生活習慣病

糖尿病の初期症状は?のどの渇きや多尿から受ける検査まで

のどが渇いて水をよく飲む、トイレに行く回数が増えた、体重が急に減った。こうした変化に心当たりがあると、糖尿病の初期症状ではないかと気になります。症状を並べた一覧を見ても、自分が当てはまるのかどうかは読み進めるほど分からなくなります。

心当たりのある症状が糖尿病と関係するのかどうかは、検査で調べます。血液検査で血糖とHbA1cを測り、尿検査で尿糖を調べるのが、糖尿病かどうかを確かめる入口です。症状の当てはまりを突き詰めるよりも、この検査を受けるほうが早く答えに届きます。

もう一つ押さえておきたいのは、糖尿病が初期にはほとんど症状を出さない病気だということです。症状が出ていない段階でも検査では分かりますし、逆に症状があっても糖尿病とは限りません。症状の有無は、受診するかどうかを決める唯一の材料にはなりません。

ここでは、公的な資料に挙げられている初期症状を並べたうえで、なぜその症状が出るのか、糖尿病以外の原因で出ている場合はどう見るのか、気づいたときにどの検査を受けて何科へ相談するのかまでを順にたどります。

糖尿病の初期症状は?のどの渇きや多尿から傷の治りにくさまで

糖尿病の初期症状は?のどの渇きや多尿から傷の治りにくさまで

糖尿病の初期症状として挙げられている項目は、資料によって数も並びも違います。この章では公的な資料や医療機関の説明に載っている項目をまとめて並べたうえで、そのうち学会が典型的症状と呼んでいるものはどれなのかを切り分け、挙げられていない症状の扱いまで整理します。

資料や医療機関の説明で名前が挙がるのは、次の9項目です。

  • のどの渇き・多飲
  • 頻尿・多尿
  • 疲れやすさ・だるさ
  • 体重が急に減る
  • 手足のしびれ
  • 目のかすみ・視力の低下
  • 傷が治りにくい
  • 感染症にかかりやすい
  • 皮膚のかゆみ

9項目のうち、どれか1つが出たら糖尿病という読み方はできません。どの項目も糖尿病以外の原因で起こることがあるため、項目の数を数えるのではなく、症状がどういう体の変化から出ているのかを見るほうが手がかりになります。前兆やサインという言葉で語られるのも、だいたいこの範囲です。主な症状について、高血糖で起こる理由と、糖尿病以外に考えられる原因を整理しました。

症状 高血糖のときに起こる理由 その症状が出る他の原因
のどの渇き・多飲 尿の量が増えて体の水分が減る 水分の不足
頻尿・多尿 血液中の糖が尿に出ていく 尿路の感染症
体重が急に減る 糖をエネルギーとして使いにくくなる 食事の量の減少
疲れやすさ・だるさ 同じく糖がエネルギーに回らなくなる 貧血

右端の欄は病名や状態の名前だけを置いています。症状が重なる範囲が広いことがこの表の読みどころで、他の原因のほうは後の章で1つずつ見ていきます。

厚生労働省や日本糖尿病学会の資料にある糖尿病の初期症状

日本糖尿病学会の診療ガイドラインが糖尿病の典型的症状として挙げているのは4つです。口渇、多飲、多尿、体重減少で、診断の手がかりとして扱われています。市民向けの解説でも、のどが渇く、たくさん水分を飲む、たくさん尿が出るという言い方で同じ4つが並びます。

厚生労働省の資料では、この並びのなかで頻度が高い症状として口渇が挙げられています。ただし、頻度の高さから症状に気づく順序まで分かるわけではありません。一方で同じ資料は、症状が現れるのが血糖の高さのあとだということも示しています。症状が出た時点はすでに血糖が高い状態が続いたあとなので、症状の有無で病気の有無を決める使い方には向きません。

項目の数が資料ごとに違うのは、どこまでを初期症状として扱うかの線が資料によって違うためです。学会のガイドラインは診断の指針として4つに絞り、一般向けの解説ページは疲れやすさや視力の変化まで含めて並べます。どちらが正しいかではなく、何のための列挙かが違うという読み方になります。

参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024 1章 糖尿病診断の指針」/厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖」

糖尿病の初期症状として挙げられる項目は資料ごとに数も並びも違うことを示した帯

糖尿病の初期症状と合併症で出る症状の違い

9項目を並べたときに混ざりやすいのが、高血糖そのものが起こす症状と、合併症として起こる症状です。学会が典型的症状とする口渇・多飲・多尿・体重減少は前者で、血糖が高い状態そのものから出てくる変化です。

これに対して手足のしびれは、資料では神経障害という合併症の側で説明されています。糖尿病情報センターの神経障害の解説では、両側の足先からのしびれや痛み、冷感が起こるとされ、感覚が鈍くなる例まで含めて並べられています。しびれは、高血糖そのものによる症状とは分けて、神経障害という合併症の症状として説明されているという違いがあります。

ただし、手足のしびれを初期症状として挙げている医療機関の説明は多く、気にする方も多い症状です。資料の置き場所が違うという事実と、初期の相談先で挙げられているという事実は、どちらも成り立ちます。しびれを感じたときに糖尿病を考えてよいかという問いに対しては、糖尿病でも糖尿病以外でも起こる症状として扱うのが実際に近い形です。

目のかすみや傷の治りにくさも、置き場所の見分けが必要な項目です。学会の典型的症状の4つには入っておらず、医療機関の説明で初期症状として名前が挙がる項目に当たります。目の症状のほうは、資料では網膜症という合併症の側で扱われています。

参考:糖尿病情報センター「神経障害」

糖尿病の初期症状として挙げられる症状と合併症で出る症状が、一部重なる二つの輪として示された図

糖尿病の初期症状に挙げられていない頭痛や腰痛

頭痛、腰痛、膝の痛み、耳鳴り、吐き気、抜け毛。これらが糖尿病の初期症状かどうかを調べる人は多いのですが、学会や厚生労働省の初期症状の列挙には含まれていません。糖尿病情報センターが高血糖のときの症状として並べているのは、のどの渇き、水をよく飲む、尿の回数が増える、体重が減る、疲れやすくなるという内容です。

列挙に含まれていないことは、その症状が糖尿病とまったく関係がないという意味にはなりません。資料が初期症状として名前を挙げていないという事実にとどまります。挙げられていない症状を手がかりに糖尿病を疑うのは難しいという読み方が正確です。

糖尿病と一緒に名前が挙がる症状の多くは、初期症状としてではなく、糖尿病がある方に起こり得る変化として書かれています。同じ症状でも、初期症状として挙げられているのか、合併症や別の病気の側で挙げられているのかで意味が変わります。

頭痛や腰痛が続いているなら、まずはその症状について医療機関に相談するのが入口になります。糖尿病が気になるのであれば症状の当てはまりを増やそうとせず、血液検査と尿検査で確かめる形に切り替えるほうが答えが出ます。

糖尿病の初期症状として足や皮膚に出る変化

糖尿病の初期症状として足や皮膚に出る変化

足や爪、皮膚の変化は、糖尿病の初期症状として調べられる量がとくに多い部分です。ただし資料をたどると、これらの変化が説明されている場所は高血糖の症状の並びではなく、神経障害や感染症の側に寄っています。同じ足の変化でも、しびれと水虫では説明される病気が違います。

資料の側で、どの変化がどこに書かれているかを整理します。

出ている場所 資料で説明されている変化
足 両側の足先からのしびれや痛み・冷感・感覚の鈍さ・足の変形
爪 爪のカンジダ症・足の指の間のカンジダ症
皮膚(全身) 乾燥・かゆみ・引っかき傷からの感染
皮膚(足) 足白癬(水虫)・足にできる水疱

