健診や人間ドックの結果票でγ-GTP(ガンマGTP)に印が付くと、まず知りたいのはいくつからが高いのかという点です。ところが調べ始めると、50以下、64まで、80まで、87までと、上限の数字が資料ごとに違って出てきます。どれを自分の値に当てればよいのかが分からなくなります。
数字が割れて見えるのは、定義の違う2種類の数字が混ざっているからです。ひとつは健康な人の95%が入る幅を示した基準範囲、もうひとつは精密検査や治療のために紹介すべきレベルを示した判定区分です。しかも同じ日本人間ドック学会が、基準範囲の上限として87、判定区分の異常なしの上限として50を出しています。
一方で、どこからが高いと扱うかの線は国の健診と学会で一致しています。資料で確かめられる線は50・51・81・101の4つで、これ以外の区切りは置かれていません。項目名と単位の読み方から、基準値の出どころ、段階、原因の切り分け、再検査までの扱いという順に見ていきます。
目次
- 1 健診の結果票でγ-GTPを見るときに最初に確かめること
- 2 γ-GTPとは?肝臓と胆道のどちらの状態も映す酵素
- 3 γ-GTPの基準値は示している資料によって違う
- 4 γ-GTPはどこからが高い数値なのか?
- 5 γ-GTPが高くなる原因は飲酒のほかに脂肪肝や薬などもある
- 6 γ-GTPはお酒を飲まない人でも高くなる?
- 7 γ-GTPだけ高いのは心配なのか?AST・ALTも高いときとの違い
- 8 γ-GTPの再検査と精密検査で何を調べて次にどう進むのか
- 9 γ-GTPの再検査を受けるまでにすることと控えること
- 10 健診でγ-GTPが高いと指摘された方が当院で受けられる範囲
- 11 γ-GTPが高いときによくある質問
健診の結果票でγ-GTPを見るときに最初に確かめること

結果票のγ-GTPを読むときに先に確かめる点が3つあります。項目名の表記、単位、そしてその健診でγ-GTPが測られていたかどうかです。数値を比べる前に、同じものを比べているかを確かめる段階にあたります。この3つがそろって初めて、自分の数値の位置を読む準備ができます。
γ-GTPは結果票でγ-GTやGGTと表記されることがある
結果票や資料に印字される項目名は、γ-GTP・γ-GT・GGTと分かれています。どれも同じ酵素を指す表記で、測っている中身が違うわけではありません。前回の結果票と項目名が違っていても、別の検査に変わったということではありません。
表記が分かれた理由は、酵素の英語名の言い換えにあります。GTPはトランスペプチダーゼ(transpeptidase)、GTはトランスフェラーゼ(transferase)の略です。日本臨床検査標準協議会は2019年版でトランスペプチダーゼと書いていましたが、2022年の改訂版でトランスフェラーゼへ表記を改めました。GGTはこの英語名の頭文字をとった略号で、学会のガイドラインではこちらも使われています。
名称が新しい側に統一されたわけではありません。厚生労働省の同じ令和6年度版のプログラムのなかでも、判定値の一覧を載せた別紙5はtransferase、用語辞典のe-ヘルスネットはTranspeptidaseと書いています。どちらかが誤りなのではなく、名称が資料の側で割れたまま並んでいます。
| 結果票や資料に出てくる表記 | その表記を使っている資料 |
|---|---|
| γ-GT(γ-GTP) | 日本人間ドック・予防医療学会の判定区分表 |
| γーGT(γーGTP) | 厚生労働省の特定健診の判定値の一覧 |
| γ―GTP | 労働安全衛生規則の条文 |
| GGT | 日本臨床検査医学会のガイドライン |
項目名の違いは、どの資料を元にした結果票かを見分ける手がかりにもなります。表記をたどると、その数値がどの枠組みで判定されたのかが追いやすくなります。
γ-GTPの単位の表記が分かれている理由
結果票の単位の欄は、U/LとIU/Lのどちらかで印字されています。この2つは中身が同じ国際単位で、IUはInternational Unitの略です。単位が違う結果票どうしでも、数値はそのまま比べられます。
国際単位の定義は1964年の国際生化学連合によるもので、至適条件下で試料1L中に1分間に1μmolの基質を変化させることができる酵素量を1単位とします。定義では温度を30℃としていますが、日常の検査は自動分析機で37℃で測られます。日本臨床検査医学会の標準化委員会は、日常検査としての酵素活性は37℃における国際単位だと説明しています。
U/Lの表記が広まった背景には、測定法の標準化があります。全国のほとんどの施設でJSCC標準化対応法が使われるようになり、その標準物質にはIU/LではなくU/Lが使われています。対象はAST・ALT・LD・ALP・CK・γGT・AMY・ChEの8項目で、γ-GTPも含まれます。
U/LとIU/Lの表記が併存する理由について、同じ標準化委員会は、現場で従来の単位が慣用的に使われ続けているためだと説明しています。ASTやALTという名称が推奨されてもGOT・GPTが使われ続けているのと同じ事情です。なお、U/Lは慣用単位で、国際単位系(SI単位)では酵素活性にkat(カタール)/Lを使います。
参考:日本臨床検査医学会 標準化委員会「ASTなどの酵素の単位は、IU/LかU/Lか」

γ-GTPが項目に入っていない健診もある
会社で受ける健診にγ-GTPが入っているのは、労働安全衛生規則の条文に項目として書かれているからです。第43条第七号は、血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査を、まとめて肝機能検査と呼んでいます。
ただし同じ規則の第44条第2項に但し書きがあります。肝機能検査を含むいくつかの項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは省略することができると書かれています。会社の健診なら毎回測られる項目だとは言えないのは、この但し書きがあるためです。
一方で、特定健診では項目13としてγ-GTPの判定値が置かれており、人間ドックでも判定区分表に行があります。項目が無かったのではなく省略された可能性があるので、過去の結果票を並べるときは、空欄と測って基準範囲内だった欄を分けて見ることになります。
| 健診の種類 | γ-GTPの扱い |
|---|---|
| 事業者健診(定期健康診断) | 条文に肝機能検査として入るが医師の判断で省略できる |
| 特定健診 | 判定値の一覧に項目として置かれている |
| 人間ドック | 判定区分表に行がある |
健診の種類ごとに測られる項目がどう違うかは、白血球の数値を扱った記事で血液検査の項目全体の話として整理しています。

