありません。帰宅後に異常が認められた場合は速やかに医師に連絡してください。
頻度と期間は次のとおりです。
| 反応の種類 | 主な症状 | 起こる割合 |
|---|---|---|
| 接種した場所の反応 | 赤み・はれ・痛みなど | 10〜20% |
| 全身の反応 | 発熱・頭痛・寒気・だるさなど | 5〜10% |
どちらも通常2〜3日で消失するとされています。このほか重い副反応も報告されていますが、添付文書はこれらの頻度を不明としています。
参考:厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
インフルエンザ予防接種を受けられない人と事前に相談が必要な人

この章は受けられない人だけを並べる章ではありません。あらかじめ相談したうえで受ける方も含めて整理します。最終的な適否は、当日の診察で医師が判断します。
接種を受けることができないとされているのは次の4つです。
- 明らかに発熱している方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- このワクチンに含まれている成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
- これら以外に医師が予防接種を行うことが不適当な状態にあると判断した方
もう一方のグループが、相談したうえで受けるかどうかを決める方たちです。
鶏由来のものにアレルギーを起こすおそれがある方、基礎疾患のある方、過去にけいれんを起こしたことがある方、妊婦または妊娠している可能性のある方などは、医師が接種の適否を判断する側に分類されています。
明らかな発熱や重篤な急性疾患がある人はインフルエンザ予防接種を受けられない
明らかな発熱がある方と、重篤な急性疾患にかかっている方は接種を受けられません。厚生労働省は、こうした場合は治ってから受けるようにと案内しています。通常37.5℃以上という数字を示しているのは医薬品医療機器総合機構の患者向け資料で、厚生労働省の資料に体温の数値は出てきません。軽い鼻水程度ならどうかも資料にありません。当日は問診と検温を含む診察を行い、そのうえで医師が判断します。予診の結果によっては、その日は接種を行わないこともあります。

卵アレルギーがある人はインフルエンザ予防接種の適否を医師が判断する
卵アレルギーがあると受けられない、と思われがちですが、資料の分類はそうなっていません。インフルエンザワクチンは発育鶏卵を用いて製造されますが、鶏卵・鶏肉などにアレルギーを起こすおそれがある方は、受けられない人ではなく医師が適否を判断する人として挙げられています。厚生労働省も、あらかじめ医師に相談してくださいと書いています。
接種を受けられないアレルギー歴は、卵ではなく接種液の成分によるアナフィラキシーのほうです。
参考:医薬品医療機器総合機構「ワクチン接種を受ける人へのガイド インフルエンザHAワクチン」
妊婦のインフルエンザ予防接種は日本小児科学会が妊娠全期間で推奨
妊娠中の接種は、資料によって書かれている水準が違います。日本小児科学会は2025年10月の文書で、インフルエンザHAワクチンを妊婦への接種が推奨されるワクチンに挙げ、推奨接種時期を妊娠全期間としています。一方、添付文書は、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種するとしています。妊娠中の方は、この水準の差を踏まえて主治医と相談したうえで判断する形になります。
参考:日本小児科学会「妊婦への接種が推奨または考慮されるワクチン」
子どものインフルエンザ予防接種を受けられる年齢と回数

受けられるのは生後6か月からで、13歳以上は中学生も大人も原則として1回です。2回受けるのは13歳未満で、間隔があるぶん接種を始める時期にも関わってきます。
インフルエンザ予防接種は生後6か月から受けられる
接種の下限は生後6か月です。添付文書には、低出生体重児・新生児・6か月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していないと書かれています。豊島区も、予診票が早めに届いた場合であっても使用できるのは生後6か月からだと注意しています。なお鼻に噴霧するタイプのフルミストは、薬事承認上の対象が2歳以上19歳未満とされています。
13歳未満のインフルエンザ予防接種を2〜4週間あけて2回受けるのはなぜ?
13歳未満が2回受けるのは、1回接種後よりも2回接種後のほうが高い抗体価の上昇が得られると報告されているためです。厚生労働省はこの理由を挙げて、年齢ごとの接種量と回数を定めました。間隔は2〜4週間で、添付文書は免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましいとしています。13歳以上でも、医学的な理由から医師が2回接種を必要と判断した場合はその限りではありません。
区分は次のとおりです。
| 年齢 | 1回あたりの接種量 | 回数と間隔 |
|---|---|---|
| 生後6か月以上3歳未満 | 0.25mL | 2回(2〜4週間あける) |
| 3歳以上13歳未満 | 0.5mL | 2回(2〜4週間あける) |
| 13歳以上 | 0.5mL | 1回または2回(2回の場合は1〜4週間あける) |
2回受ける場合は間隔を見込み、1回目を早めに受けることになります。
インフルエンザにかかったあと外出を控える期間