変化の名前だけを見ると初期症状の一覧と似ていますが、資料はこれらを神経障害や感染症の説明のなかに置いています。足のしびれは神経障害、爪や皮膚の変化は感染症などの説明で扱われているという違いです。

糖尿病の初期症状として挙げられる足や爪の変化

足に出るものとして資料が挙げているのは、両側の足先から始まるしびれや痛み、冷感です。ものに触れたときの感覚が鈍くなる例や、足の変形まで並べられています。どれも神経障害という合併症の症状として説明されている項目です。

爪については、爪や足の指の間のカンジダ症になりやすいという記述があります。こちらは感染症の側の説明で、血糖が高い状態が続いて感染に抵抗する力が落ちることと結び付けられています。爪の白い線やへこみについては、糖尿病の所見として挙げた公的な資料がありません。

したがって「足や爪の変化が出たから初期の糖尿病だ」という読み方は、資料の説明とは合いません。足や爪の変化だけから、糖尿病の時期や進み具合を判断することはできません。資料が書いているのは、どの病気の説明のなかでその変化が扱われているかまでです。

写真と見比べて自分の足を判定する方法もすすめられません。しびれや冷感は見た目に出ませんし、同じ見た目でも原因は複数あります。足の変化が気になるなら、見た目を調べるのではなく血糖とHbA1cを測るほうが確かめたいことに届きます。

糖尿病の初期症状で出る皮膚のかゆみや乾燥

皮膚については、糖尿病では皮膚が乾燥する場合があり、かゆみによる引っかき傷から感染することがあると書かれています。かゆみそのものよりも、かいた傷から先に進む流れのほうが注意されている形です。

乾燥しやすくなる背景には、汗の分泌に関わる自律神経の働きの変化もあります。資料では神経障害による発汗障害として、汗をかかなくなる、乾燥肌になるという項目が挙げられています。皮膚の乾燥も神経の側から説明されていることになります。

全身の皮膚のかゆみが続いていて、保湿をしても落ち着かないという場合は、皮膚だけの問題として扱わずに血糖の検査を受ける意味があります。かゆみの原因が糖尿病だと決まるわけではありませんが、血糖やHbA1cを調べておけば、原因を絞り込む材料が1つ増えます。

参考:糖尿病情報センター「糖尿病と感染症のはなし」

足や皮膚の変化が、高血糖の症状の並びではなく神経障害や感染症の側で説明されていることを、箱の中と外の同じ器で示した図

糖尿病の初期症状で起こりやすい皮膚の感染症

感染症にかかりやすくなる理由は、血糖値が高くなることで白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下し、病原菌と十分に戦えない状態になることがあるという点です。皮膚に限った話ではなく、尿路の感染症、呼吸器の感染症、歯周病まで同じ説明のなかに並んでいます。

皮膚で挙げられているのは、足白癬(水虫)や足の指の間のカンジダ症です。足の裏やすねに痛みを伴わない水疱ができる例も書かれていて、これが破れて感染すると重い状態に進みやすいとされています。痛みがないまま進むことが、気づきにくさの理由になっています。

口の中についても同じ説明のなかに記述があります。歯周病は細菌の感染による歯ぐきの慢性的な炎症で、資料は糖尿病では重症化しやすいとしています。歯ぐきが腫れて出血しやすくなり、進行すると歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになると書かれています。

この関係は一方通行ではありません。歯周病が重症であると血糖値も悪くなり、逆に歯周病の治療によって炎症がよくなると血糖値はよくなると言われています。歯科で治りにくいと言われている状態が、血糖を測るきっかけになることもあります。

水虫や皮膚の感染、歯ぐきの炎症を繰り返している、治ってもすぐ戻るという状態が続いているなら、それぞれの治療と並行して血糖を測っておく形が資料の説明に沿います。感染を繰り返すこと自体が、血糖が高い状態の手がかりとして扱われているためです。

糖尿病の初期症状が出るしくみは血糖値と尿の変化から

糖尿病の初期症状が出るしくみは血糖値と尿の変化から

のどが渇く、尿が増える、体重が減るという3つには、どれもインスリンの働きと血糖の高さが関わっています。ただし症状が出る道筋は同じではありません。この章では高血糖から症状までの道筋を資料にある形でたどり、2型と1型の違いまで確認します。

出発点にあるのは、インスリンが十分に働かなくなることです。資料はその状態を2つに分けて説明しています。

2つの型 体の中で起きていること
インスリン分泌低下 膵臓の働きが落ちて十分なインスリンを作れない
インスリン抵抗性 インスリンは作られているが効果を発揮できない

どちらの型でも血液中に糖があふれるという結果は同じで、2型糖尿病では両方が関わっているとされています。あふれた糖がどこへ行くのかを追うと、症状の出方が見えてきます。

インスリンは膵臓から出るホルモンで、資料では細胞のドアを開ける鍵のような役割と説明されています。鍵が足りないか、鍵があってもドアのたてつけが悪いかの違いが、先の2つの型に当たります。糖は鍵の助けを借りて細胞に入り、体が活動するためのエネルギーになります。

糖尿病の初期症状としてのどの渇きや多尿が出る理由

細胞に入れなかった糖は血液中にとどまり、やがて尿のほうへ回ります。資料では血糖値が160から180mg/dLまで高くなると尿の中に糖が出てくるとされています。個人差はありますが、ここが尿に糖が出始める目安になります。

尿に糖が出ると、糖と一緒に水分も引かれて尿の量が増えます。資料は血糖の上昇に伴って尿糖が排出され、尿の量が増えることで体の水分が失われて脱水になると説明しています。トイレが近くなるのと、のどが渇いて水をよく飲むのが同時に起こるのは、この流れが1本につながっているためです。ここまでの流れを分けて並べると、次の順になります。

  • インスリンが十分に働かず血液中に糖があふれる
  • 血糖が高くなり尿の中に糖が出る
  • 糖と一緒に水分が引かれて尿の量が増える
  • 体の水分が失われてのどが渇き、水をよく飲む

水を飲んでも落ち着かない渇きになるのは、水分が入ってくる一方で尿として出ていく量も増えるからです。飲んでも飲んでものどが渇くという訴えは、この往復が続いている状態を言い表しています。なお、食後だけ血糖が高くなる型は、空腹の状態で採血する健康診断では出にくいという指摘があります。

参考:糖尿病情報センター「糖尿病と関連する検査」/日本内分泌学会「1型糖尿病」

尿に糖が出ると水分も一緒に引かれて体に残る水分が減ることを、細い管でつないだ二つの容器で示した図

糖尿病の初期症状で体重が減る背景にあるインスリンの働き

体重が減るほうは、尿の量とは別の道筋です。インスリンの働きが足りないと、糖は細胞に入れずエネルギーとして使われません。体はエネルギーを蓄えられなくなり、結果として体重が落ちていきます。

食事の量を減らしていないのに体重が減る、ダイエットをしていないのに数か月で落ちたという形で気づかれることがあります。学会のガイドラインが典型的症状に体重減少を挙げているのは、こうした減り方が高血糖の下で起こるためです。

疲れやすさやだるさも同じ道筋から説明できます。糖がエネルギーに回らない分だけ、体が動くための燃料が足りない状態になります。体重減少とだるさが並んで出てくるのは、原因が同じところにあるためです。体重が減ったことを歓迎できる変化として受け取ってしまうと、気づく機会を1つ逃します。思い当たる理由がないまま減っているなら、減った量よりも減った理由のほうを確かめる順序になります。