γ-GTPとは?肝臓と胆道のどちらの状態も映す酵素

γ-GTPは肝臓と胆道の両方に関わる酵素で、血液中の量が増える道筋も1つではありません。肝臓の細胞が壊れた量をそのまま表した数値ではないため、ほかの肝機能の項目とは動き方が違います。どこで作られて血液に出るのかを押さえると、原因の並びも見えてきます。
γ-GTPは肝臓の細胞が壊れたとき以外にも血液中で増える
γ-GTPは胆管に分布する酵素の一種で、肝臓の解毒作用に関わっています。厚生労働省のe-ヘルスネットは、他の臓器に存在するγ-GTは血液に出ないため、血中γ-GTのほとんどは肝臓に由来するものだと説明しています。腎臓や膵臓にもある酵素ですが、結果票の数値を動かしているのは肝臓と胆道の側です。
血液中で増える経路は2つに分かれます。ひとつは肝臓や胆道の細胞が傷んで酵素が血液中に漏れ出る経路で、もうひとつは酵素そのものが作られる量が増える経路です。検査会社の資料は、アルコールによって誘導され生合成が高まったγ-GTPという言い方でこの後者を説明しています。
お酒や薬の影響で酵素が作られる量が増えると、細胞が壊れていなくても数値は動きます。そのため、γ-GTPは肝臓の細胞がどれだけ壊れたかの目安としては読めません。e-ヘルスネットが原因として挙げているのは、アルコールによる肝臓の障害、ある種の薬物による肝臓の障害、何らかの原因で胆汁がうっ滞した場合の3つです。
同じ資料は、血中のγ-GT値を検査することでアルコール性肝障害・薬剤性肝障害・肝内胆汁うっ滞・肝硬変・肝炎などの早期発見につながると書いています。1つの病気を指し示す数値ではなく、複数の原因の入口になる数値という位置づけです。
γ-GTPは肝機能の検査項目のなかでは胆道系に分けられている
結果票に並ぶ肝機能の項目は、見ている場所で2つの系統に分かれます。AST(GOT)とALT(GPT)は肝臓の細胞そのものの障害を映す肝実質系、ALPとγ-GTPは胆汁の流れに関わる胆道系です。日本臨床検査医学会のガイドラインは、黄疸の鑑別をこの系統の違いで並べています。
| 系統 | 結果票に並ぶ代表的な項目 |
|---|---|
| 肝実質系(肝細胞の障害を映す) | AST(GOT)・ALT(GPT) |
| 胆道系(胆汁の流れに関わる) | ALP・γ-GTP |
同じガイドラインは、肝内胆汁うっ滞では直接型ビリルビンの上昇に加えて胆道系酵素であるALPとγ-GTの上昇が見られると説明しています。急性の場合は薬物性が多いという一文も続きます。胆汁の流れが滞る原因が、胆道そのものにあるとはかぎらないということです。
結果票では肝機能の項目がまとめて並ぶため、系統の違いが見えにくくなります。ASTとALTが基準範囲内でγ-GTPだけが動いている形は、肝実質系が静かなまま胆道系だけが動いている状態にあたります。同じ肝機能の欄でも、動いた項目によって見ている場所が違うということです。
系統が分かれていることは、結果票の読み方に直接関わります。γ-GTPだけが動いているときと、ASTやALTも一緒に動いているときでは、考える原因の順番が変わります。ほかの項目との組み合わせで何が疑われるかは、のちほどまとめて取り上げます。
参考:日本臨床検査医学会「診療群別臨床検査のガイドライン 黄疸」
γ-GTPの基準値は示している資料によって違う

γ-GTPの基準値を調べると、男性の上限が50・64・80・87と並びます。割れているのは基準範囲と判定区分という2種類の数字が混ざっているからで、どちらを見ているかが分かれば数字は整理できます。この章では基準範囲の側を扱います。
γ-GTPの基準値が男性と女性で分けられている理由
基準範囲は、可及的厳密に医学的に判定されたいわゆる健康人の測定値のうち、分布の中央部分95%を含む範囲として決められています。日本人間ドック学会はこの定義を示したうえで、健診受診者150万人のデータから学会の基準範囲を策定しました。病気のリスクを示す線とは定義が違う数字です。
| 基準範囲の出所 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 日本人間ドック学会(150万人のデータ) | 13〜87 | 9〜37 |
| 日本臨床検査標準協議会の共用基準範囲 | 13〜64 | 9〜32 |
男女で分けられたのは、男女差が統計の上で確かめられた項目だからです。人間ドック学会は、従来の基準範囲では明確にされていなかった男女差が尿酸・中性脂肪・HDLコレステロール・ALT・γ-GT・空腹時血糖・eGFRなどで示されたと書いています。単位はどちらもU/Lで、男性のほうが上限が高い側です。
共用基準範囲の側は、男女差指数という数字で振り分けています。この指数が0.5より大きい項目を男女別にする扱いで、γ-GTの男女差指数は0.77です。同じ検査でも、男性の値と女性の値をそのまま同じ幅に当てることはしない、という判断が両方の資料に共通しています。
年齢による区分は置かれていません。人間ドック学会の基準範囲の表は、γ-GTについて男女とも30〜80歳の単一区分で示しています。同じ表でALP・AST・総コレステロール・LDLコレステロール・HbA1c・eGFR・アルブミンは年齢を3区分に分けているので、γ-GTPは年齢で基準範囲を分けていない項目だと分かります。
参考:日本人間ドック学会「日本人間ドック学会の健診基本項目の基準範囲」
女性のγ-GTPの基準値は更年期の前後で上限が変わる
年齢で分けない代わりに、女性は閉経の前後で分けられています。共用基準範囲の詳細な一覧は、閉経前を9〜34、閉経後を10〜53として別に示しています。閉経前が1,107人、閉経後が849人のデータで、上限は56%上がる計算になります。
| 女性の区分 | 共用基準範囲 |
|---|---|
| 閉経前 | 9〜34 |
| 閉経後 | 10〜53 |
分ける境目は45歳です。注記は、閉経の平均年齢は約50歳だが40〜52歳で測定値の変化が強いため、変化の中央値付近の45歳で2群に階層化したとしています。閉経前後で基準範囲を作り直したのは上限値の変化率が30%以上だった項目で、中性脂肪・総コレステロール・LDLコレステロール・ALT・ALP・γGT・ChE・CKの8項目が該当しました。
ここで動いているのは基準範囲の上限で、病気の説明ではありません。更年期だからγ-GTPが上がるという関係は示されていません。健康な女性の分布そのものが閉経の前後で違っている、という内容です。40代後半以降の方が同じ値で前回より高い位置に見える場合は、施設がどちらの区分を使っているかも関わります。
参考:日本臨床検査標準協議会「日本における主要な臨床検査項目の共用基準範囲」
γ-GTPの基準値が健診を受けた施設で違うときの読み方
結果票の基準値の欄が前回と違っていることがあります。人間ドック学会は、多くの血液検査の基準範囲が全国の医療機関や健診機関によりまちまちになっていると書き、だからこそ統一した基準範囲を作成したと説明しています。共用基準範囲の手引きにも、各医療機関で実際に使われている基準範囲の間には相当大きなばらつきがあるという一文があります。
幅が動く理由は、どんな集団から作った幅かの違いにあります。共用基準範囲はBMI26以上の人と、エタノール換算で1日25g以上飲む人を除いた集団から算出されています。一方で検査会社のビー・エム・エルは男性79以下・女性48以下という基準値を出し、基準値は飲酒群を含んで設定していると自ら注記しています。

同じ検査でも、対象集団が違えば上限は動きます。γ-GTPの基準範囲は、お酒を飲む人を除いて作られている側の数字で、検査会社の基準値は飲酒群を含んだ側の数字です。ただし79と50の差は集団の作り方だけではありません。79は基準範囲の上限、50は判定区分の区切りで、数字の種類そのものが違います。
読み方としては、結果票の基準値の欄と、A・B・C・Dなどの判定の欄を分けて見ることになります。基準値の欄は施設ごとに動きますが、判定の側は全国で共通の線が使われています。前回と違う施設で受けた場合は、数値だけでなく基準値の欄も並べて確かめる形になります。
参考:株式会社ビー・エム・エル「検査項目検索 γ-GT(γ-GTP)」

