チェック待ち

脂肪肝は痩せていてもお酒を飲まなくても改善できる?

健診の結果票に脂肪肝という所見が並んでいたり、AST・ALT・γ-GTP のどれかに矢印が付いていたりしても、痛みやだるさが出ていない方がほとんどです。体調はいつもどおりなのに紙の上だけで名前が付くので、何から手を付ければよいのかが見えにくくなります。体に変化が出ていない時期に何を確かめればよいのかが、いちばん分かりにくいところです。

脂肪肝はお酒を飲む人の病気だと受け取られがちですが、一滴もお酒を飲まない人にも、痩せている方にも起こります。肝臓への脂肪のたまりやすさは体質によっても変わるため、体重と飲酒量だけでは説明がつかない組み合わせが実際にあります。自分は当てはまらないはずだという感覚と、結果票の所見が食い違うのはそのためです。

一方で、肝臓にたまった脂肪は食事と運動による体重の減少に反応して減る側のものとして、日本消化器病学会と日本肝臓学会のガイドに位置づけられています。結果票のどの欄が何を見ているのかを押さえたうえで、自分で取り組む範囲と、相談したほうがよい線がどこで分かれるのかを順にたどります。

健診で脂肪肝と指摘された結果票のどこを見るか

健診で脂肪肝と指摘された結果票のどこを見るか

結果票で脂肪肝に関わる欄は2か所あります。腹部超音波の所見欄と、血液検査の肝機能の数値です。この2つは同じものを別の角度から見ているのではなく、別のものを見ています。どちらが動いているかで、次に確かめることも変わります。

腹部超音波の所見にある脂肪肝という言葉が指しているもの

健診で腹部超音波を受けた方の結果票には、所見として脂肪肝と記載されることがあります。この言葉が指しているのは肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態で、日本人間ドック・予防医療学会の所見用語の解説にもそう示されています。糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病と関係が深く、内臓脂肪型肥満や飲酒が原因であることが多い所見として扱われています。

超音波が実際に見ているのは、肝臓の明るさと、隣にある腎臓と比べたときの差です。日本消化器がん検診学会の判定マニュアルは、超音波所見を脂肪肝とする条件として、次のいずれかを認めることを挙げています。

  • 高輝度肝
  • 肝腎(脾)コントラスト有り
  • 深部方向の減衰増強
  • 肝内脈管の不明瞭化

判定の仕方にも条件が添えられており、肝実質の輝度は健常な腎臓と同じ深度で比較をするという一文が付いています。慢性腎不全がある場合は脾臓と比べる、という注も付いています。

つまり所見欄の脂肪肝は、肝臓の明るさ、腎臓と比べたときの差、深部の見え方、血管の見え方といった画像上の特徴から読み取られた所見です。血液検査の数値とは成り立ちが違うので、両方が同時に動くとはかぎりません。

段階を分ける基準は置かれていない

一方で、軽度・中等度・高度といった段階分けや、bright liver、グレードという言い方は、今回参照した資料には示されていません。脂肪肝かどうかを判断する所見の定義は示されている一方で、その先の程度を分ける基準は見当たりません。

そのため、結果票に程度が書かれていなくても情報が欠けているとはかぎりません。程度を知るために見るのは所見の言葉ではなく、血液検査の数値と肝臓の硬さの評価という順番になります。

参考:日本消化器がん検診学会「腹部超音波検診判定マニュアル改訂版(2021年)」表2-1「肝臓」

脂肪肝の所見と肝機能の数値は別のものを見ている

腹部超音波と血液検査は、肝臓の別の側面を見ています。超音波は肝臓の見え方を、血液検査は肝臓から漏れ出た酵素の量を見ています。どちらも肝臓を調べる検査ですが、測っている対象がそろっていないため、片方の結果からもう片方を言い当てることはできません。

検査 何を見ているか
腹部超音波 肝臓の明るさと、腎臓と比べたときの見え方の差
血液検査(AST・ALT・γ-GTP) 肝臓の細胞から血液中に漏れ出た酵素の量

日本消化器病学会と日本肝臓学会のガイドは、受診の入口として血液検査の ALT 値の異常と、腹部超音波検査の結果の両方を並べています。日本肝臓学会の奈良宣言2023も、ALT の値をきっかけに採血と腹部超音波検査を受ける流れを示しています。入口が2つ用意されているのは、片方だけでは拾えないことがあるからです。

超音波で所見が付いていても数値は基準内に収まっていることがあり、その逆も起こります。健診の血液検査に肝機能の項目が入っているかは、受けた健診の内容によっても変わります。当院の健康診断のページでは、血液検査に肝機能が含まれるプランを示しています。

健康診断の結果票では腹部超音波の所見と肝機能の数値という別々の2か所を見ることを、1枚の紙の離れた2行で示した図

結果票に並ぶ慢性肝障害は脂肪肝も原因になる所見

結果票に慢性肝障害という語が並ぶことがあります。日本人間ドック・予防医療学会の所見用語の解説では、肝障害が継続的に起こっている、あるいは起こっていたことが考えられる状態と説明されています。その原因として挙げられているのは、飲酒・脂肪肝・B型肝炎・C型肝炎・自己免疫性肝疾患などです。

ここで並び方に注目すると、脂肪肝は慢性肝障害に近い所見ではなく、慢性肝障害を引き起こす側に置かれています。所見欄に脂肪肝と慢性肝障害が一緒に書かれている場合は、脂肪肝が原因として想定されている読み方になりますが、飲酒や他の原因が重なっていないかは血液検査と問診を合わせて確かめることになります。

同じ解説は、原因を明らかにすることと、現在どの程度まで進行しているのかを確かめるために精密検査を要しますと続けています。慢性肝障害という語が付いた場合は、脂肪肝の所見だけが付いたときより一段詰めて確かめる段階に入っています。ただし、これは今すぐ危ない状態を意味する言葉ではありません。原因がまだ特定されていないので調べる、という意味の所見です。

参考:日本人間ドック・予防医療学会「腹部超音波検査マニュアル」

肝機能の数値が基準内でも肝炎が進むことがあるため、数値だけでは確かめきれないことを示した帯

脂肪肝では肝機能の数値が基準内でも肝炎が進むことがある

日本肝臓学会の奈良宣言2023は、肝機能の数値が基準内でも、肝炎が進行しているかもしれませんという一文をリーフレットに2度置いています。脂肪肝を指摘された方にとっては、数値が戻ったことを終わりの合図にできない理由がここにあります。ここでいう肝炎は、肝臓に炎症が続いている状態を指します。

同じリーフレットは、肝炎ウイルスや脂肪肝、アルコール、免疫異常などを原因として、肝臓が長期にわたり炎症とその修復で起こる線維化によって持続的な障害を生じている状態を、慢性肝疾患として定義しています。数値が基準内に収まっていても、肝臓の中で起きていることが止まっているとはかぎりません。数値だけで経過を判断しないのが、この一文の趣旨です。

健診で脂肪肝の所見が付いたのに血液検査は正常だった、という組み合わせは珍しくありません。その場合も、所見が付いた事実のほうを起点にするほうが奈良宣言2023の示す流れと合います。逆に、数値だけが動いていて超音波の所見が付いていないこともあります。どちらの組み合わせでも、次に確かめるのは肝臓の硬さが進んでいないかという点になります。

参考:日本肝臓学会「奈良宣言2023」リーフレット

脂肪肝はこのまま放置してもいいのか?