2型糖尿病と1型糖尿病で違う初期症状の現れ方

ここまで見てきた道筋は、2型糖尿病の文脈です。資料では2型糖尿病は1型糖尿病よりもゆっくりと気づかないうちに発症し、ゆっくり進行する場合が多いとされています。症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進むのがこの型です。

1型糖尿病のほうは現れ方が違います。口渇、多飲、多尿、体重減少という症状自体は共通しているものの、症状は突然起こることが特徴とされ、前年の健診までは血糖値の上昇を指摘されなかったという患者がほとんどだと書かれています。生活習慣とは関係なく起こるため、受診の筋も別になります。

つまり、ゆっくり進む2型と急に症状が出る1型では、気づくきっかけがまったく違います。2型糖尿病で入口になるのは、健診や症状の変化から気づく流れのほうです。妊娠中に初めてわかった血糖の上昇は妊娠糖尿病と呼ばれ、かかりつけの産科への相談が入口になります。

参考:日本内分泌学会「1型糖尿病」/日本糖尿病学会「糖尿病ってどんな病気?」

糖尿病の初期症状はいつから出る?気づかないまま進む期間

糖尿病の初期症状はいつから出る?気づかないまま進む期間

初期症状がいつから出るのかという問いに、何年目から始まるという形の答えはありません。資料が示しているのは、発症からの年数ではありません。血糖が高い状態が続いたあとに症状が現れることが多いという順序です。この章では、その順番と気づくきっかけを整理します。

実際に糖尿病が見つかる経路は、大きく3つに分かれます。

見つかる経路 気づき方
健康診断の結果票 症状がないまま血糖やHbA1cの欄で指摘される
症状に気づいて受診 のどの渇きや体重減少などから受診して分かる
合併症の症状で受診 目や腎臓の変化を調べた結果として分かる

症状のない段階で健診から見つかる場合もあれば、高血糖による症状や合併症の症状をきっかけに見つかる場合もあります。何で気づいたかという問いの答えは人によって違い、健診という入口は症状の有無に関わらず開いています。

糖尿病の初期症状がほとんど出ないとされる理由

厚生労働省の解説にあるのは、糖尿病は初期にはほとんど症状がありませんという記述です。続けて、症状が出たときには糖尿病が進行してしまっていることが多いとあり、だからこそ年に1度は健康診査を受けて自分の血糖値を確かめる必要があるとされています。

厚生労働省の別の資料も、自覚症状は高血糖がかなり進行してから出現することが多いと書いています。症状が出ないのは体が丈夫だからではありませんが、症状がないことだけでは血糖がどの程度高いかは判断できません。

上がり方が急でないことも理由の1つです。血糖は長い時間をかけて少しずつ高くなっていくため、体が高い血糖に慣れていく形になり、変化として感じ取りにくくなります。

前の章でたどったとおり、のどの渇きや多尿は尿に糖が出る水準に達してから始まります。血糖が基準より少し高いだけの段階では、その水準に届いていないことが多いとされています。症状の有無だけでは、血糖の高さまでは分かりません。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」/厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 高血糖」

症状の出ない状態が長く続いたあとに症状が現れる順序を、一列に並んだ点で示した図

糖尿病の自覚症状が出た時点で手遅れなのか

ここまでの順序からすると、症状に気づいた時点では血糖の高い状態がすでに続いていたことになります。そうなると、気づいた時点では遅いのではないかという受け取り方が出てきます。ここは手遅れではない側に分かれます。まず、手遅れという言葉に対応する区分は資料にありません。糖尿病の資料が段階として分けているのは血糖の高さと合併症の進み方で、取り返しがつくかどうかという線引きは使われていません。

そして合併症のほうは、長い年数をかけてゆっくり生じてくるものとして説明されています。症状に気づいた時点が合併症が出来上がった時点というわけではないため、症状に心当たりがある段階はまだ検査と対応の順番の中にあります。

逆に、遅くなるのは症状に気づいたあとで何もしない場合です。心当たりがあるのに検査を受けないままにすると、血糖が高い状態がそのまま続きます。手遅れかどうかを決めるのは症状が出た時点ではなく、そのあと検査を受けるかどうかのほうです。

隠れ糖尿病と呼ばれる初期症状が出ない状態

隠れ糖尿病という呼び方で語られているのは、自覚症状が出ていないのに血糖が高くなっている状態です。病名として定められた言葉ではなく、症状が出ないまま進む性質を言い表すために使われています。

この状態はセルフチェックの項目では見つかりません。チェックできるのは症状の有無で、血糖の高さは測らないと分からないためです。項目に1つも当てはまらないという結果は、血糖が高くないことの確認にはなりません。

だからこそ、症状が出ていないという事実は受診を見送る根拠になりません。資料が年に1度の健診をすすめているのは、症状という入口が働かない期間があることを前提にしているからです。健診を受けていない期間が続いているなら、症状の有無とは別に血糖を測る機会をつくる形になります。

池袋かめさん内科では、血液検査(HbA1c・空腹時血糖値)による糖尿病のスクリーニングを実施しております。健康診断で血糖値の異常を指摘された方や、のどの渇きや多尿などの症状に心当たりのある方は、早めの受診をおすすめいたします。池袋・目白エリアのかかりつけ内科として、予約なしでの当日受診にも対応しております。健診結果で再検査を指示された方のご相談も承っております。

女性に出やすい糖尿病の初期症状と年齢による出方の違い

女性に出やすい糖尿病の初期症状と年齢による出方の違い

女性の場合に別立てで挙げられる症状があるのは、感染症の起こりやすさに男女差があるためです。この章では資料が男女差を示している部分と、年代によって出方がどう変わるのかを分けて見ていきます。男性に当たる部分も対にして置きます。

女性の糖尿病の初期症状に挙げられる繰り返す膀胱炎やカンジダ膣炎

糖尿病でかかりやすい感染症のうち、頻度が高いのは尿路の感染症だと資料は書いています。膀胱炎と急性腎盂腎炎がその代表です。

男女差はここで数字として出ています。膀胱炎は糖尿病の男性では約5%、女性では約10%にみられるとされています。女性に出やすいという言い方の根拠は、この差に当たります。尿路の感染症で現れる症状として並べられているのは、次の4つです。

  • 頻尿
  • 残尿感
  • 高熱
  • 寒気

このうち頻尿は糖尿病そのものの症状とも重なるため、尿の回数が増えた理由が高血糖なのか感染なのかは症状だけでは分かれません。どちらであっても確かめ方は検査になります。手がかりになるのは繰り返し方です。膀胱炎を何度も繰り返す、治っても短い間隔で戻るという形が続いているなら、感染そのものの治療と並行して血糖を測る意味があります。神経の働きが落ちて排尿がうまくいかず尿が滞る場合も、感染しやすさにつながると説明されています。

参考:糖尿病情報センター「糖尿病と感染症のはなし」

女性の糖尿病の初期症状で出る陰部のかゆみやおりものの変化

陰部については、資料が陰部や爪、趾間のカンジダ症になりやすいと書いています。かゆみやおりものの変化として受け取られる変化の中身は、資料の側ではカンジダ症という形で説明されていることになります。

一方、おりものの性状そのものを糖尿病の初期症状として挙げた公的な資料は見当たりません。書かれているのはカンジダ症になりやすいという段階までで、どういうおりものなら糖尿病なのかという見分け方は示されていません。見た目で判断する材料はないと考えたほうが実際に近いです。