γ-GTPが基準値より低いと出ていたときの意味
γ-GTPが基準値より低いときに何を意味するのかは、健診の判定区分にも特定健診の判定値にも示されていません。低い側の読み方を説明した記述は、一次情報の範囲にはありません。意味が無いということではなく、枠組みの側が低値を扱っていないということです。
枠組みの作りは確かめられます。日本人間ドック・予防医療学会の判定区分は、γ-GTについて50以下・51〜80・81〜100・101以上という4つの区分だけを置き、低い側に異常の区分を持っていません。同じ表で総たんぱくは6.1以下、白血球数は3.0以下、血色素量は12.0以下に低値側の判定を置いているので、項目によって扱いが分かれていることが読み取れます。
| 枠組み | γ-GTPの低い側の扱い |
|---|---|
| 判定区分(人間ドック学会) | 低値側の区分を置いていない |
| 判定値(特定健診) | 高い側の2つの線だけを置いている |
| 基準範囲 | 下限がある(男性13・女性9) |
ねじれているのは、基準範囲には下限があるのに、判定の側は下限を拾わないという点です。人間ドック学会の一般向けの資料も、他の項目では数値が低い場合の説明を置いているのに、γ-GTPの段落には低値の記述がありません。下限を下回った数値の意味を資料から言うことはできないので、低い側の数値については健診の判定の欄に何が付いているかを見る形になります。
結果票のγ-GTPについて内科で相談いただけます
池袋かめさん内科の内科は、健診や人間ドックで検査値の異常を指摘された方の受診に対応しており、挙げている項目のなかに肝機能の異常(AST・ALT・γ-GTPなど)が入っています。どの基準値を見ればよいのか分からない段階でも、健診結果をお持ちいただければ、追加で必要な検査と今後の治療方針をご説明いたします。一般診療はご予約がなくても当日受診が可能です。
γ-GTPはどこからが高い数値なのか?

健診で高いと判定される区切りは、基準範囲とは別に示されています。資料で確かめられる線は50・51・81・101の4つです。学会の判定区分はこの4つで段階を分け、国の健診の判定値は51と101で一致しています。それぞれの段階に対応も添えられています。
γ-GTPで要再検査や要精密検査と判定される区切り
要再検査や要精密検査という言葉を定義しているのは、日本人間ドック・予防医療学会の判定区分です。2026年4月1日に改定された表では、γ-GT(γ-GTP)の行に4つの区分が置かれています。単位はU/Lです。
| 判定区分 | γ-GTPの範囲 |
|---|---|
| A 異常なし | 50以下 |
| B 軽度異常 | 51〜80 |
| C 要再検査・生活改善 | 81〜100 |
| D 要精密検査・治療 | 101以上 |
この表は男女の区別を置いていません。基準範囲は男性と女性で分けられていたのに、判定の側は1本の線で引かれています。女性の方が男性と同じ区分で判定されるのは、この作りによるものです。
線そのものは動いていません。2020年4月1日に改定された判定区分と数値は完全に一致していて、変わったのは区分名だけです。かつてのC要経過観察がC要再検査・生活改善、D要医療がD要精密検査・治療に書き換えられました。手元の古い資料と呼び名が違っていても、区切りの位置は同じです。
厚生労働省の特定健診の側は、用語の立て方が違います。要再検査や要精密検査という区分を定義していません。置かれているのは保健指導判定値が51以上、受診勧奨判定値が101以上という2つの判定値で、線の位置は判定区分と一致します。数値の根拠について、別紙5は日本消化器病学会肝機能研究班意見書に基づくと注記しています。
人間ドック学会の一般向けの解説は、基準範囲50以下・要注意51〜100・異常101以上の3段で示しています。判定区分のBとCを要注意として1つにまとめた形です。要注意という言葉の幅が資料で違うので、どちらの表を見ているかで印象が変わります。
健診の判定区分がほかの検査値でどう組まれているかは、クレアチニンの数値を扱った記事で全体の枠組みとして整理しています。
参考:日本人間ドック・予防医療学会「2026年度 判定区分表」
γ-GTPが基準値を少し超えた段階で確かめる点
51を超えた段階に国の健診資料が置いている対応は、医療機関の受診ではありません。厚生労働省の肝機能検査のフィードバック文例集は、AST・ALT・γ-GTの3項目をまとめて3段階に分け、段階ごとの対応を示しています。
| 健診の判定 | γ-GT(U/L) | 示されている対応 |
|---|---|---|
| 基準範囲内 | 〜50 | 今後も継続して健診受診を |
| 保健指導判定値を超えるレベル | 51〜100 | 生活習慣の改善を |
| 受診勧奨判定値を超えるレベル | 101〜 | 医療機関の受診を |
判定区分と重ねると、51から80はB軽度異常で、再検査の指示が出るのは81以上のCからです。51と81の間は、原因の見当をつけながら経過を確かめる幅にあたります。この幅に入った数値をそのまま放っておく扱いにはなっていません。
確かめる順番も文例集が示しています。γ-GTが高値で飲酒習慣がある場合はアルコール性肝障害の疑いを挙げ、1日あたりの飲酒量が男性40g以上・女性20g以上を超えると脳梗塞や心筋梗塞にかかる確率が高くなるとして減酒がすすめられています。飲酒習慣があるかどうかが最初の分かれ目です。
飲酒の習慣がない場合は、ALTとの組み合わせを見る分け方が示されています。ALTが高くてASTを上回り、飲酒量が一定未満の場合は、非アルコール性脂肪性肝疾患の疑いという振り分けです。同じ51でも、隣の項目がどう動いているかで次に確かめるものが変わります。
- 飲酒の習慣と1日あたりの量
- ASTとALTも一緒に動いているか
- 服用している薬が前回から変わっていないか
この3つを押さえておくと、再検査のときに医師が確かめる内容と自分の手元の情報がそろいます。数値の大小より、組み合わせのほうが段階の読み方を決めています。
参考:厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム 別紙5・肝機能検査に関するフィードバック文例集」
γ-GTPが大きく上がった段階で疑われる原因
値が大きくなるほど段階が細かく分かれていくわけではありません。判定区分の最上段は101以上で、それより上に区切りは置かれていません。100や200を区切りとして示した資料は、今回の一次情報の範囲には見当たりません。
γ-GTPの段階として資料から確かめられるのは50・51・81・101の4つです。数百台や千台の値でも、その上に別の区分が置かれているわけではありません。値の大きさで行き先が変わるのではなく、原因の切り分けが続きます。
では大きく上がっているときに何が疑われるのかというと、原因の候補は段階が変わっても同じ並びです。人間ドック学会の血液検査の所見解説は、数値が高い場合にアルコール性肝障害・慢性肝炎・胆汁うっ滞・薬剤性肝障害が疑われるとしています。e-ヘルスネットの側も、肝硬変や肝炎を含めた病名を並べます。
判定区分のDについては、意味の説明が逐語で置かれています。異常レベルが高度であり、その改善を要するレベル、生活習慣改善のみでは十分な改善を期待できないレベルという書き方です。生活の見直しだけで様子を見る段階からは外れる、という線引きになります。
同じ資料には、精密検査を行うか治療を行うかは紹介先が決定することになるという一文も添えられています。大きく上がった段階で決まるのは精密検査に進むところまでで、何をどこまで調べるかはその先の判断になります。
γ-GTPが高い状態をそのままにしたときに心配されること
結果票の数値を放っておいたときに何が起こるかは、断定の形では置かれていません。示されているのは関連です。文例集は、γ-GT上昇は将来の脳・心血管疾患や糖尿病発症との関連が複数の前向き研究で確認されたと書き、飲酒習慣の有無にかかわらずこれらの関連が認められたと続けています。
組み合わせて使う指標もあります。Fatty liver indexは、γ-GT・トリグリセライド・BMI・腹囲という特定健診の基本項目だけで算出できる脂肪肝の指標で、この値が高いほど将来の糖尿病や高血圧の発症リスクが高まると報告されています。γ-GTPは単独で読む数値ではなく、ほかの項目と並べて先を見る材料に使われる側です。
確かめる機会の側にも線があります。判定区分のCは、治療や精査までは不要だが異常レベルが高いので、1年以内に再検査をしてさらなる悪化がないかの確認を要するレベルと説明されています。そのままにすると、この確認の機会が空いたままになります。数値が高くても、体の側に変化が出ているとはかぎりません。気づくきっかけが結果票しかない時期があるため、印が付いた段階で原因の見当をつけておく意味があります。
γ-GTPが高くなる原因は飲酒のほかに脂肪肝や薬などもある