厚生労働省は、高熱が続く・呼吸が苦しい・意識状態がおかしいなど具合が悪ければ早めに医療機関を受診しましょうとしています。抗インフルエンザ薬については、全ての患者に対して必須ではないため医師の判断に基づき使用すると書かれています。目安は発症から48時間以内で、それ以降に始めた場合、十分な効果は期待できないとされています。
発症前日から発症後3〜7日はインフルエンザのウイルスを排出するとされるため外出を控える
厚生労働省は、インフルエンザ発症前日から発症後3〜7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれているとしています。排出している間は外出を控える必要があるとされます。ウイルスの排出量は解熱とともに減りますが、解熱後も続くとされ、熱が下がれば終わるわけではありません。期間には個人差があります。咳やくしゃみが続く場合は、不織布製マスクの着用など周りの方へうつさない配慮が案内されています。

学校の出席停止はインフルエンザの発症後5日かつ解熱後2日を経過するまで
学校保健安全法施行規則が定める出席停止の期間は、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日、幼児にあっては3日を経過するまでです。幼稚園児は同法上の幼児に当たり、解熱後2日ではなく3日と数えます。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありませんという但し書きも付きます。この日数は学校の基準であって大人の職場に当てはめられるものではありません。
なお登校を始める前に改めて検査を受ける必要はなく、治癒証明書や陰性証明書の提出は不要とされています。
当院のインフルエンザ予防接種は予約制

当院の一般の内科診察は予約なしで受けられますが、予防接種は予約制です。当院では、子どもの接種にも対応しています。当日は豊島区の予診票が要る場合があります。
インフルエンザ予防接種の予約は電話やWebから受け付けている
ご予約は次の3つの方法で受け付けています。
- 電話
- WEB予約
- 公式LINE
予防接種のワクチンはお取り寄せとなるため、事前のご予約をお願いしています。受けたい日が決まっている場合は、早めにご連絡ください。豊島区の定期接種や助成を使う場合も、ご予約の流れは変わりません。
当院は豊島区の高齢者と小児のインフルエンザ予防接種を取り扱っている
当院では、豊島区の予防接種事業のうち高齢者インフルエンザ予防接種と小児インフルエンザ任意接種一部助成の両方を取り扱っています。この2つは同じ枠組みではありません。高齢者は予防接種法に基づく定期接種で、子どもは定期接種の対象外である任意接種に区が費用の一部を助成する制度です。対象も自己負担の考え方も違うため、どちらに当てはまるかで手続きが変わります。区の制度に当てはまらない方の任意接種は、自由診療としての取り扱いです。
豊島区の制度のどちらに当てはまるか分からないという場合も、ご予約の際にお尋ねください。池袋かめさん内科の予防接種は予約制で、電話(03-3986-4466)・WEB・LINEから承っております。料金は料金表のページに掲載しています。雑司が谷駅2番出口から徒歩2分、目白駅から徒歩10分の場所にあります。
インフルエンザ予防接種についてよくある質問

最後に、接種の前後でよく聞かれる質問をまとめます。
インフルエンザ予防接種を受けた日に入浴や飲酒をしてもいいですか?
国の資料に入浴と飲酒の記載は見当たりません。多治見市や神戸市の案内では、入浴は差し支えないが接種部位を強くこすらないこと、飲酒は大量の飲酒を避けることとされています。
インフルエンザ予防接種の費用は医療費控除の対象になりますか?
医療費控除の対象にはなりません。国税庁は、対象は診療または治療の対価だとしたうえで、疾病の予防のための費用は対象とならないと書いています。セルフメディケーション税制の一定の取組には該当しますが、接種費用が控除されるわけではありません。
授乳中でもインフルエンザ予防接種を受けられますか?
国立成育医療研究センターは、授乳中に接種しても赤ちゃんに悪い影響をあたえることはないと説明しています。不活化ワクチンで成分による感染を起こさないためで、むしろ接種が勧められるとも書かれています。
インフルエンザ予防接種は新型コロナワクチンと同時に受けられますか?
豊島区は、新型コロナウイルスワクチンと同時に接種でき、接種間隔に関する規定もないとしています。ただし体調が良いことを確かめ、かかりつけ医に相談したうえで受ける形です。
インフルエンザ予防接種の当日に予診票(問診票)は必要ですか?
豊島区の定期接種と小児の助成では、いずれも区から送られてくる予診票が要ります。忘れずにお持ちください。区の制度に当てはまらない任意接種では、区の予診票を使いません。持ち物はご予約の際にご案内します。
要点をまとめます。
効果が立ち上がるまでが2週間程度、充分に持続する期間が約5ヶ月間。豊島区はどちらも言い切らず、とされていますという形で示しています。
現行のワクチンに感染そのものを完全に抑える働きはなく、期待されているのは発病と重症化を防ぐ効果です。A型・B型のどちらにも効果が期待されるとされています。
接種を終える時期は12月中旬までが望ましいとされていますが、12月下旬や1月からが一律に遅いという書き方はされていません。
豊島区には高齢者の定期接種と子どもの一部助成があり、それ以外は原則として全額自己負担です。金額と期間は年度で変わります。