陰部のかゆみが繰り返している場合、婦人科で感染そのものを診てもらう流れと、血糖を測る流れは両立します。カンジダ症は抗真菌薬で治療されますが、繰り返す背景に血糖の高さがあるなら、そちらを確かめないまま同じことが続きます。

全身の皮膚のかゆみについては前の章で扱いました。陰部に限った症状と全身の皮膚の症状は、資料の上でも別の項目として並んでいます。症状の出ている場所が違えば、相談する科も変わります。生理の周期に合わせて症状が変わるかどうかを気にする方もいますが、周期との関係を示した記述は資料にありません。周期で変わるかどうかよりも、繰り返しているかどうかのほうが手がかりになります。

糖尿病の初期症状は年代によって出方が違うことを示した帯

20代や高齢者で違う糖尿病の初期症状の出方

年代による違いは、インスリンを出す力の変化から説明されています。資料は加齢に伴いインスリン分泌能が低下するため、2型糖尿病は成人発症がほとんどだとしています。年代が上がるほど起こりやすくなる形です。

20代でも起こるのかという問いには、起こり得るという答えになります。2型糖尿病は肥満のある人に多く発症するとされる一方で、肥満していなくてもインスリンの効きが悪い人には発症する可能性があると書かれています。若い年代で急に口渇や多尿が出た場合は、症状が突然現れる1型糖尿病のほうも考えられる組み合わせです。

年代 資料が示している傾向
20代・30代 成人発症が中心だが、年齢だけで起こらないとはされていない
中高年 2型糖尿病が多い年代として扱われている
高齢者 インスリンを出す力が落ちる分、起こりやすい側に入る

高齢の方の場合は、年齢による体の変化と症状が重なって見分けにくくなります。トイレが近い、疲れやすい、体重が落ちたという変化はどれも年齢のせいとして説明がついてしまうため、症状の側から気づく道が年代が上がるほど細くなると言えます。健診や通院で血糖を測ることが、症状だけでは分からない変化を確かめる機会になります。

男性については、2型糖尿病はわが国ではやや男性に多いことが知られていると書かれています。膀胱炎の頻度は女性のほうが高く、糖尿病そのものは男性のほうが多いという形で、男女差は項目によって向きが変わります。ただし、こうした男女差だけで個々の症状の原因を判断することはできません。

参考:日本内分泌学会「2型糖尿病」

のどの渇きや体重減少は糖尿病の初期症状だけ?考えられる他の原因

のどの渇きや体重減少は糖尿病の初期症状だけ?考えられる他の原因

ここまでは症状の側から糖尿病を見てきましたが、この章では向きを変えます。同じ症状が糖尿病以外の原因で出ている場合を扱い、どこまでが糖尿病の話でどこからが別の話なのかを分けます。症状が重なる範囲は広く、ここが迷いの元になりやすい部分です。

そもそも、ある血糖値を超えたらこの症状が出るという線は引かれていません。厚生労働省の資料は、血糖値がいくつ以上になるとこれらの症状が出現するのか、明確な閾値は示されていないと書いています。症状から血糖の高さを逆算する方法はないということになります。症状ごとに、糖尿病以外で名前が挙がるものを対にしてみます。

症状 糖尿病以外で考えられるもの
頻尿・残尿感 尿路の感染症
手足のしびれ 脊柱管狭窄症や頸椎症・腰椎症・脳梗塞
疲れやすさ・だるさ 貧血

症状が重なるときに必要なのは、症状をさらに細かく観察することではありません。重なっている症状のどれが血糖の高さから来ているのかは検査でしか分かれません。血糖やHbA1cなどの検査を受けておけば、症状の数とは無関係に今の血糖の状態が分かります。

のどが渇くのが糖尿病の初期症状以外のときに考えられる病気

のどが渇くという症状は、糖尿病を含まない検索のほうが多い症状です。水を飲んでも渇く、いくら飲んでも渇くという訴えもよく並びます。この症状単独で糖尿病と結び付けられる資料はありません。

糖尿病の側から言えるのは、尿に糖が出て尿の量が増えた結果として渇くという道筋があるという点だけです。したがって渇きが糖尿病由来かどうかを見るときは、渇きの強さではなく尿の量や回数が一緒に増えているかどうかが手がかりになります。

トイレの回数が増えているほうは、尿路の感染症でも起こります。資料は尿路の感染症の症状として頻尿、残尿感、高熱、寒気を挙げていて、頻尿だけでは高血糖と感染が区別できません。熱や寒気が一緒に出ているなら感染の側が先に疑われます。

渇きと尿の変化がそろっていて、思い当たる理由がない場合に検査の出番があります。先に書いたとおり症状が出る血糖の線は示されていないため、症状の組み合わせから当たりをつけたあとは、測って確かめる以外の方法が残りません。

ストレスや自律神経の乱れが原因だと説明する情報も見かけますが、その説明が当たっているかどうかも検査を受けないと分かれません。原因の候補を増やしていくより、糖尿病かどうかという1つの線だけ先に片付けるほうが残りが絞れます。

のどの渇きという同じ症状から、糖尿病とそれ以外の複数の原因へ分かれることを示した図

手足のしびれが糖尿病の初期症状でない場合の原因

手足のしびれは、糖尿病以外の原因のほうが幅広い症状です。資料も神経の障害は糖尿病以外の病気でも生じるとしていて、例として脊柱管狭窄症や頸椎症・腰椎症、脳梗塞などを挙げています。糖尿病の神経障害を診断するときには、糖尿病以外の病気による症状でないことを確認することもあると書かれています。

見分けの手がかりとして資料の記述から読み取れるのは、出方の対称性です。糖尿病の神経障害で挙げられているのは両側の足先から始まるしびれで、左右がそろって足の先から広がる形が基本になります。片側だけ、あるいは手だけという出方は、別の原因から調べたほうが筋が通ります。

しびれが先に出ているときは、しびれそのものを相談する科と、血糖を測る流れが並行します。しびれの原因がはっきりしないまま時間が過ぎている場合は、血糖の検査が済んでいるかどうかを確かめておくと、絞り込みの材料が1つ増えます。

参考:糖尿病情報センター「神経障害」

体重減少と体重増加のどちらが糖尿病の初期症状にあたるのか

体重については、増えるほうが症状だと受け取られていることが多いのですが、資料が症状として挙げているのは体重減少です。学会の典型的症状も体重減少で、増加は入っていません。

糖尿病で体重が増えるのは症状ではなく背景

体重の増加は、症状ではなく発症前の背景として扱われています。肥満があるとインスリンが働きにくくなるため、体重が増えている状態は発症しやすさの側に置かれます。症状として現れるのは、そのあとに血糖が高くなってから減っていく動きのほうです。

やせている人は関係ないという読み方もできません。厚生労働省の解説は、日本人ではやせていても糖尿病になりやすい人がいるため、肥満や過体重のない人でも注意が必要だと書いています。痩せ型だから大丈夫という前提は資料に支えられていません。

体重が減ってだるいという組み合わせが続く場合、糖尿病以外に貧血でも同じ形になります。だるさの原因が血液のほうにあるかどうかは、貧血の数値はいくつからで扱っている検査値で分かれます。どちらにしても血液検査が入口になる点は共通しています。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」

糖尿病の初期症状のセルフチェックと当てはまった後の進め方

糖尿病の初期症状のセルフチェックと当てはまった後の進め方

症状を自分で確かめる形にすると、当てはまる項目を数えて判定したくなります。この章では確かめる項目を並べたうえで、その結果が何を表していて何を表していないのかを押さえ、当てはまったあとに何をするのかという進め方まで通します。