e-ヘルスネットは、γ-GTPが上がる場面をアルコール・ある種の薬物・胆汁のうっ滞の3つで整理しています。これに加えて、飲酒を伴わない側の原因として脂肪肝も挙げられます。お酒の量だけでは説明がつかない組み合わせがあり、どれに当たるかで再検査で確かめる項目も変わります。
γ-GTPが上がる飲酒量として資料に示されている目安
飲酒量の目安には役割の違う2本の線があり、混ぜると意味が変わります。1つは生活習慣病のリスクを高める量として示されている線、もう1つはアルコール性肝障害を疑うときに使われる線です。
| 線の種類 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 生活習慣病のリスクを高める量 | 40g/日以上 | 20g/日以上 |
| アルコール性肝障害を疑う線 | 60g/日以上 | 40g/日以上 |
上の線は健康日本21(第二次)の目標に使われている量で、厚生労働省の文例集もγ-GTが高値のときの説明にこの数字を使っています。下の線は日本肝臓学会の奈良宣言2023が示したもので、この量に加えてASTやγGTPが異常値であればアルコール性肝障害が疑われるという組み合わせで使われます。
量の換算式は厚生労働省の健康に配慮した飲酒に関するガイドラインが示しています。摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8で、ビール500mlでアルコール度数5%なら20gという計算です。缶や本数ではなく、この式で出した1日あたりのグラム数が上の表の線と比べる単位になります。
ただしこのガイドライン自体は、γ-GTPについて書いた資料ではありません。式の出どころとして使える資料で、どの数値でγ-GTPが上がるかの根拠にはなりません。飲酒量とγ-GTPを結びつけている資料は、上の表に挙げた2つの側です。

γ-GTPは脂肪肝があると上がりやすい
お酒をほとんど飲まない方でも、肝臓に脂肪がたまるとγ-GTPが動くことがあります。文例集の振り分けでは、ALTが高くASTを上回り、飲酒量が一定未満の場合に非アルコール性脂肪性肝疾患の疑いとされ、γ-GTの軽度上昇を伴うこともあると添えられています。
ここでのγ-GTPの位置は主役ではありません。線が引かれているのはALTの側で、γ-GTPは一緒に動くことがある項目として書かれています。脂肪肝を疑う材料としてはALTが先に見られるため、γ-GTPだけが動いている場合は別の原因も並べて考えることになります。
飲酒量が一定未満という条件にも数字があります。非アルコール性脂肪性肝疾患は、1日当たりの飲酒量がエタノール換算で男性30g/日未満・女性20g/日未満と定義されています。先に挙げた生活習慣病のリスクの線とは別の数字なので、並べるときは注意が必要です。
病名の呼び方は2024年に整理されました。日本消化器病学会は同年8月に日本語病名を決定し、MASLDを代謝機能障害関連脂肪性肝疾患としています。厚生労働省の現行の資料とe-ヘルスネットはまだ旧称のNAFLD・NASHで書かれているので、結果票や説明の文言と突き合わせるときは両方の呼び方を知っておくと迷いません。
脂肪肝そのものの食事や運動の扱いは、脂肪肝を扱った記事にまとめています。
飲んでいる薬の影響でγ-GTPが上がる場合
薬の影響でγ-GTPが上がることは、厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアルに一般名つきで書かれています。挙がっているのは抗てんかん薬として広く使われている2剤で、どちらも酵素誘導作用による上昇という説明です。
| 一般名 | 資料に書かれている上昇の仕方 |
|---|---|
| フェニトイン | 酵素誘導作用があり、ほぼ全例でγ-GTPが上昇する |
| カルバマゼピン | 酵素誘導作用により64%の症例でγ-GTPが上昇する |
フェニトインについては、AST・ALT値が一過性に軽度上昇するという記載も続いています。酵素誘導で上がるというのは、肝臓の細胞が壊れて漏れ出たのではなく、酵素が作られる量が増えたという意味です。同じ上昇でも成り立ちが違います。
薬の影響かどうかは、γ-GTPの数値の大きさだけでは分けられません。服用している薬の名前と飲み始めた時期が分かると、再検査のときに原因を分ける材料になります。前回の健診のあとに薬が変わっているかどうかが手がかりです。
同じマニュアルには薬物代謝酵素を誘導する薬として他の名前も出てきますが、γ-GTPの上昇と直接結びつけて書かれているのはこの2剤です。薬効群としては抗痙攣薬や向精神薬の連用が鑑別の対象に挙がっているので、該当する薬を続けている場合は、その情報を持って受診する形になります。
参考:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害」
γ-GTPが胆石などによる胆道の詰まりで上がるとき
胆汁の流れが滞ったときにもγ-GTPは上がります。日本臨床検査医学会のガイドラインは、肝内胆汁うっ滞は胆汁排泄障害により生じ、直接型ビリルビンの上昇に加えて胆道系酵素であるALPとγ-GTの上昇が見られると説明しています。急性の場合は薬物性が多いという補足も付いています。
胆管が詰まる側は、画像で確かめる対象になります。同じガイドラインは、超音波検査で胆管拡張を伴うものを閉塞性黄疸として分けています。血液検査だけで胆道の詰まりとそれ以外を分けているのではなく、画像の所見と組み合わせた振り分けです。
慢性に経過するものも挙げられています。原発性胆汁性肝硬変と原発性硬化性胆管炎で、どちらも胆道系酵素の上昇から疑われる場合が多いという書き方です。いずれも進行すると黄疸を呈するとされており、γ-GTPとALPがそろって動いているかどうかが手がかりになります。
胆道の側が原因のときは、γ-GTPが1つだけ動くより、ALPや直接型ビリルビンも一緒に動く形になりやすいという整理です。結果票でγ-GTPの隣の欄に印が付いているかどうかが、原因を分ける材料になります。
γ-GTPはお酒を飲まない人でも高くなる?