脂肪肝はこのまま放置してもいいのか?

脂肪肝と言われたときにいちばん知りたいのは、放置するとどうなるのかという点です。日本消化器病学会と日本肝臓学会のガイドは、進まない人の割合と進む人の割合を同じ段落に並べて示しています。どちらか片方だけを取り出すと読み方を誤ります。

お酒が原因ではない脂肪肝の8割から9割はほとんど進行しない

ガイドが示しているのは、お酒が原因ではない脂肪肝、つまり非アルコール性脂肪肝(NAFLD)のうち8割から9割は長い経過をみても脂肪肝のままで、病気はほとんど進行しないということです。進行しないままの状態には、単なる脂肪肝という意味で NAFL という呼び名が付いています。

人数の規模としては、ガイドは非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の患者さんが全国で1,000万人以上と示しています。健診で指摘される方が多いのは、もともと人数が多い状態だからです。健診で所見が付いてから長い年数がたっても脂肪肝のまま、という経過もこの範囲に入ります。

ここで落としてはいけないのが「ほとんど」という語です。原文は進行しないと言い切っておらず、ほとんど進行しないという留保が付いた書き方になっています。そして割合が大きいことは、自分がその側に入っている証明にはなりません。8割から9割という数字は集団の話で、個人がどちらに入るかは別に確かめることになります。

放置という言葉には2通りの中身があります。所見が付いたまま何も確かめずに次の健診まで過ごすことと、肝臓の硬さを一度評価したうえで経過を見ることです。ガイドが経過観察として示しているのは後者で、前者とは中身が違います。同じ「何もしていないように見える状態」でも、振り分けを受けたかどうかで意味が変わります。

残りの1割から2割は脂肪肝炎(NASH)から肝硬変へ進むことがある

同じ段落は続けて、残りの1割から2割の人は徐々に悪化して、肝硬変に進行したり、なかには肝がんを発症したりすることもあると示しています。脂肪がたまっただけの状態に炎症が加わった段階には、脂肪肝炎(NASH)という名前が付いています。

経過 割合
脂肪肝のままでほとんど進行しない 8割から9割
徐々に悪化して肝硬変に進むことがある 1割から2割

ガイドの図では、単なる脂肪肝(NAFL)と脂肪肝炎(NASH)は相互移行する関係として描かれています。一方通行で悪くなっていくだけの矢印ではない、という描き方です。

分かれ目として示されているのは割合ではなく、肝臓の硬さに関わる所見の有無です。割合は入口の情報で、どちらに入るかを決めるのは別の検査だということになります。

では、どのくらいの期間で進むのか。進行の速さを示した数値は、参照した資料には見当たりません。示されているのは割合だけで、何年で肝硬変に至るという目安は置かれていません。期間が分からないということは、経過した年数を手がかりにできないということでもあります。残る手がかりは自覚症状かと思われがちですが、そこも使えません。

参考:日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q1・Q2

脂肪肝から脂肪肝炎、肝硬変へと進む段を並べ、多くはいちばん手前の段に留まることを示した図

脂肪肝で自覚症状がほとんど出ないのはなぜか

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、多少の負担がかかってもすぐには症状があらわれません。ガイドも、脂肪肝では自覚症状は何もない人がほとんどだと示しています。だるさを訴える方もいますが、ガイドはこれを肝臓に特有の症状ではないと断っています。睡眠や仕事量など別の理由でも起こるため、だるさの有無から肝臓の状態を読み取ることはできません。

脂肪肝そのものがつらい状態かというと、自覚症状が出にくい段階では体の感覚としては何も起きていないことがほとんどです。つらさの程度を示した記述は、参照した資料には見当たりません。症状が無いのに名前が付く状態は落ち着かないものですが、症状が無いのは肝臓の性質によるもので、軽いことの証明にはなりません。

症状が入口にならないため、脂肪肝は健診の結果票や、ほかの目的で受けた検査をきっかけに見つかることが多くなります。肝硬変まで進行した場合には症状があらわれることがあるとガイドは示していますが、それは経過の終盤の話です。症状が出るのを待つという判断は、進んだ段階で気付くことと同じになります。

症状の有無では脂肪肝の進み方を判断できない

ガイドは、かなり病気が進行しない限りほとんど症状はないので、自覚症状だけで進行程度を把握することはできませんとはっきり示しています。症状が出てくるのは、脂肪肝炎(NASH)が肝硬変に進行した段階で、黄疸や足のむくみ、腹水がたまることによる腹部の膨満感などがあらわれることがあります。

逆向きも成り立ちません。だるさや重さを感じているからといって、脂肪肝が進んでいるとは言えません。つまり症状が出ていない時期は、進んでいないことの裏返しではなく、まだ何も分かっていない時期です。健診で所見が付いたのに体の調子は変わらない、という状態がこれに当たります。

脂肪肝の進み方の手がかりにならないもの

経過した年数は、進行の速さを示した数値が参照した資料に見当たらないため目安になりません。自覚症状の有無も、かなり進行するまで症状が出ないため手がかりになりません。残るのは血液検査の数値と、肝臓の硬さの評価の2つです。

肝臓に脂肪がたまって脂肪肝になる仕組み

肝臓に脂肪がたまって脂肪肝になる仕組み

脂肪がたまる経路は1本ではありません。食べた量と使った量の差、材料になる栄養素、インスリンの働き、そして体質という4つの側面が関わります。ここで扱うのは脂肪がたまるまでの話で、炎症が強まって線維化が進む話とは別になります。

食べた量が使った量を上回ると脂肪肝になる

ガイドが最初に挙げているのは収支の話です。食べ過ぎや運動不足などのために食事でとったカロリーが消費量を上回ると、肝臓で中性脂肪が多く作られ、脂肪肝となると示されています。肝臓は体に入ってきた栄養をいったん預かって作り替える臓器で、入ってくる量が使う量を超えると、超えた分が中性脂肪の形で肝臓に残ります。

収支は食べる側だけでなく、使う側でも動きます。どちらを動かしても差は変わるため、ガイドは食事と運動の両方を治療の原則に置いています。この経路だけで考えると、体重が増えた時期と所見が付いた時期は重なりやすくなります。健診の記録で体重の推移を並べると、収支が合わなくなった時期が見えることがあります。

ただし収支は入口の1つにすぎません。体重が増えていないのに所見が付く方がいるのは、残りの3つの側面が関わるためです。収支はいちばん分かりやすい入口ですが、これだけで全部が説明できる形にはなっていません。

余った糖も脂もたんぱく質も脂肪肝の材料になる

次は材料の話です。ガイドは過剰な糖分は中性脂肪に変換されて肝臓にたまると示し、食事で余分にとった脂肪分はもちろんのこと、蛋白質が分解されてできるアミノ酸も過剰なぶんは脂質に変換されると続けています。

余った栄養素 肝臓での行き先
糖 中性脂肪に変換されて肝臓にたまる
食事の脂肪分 そのまま肝臓にたまる材料になる
たんぱく質 分解されたアミノ酸の過剰分が脂質に変換される

つまり脂肪肝の材料は脂だけではありません。脂っこいものを控えているのに所見が付く、という組み合わせが起こるのはこのためです。たんぱく質も、過剰な分は脂質に回ります。ただしガイドは特定の製品について可否を示していません。量が過剰になれば脂質に回る、という原理までが示されている範囲です。