糖尿病の初期症状のセルフチェックで確かめる項目

確かめる値はないので、確かめるのは変化のほうです。ここ数か月を振り返って、次の項目に心当たりがあるかを見ます。

  • のどが渇いて水やお茶を飲む量が増えていないか
  • トイレに行く回数や尿の量が増えていないか
  • 思い当たる理由がないまま体重が減っていないか
  • 疲れやすさやだるさが続いていないか
  • 皮膚のかゆみや感染を繰り返していないか
  • 直近の健康診断で血糖やHbA1cの欄に指摘が付いていなかったか

最後の項目だけ性質が違います。症状の5項目は体の変化で、健診の項目は数値の記録です。前者が1つも当てはまらなくても後者に心当たりがあるなら、確かめる理由はそちらで立ちます。

糖尿病のセルフチェックで当てはまった数は点数にしない

当てはまった数を点数にして判定する形は採りません。1つだけ当てはまる人と4つ当てはまる人のどちらが糖尿病に近いのかを示した資料がないためです。数えて安心したり不安になったりするための道具ではなく、検査を受ける理由が自分にあるかどうかを確かめるための項目として使います。

糖尿病の初期症状のチェックの使いどころ

症状の項目に当てはまるものがあった場合は、受診する理由になります。
当てはまるものが1つもない場合は、糖尿病ではないという結論にはなりません。初期にはほとんど症状が出ないため、症状の側から見つからない期間が実際にあります。
健診を受けていない期間が続いているなら、症状の有無とは別に血糖を測る機会が必要です。

糖尿病の初期症状のチェックが診断ではない理由

チェックが診断にならない理由は、見ているものが違うからです。チェックが見ているのは症状の有無で、診断が見ているのは血糖とHbA1cの値です。症状が出始める血糖値には明確な境目が示されていないため、症状の数から血糖値を推定することはできません。

発症のリスクを予測するツールも公開されていますが、厚生労働省はこの種のツールについて、予測の結果はもとになっている対象集団や時代の背景などで異なるため、確定した数字としてではなく参考として見るものと書いています。ツールが出す数字は、自分が糖尿病かどうかを判定した値ではありません。

このことは裏返すと、チェックで安心を得ようとすると目的を外すという話になります。チェックは受診するかどうかの判断を助ける道具で、結論を出す道具ではありません。結論のほうは検査が出します。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「健康セルフチェック」

糖尿病の初期症状が当てはまったときにすすめられる検査

当てはまる項目があったときにすることは1つで、医療機関で血液検査と尿検査を受けることです。自分で選ぶ必要はなく、症状を伝えれば必要な項目は受診先で組まれます。薬局で尿糖を調べるキットを買うこともできますが、資料は自分で簡易検査をして糖尿病の可能性があると分かった場合には、できるだけ早く医療機関を受診して正式な検査を受けるようすすめています。簡易検査は入口を増やすもので、診断を置き換えるものではありません。

逆に、簡易検査で何も出なかったという結果を受診しない理由にはできません。尿へ糖が出始めるのは血糖がある程度高くなってからなので、そこに届いていない段階では陰性になります。自分で測った結果が陰性でも、血液検査のほうで分かることは残っています。

セルフチェックの役目は、ここで終わります。当てはまったら測るところまで進むという順序を押さえておけば、項目を見直して悩む時間を検査の予約に回せます。受診先や検査の中身を細かく調べる前でも、症状に心当たりがあるという一言だけで相談は始められます。

糖尿病の初期症状に気づいたときに受ける検査

糖尿病の初期症状に気づいたときに受ける検査

心当たりのある症状が糖尿病から来ているのかどうかは、血液検査の血糖とHbA1c、尿検査の尿糖で確かめます。どの検査が何を映しているのか、健診の項目とどう違うのかを順に見ていきます。

3つの検査が映しているものを並べると、役割の違いがはっきりします。

検査 分かること
血糖(血液検査) 採血した時点の血糖の濃さ
HbA1c(血液検査) 過去1、2か月分の血糖のあらまし
尿糖(尿検査) 血糖が高くなって尿に糖が出ている状態かどうか

その場の値を見る検査と、少し前までの平均を見る検査が組み合わされているのがこの3つの関係です。だから1つの検査だけでは分からないことが残ります。

糖尿病の初期症状を調べる検査でできること

心当たりのある症状が糖尿病から来ているかどうかは、血液検査と尿検査で確かめられます。
症状が1つも出ていない段階でも、同じ検査で血糖の状態は分かります。
症状の数や強さだけでは血糖の状態は判断できないため、症状がそろうのを待たずに相談できます。

糖尿病の初期症状を調べる血液検査で測る血糖とHbA1c

糖尿病の初期症状を調べる血糖の検査

血糖は、血液を採取した時点のブドウ糖の濃さを表します。食後は空腹のときと比べて高くなることが多いため、空腹時の値を知りたい場合は食事や糖分を含む飲み物を控えるよう指示されることがあります。いつ採血したかで意味が変わるのがこの項目の性質です。

糖尿病の初期症状を調べるHbA1cの検査

HbA1cのほうは、過去1、2か月分の血糖のあらましを反映します。厚生労働省の解説は、血糖は食事の影響を受けるのに対してHbA1cは直前の食事の影響を受けにくいため、糖尿病の指標として検査でよく利用されていると書いています。

この違いが検査の組み方に出ます。採血した日の食事を控えて血糖を測り、同じ採血でHbA1cも測れば、その日の状態と少し前からの状態が同時に分かります。症状が出ている期間と数値の動きを重ねて見られるのが血液検査の役目です。数値がどの範囲に入っていたら何を意味するのかは、健診の結果票の判定区分と合わせて読むほうが分かりやすい部分です。区分や数値の読み方はHbA1cを下げるには?にまとめています。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」

その日の血糖と数か月の平均は同じ採血でも映している時間の幅が違うことを、同じ枠を三枚重ねて示した図

糖尿病の初期症状で調べる尿検査の尿糖

尿検査で見るのは尿糖です。血糖が高くなって尿に糖が出ている状態かどうかが分かります。先に見たしくみのとおり、尿へ糖が回るのは血糖がある水準を超えてからなので、尿糖が出ているときは血糖がその水準を超えているという読み方になります。

採尿の方法によって見えるものも変わってきます。資料は食前の尿を調べる方法と、食前に排尿したうえで食後2時間の尿を調べる方法を挙げています。どちらで調べるかは受診先の指示に合わせ、血液検査の結果と組み合わせて判断されます。

尿糖のキットは薬局でも入手できますが、自分で調べて可能性が分かった場合はできるだけ早く医療機関を受診するよう資料はすすめています。尿糖だけでは糖尿病の診断にはならないため、血液検査と組み合わせる前提の項目です。尿が泡立つという変化は尿の蛋白のほうと関わるもので、尿糖とは別の項目になります。

健康診断で測る項目と糖尿病の初期症状の検査の違い

健康診断でも血糖は測られています。厚生労働省の解説は、特定健康診査では食事をとらずに測った血糖値のほか、HbA1cの検査を行うことがあると書いています。症状があるときに受ける検査と、健診で測る項目はここで重なります。

違いは、何のために測るかです。健診は症状のない人も含めて広く拾うために決まった項目を測り、症状があるときの検査は症状の説明がつくかどうかを見るために組まれます。同じ項目でも、結果を受けて次にすることが変わるのがこの違いです。受診のときに手元にあると役立つのは、次の3つです。