飲酒以外の原因が資料に並んでいるため、お酒を飲まない方でもγ-GTPは動きます。飲酒を外したときに残るのは薬・胆汁のうっ滞・脂肪性肝疾患の3方向で、確かめる順番もその並びで組めます。女性で考える点と、量が変わっていないのに動いた場合も分けて扱います。
飲酒の習慣がない人のγ-GTPが高いときに先に確かめる原因
飲酒の習慣がない場合、原因の3分類のうち残るのは薬と胆汁のうっ滞です。そこに脂肪性肝疾患を加えた3方向が、文例集と検査のガイドラインが示している範囲になります。どれも飲酒とは別の経路でγ-GTPを動かします。
- 服用している薬が前回の健診から変わっていないか
- ALTがASTを上回って動いていないか
- ALPや直接型ビリルビンも一緒に動いていないか
1つ目は薬の側です。酵素誘導で上がる薬は飲酒とは無関係に数値を動かすため、飲み始めた時期と結果票の日付を並べると見当がつきます。2つ目は脂肪性肝疾患の側で、文例集はALTが高くASTを上回る組み合わせをこの疑いに振り分けています。
3つ目は胆道の側です。ALPや直接型ビリルビンがγ-GTPと一緒に動いていれば、胆汁の流れが滞る側の原因が候補に入ります。この3つのどれにも当たらない場合は、原因が1つに決まらないまま経過を見る形になります。
3方向のどれを先に見るかは、結果票でほかの欄に印が付いているかどうかで決まります。印がγ-GTPだけなら薬と脂肪性肝疾患の側が先に来て、ALPにも付いていれば胆道の側が先に来ます。順番が決まれば、確かめる情報も絞られます。
資料のうえで飲酒習慣がない側とされるのは、まったく飲まない方だけではありません。非アルコール性脂肪性肝疾患の定義に使われている線は男性30g/日未満・女性20g/日未満で、この幅に収まっていれば飲酒を伴わない側として振り分けられます。自分がどちら側に入るかは、純アルコール量の換算で確かめられます。

お酒を飲まない女性のγ-GTPが高いときに考えられること
女性の場合は、基準範囲の上限と判定の線の差が男性より大きいという事情があります。共用基準範囲の女性の上限は32ですが、判定区分のA異常なしは男女共通で50以下です。結果票の基準値の欄を超えていても判定はAという組み合わせが起こります。
| 女性の値の位置 | 基準範囲(共用基準範囲) | 判定区分 |
|---|---|---|
| 32を超えて50以下 | 上限を超える | A 異常なし |
| 51〜80 | 上限を超える | B 軽度異常 |
閉経の前後で上限が変わることも重なります。閉経後の上限は53なので、同じ値でも年代によって基準値の欄のどこに位置するかが変わります。基準値の欄を少し超えた段階では、どの区分の基準値が印字されているかを先に見ることになります。
原因の候補は男性と同じ3方向ですが、胆道の側に女性で挙げられているものがあります。日本臨床検査医学会のガイドラインは、原発性胆汁性肝硬変は中年以降の女性に好発し、胆道系酵素上昇にて疑われる場合が多いと書いています。薬の連用による上昇は性別を問いません。
γ-GTPはストレスや筋トレで上がるのか
ストレスや筋力トレーニングでγ-GTPが上がるという説明は、今回参照した資料には示されていません。日本臨床検査医学会のガイドラインには検査値の生理的変動を一覧にした表があり、飲酒により高値になる項目にγ-GTは入っていますが、運動後に運動前より高くなる項目には入っていません。
運動の行に並んでいるのはCK・AST・LD・ミオグロビン・遊離脂肪酸・血糖・クレアチニン・乳酸・白血球数です。同じガイドラインは、健診直前の急激な運動や筋肉トレーニングなどによる一過性の上昇をAST・ALTの話として説明しています。精査のために受診したケースの中にこうした上昇が少なくないという書き方です。
健診の前の筋トレや激しい運動で上がりやすいのはAST・ALTやCKで、γ-GTPはその行に入っていません。厚生労働省の文例集にもストレスやプロテインの記述はなく、γ-GTPと結びつけた説明は資料の側に置かれていません。
プロテインについても同じです。資料にあるのは薬物性肝障害の報告で被疑薬として挙がった1例だけで、γ-GTPとの関係は書かれていません。結果票の数値を説明する材料としては使えないため、上がった理由は飲酒・薬・脂肪性肝疾患・胆道という並びの中で探す形になります。
参考:日本臨床検査医学会「臨床検査のガイドライン JSLM2021」
お酒の量が変わっていないのにγ-GTPが上がったとき
飲む量が去年と同じでも、数値が動く経路はいくつもあります。検査会社の資料は、γ-GTは個人差の大きな酵素で、年齢や性別、飲酒歴などが大きく影響するとして、検査値の解釈にはこれらに留意する必要があると書いています。
薬は最初に確かめる側です。酵素誘導作用のある薬を飲み始めていれば、飲酒量が変わらなくても上がります。体重や脂肪肝の側が動いた場合は、ALTがASTを上回る組み合わせになっているかが手がかりです。女性は閉経の前後で基準範囲の上限が変わります。
年齢の影響は基準範囲の作りの側にもあります。人間ドック学会は、基準範囲は加齢変化を考慮していないので、高齢者では健常者でも基準範囲外になりやすいと書いています。値そのものが動いていなくても、基準値の欄との位置関係が変わって見えることがあります。
受けた施設が変わった場合は、基準値の欄の数字も動きます。前回と比べるときは、数値だけでなく基準値の欄と判定の欄を3つ並べると、自分の値が動いたのか物差しが動いたのかを分けられます。
γ-GTPだけ高いのは心配なのか?AST・ALTも高いときとの違い

同じ高値でも、ほかの項目が動いているかどうかで疑われるものが変わります。γ-GTPだけが上がっている場合に鑑別する候補は資料で3つに絞られていて、ASTやALTを伴う場合とは並びが違います。組み合わせごとに資料が挙げている疑いを並べます。
ほかの数値は基準範囲内なのにγ-GTPが高いときに疑われること
γ-GTPだけが動いているときに何を考えるかは、日本臨床検査医学会のガイドラインに書かれています。γ-GTの単独上昇の場合は、過剰飲酒習慣、非アルコール性脂肪性肝疾患、抗痙攣薬・向精神薬などの薬物の連用などを鑑別するという一文です。
過剰な飲酒の習慣、非アルコール性脂肪性肝疾患、抗痙攣薬や向精神薬などの薬物の連用です。どれも肝臓の細胞が壊れる経路とは別の上がり方で、ASTやALTが基準範囲内にとどまることがあります。
3つのうちどれに当たるかは、数値の大きさでは分かれません。飲酒量と服用中の薬、そしてALTの動きを合わせて見る形になります。ほかの項目が基準範囲内であること自体は、原因が軽いことを示す材料ではありません。
3つのうち過剰な飲酒の習慣は量で確かめられ、薬物の連用は服用歴で確かめられます。非アルコール性脂肪性肝疾患はALTとの組み合わせで振り分けられるため、ALTが動いていない状態では候補として残りやすい並びになります。3つを同時に外せる材料は、血液検査の1回分の値だけでは出てきません。
γ-GTPの判定区分は、単独で上がっている場合も同じ表で読みます。51から80ならB軽度異常、81から100ならC要再検査・生活改善です。ただしこの区分だけで原因や心配の度合いまで決まるわけではなく、ほかの項目や服用歴とあわせて判断されます。