肝臓にたまる中性脂肪は、どの栄養素から来たかで性質が変わるわけではありません。入口が3つあるというだけで、たまるものは同じ中性脂肪です。材料が複数あるぶん、1つを抜いただけでは食事全体の量が変わるとはかぎりません。見るのは特定の栄養素ではなく、全体の量という順番になります。

インスリンの効きにくさが脂肪肝を進める

肥満のある方では、インスリンの効きがわるくなり、このことによっても肝臓で中性脂肪をたくさん作るように促されるとガイドは示しています。この効きにくさにはインスリン抵抗性という呼び名が付いています。インスリンは血液中の糖を細胞に取り込ませる働きをするホルモンで、効きが落ちると同じ量では足りなくなり、肝臓で中性脂肪を作る側に傾きます。

この経路があるため、脂肪肝は糖尿病や脂質異常症、高血圧と一緒に指摘されることが多くなります。ガイドも、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の多くがこれらを伴っていると示しています。ここで扱うのは、インスリンの効きが落ちた結果として肝臓側に起きることだけです。

ここでいう「進める」は、脂肪がたまる方向に押すという意味です。炎症が強まって線維化が進むという意味の進行とは別の話として読む必要があります。収支と材料に加えて、取り込みの効率そのものが変わる。これが、体重の増減だけでは説明がつかない理由の1つになります。

脂肪がたまる経路が収支のずれと余った栄養とインスリンの効きと体質の4つに分かれることを示した図

体質や遺伝的な素因で脂肪肝のたまり方が変わる

ガイドは同じ食事や運動をしていても、太りやすい人とそうでない人がいるように、肝臓への脂肪のたまりやすさも体質によって異なると示しています。たまり方そのものに幅があるという指摘です。遺伝的な素因としては PNPLA3 などの遺伝子の型が関係することが分かってきました。

ただし同じガイドは注で、PNPLA3 の遺伝子型は保険医療では測定できませんとも添えています。つまり体質の違いは説明としては使えますが、保険診療のなかで遺伝子の型を調べて対策を決める、という進め方は示されていません。

原因の全体像も確定していません。米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所は、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の原因について専門家がいまも研究を続けている段階だと示しています。たまり方に幅があるという前提に立つと、同じような生活をしている2人で結果が違っても矛盾ではありません。

体質そのものは動かせませんが、収支と材料の側は動きます。体質の説明は、取り組んでいるのに結果が出ないときの理由を考える材料になるもので、取り組まない理由にはなりません。

参考:米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所「Symptoms & Causes of NAFLD & NASH」

健診の結果票を持ったまま相談できます
池袋かめさん内科の内科では、健診で肝機能の異常(AST・ALT・γ-GTPなど)を指摘された方の受診に対応しております。一般診療はご予約がなくても当日受診が可能です。健診結果をお持ちいただければ、追加で必要な検査と今後の治療方針をご説明いたします。お電話・WEB予約・公式LINEからのご相談も受け付けております。

お酒を飲まないのに脂肪肝と言われるのはなぜ?

お酒を飲まないのに脂肪肝と言われるのはなぜ?

お酒を飲まないのに脂肪肝と言われると、診断そのものを疑いたくなります。ただガイドの定義では、お酒を飲まない人の脂肪肝にも名前が付いていて、例外扱いにはなっていません。痩せている方も同じ枠に入ります。その枠の中で何が起きているのかを、4つに分けて見ていきます。

一滴も飲まない人の脂肪肝も非アルコール性脂肪肝(NAFLD)に入る

ガイドは、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)をアルコールを除くいろいろな原因で起こる脂肪肝の総称と定義しています。お酒以外の原因でたまった脂肪肝をまとめて指す言い方です。注意したいのは「非アルコール性」という語の範囲で、ガイドは一滴もお酒を飲まない人だけではなく、少量の飲酒をしている人にみられる脂肪肝も NAFLD に含まれますと明記しています。

つまり飲まない人だけの状態ではありません。少し飲む人も同じ枠に入るため、自分は飲むから非アルコール性ではない、という読み方はできません。どこからが少量なのかには、純アルコール量による数字の線が引かれています。その線の中身は飲酒量の話としてあとで扱います。

原因としてガイドが挙げているのは、肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧を伴うことが多いという点です。メタボリックシンドロームの肝臓病と考えられていると位置づけられています。お酒の有無ではなく、代謝の側の条件で説明されている枠だということです。

参考:日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q1

呼び名そのものは移り変わっています。2023年に欧米の肝臓関連学会から新しい分類が提案され、NAFLD は MASLD という名称に置き換わる流れにあります。日本語の病名も、MASLD は代謝機能障害関連脂肪性肝疾患、MASH は代謝機能障害関連脂肪肝炎と定められました。分類の名前が変わっても、結果票に記載される所見の語は脂肪肝です。

参考:日本消化器病学会「脂肪性肝疾患の日本語病名に関して」

体重が軽くても脂肪肝は起こることを示した帯

痩せているのに脂肪肝と言われる人に起きている変化

痩せていても、肝臓への脂肪のたまりやすさを左右する体質によって脂肪肝になることがあります。PNPLA3 などの遺伝子の型が関わるとされています。一方で体重を落とす側にも注意が置かれており、ガイドはBMI 18.5 未満のやせている方は、過度なダイエットを控えるようにとしています。

体重が軽いことは、肝臓に脂肪がたまっていないことの保証にはなりません。たまりやすさに体質の幅があるため、同じ体格でも結果が分かれます。やせている方に過度なダイエットを控える注意が置かれているのは、体重をさらに落とす方向が答えになるとはかぎらないからです。

体格の確認としてガイドが挙げているのは BMI 25 以上とウエスト周囲径で、18.5 未満の方には逆向きの注意が置かれています。体重を落としたのに所見が残るという組み合わせも、同じ2つで説明がつきます。たまりやすさの体質は体重を落としても変わらず、落とす過程で筋肉量まで減れば別の要素が加わります。

やせ型に固有の基準値や、やせ型だけの減量目標は、今回の資料のどこにも置かれていません。痩せているからもっと少なく減らす、という目安を作ることはできません。示されている減量の目標は体重に対する割合ひとつで、体格ごとに別の数字が用意されているわけではありません。

参考:日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q4・Q8

お酒を一滴も飲まない人も少量の飲酒の人も痩せている人も、非アルコール性脂肪肝という同じ呼び名の枠に入ることを示した図

運動しているのに脂肪肝が残る場合に考えること

運動を続けているのに脂肪肝の所見が残る場合、ガイドの記述から考える対象として挙げられるのは3つです。体質、ホルモンの異常、そして筋肉量の低下で、いずれも運動量の多さだけでは説明がつかない要素になります。

考える対象 脂肪肝との関わり
体質 同じ食事や運動でもたまりやすさが人によって違う
ホルモンの異常 運動の量とは別に、体の側の条件として挙げられている
筋肉量の低下 筋力と筋肉量が落ちた状態そのものが関連として報告されている

1つ目の体質は、同じ運動量でもたまり方が違うという話です。走る距離を増やしても、たまりやすさそのものは変わりません。2つ目と3つ目は運動の量ではなく体の側の条件で、運動量をさらに増やすことが答えだとガイドは示していません。