  • 健康診断の結果票(前回の分もあれば一緒に)
  • 心当たりのある症状と、気づいた時期
  • 服用中のお薬が分かるもの

もう一つの違いは、受けられる時期です。健診は年に1回など決まった時期に回ってきますが、症状があるときの検査は受診して相談するところから始められます。次の健診を待たずに検査について相談できるという点が、症状に心当たりがある場合の扱いです。

健診の結果票が手元にあるなら、症状を相談するときに持っていくと話が早くまとまります。前回の値と今回の値を並べられると、血糖が高くなってきた時期の見当がつくためです。健診そのものの受け方は健康診断の前日の食事と飲酒の記事にまとめています。

糖尿病の診断基準で糖尿病型と予備軍が分かれる検査値

診断に使われる検査値は、血糖とHbA1cです。学会のガイドラインは血糖の値によって正常型・境界型・糖尿病型の3つに分けていて、境界型は糖尿病予備軍とも呼ばれます。

区分 扱い
正常型 基準の範囲に入っている状態
境界型(糖尿病予備軍) 正常より高いが糖尿病型には達していない段階
糖尿病型 糖尿病の疑いとされる範囲

診断の進み方は1通りではありません。ガイドラインは糖尿病型を2回確認することを条件としていますが、この2回が別の日に限られているわけではなく、同じ日の検査結果と典型的症状の有無などを組み合わせて判断される場合もあります。2回のうち1回は血糖値で確認するものとされ、HbA1cだけを繰り返した検査での診断は認められていません。

糖尿病型とされる基準も1つではありません。空腹の状態で測った血糖、食事のタイミングに関係なく測った血糖、HbA1c、ブドウ糖を飲んだあとの血糖という4つの基準が用意されていて、どれか1つを満たせば糖尿病型という組み方になっています。どの基準で引っかかったかによって、次に受ける検査も変わります。

区分を分ける具体的な数値は、健診の結果票の読み方と一緒に見るほうが分かりやすい部分です。どの数値がどの区分に当たるかは先に挙げた記事にまとめています。ここで押さえておくのは、診断は検査の値と症状を組み合わせて判断されること、そして予備軍という段階が区分として用意されていることの2点です。

参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024 1章 糖尿病診断の指針」

糖尿病の初期症状は何科を受診する?いつ行くかの目安

糖尿病の初期症状は何科を受診する?いつ行くかの目安

検査を受けると決めたあとに残るのが、どこへ行けばよいのかという問いです。入口はかかりつけの内科で足ります。この章では相談先の選び方と、受診に踏み出す線の引き方、急ぐ必要がある場合の見分け方を分けて見ていきます。

相談先 どういうときに向くか
かかりつけの内科 症状に心当たりがある・健診で指摘された
内科(かかりつけがない場合) 血液検査と尿検査を受けられる近くの医療機関
糖尿病内科・内分泌代謝内科 専門的な診療が必要と判断されたあと

糖尿病の初期症状の相談先になる内科や糖尿病内科

学会の資料は、糖尿病を専門的に診る医師が糖尿病科・糖尿病内科・内分泌代謝内科などの標榜を掲げて診療していると書いています。内科の中で専門的な診療を行っている場合もあるとされ、標榜名だけで区切られているわけではありません。

同じ資料は、病状が安定していれば糖尿病の診療は一般のかかりつけ医のもとで受けられることも多いとも書いています。専門的な外来への受診を希望する場合は、かかりつけの医師に相談したうえで紹介してもらう流れが示されています。

したがって、症状に心当たりがある段階でいきなり専門の外来を探す必要はありません。最初の血液検査と尿検査は内科で受けられるので、通いやすい内科で測ってもらうところから始められます。

資料は、専門的な診療を行う医師が糖尿病を専門としないかかりつけ医と連携して診療や助言を行っているとも書いています。専門的な診療が必要になった場合には、かかりつけ医から紹介を受ける流れが示されています。最初の相談の時点で、そのあとの専門外来まで決めておく必要はありません。

かかりつけがない場合は、血液検査と尿検査に対応している近くの内科を選べば足ります。何科かで迷って受診が遅れるほうが、相談先の選び方を間違えるよりも不利に働きます。

参考:日本糖尿病学会「糖尿病専門医とは」

糖尿病の初期症状が続くときに受診を決める目安

受診に踏み出す線をどこに引くかですが、症状が何日続いたらという形の線は資料に示されていません。代わりに資料が受診を指示しているのは、健診や検査の判定が糖尿病型に当たったときです。

糖尿病の初期症状より健診の結果票のほうが線を引きやすい

健康診断の結果票で血糖やHbA1cの欄に指摘が付いている場合、そこが受診の線になります。判定区分そのものが受診を促す仕組みになっているため、症状の有無で迷う必要がありません。結果票の指摘は、症状より先に出る受診の合図として使えます。

症状の側から線を引くなら、日数ではなく心当たりの有無で見ます。のどの渇きや尿の量の増加、理由の分からない体重の減少などに心当たりがあるなら、症状がそろうのを待たずに相談するのが受診の入口になります。資料も、糖尿病の症状をみとめる方は早めに医療機関を受診するようすすめています。

糖尿病の初期症状で受診に踏み出す線

健康診断の結果票で血糖やHbA1cの欄に指摘が付いている。
のどの渇きと尿の量の増加がそろっている、または理由の分からない体重の減少がある。
健診を受けていない期間が続き、血糖の状態を確かめる機会がない。

糖尿病の初期症状で早めの受診がすすめられる状態

症状の出方が急な場合は、順番が変わります。のどの渇きが強くて清涼飲料水やジュースを大量に飲み続けている、短い間に体重が目立って落ちた、という状態は血糖が著しく高くなっているときの現れ方です。この場合は日を置かずに受診する側に入ります。

砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣は、それ自体が糖尿病のリスクを高めるものとして資料に挙げられています。渇きを甘い飲み物でしのぐと、渇きの原因である高血糖がさらに進む組み合わせになります。渇きが強いときの水分は、糖分を含まないものに替えておくほうが無理がありません。

急に症状が強く出ているときは、かかりつけがあるかどうかを気にせず、受診できる内科へ連絡する形で構いません。症状が急に出ている場合に限っては、検査の段取りよりも受診の早さが先に来ます。

糖尿病の初期症状が進んだときに起こる三大合併症

糖尿病の初期症状が進んだときに起こる三大合併症

はじめに言葉を正しておきます。進んでいくのは血糖が高い状態のほうで、症状そのものが進んで合併症になるわけではありません。症状が軽いまま合併症が出てくることもあるため、症状の強さと合併症の進み方は別に見ます。この章では概観を押さえます。

三大合併症として数えられているのは次の3つです。

三大合併症 傷つく場所
糖尿病網膜症 目の網膜の細い血管
糖尿病性腎症 腎臓の細い血管
糖尿病神経障害 末梢の神経とそれに栄養を送る血管

どれも細い血管が傷つくことから起こるという共通点があり、血糖が高い状態が続いた年数と関わります。

資料では、細い血管が傷つけられて起こる合併症を神経・目・腎臓の頭文字から「しめじ」と覚える言い方が紹介されています。太い血管のほうから起こる心筋梗塞や脳梗塞は別の枠で、こちらは高血圧や脂質の異常、喫煙なども重なって進みます。

糖尿病の三大合併症に数えられる網膜症や腎症

厚生労働省の解説は、糖尿病が進行すると動脈硬化が進んで脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなるとし、三大合併症として網膜症・腎症・神経障害を挙げています。失明や透析につながる病気でもあると書かれています。