γ-GTPとALT(GPT)がそろって高いときに疑われる肝臓の異常
ALT(GPT)とAST(GOT)は肝臓の細胞そのものの障害を映す項目です。特定健診の判定値はどちらも保健指導判定値が31以上、受診勧奨判定値が51以上で、γ-GTPの51と101より低い位置に線が引かれています。同じ数値でも項目によって意味が違います。
| 結果票の組み合わせ | 資料が挙げている疑い |
|---|---|
| ASTがALTを上回りγ-GTPも高い | アルコール性肝障害 |
| ALTがASTを上回り飲酒量が一定未満 | 非アルコール性脂肪性肝疾患 |
上の組み合わせについて、ガイドラインはアルコール性肝障害の場合はASTがALTを上回るトランスアミナーゼの異常とγ-GTの高値が特徴的だと書いています。下の組み合わせは文例集の振り分けで、γ-GTの軽度上昇を伴うこともあるという注も付きます。
日本肝臓学会の奈良宣言2023は、ALT値が30を超えていた場合にまずかかりつけ医等を受診することをすすめています。ただしこの30という数字はALTについての線で、γ-GTPに当てはめる数字ではありません。γ-GTPが出てくるのは、飲酒量と組み合わせてアルコール性かどうかを判定する側です。
γ-GTPとALPは同じ胆道系でも上がる原因が違う
γ-GTPとALPはどちらも胆道系の酵素ですが、健診での扱いが大きく違います。ALPには健診の判定区分が作られていません。人間ドック学会は判定区分の表の注で、ALPの判定区分は従来通り作成しないという2023年8月の理事会の判断を記しています。
| 論点 | γ-GTP | ALP |
|---|---|---|
| 健診の判定区分 | 50以下から101以上の4区分 | 作られていない |
| 特定健診の判定値 | 項目として置かれている | 一覧に載っていない |
| 測定法の変更 | なし | 2020年度に値が約3分の1へ |
| 血液型の影響 | なし | B型とO型の分泌型では高値が出る場合があった |
作らない理由も書かれています。ALPは2020年度からJSCC法からIFCC法に変更され、その結果として血液型の影響は少なくなったが残存し、閉経の影響は従前同様に強く存在するためという説明です。測定法の変更では測定値が従来の3分の1程度になり、換算係数は0.35倍と示されました。
血液型の影響は日本臨床化学会の資料に経緯があります。従来のJSCC法は小腸型ALPの反応性が高い処方で、B型とO型で分泌型の人は約8割にのぼり、病気と無関係に高値が出る場合があったという内容です。変更後のALPの基準範囲は成人男女で38〜113とされています。
年齢の扱いも違います。γ-GTPは年齢で基準範囲を分けませんが、ALPは女性で年齢差が明らかで基準範囲が3区分に分かれています。同じ胆道系でも、飲酒を第一に考えるγ-GTPと、骨や小腸の影響を受けるALPは読み方が別です。結果票にALPが並んでいる場合も、γ-GTPと同じ目安では読めません。
γ-GTPだけ高い状態が毎年続いているときの受け止め方
同じ判定が毎年続く場合、判定区分の側に扱いが書かれています。判定区分は初回受診時の拠り所とするもので、2回目以降は前回受診以降の精査結果や変化などで個々に判定を変えていく必要があるという一文です。年ごとに同じ表を当て直すだけの仕組みにはなっていません。
変える方向も示されています。要精密検査・治療と判定した例で、精密検査の結果として異常となる原因が明確なものがなかった、生まれつきなものであったなどの結果が得られた場合は、その内容によって判定Cなどに変更することが適切という書き方です。精査が済んでいるかどうかで扱いが分かれます。
続いているときに確かめるのは、原因の切り分けが一度済んでいるかという点です。飲酒・薬・脂肪性肝疾患・胆道の4方向のどれかで説明が付いているなら、次に見るのは値が動いたかどうかになります。年齢や既往、検査歴から判定区分が変更されることも適切とされています。一度も精査をしていない状態で同じ判定が続いている場合は、毎年同じ位置に印が付いているという事実そのものが受診の材料です。値が変わらないことは、原因が分かったことと同じではありません。
γ-GTPの再検査と精密検査で何を調べて次にどう進むのか

再検査は同じ項目をもう一度測るところから始まります。そこから先の精密検査で何を調べるかは、紹介先が決める仕組みになっているため、健診の結果票の段階で決まっているのは進む方向までです。再検査で測る項目と、紹介までの枝分かれを順に見ていきます。
γ-GTPの再検査でもう一度測る項目
γ-GTPは1つだけ測り直す項目として組まれていません。労働安全衛生規則の条文はGOT・GPT・γ-GTPの3つをまとめて肝機能検査と呼び、厚生労働省の文例集もAST・ALT・γ-GTの3項目をセットで判定しています。特定健診の判定値の一覧も、この3つが続いた項目番号で並んでいます。
- AST(GOT)
- ALT(GPT)
- γ-GTP
3つを並べて測るのは、組み合わせで原因の方向が変わるからです。ASTがALTを上回るのか、ALTが上回るのか、γ-GTPだけが動いているのかで、アルコール性か脂肪性か薬の影響かという振り分けが変わります。1項目だけ測り直しても、この振り分けができません。
胆道の側を分ける場合は、並ぶ項目が増えます。日本臨床検査医学会のガイドラインは、胆汁の流れが滞る側の判断に直接型ビリルビンとALPを使っています。どこまで項目を広げるかは、前回の結果票でどの欄が動いていたかによって変わります。
γ-GTPが高いときにすすめられる肝炎ウイルスの検査
γ-GTPが高い状態から疑われるものには、ウイルス性の肝炎も入っています。e-ヘルスネットは、血中のγ-GT値を検査することでアルコール性肝障害・薬剤性肝障害・肝内胆汁うっ滞・肝硬変・肝炎などの早期発見につながると書いています。原因を分ける段階では、お酒や薬の側だけでなくウイルスの側も候補に残ります。
採血で確かめられる項目なので、再検査の採血に合わせて調べる形になります。ウイルスの有無は飲酒量や服用中の薬からは分けられないため、問診だけで候補から外すことはできません。健診の肝機能の3項目には含まれていない項目です。
ただし、γ-GTPがいくつ以上ならウイルスの検査を行うという線は、健診の判定区分や特定健診の判定値には示されていません。101以上はD要精密検査・治療に当たりますが、精密検査で調べる項目まで指定する区分ではありません。肝炎ウイルスの検査を追加するかどうかも、診察のなかで決まります。
γ-GTPの再検査の結果を前回の数値と並べて読む
前回の結果票と並べるときに見る欄は、項目名、単位、基準値の3つです。項目名や単位の表記が違っていても、先に挙げた表記どうしなら数値はそのまま比べられます。基準値の欄が違う場合は、同じ値でも上限との位置関係が変わります。
- 項目名がγ-GTP・γ-GT・GGTのどれで印字されているか
- 単位がU/LとIU/Lのどちらで書かれているか
- 基準値の欄の数字が前回と同じか
そろえたうえで見るのは、段階を跨いだかどうかです。厚生労働省の文例集は51と101で対応を分けているので、51を跨いだのか、81や101を跨いだのかで、示される対応が変わります。数値が10上がったか下がったかより、線を越えたかどうかのほうが扱いを変えます。
経年の変化を吟味する扱いが明記されている項目もあります。人間ドック学会は、白血球や血色素、ALPなどは集団の基準範囲よりも個体の基準範囲がはるかに狭いため、経年変化も吟味して評価する必要があると書いています。γ-GTPはこの列挙に入っていませんが、前回値を並べる意味は段階の移動を見る点にあります。