そのため、所見が残っている理由を運動量の不足だけで決めることはできません。肝臓の硬さが進んでいないかの評価と、ここに挙げた3つの有無を合わせて確かめる側に進みます。走る距離を長くとっている方でも所見が残ることはあります。

運動が無駄だという話でもありません。収支を動かす手段としては示されており、頻度と時間の目安も置かれています。順番として、量を増やす前に確かめる対象があるということです。

筋肉量の低下やホルモンの異常でも脂肪肝は起こる

ガイドは、ホルモンの異常やある種の手術後に NAFLD を発症することも知られていますと示しています。食べ過ぎや運動不足とは別の入口があるという記述です。筋肉量の低下については、詳しいメカニズムは不明ですがという前置きつきで、腸内細菌やサルコペニア、つまり筋力と筋肉量の低下が関連することも報告されています。

ここで押さえておきたいのは、仕組みが分かっていない関連も報告として残されているという点です。原因が確定していなくても、関連そのものは記録されています。やせている方に過度なダイエットを控える注意が置かれているのは、この経路と重なります。体重を落とす過程で筋肉量まで落ちると、サルコペニアとして報告されている状態に近づきます。

手術後に発症することがあるという記述は、生活の内容と関係なく起こる経路があることを示しています。食べ方や飲み方に心当たりがなくても所見が付く余地は残るということです。飲まない方や痩せている方で脂肪肝が起こるのは、こうした入口が収支とは別に用意されているためです。体重と飲酒量の2つだけを見ていると、自分は該当しないという結論になってしまいます。

アルコール性かそうでないかで変わる脂肪肝の線引き

アルコール性かそうでないかで変わる脂肪肝の線引き

飲酒量の線は1本ではありません。定義のための線と、受診したあとの鑑別のための線は、出典も数字も対象も違います。混ぜて1つの目安にすると、どちらの意味も失われます。どちらの線を見ているのかで、自分の飲酒量の読み方も変わるため、2本を並べて確かめる順番で進めます。

純アルコール量でみる脂肪肝の線引き

非アルコール性と呼べる上限を決めているのが、日本消化器病学会と日本肝臓学会のガイドの線です。1日あたり純エタノールとして男性で30g 以上、女性では20g 以上のお酒を毎日飲み続けると、アルコール性肝障害を起こすことがあります。これは脂肪肝の呼び名を分ける線で、この量より少ない範囲でたまった脂肪肝が非アルコール性脂肪肝(NAFLD)に入ります。

毎日飲み続けると、という条件が付いている点も書かれているとおりです。1回の量ではなく、続いている量で見る線として置かれているため、週に何度飲むかを含めて考える形になります。

お酒の種類 男性で1日30gに相当する量
ビール 750mL(大瓶1本強)
日本酒 1合半
ワイン グラス2杯半
ウイスキー ダブルで1杯半

※純アルコール量の換算はガイドが示した目安で、実際の度数と容量によって変わります。

ガイドの図には、男性ならビール1本、女性ならビール中瓶1本程度までなら飲酒の影響はないとされている、という注も添えられています。この線は非アルコール性と呼べるかどうかを分ける目安で、安全に飲める量を示したものではありません。少量の飲酒についてどう書かれているかは、このあとの見出しで扱います。

女性の20g について同じ換算は示されていないため、男性の量をそのまま半分にして当てることはできません。

線を超えているかどうかは、飲んでいる量を純アルコール量に換算して確かめる話になります。種類ごとの換算がガイドに示されているのは、その計算のためです。同じ種類でも度数や容量が違えば純アルコール量は変わるので、実際に飲んでいる商品の度数と量で考える必要があります。

参考:日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q1

奈良宣言が示す脂肪肝とアルコール性肝障害の分かれ目

2本の線を並べて確かめる

もう1本の線は、日本肝臓学会の奈良宣言2023が示しています。ALT の値をきっかけに受診したあと、原因を振り分ける段階で使われる線で、男性は60g/日以上、女性は40g/日以上、かつ AST や γGTP が異常値という形で置かれています。この条件を満たす場合にアルコール性肝障害が疑われますと示されています。

出典 線 何の線か
日本消化器病学会・日本肝臓学会のガイド 男性30g/日以上・女性20g/日以上 非アルコール性と呼べる上限を決める定義の線
日本肝臓学会の奈良宣言2023 男性60g/日以上・女性40g/日以上 かつ AST や γGTP が異常値 受診後にアルコール性肝障害を疑う鑑別の線

「かつ」でつながっているため、飲酒量だけでも、数値だけでも、この分岐には入りません。数字が2倍ちがうのは、見ている場面が違うからです。一方は病名の枠を決める線、もう一方は受診後に原因を振り分ける線で、どちらかが正しいという関係にはありません。

2本の線に共通しているのは、純アルコール量という同じ単位で測っている点です。違うのは量の大きさと、その量を何の判断に使うかという部分になります。そのため、自分の飲酒量を1つの目安と比べて終わりにはできません。どちらの線の話をしているのかを先に確かめる必要があります。

参考:日本肝臓学会「奈良宣言2023」リーフレット 受診フロー

脂肪肝の進み方に飲酒がどこまで影響するか

進み方への影響については、ガイドが定性的な言い方で示しています。過剰な飲酒は明らかに肝硬変への進行が速くなりますが、少量の飲酒の影響については諸説があり、まだ一定の見解は得られていませんという記述です。過剰な側は速くなるとされている一方で、少量の側は結論が出ていないという扱いになっています。

この2つが同じ文の中に並んでいるのは、飲酒の影響が量によって扱いを変える必要があるからです。過剰な側の結論を少量の側に当てることも、その逆もできません。

少し飲む程度なら問題ないという結論も、その逆の結論も、ここからは取り出せません。飲んだ量に応じて検査値がどれだけ動くか、という数値も参照した資料には示されていません。飲酒量と数値の対応表を作れる段階ではないということです。

影響の大きさが分からないということは、飲酒量を減らしたときに数値がどれだけ動くかも示せないということでもあります。方向としては控える側がすすめられていますが、下がり幅を約束する記述は置かれていません。

なお、検査の前日に飲んだお酒が当日の数値をどう動かすかは別の問いになるため、ここでは扱いません。前日の食事と飲酒をどう考えるかは健康診断の前日の食事と飲酒についての記事にまとめています。

脂肪肝でお酒を完全にやめる必要はあるのか

ガイドの書き方は、やめなければならないという断定ではありません。少量の飲酒でも肝硬変や発がんに関係している可能性も報告されているため、基本的には飲酒は控えるほうが望ましいでしょうという表現です。「控えるほうが望ましい」は、禁止とは別の強さで、完全にやめる以外に選べないという書き方にはなっていません。

一方で、飲む量が多い側にいる場合は話が変わります。定義の線を超えている方は、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)ではなくアルコール性の側として扱われる範囲に入ります。どこまで減らせばよいかという個別の量は、持病や飲み方によって変わるため、服用中の薬と合わせて診察のときに相談する形になります。

飲酒を控える方向と、脂肪肝の収支を動かす方向は別々に効きます。どちらか片方だけで足りるという書き方はされていません。完全にやめるかどうかより先に確かめることとして示されているのは、自分の飲酒量がどちらの線の側にあるかという点です。