目のほうは、視力の低下などの自覚症状が出るのが遅い点が特徴です。症状が出てから眼科へ行く形では見つかる時期が遅くなるため、糖尿病と診断された人には症状の有無によらず定期的な眼科の検査がすすめられています。

腎臓も同じ性質を持っています。腎臓の働きが落ちていく過程では痛みも自覚症状も出にくく、血液や尿の検査の数値で分かる段階が先に来ます。合併症の側も、症状より検査のほうが先に動く構造になっています。

糖尿病の初期症状の手足のしびれが神経障害にあたるのか

初期症状の一覧に並んでいる手足のしびれは、合併症のどこに当たるのかという問いが残ります。答えは、しびれは神経障害の側で説明されている症状だということです。糖尿病情報センターがこの症状を挙げているのは、神経障害の解説のなかです。

手足のしびれを初期症状ではないと言い切らない理由

とはいえ、しびれは初期症状ではないと切り捨てられる症状でもありません。医療機関の説明では初期症状として並べられていますし、しびれをきっかけに受診して糖尿病が見つかる場合もあります。資料の分類と、受診のきっかけとしての働きは別の話です。

神経障害で挙げられている症状は、手足のしびれだけではありません。資料では、胃腸の動きに関わる自律神経が障害されると便秘や下痢が起こりやすくなるとされています。血圧を調整する神経の障害では、急に体を起こしたときのたちくらみが出やすくなるとも書かれています。便秘や下痢、たちくらみも神経障害の側に並んでいる項目です。

資料は、糖尿病を発症してからの年数が神経障害の発症と関わるとしています。年数が関わるということは、しびれが出ている時点では血糖が高い状態がある程度続いていた可能性があるという読み方になります。しびれを初期症状と呼ぶかどうかにかかわらず、気づいた時点で血糖を測って確かめるという行動は変わりません。

糖尿病の合併症が問題になるまでの経過

経過については、資料が数年から数十年の経過でゆっくり生じてくると書いています。何年で何が起こるという形の線は引かれておらず、幅のある書き方です。

同じ資料は、かなり進行するまで症状が出ない場合もあるとし、気づかないまま合併症が進むと時として命にかかわる重い状態になることもあると書いています。症状の有無が合併症の進み方を映さないという点は、初期症状の話とそのまま重なります。合併症を起こさない、悪くしないために大切なこととして、資料は次の5つを並べています。

  • 血糖値を適切な値にする
  • 糖尿病の治療を中断しない
  • 血圧・コレステロールの値を望ましい範囲にする
  • 喫煙をしない
  • 体重を望ましい範囲にする

したがって、合併症を遠い話として扱わないことが大切になります。資料が挙げている5つはどれも血糖が高い状態を放置しないための項目で、症状に心当たりがある段階で検査を受けることがその入口になります。

参考:糖尿病情報センター「糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう」

糖尿病の初期症状に心当たりがある方への池袋かめさん内科の診療

糖尿病の初期症状に心当たりがある方への池袋かめさん内科の診療

池袋かめさん内科は、池袋・目白エリアのかかりつけ内科です。症状に心当たりがあって確かめたい方のご相談と、健診で検査値の異常を指摘された方の再検査を承っております。ここでは当院で受けられる検査の内容と、費用の目安をまとめます。

当院で行っていること 内容
糖尿病のスクリーニング 血液検査(HbA1c・空腹時血糖値)
健診後の相談 血糖値の異常を指摘された方の受診に対応
毎月通院する場合の費用 診察+30日分の処方箋 およそ1,600円

池袋かめさん内科で行う糖尿病のスクリーニングの血液検査

当院では、血液検査(HbA1c・空腹時血糖値)による糖尿病のスクリーニングを実施しております。先に見た血糖とHbA1cが、そのまま検査の内容に当たります。健康診断で血糖値の異常を指摘された方や、のどの渇きや多尿などの症状に心当たりのある方は、早めの受診をおすすめいたします。症状がそろっていなくても、心当たりがあればご相談いただけます。

糖尿病の初期症状の相談で持参すると話が早いもの

健康診断の結果票をお持ちの方は、受診の際にご持参ください。お持ちでない場合も、心当たりのある症状をお伝えいただければ検査の組み立てはできます。

当院は予約なしでの当日受診にも対応しております。池袋・目白エリアのかかりつけ内科として、女医も在籍しております。糖尿病の診療内容は池袋かめさん内科の内科診療のページに、初期症状・検査・治療の順でまとめています。

健診結果で再検査を指示された方の糖尿病の相談

当院では、健診結果で再検査を指示された方のご相談も承っております。対応しているのは、血糖値の異常(糖尿病の疑い)、中性脂肪やコレステロール値の異常、尿酸値の異常、肝機能の異常、腎機能の異常、高血圧、肥満の指摘です。健診の結果票で複数の項目に印が付いている場合も、まとめてご相談いただけます。

費用の面では、再検査は保険診療で受けられる場合がほとんどですので、結果が気になる方はお早めにご来院ください。健康診断と健診後の検査の内容は、健康診断・各種検査のページでご案内しております。症状に心当たりがある方と健診で指摘された方では入口が別々ですが、どちらのご相談も承っております。

糖尿病で毎月通院する場合の費用の目安

通院が続く場合の費用は、目安をお示ししています。高血圧や糖尿病で毎月通院されている場合、診察+30日分の処方箋でおよそ1,600円です。検査の内容や保険の負担割合によって金額は変わりますので、上記は毎月の通院が続く場合の目安としてご覧ください。料金の一覧は料金のページに掲載しています。

治療については、食事療法と運動療法が基本になります。食事と運動だけでは血糖値のコントロールが不十分な場合は、内服薬やインスリン注射などの薬物療法を併用いたします。当院には糖尿病を専門に診る医師は在籍しておりませんが、食事・栄養指導を重視した生活改善のサポートまで行っております。受診のきっかけは、症状が気になるというだけで十分です。まずは検査で今の状態を確かめるところからご相談ください。

糖尿病の初期症状でよくある質問

糖尿病の初期症状でよくある質問

初期の糖尿病は治りますか?

公的な資料には、この問いに言い切る形で答えた記述がありません。学会の市民向けの解説にある言い方は、食事療法だけで良好な糖尿病のコントロールが得られたり、経口薬や注射薬を使用している場合には薬の量を減らすことができたりする、というものです。

学会のガイドラインには寛解という語があります。糖尿病の薬を使わない状態で、血糖の指標が糖尿病型とされる線を下回ることを指す言葉です。この線の数値そのものは、健診の結果票の読み方と合わせて見るほうが分かります。

ガイドラインには、過体重や肥満を伴う2型糖尿病で減量を行った研究について、同程度の減量であっても、年齢が若く、糖尿病を発症してからの期間が短いほど寛解を得やすいとの報告もあると書かれています。一方で、寛解率は時間がたつと徐々に低下するという記述もあります。

この研究が対象にしているのは過体重や肥満を伴う方の減量なので、読者ご自身の前提と一致するとは限りません。薬を減らせるかどうかは個別の状態によります。まず血液検査と尿検査で今の状態を確かめるところが出発点です。

参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024 3章 食事療法」/日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024 13章 肥満を伴う糖尿病」

糖尿病の初期症状は自分でわかりますか?