γ-GTPの異常が続くときに専門の医療機関へ紹介される流れ
紹介の段階にあたるのは、判定区分のDです。区分名そのものが要精密検査・治療で、先に触れたとおり精密検査を行うか治療を行うかは紹介先が決定するという注が付いています。健診の側で決まるのは、そこへ進むという方向までです。
肝臓の数値から精査へ進む流れは、日本肝臓学会の奈良宣言2023が示しています。入口になっているのはALTで、ALT値が30を超えていた場合にまずかかりつけ医等を受診することをすすめる形です。そこで採血や超音波検査などを受け、必要と判断されれば消化器内科でより詳しい検査に進みます。
γ-GTPが出てくるのは、入口ではなく枝の側です。飲酒量が男性60g/日以上・女性40g/日以上で、かつASTやγGTPが異常値であればアルコール性肝障害が疑われるという組み合わせです。別の枝では血小板数が20万/mm3未満、またはFIB-4 indexが1.3以上で肝線維化を伴う脂肪肝が疑われるとされています。
| 枝 | 組み合わせ |
|---|---|
| アルコール性肝障害 | 飲酒量(男性60g/女性40g以上)かつASTやγGTPが異常値 |
| 肝線維化を伴う脂肪肝 | 血小板数20万/mm3未満またはFIB-4 index 1.3以上 |
紹介の目的も添えられています。リーフレットは、こうした検査を受けることを肝疾患の早期発見・早期治療に繋げるためと説明しています。紹介は悪化したから行われるのではなく、原因を確かめる段階で行われるという位置づけです。
この構造から分かるのは、γ-GTPの数値だけで紹介の線が引かれているわけではないということです。飲酒量やほかの項目と組み合わせたときに、どの枝に進むかが決まります。結果票を持って受診した段階で、この枝分かれのどこにいるかを確かめる流れになります。
γ-GTPの再検査を受けるまでにすることと控えること

再検査までの過ごし方で関わるのは、飲酒と服用中の薬です。飲酒量と服用歴は、再検査の値から原因を分けるための材料になります。国の健診資料は、γ-GTが高値で飲酒習慣がある場合に減酒をすすめる文を置いています。
γ-GTPの再検査までにお酒をどこまで控えるか
厚生労働省の文例集は、γ-GTが高値で飲酒習慣がある場合の説明文をそのまま載せています。そこで示されているのは、先に挙げた男性40g・女性20gの線と、この機会に減酒がすすめられるという内容です。禁酒を求める書き方ではありません。
同じ文例集は、1日あたりの飲酒量が多いほど高血圧や脳出血、がん等にかかりやすくなるとも書いています。減酒がすすめられているのは、肝臓の数値だけを理由にしたものではありません。
量の目安は平易な形でも書かれています。e-ヘルスネットは、お酒の量を控えることとして1日あたり日本酒にして1合、ビールなら中びん1本程度までという目安を挙げています。純アルコール量の換算式で計算した量と、この目安のどちらでも確かめられます。
控えることには、もう1つの意味があります。日本臨床検査医学会のガイドラインは、アルコール性肝障害の場合は断酒後のトランスアミナーゼやγ-GTの改善の確認がその診断に役立つと書いています。一定期間控えてから測り直した値は、飲酒による上昇かどうかを分ける材料になります。
健診の前日の飲酒や食事の扱いは、健康診断の前日を扱った記事で健診そのものの準備としてまとめています。再検査の前は、前日だけでなくそこまでの期間の飲み方が値に乗ります。

γ-GTPの再検査の前に自分の判断で薬をやめない
酵素誘導でγ-GTPを上げる薬があるため、服用中の薬をやめれば数値が下がるのではないかと考える場面があります。ただし服用をやめる目安を示した記述は、今回参照した資料には見当たりません。資料に書かれているのは、どの薬で上がるかと、鑑別の対象に薬物の連用を挙げることまでです。
自分の判断で中断すると、再検査の値が何を見た値なのかが分からなくなります。薬を飲み続けたままの数値と服用歴がそろって初めて、薬の影響かどうかを分けられます。中断した状態の値は、原因の切り分けには使えません。
必要なのは、服用している薬の名前と飲み始めた時期です。前回の健診から薬が変わったかどうかが、飲酒や脂肪肝の側と薬の側を分ける手がかりになります。やめるかどうかの判断は、もとの病気の治療を含めて診察の中で決まります。
飲酒量を控える話と、薬を続けるかどうかの判断は別です。γ-GTPの再検査に向けて運動を控えるという扱いは、資料には置かれていません。健診前の運動による上昇が説明されているのは、AST・ALTやCKの側です。

γ-GTPの再検査までにどのくらいの期間を空けるか
再検査までの日数は、受診者が決める形になっていません。人間ドック・予防医療学会は判定区分の注で、Xか月後など再検査時期を明記し、受診者行動を明確に指示すると定めています。経過観察や症状あれば受診といった不明瞭な記載は行わないという一文も続いています。
判定区分の決まりでは、再検査の時期を明記して受診者の行動を明確に指示する形になっています。γ-GTPについて一律の日数を示した資料はありませんので、結果票や健診機関からの案内に書かれた時期が目安になります。
期間の見当がつく材料はあります。検査会社の資料では、アルコールで誘導されて上がったγ-GTPは、健康な人であれば2〜3週間の禁酒で基準範囲に戻ることが多いとされています。肝障害が明らかな場合は、2カ月ないしそれ以上の禁酒期間が必要になるという書き方です。
健診機関から再検査の案内が届いていない場合は、結果票の判定の欄を見ることになります。CやDが付いていれば再検査や精密検査の側の区分で、Bであれば生活習慣の改善が割り当てられた段階です。
飲酒を控えてから数値が変わるまでの期間と、再検査を受ける時期は分けて考える形になります。数日空けただけでは、控えた分が値に表れるとはかぎりません。判定区分のCは1年以内の再検査を求めているので、具体的な時期は結果票や健診機関からの案内に沿って決まります。
健診でγ-GTPが高いと指摘された方が当院で受けられる範囲

健診でγ-GTPが高いと指摘された方について、当院でお受けできるのは健診結果を持参しての再検査と、その先の判断までの範囲です。受診の対象になる項目と、当日の持ち物や結果が出るまでの流れを順に挙げます。
γ-GTPを含む肝機能の異常は当院の内科で受診の対象になる
池袋かめさん内科の内科は、以下のような検査値異常を指摘された方の受診に対応しております。血糖値・中性脂肪やコレステロール・尿酸値・腎機能などと並んで、肝機能の異常(AST・ALT・γ-GTPなど)が挙げられています。結果票のγ-GTPに印が付いた状態は、この項目に当たります。当院で受けられるのは次の2つです。
- 健診や人間ドックで指摘された検査値異常の再検査・二次検査
- 血液検査(貧血・肝機能・脂質・血糖)を含む健康診断
当院では、健診結果をお持ちいただければ、追加で必要な検査と今後の治療方針をご説明いたします。何を追加するかは指摘された項目によって変わりますので、結果票の持参が出発点になります。前回の結果票もあれば、値が動いたかどうかを並べて確かめられます。
診療の流れのなかで実施している検査は、必要に応じて血液検査・尿検査・心電図・レントゲンなどです。肝機能の異常を指摘された場合は、血液検査で同じ項目を確かめるところから始まります。対応している検査値異常の項目は内科のページに挙げています。
当院では豊島区の特定健診やがん検診も実施しており、企業健診・入社時健診にも対応しております。健診そのものと、健診のあとの再検査の両方を同じ院内で受けられる形です。健康診断の結果や他院での検査結果をお持ちいただいている場合は、改めての検査が不要になることもあります。
当院の範囲はここで止まります。結果票を持参して肝機能の異常の再検査を受けるところまでで、その先の精密検査が必要な場合は、必要に応じて適切な医療機関を紹介する流れになります。
γ-GTPの再検査を当院で受けるときの持ち物と当日の流れ
ご来院の際は、健康保険資格確認証またはマイナンバーカードをお持ちください。マイナンバーカードが読み取れない場合に備え、「資格のお知らせ」もあわせてお持ちいただく形になります。結果票とお薬手帳は、原因を分けるための材料として使います。
ご予約がなくても、一般診療は当日受診が可能です。診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。女性医師による診察は週2回で、火曜午前と金曜の午前から午後16時までの枠です。
待ち時間の軽減をご希望の方は、WEB予約やLINE予約もご利用いただけます。時間帯に空きがある場合は当日のご予約も可能です。健康診断そのものは予約制なので、再検査とは手続きが分かれています。
結果が出るまでの時間は、検査の内容で変わります。血液検査が含まれる場合は、検査結果が出るまでに1週間程度かかりますので、後日ご来院のうえ結果をお受け取りいただく流れです。当日その場で数値を確かめる形ではありません。
γ-GTPが高いときによくある質問