脂肪肝で自分で取り組んでよい範囲と相談したほうがよい場合

脂肪肝で自分で取り組んでよい範囲と相談したほうがよい場合

ここまでは何が起きているかの話でした。ここからは、自分で取り組んでよい範囲と相談したほうがよい場合の線引きです。線を引いているのは症状でも年数でもなく、血液検査の ALT の値と肝臓の硬さに関わる所見です。受診の目安となる数値、硬さを評価する意味、振り分けに使う条件、そして経過観察と言われた場合の読み方を順に並べます。

ALT が30を超えたら脂肪肝でもまずかかりつけ医を受診する

日本肝臓学会の奈良宣言2023は、受診の目安をはっきり置いています。一般的な健康診断でも肝機能検査として血液検査で広く測定されている ALT値が30を超えていた場合、まずかかりつけ医等を受診することを勧めていますという記述です。単位は U/L で、特設サイトでは ALT>30 U/L という書き方で示されています。

※ALT の単位は U/L です。基準値の幅は検査機関によって異なります。

ALT が選ばれている理由も添えられています。特にALTは他の臓器にあまり含まれていないため、その血液中の高さは肝障害を反映しますとされており、肝臓以外の影響を受けにくい項目だからです。奈良宣言2023には奈良30・40宣言という別名も付いており、30という数字はこの宣言の中心に置かれています。

基準値の幅は検査機関によって違いますが、奈良宣言2023が置いているのは30という一本の線です。結果票に基準値内と書かれていても、30を超えていることがあります。同じ血液検査には γ-GTP も並んでいますが、この値の読み方は肝臓だけの話では済まないため、ここでは ALT の線までにとどめます。

結果票を手元に置いて、まず確かめる点は次の3つです。

  • 結果票の ALT が30を超えていないか
  • AST と γ-GTP にも矢印が付いていないか
  • 腹部超音波の所見欄に脂肪肝という所見が付いていないか

このうち1つでも当てはまる場合、奈良宣言2023が示す流れでは、まずかかりつけ医を受診する側に入ります。

参考:日本肝臓学会「奈良宣言特設サイト」

脂肪肝で肝臓の硬さ(線維化)を評価してもらう意味

日本消化器病学会と日本肝臓学会のガイドは、健康診断やかかりつけの医師から血液検査の ALT 値の異常や腹部超音波検査の結果で脂肪肝があると言われたら、進行程度の評価の中で中心になる肝臓の硬さ(線維化)を簡便な方法で評価してもらうことをすすめています。

なぜ硬さなのか。脂肪がたまっているかどうかと、肝臓が硬くなってきているかどうかは別の情報で、進み方に関わるのは後者だからです。線維化は、炎症と修復が繰り返されて肝臓の組織が置き換わっていく変化です。奈良宣言2023も、この線維化によって持続的な障害が生じている状態を慢性肝疾患として定義しています。

ガイドのフローチャートでは、リスクがある場合にエラストグラフィや肝生検の考慮へ進む形になっています。簡便な方法で評価してもらうというのは、その手前の段階を指しています。学会資料が示しているのはこの流れまでで、評価する手段や実施する施設までは指定されていません。

硬さの評価が入ることで、8割から9割の側と1割から2割の側のどちらに近いかを見る材料がそろいます。割合の話が自分の話に変わるのはこの段階です。

血液検査の値でまずかかりつけ医を受診し、肝臓の硬さを評価したあとに経過観察と専門の医療機関へ分かれる順番を示した図

血小板数とFIB-4 index が脂肪肝の線維化リスクを振り分ける

奈良宣言2023が並べている4つの条件

奈良宣言2023は、ALT が30を超えて受診したあとに肝線維化を伴う脂肪肝が疑われますと判断する条件を4つ並べています。

  • 肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧を合併している
  • 脂肪肝がある
  • 血小板数20万/mm3未満
  • FIB-4 index 1.3以上

FIB-4 index は、年齢と血液検査の値から計算される指標です。ガイドも FIB-4 index 1.3以上を線維化の存在の疑いありとする基準として挙げています。血小板数が条件に入っているため、この振り分けは特別な機器を使わずに血液検査の結果から確かめられる形になっています。

条件は4つ並んでいますが、どれか1つでも当てはまれば疑う側に回ります。合併症の有無と脂肪肝の所見だけでも条件に入るため、計算した数値がそろっていなくても該当することがあります。なお、超音波の検診で判定を上げる目安として別の血小板の数字が使われることもありますが、そちらは対象が違う話です。ここで使うのは奈良宣言2023の20万/mm3未満の側です。

参考:日本肝臓学会「奈良宣言2023」リーフレット 受診フロー/日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q5

脂肪肝で専門の医療機関がすすめられる場合

硬さが進んでいる可能性を示す所見がある場合について、ガイドは専門の医療機関を受診して、詳しい検査を受けていただくことをすすめる形で示しています。かかりつけ医の段階で終わらない場合があるということです。

奈良宣言2023も同じ向きで、かかりつけ医による採血や腹部超音波検査などを受けて、必要と判断されればさらに消化器内科での詳しい検査につなげる流れを示しています。

資料Aの側で示されているのは「専門の医療機関」という言い方までで、施設の名前までは挙げられていません。いずれにしても、最初から専門の医療機関を探す必要はありません。まずかかりつけ医を受診し、必要と判断された場合に次の段階へ進むという順番になります。

紹介が必要かどうかの判断は、問診と血液検査、画像検査の結果を合わせて行われます。自分で順番を飛ばすより、1つずつたどるほうが示されている流れに合います。

脂肪肝で経過観察とだけ言われた場合に何が起きているか

再検査を受けたのに、薬も次の検査もないまま経過観察と言われて終わることがあります。ガイドの診断フローチャートには線維化リスクなし → かかりつけ医で定期的に経過観察という道筋が置かれており、何もしない状態を指す言葉ではありません。

フローチャートの振り分け 示されている次の段階
線維化リスクなし かかりつけ医で定期的に経過観察
線維化リスクあり エラストグラフィや肝生検の考慮を経て専門の医療機関へ

フローチャートは、問診と血液検査、画像検査で線維化のリスクを見て、リスクがなければかかりつけ医で経過観察、リスクがあればさらに詳しい検査へ進む形に分かれています。つまり経過観察は、何もしないことの言い換えではありません。リスクがない側に振り分けられたという結果で、フローチャートの上では正しい着地になります。

その場で確かめられているのは問診の内容です。ガイドはこれまでの飲酒状況や体重の変化、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の有無、そしてサプリメントを含めた普段服用しているお薬などの詳しい情報がとても重要だとしています。体重を落とすようにと言われて終わった場合も、減量が治療の原則として示されているためです。

逆に言えば、問診で聞かれた内容がそのまま振り分けの材料になっています。飲酒量と体重の変化、持病、服用中の薬を答えられる状態で受診すると、その場でたどれる範囲が広がります。

ただし経過観察という言葉だけでは、どの検査でどう判断されたかまでは分かりません。何を見て経過観察になったのかは、その場で聞いておける内容です。経過観察で終わった場合も結果票は手元に残るので、次の健診で ALT や所見がどう動いたかを並べて見られるようにしておくと、同じ道筋をもう一度たどれます。

脂肪肝は何に反応して減るのか?

脂肪肝は何に反応して減るのか?