わからない期間があります。2型糖尿病について資料は通常症状はないとし、高血糖が著明になると口渇、多飲、多尿、体重減少といった典型的症状が出現する可能性もあると書いています。つまり、自分でわかるのは血糖がかなり高くなってからです。症状がない間の血糖の変化は、自覚症状だけでは分かりません。こうした変化を調べる機会になるのが健康診断の採血で、症状がない人も含めて血糖とHbA1cを測る仕組みになっています。

自分で確かめられる範囲は、のどの渇きや尿の量、体重の変化といった日常の変化までで、血糖の高さそのものは入りません。そこに心当たりがあれば受診する理由になりますが、心当たりがないという結果は血糖が高くない証明にはなりません。わかる・わからないという問いの立て方を、測った・測っていないに置き換えるほうが先に進みます。

自分でわかるかどうかという問いは、血糖を測ったかどうかに置き換わることを示した帯

糖尿病の検査は保険が使えますか?

症状があって受診する場合や、健康診断で指摘を受けて再検査を受ける場合は、保険診療の対象になります。当院でも再検査は保険診療で受けられる場合がほとんどです。自己負担の額は、保険の負担割合や同じ日に受ける他の検査の内容で変わります。検査1項目あたりいくらという形でお示しできる金額はありませんので、気になる場合は受診の際にお尋ねください。

症状がないまま自分の希望で検査だけを受ける場合は、扱いが変わることがあります。保険が使えるかどうかは、医療機関を受診する理由があるかどうかで分かれます。この場合も、健康診断という枠で受けられる検査に血糖とHbA1cは含まれていますので、健診の機会を使う手が残ります。職場や自治体の健診を受ける予定があるなら、その結果票を持って相談するほうが負担は軽くなります。

糖尿病の検査の前は食事をとらないほうがよいですか?

受診先の指示に合わせるのが基本です。空腹時の血糖値を知りたい場合には、資料でも10時間以上、食事や糖分の含まれた飲み物を取らないように指示されることがあるとされています。

ただし、自己判断で絶食して受診する必要はありません。HbA1cは直前の食事の影響を受けにくい項目なので、食事をとった状態でも測れます。採血の時期や食事の制限は受診先の指示に合わせる形になりますので、症状を伝えて相談するところから始められます。

受診を決めたら、予約の電話や受付の際に食事を控える必要があるかを確認しておくと、受診に向けた準備ができます。午前の早い時間帯を選べば、空腹の状態で受けやすくなります。糖分を含む飲み物を控えるという点だけは、渇きが強いときにも当てはまります。水やお茶で水分をとるぶんには、検査への差し支えはないと考えて構いません。

検査の前に食事をとったかどうかで測るものが変わることを示した帯

糖尿病予備軍でも初期症状は出ますか?

ほとんど出ません。予備軍と呼ばれる段階は、正常より血糖が高いものの糖尿病型とされる範囲には達していない状態です。尿に糖が出る水準にも届いていないことが多いため、のどの渇きや多尿だけを手がかりに予備軍かどうかを判断することはできません。

症状が出てくる位置が血糖の高さのあとに来るという順序は、予備軍の段階にもそのまま当てはまります。予備軍は、その順序の途中にあたる位置です。症状が出ないからこそ、予備軍は健康診断の採血で見つかる段階として扱われています。

症状がないことを根拠に様子を見てよいとは言えません。予備軍の段階で生活を見直すと糖尿病の発症を防げる場合があるとされていますので、健診で指摘を受けた時点が動きどきになります。症状が出るのを待つ形にすると、動き出す時期は血糖の高い状態が進んだあとへずれ込んでしまいます。

糖尿病の初期症状は20代でも出ますか?

出ることがあります。2型糖尿病は成人での発症が中心とされていますが、若い年代でも発症する可能性があります。やせている人でもインスリンの効きが悪ければ起こり得ると書かれています。

20代で症状が急に強く出た場合は、2型とは別の型も考えられます。症状が急に出たかどうかは原因を考える手がかりになるため、どの症状がいつから出ているのかを受診時に伝えると役立ちます。

年齢で自分を外さないほうが安全です。20代で症状に心当たりがある場合は、年齢を理由に待たずに受診する側に入ります。健診を受ける機会が就職の前後で途切れていることも多いので、最後に血糖を測った時期を思い出せるかどうかが分かれ目です。

年齢を理由に受診を見送らないことを示した帯

家族に糖尿病の人がいると初期症状は出やすいですか?

資料が示しているのは、症状の出やすさではなく糖尿病の発症しやすさです。資料は2型糖尿病について遺伝するとし、過去の疫学研究では2型糖尿病の患者の兄弟姉妹では2倍から3倍、両親がともに2型糖尿病である場合その子供は3倍から4倍発症すると書いています。

したがって、家族歴がある方で変わるのは検査を受ける間隔の考え方です。症状が出るのを待つのではなく、健診を毎年受けて血糖とHbA1cの値を並べていくほうが向いています。

家族歴そのものは変えられない要因ですが、血糖が高い状態に気づく時期のほうは検査の受け方で変わります。心当たりのある症状がなくても、確かめる機会を毎年1回は確保しておく形になります。家族の方が診断を受けた年齢が分かっていれば、それも受診の時期を考える手がかりの1つです。

参考:日本内分泌学会「2型糖尿病」

糖尿病の初期症状〜まとめ〜

公的な資料や医療機関の説明で初期症状として名前が挙がるのは、のどの渇き・多飲、頻尿・多尿、疲れやすさ・だるさ、体重が急に減る、手足のしびれ、目のかすみ、傷が治りにくい、感染症にかかりやすい、皮膚のかゆみの9項目です。このうち日本糖尿病学会のガイドラインが典型的症状としているのは口渇・多飲・多尿・体重減少の4つです。厚生労働省の資料では、頻度が高い症状として口渇が挙げられています。
のどの渇きと多尿は1本につながっています。血糖値が160から180mg/dLまで高くなると尿に糖が出て、尿の量が増えた分だけ体の水分が失われます。体重が減るほうは別の道筋で、インスリンの働きが足りずに糖をエネルギーとして使えなくなることから起こります。ただし、血糖値がいくつ以上でこれらの症状が出るのかという明確な閾値は示されていません。
足や爪、皮膚の変化は資料では神経障害や感染症の側で説明されていて、血糖が高い状態が続いたあとに出てくる所見として扱われています。膀胱炎は、糖尿病の男性で約5%・女性で約10%にみられるとされています。
糖尿病は初期にはほとんど症状が出ず、自覚症状は高血糖がかなり進行してから出現することが多いとされています。症状が出た時点が手遅れという意味ではなく、合併症は数年から数十年の経過でゆっくり生じてくるものとして説明されています。
確かめ方は、血液検査の血糖とHbA1c、尿検査の尿糖です。血糖は採血した時点の値、HbA1cは過去1、2か月分のあらましを映します。糖尿病型を2回確認することが診断の条件とされており、同じ日の結果や症状の有無を組み合わせて判断される場合もあります。相談先はかかりつけの内科で足り、健康診断の結果票で血糖やHbA1cの欄に指摘が付いている場合はそこが受診の線になります。

池袋かめさん内科では、血液検査(HbA1c・空腹時血糖値)による糖尿病のスクリーニングを実施しております。健康診断で血糖値の異常を指摘された方や、のどの渇きや多尿などの症状に心当たりのある方は、早めの受診をおすすめいたします。健診結果で再検査を指示された方のご相談も承っており、再検査は保険診療で受けられる場合がほとんどです。
池袋・目白エリアのかかりつけ内科として、予約なしでの当日受診にも対応しております。女医も在籍しております。糖尿病の治療は食事療法と運動療法が基本となり、食事・栄養指導を重視した生活改善のサポートを行っております。高血圧や糖尿病で毎月通院される場合の費用は、診察+30日分の処方箋でおよそ1,600円が目安です。

03-3986-4466

受付時間:9:00-12:30/14:00-18:00

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