γ-GTPはいくつ以上だと危ないのですか?
危ないという言葉で線を引いた資料はありません。確かめられるのは50・51・81・101の4つで、101以上が判定区分のD要精密検査・治療、特定健診では受診勧奨判定値を超えるレベルに当たります。
この101より上に区分は置かれていません。資料のうえでの行き先は、どの値でも医療機関の受診までです。数値の大きさで危険度が段階的に決まる仕組みにはなっていないため、見るのは原因が分かっているかどうかです。
γ-GTPを下げるには何をすればよいですか?
原因によって置かれている対応が違うので、下げる手立ても原因が決まってから分かれます。厚生労働省の文例集は、51から100の段階に生活習慣の改善、101以上に医療機関の受診という対応を割り当てています。
飲酒習慣がある場合は減酒がすすめられています。1日あたり男性40g以上・女性20g以上は生活習慣病のリスクを高める量として示された線で、減酒後の目標量という意味ではありません。薬の影響や胆道の側が原因のときは、数値を下げる取り組みより原因への対応が先に来ます。脂肪肝が関わるときの食事や運動は、脂肪肝を扱った記事で扱っています。
お酒をやめるとγ-GTPはいつ下がりますか?
下がるまでの幅は検査会社の資料に示されています。アルコールで誘導されて上がった分は、健康な人なら2〜3週間の禁酒で基準範囲に戻ることが多く、肝障害が明らかな場合は2カ月以上の禁酒期間が必要になるという書き方です。
ただし、やめれば下がると決まっているわけではありません。日本臨床検査医学会のガイドラインは、過度の飲酒があってもγ-GTが上昇しないいわゆるノンリスポンダーが相当数存在するとしています。もともと飲酒で上がっていない場合は、控えても値が動かないことになります。
参考:株式会社ビー・エム・エル「検査項目検索 γ-GT(γ-GTP)」

お酒を飲まないのにγ-GTPが高いのはなぜですか?
飲酒以外の原因が資料に並んでいるためです。e-ヘルスネットは、アルコールのほかにある種の薬物による肝臓の障害と、何らかの原因で胆汁がうっ滞した場合を挙げています。ここに脂肪性肝疾患が加わります。
確かめる順番は、薬が変わっていないか、ALTがASTを上回っていないか、ALPや直接型ビリルビンも動いていないかの3つです。どれにも当たらない場合は、原因が1つに決まらないまま経過を見る形になります。
GPTとγ-GTPは同じ検査なのですか?
別の項目です。GPTはALTの旧称で、結果票ではALT(GPT)と併記されることがあります。ASTの旧称がGOTで、こちらもAST(GOT)と書かれます。名前が似ていますが、測っている酵素が違います。
見ている場所も違います。ALTとASTは肝臓の細胞そのものの障害を映す肝実質系、γ-GTPは胆汁の流れに関わる胆道系です。特定健診の判定値もALTは31以上と51以上、γ-GTPは51以上と101以上で、線の位置がそろっていません。
γ-GTPが高いとき体の中では何が起きているのですか?
γ-GTPは胆管に分布する酵素で、肝臓の解毒作用に関わっています。血液中で増える道筋は2つあり、肝臓や胆道の細胞が傷んで漏れ出る経路と、酵素が作られる量が増える経路に分かれます。
お酒や薬で上がる場合は後者が関わります。細胞が壊れた量をそのまま表した数値ではないため、ASTやALTが基準範囲内のままγ-GTPだけが動くことがあります。他の臓器のγ-GTは血液に出ないので、血中のほとんどは肝臓に由来します。

γ-GTPが高いと自分で気づける変化はありますか?
γ-GTPの高値から自分で気づける変化を示した記述は、今回参照した資料にはありません。健診の判定も、症状ではなく数値の位置で区分されています。
胆道の側が進んだ場合の所見としては、黄疸が挙げられています。原発性胆汁性肝硬変と原発性硬化性胆管炎について、いずれも進行すると黄疸を呈するという書き方です。症状から拾える段階ではないぶん、結果票の数値のほうが手がかりになります。
γ-GTPが高いと言われたら何科を受診すればよいですか?
まずは内科です。日本肝臓学会の奈良宣言2023も、肝機能の数値に異常があった場合にまずかかりつけ医等を受診することをすすめる形で流れを示しています。
受診したあとは、採血などで原因を確かめる流れになります。必要と判断された場合に消化器内科へ進む形で、健診の判定区分でも101以上のDは、精密検査か治療かを紹介先が決める仕組みです。結果票を持って内科を受診するところが入口になります。
入院が必要になるγ-GTPの数値はありますか?
γ-GTPの数値で入院が決まる基準はありません。厚生労働省の文例集はγ-GTが高い場合の行き先を医療機関の受診までとしており、45ページの全体で入院という語が出てきません。判定区分にも入院の区分は置かれていません。
重症度を判定しているのは別の項目です。薬物性肝障害のマニュアルは、ビリルビンやアルブミン、プロトロンビン時間が肝障害の重症化の指標になり、中でもPTが重症化を予測する上で有用だとしています。急性肝不全の診断基準もプロトロンビン時間40%以下ないしINR1.5以上と肝性脳症で定義されており、γ-GTPは使われていません。
ただし受診勧奨判定値の注には、判定値を超えるレベルの場合は再検査や生活習慣改善指導等を含め医療機関での管理が必要な場合があると書かれています。入院の線が無いことは、確かめなくてよいことを意味しません。
基準値が割れて見えるのは、健康な人の95%が入る幅である基準範囲と、紹介すべきレベルを示す判定区分が混ざっているからです。線は50・51・81・101の4本で、51から100は生活習慣の改善、101以上は医療機関の受診という対応が割り当てられています。原因は飲酒・薬・胆汁のうっ滞・脂肪性肝疾患の4方向で、γ-GTPだけが高い場合は過剰飲酒習慣と非アルコール性脂肪性肝疾患と薬物の連用が鑑別の対象になります。再検査まではAST・ALTとの組み合わせと服用中の薬をそろえておく形になります。