ここからは減る側の話です。何に反応して減るのかという原則と、どのくらいを目標にするのかという数字は、ガイドにそれぞれ別に示されています。この2つを分けて置くので、まず原則、次に数字という順番になります。食事と運動の具体的な中身は、そのあとに回します。

脂肪肝は食事と運動による体重の減少に反応して減る

ガイドが示している原則は1つです。食事や運動療法による体重減少が肝機能および組織像を改善することから推奨されていますという記述で、反応しているのは体重の減少という変化です。治療の原則としては、食事療法、運動療法などで生活習慣を改善することによって、背景にある肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を是正することが挙げられています。

ここで押さえておきたいのは順番です。食事や運動そのものが肝臓に直接働くという書き方ではなく、体重が減ることを通して肝機能と組織の状態が動くという形で示されています。だから、食事と運動のどちらを選ぶかという問いは立ちません。体重が減る側に収支が傾けば、どちらの手段でも同じ方向に働きます。

肝機能および組織像という2つが並べられている点も見落とせません。血液検査の数値と、肝臓の組織の状態の両方が、動く対象として挙げられています。反応する対象が体重なので、体重が動いていないときは体質や筋肉量といった別の要素も合わせて確かめることになります。何を食べたかより、収支が動いたかどうかが先に来ます。

脂肪肝で示されている減量の目標は体重の7%

7%と7〜10%は別の数字

数字は2つあり、意味が違います。目標として示されているのが体重の 7% です。ガイドは肥満を伴う脂肪肝炎(NASH)の場合について、体重の7%を目標に減量し、徐々に標準体重を目指すことが勧められますとし、体重90kg の場合、まずマイナス6kg を目標にという例を添えています。診断フローチャートにも、減量は7%を目標とし、目標7%以上という書き方が置かれています。

もう1つが7〜10%です。こちらは目標ではなく、7〜10%の減量によりNAFLD/NASHの改善が期待できるとされている幅で、ガイドの別の項に置かれています。

数値 意味と出典
体重の7% 減量の目標として示されている値(ガイド Q6・診断フローチャート)
7〜10% 減量によって改善が期待できるとされている幅(ガイド Q7)

7%は目指す先、7〜10%は期待できる幅で、同じ数字の帯ではありません。7%という割合はいまの体重を基準にした値で、標準体重との差ではないため、同じ7%でも減らす重さは人によって変わります。徐々に標準体重を目指すという続きもあり、7%はまず置かれた区切りです。

一方で、どのくらいの期間で脂肪肝が減るのかという数値は参照した資料には示されていません。何か月でという目安は置かれていないため、期間から逆算して計画を立てることはできません。

参考:日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q6・Q7

脂肪肝に固有の食事と運動の見直し方

脂肪肝に固有の食事と運動の見直し方

見直す中身に入ります。ガイドが脂肪肝について挙げているのは、脂肪酸の種類と食べる時間、そして有酸素運動の頻度です。食品を並べて選ぶ話ではなく、油の質と時間帯の話が中心になります。控える側の油、とる側の食べ物、食べる時間、運動の形という4つに分けて見ていきます。

脂肪肝で控えるようすすめられている油の種類

控える側の3つの脂肪酸

控える側として挙げられているのは、個別の食品名ではなく脂肪酸の種類です。ガイドはラードやバターなど動物性の油は飽和脂肪酸が多いので控えるようにと示し、続けて紅花油、コーン油などリノール酸を多く含む油を使用した揚げものや炒めものと、コレステロールを多く含む卵を使用した料理のとり過ぎにも注意するようにとしています。

トランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニングを使用した菓子パンや洋菓子も避ける側に挙げられています。卵を使用した料理がリノール酸の油と並べて挙げられているのは、コレステロールを多く含むという理由で、脂肪酸の種類とは別の軸で添えられている項目です。

控える側の脂肪酸 ガイドが挙げている食品
飽和脂肪酸 ラードやバターなど動物性の油
リノール酸 紅花油やコーン油を使った揚げものや炒めもの
トランス脂肪酸 マーガリンやショートニングを使った菓子パンや洋菓子

種類で整理されているため、同じ料理でも何の油を使ったかで扱いが変わります。品目を覚えるより、油の種類を手がかりにするほうが示されている形に近くなります。逆に言えば、量を減らすだけでは条件が変わらないこともあります。同じ量でも種類が違えば扱いが変わる、という書き方になっているためです。

参考:日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q8

脂肪肝で積極的にとるようすすめられている食べ物

とる側として挙げられているのは2つです。

  • 多価不飽和脂肪酸を多く含む青魚
  • ビタミンEや食物繊維を含む緑黄色野菜

控える側と同じく、こちらも種類での整理です。青魚は脂肪酸の種類で選ばれ、緑黄色野菜はビタミンEと食物繊維という成分で選ばれています。どちらも控える側と置き換える形で挙げられているため、足すだけでは収支が動かず、入れ替える向きで読むことになります。

飲み物については、果糖を多く含む清涼飲料水などのとり過ぎに注意という一文が置かれています。ビタミンEや食物繊維も、食事の側から取る項目として挙げられています。

野菜の量そのものを目標にする話や塩分の取り方は、血圧側の見直しになります。生活習慣病に共通する食事の見直しは下の血圧が高いときの受診の目安をまとめた記事にあります。

3食きちんととり、バランスのよい食事を心掛けるようにという前置きもあります。抜く方向ではなく、質を変える方向で書かれているということです。

夜遅い食事や寝る前の食事を脂肪肝で控える理由

時間帯についてもガイドは触れています。夜遅く、または寝る前に食事をすることは控えるようにという記述で、控える側に並べられています。ただし、夜遅い食事が脂肪肝をどれだけ進めるのかという因果や数値は示されていません。

控える側に挙げられているという事実までが、資料から読み取れる範囲です。夜に食べたから所見が付いたという読み方はできません。食べる時間は、収支と油の種類に並ぶもう1つの手がかりという位置づけになります。

寝る前という言い方も同じ項に並んでいます。時刻そのものではなく、寝るまでの間隔が短いことが控える対象として置かれているという読み方になります。仕事の都合で夕食が遅くなる方にとっては、時間を動かせないこともありますが、その場合に何を優先するかという順番はガイドには示されていません。

そこから先は、動かせる条件の中で決める話になります。時間を動かせないなら、油の種類と量の側で収支を動かすという選び方が残ります。

脂肪肝ですすめられている有酸素運動の頻度

運動についてガイドが示しているのは、頻度だけではありません。ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を週3〜4回、30分以上という形で、種類と頻度と1回の時間がそろって置かれています。

項目 示されている内容
種類 ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動
頻度 週3〜4回
1回の時間 30分以上

週3〜4回という頻度と30分以上という時間は組みになっています。回数だけ合わせても1回が短ければ、示されている形からは外れます。水泳が挙げられているのは、関節への負担が小さい運動も選べるという意味で、種類の例が3つ並べられているのは選べる幅を示すためと読めます。

加えて、関節に負担をかけない程度の筋肉トレーニングやヨガなどを加えると、筋肉量が増加して基礎代謝も高まります。筋肉量の低下が脂肪肝と関連すると報告されている点ともつながる並べ方です。有酸素運動が中心に置かれているのは、収支の使う側を動かす手段だからです。

頻度と時間の目安は置かれていますが、どのくらいの強度で行うかという数値はこの記述にはありません。歩数や週あたりの合計時間といった別の目安もありますが、脂肪肝について示されているのは上の形です。

脂肪肝で示されている食事と運動の軸

控える側は脂肪酸の種類で整理され、とる側も青魚と緑黄色野菜という種類で示されています。食べる時間については、夜遅くと寝る前が控える側に挙げられています。運動は有酸素運動を週3〜4回、30分以上という形で、頻度と1回の時間が組みで置かれています。

脂肪肝に効く薬やサプリはあるのか?

脂肪肝に効く薬やサプリはあるのか?

薬とサプリの話です。承認された薬は国内にありますが、対象はかなり狭く限定されています。市販薬やサプリについては、ガイドが効くかどうかより先に使い方の条件を置いています。市販薬とサプリの考え方、承認されている薬の範囲、そして実際に使われる場面という3つに分けて見ていきます。

脂肪肝の市販薬やサプリをどう考えるか

ガイドがサプリメントについて置いている一文は、ダイエットをうたった健康食品やサプリメント、漢方薬などを安易に長期間使用するのは危険ですというものです。使う場合は前もって医師とよく相談するようにとも添えられています。ここから取り出せる「考えること」は2つに整理できます。

  • 安易に長期間使わない
  • 使うなら、使う前に医師に相談する

効くかどうかを判断する前に、使い方の条件が置かれている形です。効果の有無ではなく、使う長さと相談の有無が条件になっています。健康ドリンクについても、カロリーが高いものがあるのでとり過ぎに注意という一文が添えられています。

肝臓のためにと足したものが、収支の側で逆に働くことがあるためです。国立医薬基盤・健康・栄養研究所も、健康食品の過剰摂取について注意を呼びかけています。量が増えるほど安全になるわけではない、という向きの情報です。

参考:日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のための NAFLD/NASH ガイド2023」Q8/国立医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品をお使いの方へ 〜過剰摂取の危険性〜」

脂肪肝の薬として国内で承認されている範囲

承認された範囲の限定

2026年6月19日に、セマグルチド(販売名 ウゴービ皮下注)が国内で承認されています。厚生労働省の最適使用推進ガイドラインが示している効能又は効果は、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎 ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限るという形です。

条件 示されている内容
対象となる病態 肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)
線維化の程度 中等度または高度の線維化を有する場合に限る
確認の方法 生検による確認。生検が適切でない場合は非侵襲的検査に基づき判定

この限定は外せません。肝硬変を伴わないことと、中等度または高度の線維化があることの両方を満たす場合に限られており、脂肪肝と言われた方の全員が対象になるわけではありません。同じガイドラインは、線維化のステージが F2 または F3 に進行していることを生検で確認するようにとしています。

生検の実施が適切ではないと判断された場合は、非侵襲的検査に基づいて判定する形です。つまり、承認された薬があるという事実と、自分がその対象かどうかは別の話になります。対象かどうかの判断には、線維化の程度の確認が前提として置かれています。処方の判断は、診察を受けた医療機関で行われます。

参考:厚生労働省「最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)(販売名:ウゴービ皮下注)〜代謝機能障害関連脂肪肝炎〜」/医薬品医療機器総合機構「セマグルチド(遺伝子組換え)」添付文書情報

脂肪肝の薬として国内で承認されている範囲が狭く限られていることを、格子の中の1区画で示した図

脂肪肝でビタミンEや糖尿病の薬が使われる場面

ガイドは、抗酸化作用があるビタミンEや、インスリンの効きをよくする作用のある糖尿病のお薬などが、NASH の患者さんに有効であることが示されていますとしています。使われる場面があるという記述です。

  • ビタミンE:抗酸化作用を期待して使われる
  • 糖尿病の薬:インスリンの効きをよくする作用を期待して使われる

ただし同じ文は留保で閉じられています。長期間にわたって肝硬変への進行や肝がんの発症を防ぐことができるかどうかは、まだはっきりと証明されていませんと続きます。どちらも脂肪肝炎(NASH)の患者さんについての記述で、脂肪肝と言われた方すべてに当てはめる形ではありません。サプリとして自分で足す話とも別になります。

糖尿病そのものの数値の読み方は別の問いになるため、ここでは薬が使われる場面までにとどめます。健診で血糖の値を指摘された場合の考え方は健診で血糖の値を指摘されたときにすることをまとめた記事にあります。

薬とサプリの話をどこで閉じるか

サプリや市販薬で完結させられる範囲は、ガイドの書き方からは出てきません。使い方の条件と、対象を限定した薬の承認範囲のどちらも診察を前提に置かれています。迷う場合は、結果票を持って受診する側から始めることになります。

健診で脂肪肝を指摘されたあとの当院での再検査

健診で脂肪肝を指摘されたあとの当院での再検査

ここまでは学会資料が示す流れでした。当院で受けられる範囲は、健診結果を持参して肝機能の異常の再検査を受けるところまでです。

脂肪肝で当院が行うのは肝機能の異常の再検査

当院の内科では、健診で肝機能の異常(AST・ALT・γ-GTPなど)を指摘された方の受診に対応しております。対応している検査値異常の項目は内科のページに挙げています。健診結果をお持ちいただければ、追加で必要な検査と今後の治療方針をご説明いたします。

健康診断の結果や他院での検査結果をお持ちいただいている場合は、改めての検査が不要になることもあります。健診結果をお持ちいただく意味は、同じ検査を繰り返さずに次の判断へ進める点にあります。前回の値と今回の値を並べられるかどうかで、確かめる内容が変わります。

他院からの紹介状、健康診断の結果、お薬手帳をお持ちの方は、あわせてご提示ください。医師が症状や生活習慣について詳しくお話を伺い、必要に応じて血液検査・尿検査・心電図・レントゲンなどの検査を実施いたします。再検査の内容は、健診で指摘された項目によって変わります。

肝機能の異常を指摘された場合は、血液検査で同じ項目を確かめるところから始まります。ご予約がなくても、一般診療は当日受診が可能です。診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。

健診のあとの再検査が脂肪肝でも保険診療になる場合

持ち物と保険の扱い

健康診断は、自覚症状のない状態で受ける検査のため、原則として保険適用とならず自費(自由診療)となります。一方で、健診のあとの再検査や二次検査は、保険診療で受けられることがほとんどです。

受けるもの 保険の扱い
健康診断そのもの 原則として保険適用とならず自費(自由診療)
健診のあとの再検査・二次検査 保険診療で受けられる場合がほとんど

「ほとんど」という言い方のとおり、すべての場合に保険診療になると決まっているわけではありません。健康診断の結果、再検査や精密検査、治療が必要となった場合の診療は、保険適用となることが一般的です。ご来院の際は、健康保険資格確認証またはマイナンバーカードをお持ちください。

  • 健康保険資格確認証またはマイナンバーカード
  • 健診の結果票
  • お薬手帳(服用中の薬がある場合)

マイナンバーカードが読み取れない場合に備え、「資格のお知らせ」もあわせてお持ちいただく形になります。健診の結果票は、前回の値と並べて確かめるために使います。

当院の健康診断そのものは予約制で、こちらはお電話・WEB・公式LINEからお申し込みいただく形です。健診のあとの再検査は一般診療として当日受診が可能なので、手続きが分かれています。

なお、健診で異常を指摘されたまま放置してしまうと、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が進行するリスクがあります。肝機能の項目に矢印が付いていた場合も、結果票を持って一度相談いただくところまでが当院の範囲です。

脂肪肝についてよくある質問

脂肪肝についてよくある質問

脂肪肝は痩せれば治りますか

体重の減少に反応して減る側であることは示されています。ガイドは、食事や運動療法による体重減少が肝機能および組織像を改善することから推奨されているとしており、減量の目標は体重の7%、7〜10%の減量で改善が期待できるとされています。

ただし治るという言い方は資料に出てきません。痩せている方にも脂肪肝は起こるため、体重を落とすことだけが答えになるともかぎりません。BMI 18.5 未満の方には、過度なダイエットを控えるという逆向きの注意が置かれています。体重の側だけを見るのではなく、肝臓の硬さに関わる所見まで確かめる流れが示されています。

脂肪肝は元に戻せますか

ガイドの図では、単なる脂肪肝(NAFL)と脂肪肝炎(NASH)が相互移行する関係として描かれており、一方通行ではない形で示されています。お酒が原因ではない脂肪肝の8割から9割は、長い経過をみても脂肪肝のままで病気はほとんど進行しないとされています。

元に戻るかどうかという言い方ではなく、7〜10%の減量で改善が期待できるという形が、資料に示されている答えの範囲です。減る側に動きうるものとして扱われている、という向きまでが読み取れる内容になります。すでに肝硬変まで進んだ段階については別の扱いになるため、同じ範囲では答えられません。

脂肪肝はどのくらいの期間で治りますか

期間を示した数値は、参照した資料には示されていません。減量の目標として体重の7%、改善が期待できる幅として7〜10%という数字は置かれていますが、それが何か月や何年に対応するかという記述は見当たりません。

進行の速さについても同じで、何年で肝硬変に至るという目安は置かれていません。期間の数字が無いぶん、経過は別の材料で確かめることになります。置かれているのは、血液検査の値や腹部超音波の所見、肝臓の硬さに関わる評価です。何か月たったかではなく、これらがどう動いたかを前回と並べて見る形になります。

脂肪肝が治ったかどうかを確かめる材料は複数あることを示した帯

脂肪肝が治ったかどうかはどこで分かりますか

治ったことを示す指標についても、参照した資料には示されていません。経過を見る材料として置かれているのは、血液検査の ALT の値と腹部超音波の所見、そして肝臓の硬さに関わる評価です。

ただし奈良宣言2023は、肝機能の数値が基準内でも肝炎が進行しているかもしれないとしているため、数値が戻ったことだけを終わりの合図にはできません。確かめる材料は複数あり、1つだけでは判断できないということです。治ったサインを探すより、どの材料がどう動いたかを並べて見る形が資料に近くなります。超音波の所見が消えたかどうかも、数値とあわせて確かめる材料のひとつになります。

コーヒーは脂肪肝に良いですか

コーヒーについての記述は、参照した資料には示されていません。飲み物について置かれているのは、果糖を多く含む清涼飲料水などのとり過ぎに注意という一文と、健康ドリンクにはカロリーが高いものがあるという注意です。

コーヒーそのものは控える側にもとる側にも挙げられていないため、どちらの答えも資料からは出てきません。飲み物で考えるなら、糖とカロリーの側に目安が置かれていることになります。砂糖やミルクを加えた分はカロリーの側に乗るので、そこは収支の話として扱えます。コーヒー自体の良し悪しを探すより、加えたものの量を見る形が資料の範囲に収まります。

脂肪肝の人が食べてはいけないものはありますか

食べてはいけないものという形の記述は置かれていません。控える側として挙げられているのは脂肪酸の種類で、飽和脂肪酸が多い動物性の油、リノール酸を多く含む油を使った揚げものや炒めもの、トランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニングを使った菓子パンや洋菓子です。

いずれも禁止ではなく、とり過ぎに注意という書き方になっています。品目を1つずつ除く形ではなく、油の種類と量で考える形が示されているということです。果糖を多く含む清涼飲料水のとり過ぎにも注意が添えられていますが、こちらも禁止という書き方ではありません。

受診の目安として線が引かれているのは一方の値だけであることを示した帯

脂肪肝では AST と ALT のどちらを気にすればよいですか

受診の目安として線が引かれているのは ALT です。奈良宣言2023は、ALT 値が30を超えていた場合にまずかかりつけ医等を受診することをすすめており、単位は U/L で示されています。

理由として、特に ALT は他の臓器にあまり含まれていないため、その血液中の高さは肝障害を反映するとされています。AST も結果票に並びますが、30という線が置かれているのは ALT の側です。

どちらかだけを見るというより、受診の判断に使える線が引かれているのが ALT だと考えると整理しやすくなります。AST に矢印が付いている場合も、受診したうえで合わせて確かめる材料になります。

脂肪肝になりやすいのはどんな人ですか

ガイドが挙げているのは、食事でとったカロリーが消費量を上回っている状態、インスリンの効きにくさ、肝臓への脂肪のたまりやすさを左右する体質、ホルモンの異常、ある種の手術後、そして筋力と筋肉量の低下です。

体格の確認としては BMI 25 以上と、ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上という数字が置かれています。男性は中年層、女性は高齢層に多い傾向がありますが、年代別の基準値は示されていません。体格の条件に当てはまらない方でも、体質や筋肉量の側から起こる経路が残るため、体格だけで振り分けられるわけではありません。

脂肪肝を改善した人はいますか

資料に示されているのは、7〜10%の減量により脂肪肝の改善が期待できるという記述です。これが改善の側の数字になります。別の数字として、お酒が原因ではない脂肪肝の8割から9割は長い経過をみても脂肪肝のままで、病気はほとんど進行しないとされています。こちらは進行しない側の割合で、改善したかどうかとは別の話です。

どちらも集団について示された数字で、個人がどう動くかを約束するものではありません。自分の位置を示す材料になるのは、ALT の値と肝臓の硬さに関わる所見による振り分けです。個別の経験談ではなく、この振り分けの結果が手がかりになります。

健診で脂肪肝と言われたあとに確かめること

結果票では、腹部超音波の所見欄と血液検査の数値が別のものを見ています。脂肪肝はお酒を飲まない方や痩せている方にも起こり、体質やホルモン、筋肉量も関わります。受診の目安として置かれているのは ALT が30を超えるという線で、そのあとは肝臓の硬さに関わる所見で振り分けられます。減量の目標は体重の7%、改善が期待できる幅は7〜10%で、期間を示した数値は参照した資料には示されていません。

健診で肝機能の異常を指摘された方の再検査に対応しております
池袋かめさん内科の内科では、健診で肝機能の異常(AST・ALT・γ-GTPなど)を指摘された方の受診に対応しております。健診結果をお持ちいただければ、追加で必要な検査と今後の治療方針をご説明いたします。一般診療はご予約がなくても当日受診が可能です。健康診断の検査項目は健康診断のページ、対応している検査値異常の項目は内科のページに掲載しています。診療時間は9:00-12:30と14:00-18:00で、月曜と日祝は休診、土曜は午前のみです。雑司が谷駅2番出口から徒歩2分、目白駅から徒歩10分の場所にあります。

03-3986-4466

受付時間:9:00-12:30/14:00-18:00

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